平成30年度 第2回 堺市環境影響評価審査会
更新日:2022年7月11日
日時
平成30年12月13日(木曜) 午後5時30分~午後7時30分
場所
堺市役所本庁舎 本館3階 第1会議室
出席委員
犬木 努 大阪大谷大学文学部教授
小田 和広 大阪産業大学工学部教授
柏尾 眞津子 大阪人間科学大学教授
瀬川 大資 大阪府立大学大学院教授
田中 晃代 近畿大学総合社会学部准教授
中谷 直樹 大阪府立大学大学院教授
野村 俊之 大阪府立大学大学院准教授
水谷 聡 大阪市立大学大学院准教授
吉川 正史 近畿大学法学部准教授
欠席委員
梅宮 典子 大阪市立大学大学院教授
大野 朋子 神戸大学大学院准教授
加賀 有津子 大阪大学大学院教授
中川 智皓 大阪府立大学大学院准教授
安田 龍介 大阪府立大学大学院助教
柳原 崇男 近畿大学理工学部准教授
傍聴者
0人
議題
(仮称) 堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書について(事業者説明)
配布資料
次第(PDF:63KB)
堺市環境影響評価審査会 委員名簿(PDF:102KB)
今後の審議の進め方(PDF:161KB)
(仮称) 堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書 事業者説明資料(PDF:2,386KB)
議事録
H30年度第2回 環境影響評価審査会 議事録(PDF:703KB)
辻尾環境共生課長
定刻となりましたので、ただいまより、「平成30年度 第2回 環境影響評価審査会」を開催させていただきます。
本日はお忙しいところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の司会を務めさせていただきます、環境共生課長の辻尾でございます。よろしくお願いいたします。
本日の会議の定数は15人ですが、ただいま9人の委員にご出席いただいております。堺市環境影響評価審査会規則第3条第2項の規定により、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
なお、梅宮委員、大野委員、加賀委員、中川委員、安田委員、柳原委員につきましては、ご欠席の連絡を頂戴しております。よろしくお願いいたします。
また、本日の会議は、同規則第5条第1項の規定により公開となっております。
傍聴についてですが、傍聴者はおられないことをご報告いたします。
それでは、始めに、環境局長の池田よりご挨拶を申し上げます。
池田環境局長
環境局長の池田でございます。開催にあたりまして一言、ごあいさつを申し上げます。本日は、ご多用のところ、本審査会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。
また、委員の皆様におかれましては、平素から本市の環境行政に対し、多大なご指導・ご協力を賜りまして、この場をお借りして厚くお礼を申しあげます。
さて、今回の審査案件でございますが、「(仮称)堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書」でございます。本事業は、三井不動産株式会社が美原区の国道309号線に面する土地に大型の商業施設を開発するものでございます。
本市といたしましては、本事業について適切な環境配慮がなされることを確保するため、今後、委員の皆様方のご尽力を賜りながら審査を進め、適切な市長意見を述べてまいりたいと考えてございます。
委員の皆様におかれましては、本事業において適切な環境の配慮がなされるように、それぞれ各分野の専門的・技術的な観点からの活発なご議論をお願い申しあげまして、簡単ではございますが、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
辻尾環境共生課長
ありがとうございました。
次に、お手元にお配りしております資料の確認をさせていただきます。
本日配布させていただいております資料でございますが、本日の「次第」、「堺市環境影響評価審査会 委員名簿」、「今後の審議の進め方」及び事業者から提出されております「(仮称) 堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書に関する事業者説明資料」をお配りしております。
また、委員の皆様にすでに送付しております「(仮称) 堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書」と「その資料編」及び「準備書の要約書」についても、本日、各席に備え付けております。
資料等に漏れなどございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議事進行につきましては、瀬川会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
瀬川会長
それでは、審議に入る前にまず、市長からの諮問を受けたいと思います。
事務局よろしくお願いします。
辻尾環境共生課長
それでは、環境局長、よろしくお願いします。
池田環境局長
堺市環境影響審査会 会長 瀬川大資様。堺市長 竹山修身。
(仮称) 堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書の審査について。諮問。
平成30年11月20日に三井不動産株式会社から提出のあった「(仮称) 堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書」について、堺市環境影響評価条例第26条の規定に基づき、環境の保全の見地からの専門的な事項に係る貴審査会の意見を求めます。
瀬川会長
お受けいたします。
辻尾環境共生課長
ありがとうございました。環境局長はお席にお戻りください。
それでは、引き続き瀬川会長よろしくお願いいたします。
瀬川会長
では、議題の「(仮称) 堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書について」の、事業者の説明をお願いしたいと思います。事務局よろしくお願いします。
【事業者入室】
事業者様におかれましては、堺市環境影響評価審査にご協力いただきまして、大変ありがとうございます。本日の審査会、遅い時間の設定になりまして、ご迷惑をおかけしておりますが、ぜひとも説明のほど、よろしくお願い申し上げます。
それでは、説明していただく方につきましては、自己紹介を少ししていただきましてから、お話を始めていただければと思います。よろしいですか。ではよろしくお願いいたします。
【(仮称)堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書について、事業者から説明】
概要のご説明ありがとうございました。
ただいま、事業者様から説明がありましたので、委員の方から質問させていただこうと思います。
水谷委員
私は廃棄物が専門ですので、廃棄物等に関して質問させていただきます。
まず、供用時の影響についてですが、廃棄物発生量を敷地面積から割合で計算しているということですが、どのような施設が入るかによって、当然廃棄物の発生量とか組成とかは変わってくると思います。そこを面積だけで0.7倍ぐらいにされているのですが、それが本当に妥当なのかというところをまずお聞きしたい。もう一つは、算定した廃棄物発生量から計算すると、再資源化率が約41%になるので、堺市のリサイクル目標値を上回ります、ということですが、言っていただいている堺市のリサイクル目標値である24%というのは、一般廃棄物に関するものですね。今回、準備書のデータを見せていただくと、施設の供用に伴い発生する廃棄物の種類は、一般廃棄物と産業廃棄物と専ら物に分かれていて、その中の一般廃棄物の再生利用率を計算していくと、かなり低い12~3%ぐらいになっていて、この一般廃棄物のリサイクル目標値を上回っているというのは、ちょっと違うのではないかと思うのですが、これに関してはどうでしょうか。
事業者
まず、廃棄物の発生量の算定について妥当かどうか、ということに関しましては、今回の事業計画の中でも、どんな施設が入るか、どんな店舗が入るかどうかについては、まだ確定していないという状況の中で、従量課金制度といった事業者側で実施している発生抑制の対策等を、できるだけ予測の中で踏まえようとすると、既存の店舗の面積当たりで廃棄物発生量を出すしかないと判断しております。今回の店舗につきましても、それほど大きく、全く違うコンセプトの店舗になることはないという判断で、既存店舗の面積当たりで廃棄物発生量を算定したというところでございます。
それから、一般廃棄物の目標に関して、事業系廃棄物、事業系ごみで24%というのが、堺市さんの目標値だったと思うのですが。
水谷委員
それは事業系一般廃棄物のことですよね。
事業者
はい、そうです。
水谷委員
ここでは産業廃棄物とかを含めての値として、最終的に41%という計算をされていますよね。
事業者
基本的には、リサイクル率の予測の方では、既存のこれまでの統計データ等で、実際のリサイクル率については、どうしても地元の事情というか、リサイクル業者の状況とか、そういったところで変わってくるので、いま全国の一般的なリサイクル率、各品目ごとのリサイクル率というのを設定しまして、平均的に減らすとどうなるかといったところで算定しているということでございまして、現実的には41%になるというより、それよりも大きな値になると思います。
産業廃棄物を含めたリサイクル率になっているのではないか、というご指摘につきましては、確かにおっしゃる通りで、私どもでも見直しさせていただいて良いですか。
水谷委員
文面だけ修正しても、ちょっと整合が取れなくなってしまうので、文面はそのままで良いので、確認してもらって良いですか。
事業者
分かりました。
瀬川会長
今のお話で少し確認したいのですが、前半の方の話が、少し説得力に欠けるかなと思いました。準備書の方を拝見いたしますと、「ららぽーと和泉」を参考にされているということが書かれていますが、準備書の概要の方を拝見いたしますと、6ページの施設計画の概要というところで、年間来場者想定数や営業時間が記載されております。この本計画の施設計画の概要というのは、参考にされた「ららぽーと和泉」と合致する、もしくは類似していると考えてよろしいのでしょうか。
事業者
現在、「ららぽーと和泉」は、駐車場台数が約3400台、店舗面積の方が、約16700坪程度というところです。一方で、美原区の方で計画している店舗は、駐車場台数としてだいたい3200台程度を見込んでいるというところです。店舗面積につきましても、「ららぽーと和泉」が16700坪ぐらいですが、こちらの事業の方も17000坪を目指しているという点では、類似している施設なのではないかな、と考えておりまして、来場者数につきましても、似たような来場者数をいま想定しているというところでございます。
瀬川会長
配慮計画書の時点で、どういった店舗が入るのかということは、その当時から質問にあがっておりまして、まだ計画中ということだとは思いますが、特に夜間営業について、いくつか質問がございます。その当時は最後までお答えいただけなかったのですが、そういった夜間営業の形態は、例えば「ららぽーと和泉」と同じと考えてもよろしいのでしょうか。
事業者
具体的に入る店舗につきましては、だいたい開業の1年前から2年前程度で覚書の手続きが始まるという意味では、ちょっとまだ決まってはいないですけれども、配慮計画書の時点でのご指摘もありましたので、今回の準備書では、一応夜間営業を行う店舗が入った時という想定で予測をしているという状況です。ただ、まだ現時点で決まっているということではないので、一旦は深夜も営業するという前提で予測させていただいているという状況でございます。
瀬川会長
つまり、「ららぽーと和泉」は深夜営業されているということですか。
事業者
「ららぽーと和泉」は、具体店舗名で言いますと、エンタメ施設の「ラウンドワン」がありまして、毎日ではないのですけれども、何日かは深夜2時まで営業しているところがあります。
瀬川会長
そのあたりの類似性というか、類似しているところと違っているところを、少し分かるようにしていただけるとよかったかなと思います。
水谷委員
今のお話を伺うと、むしろ来られる人の数とかがそう変わらないのであれば、廃棄物の発生量が「ららぽーと和泉」の面積当たりの大体0.7倍で良いのかな、というのは余計に疑問に感じます。ですので、もう少し今の施設では、どういう施設からどういう種類のごみがどれぐらい出ていて、敷地面積比というのは何が違っていて、どれぐらいごみが出ているのかというのを、もう少し丁寧に見ていただきたい。特に私は「堺市廃棄物減量等推進審議会」にも関わっておりまして、その中でも事業系の一般廃棄物というのは結構大きな問題ですので、少しそのあたりは丁寧に見ていただきたいな、という気がいたします。
瀬川会長
お願いいたします。
では、他の委員の方で何か質問があればお願いします。
野村委員
騒音について、ちょっと教えてください。
まず初歩的なところからですが、駐車場台数が約3200台ということですけれども、地図を見るとその台数になっていないので、大丈夫かどうかという確認をさせていただきたいのですが。
瀬川会長
どのページの地図ですか。
野村委員
6ページの図面なのですけれども、立体駐車場Aが1500台ぐらいで、Bが250台で、全て足し合わせたとしても3000台にはいかないと思うのですが。
事業者
すみません、事業概要の説明資料では載せていなかったのですが、商業棟にも駐車場があります。
準備書の方には記載があるのですが、こちらには載せていませんでした。
瀬川会長
商業棟の4階と屋上も駐車場になっているのですよね。
野村委員
そうなると、商業棟の駐車場が1000台ぐらいあるのですか。
事業者
はい、その通りです。商業棟の駐車場は併せて1375台あります。
野村委員
なるほど、分かりました。
元々現状で、騒音の基準値を超えているという状況で、商業施設ができたとしてもその寄与は少ないと試算されている、とのことでしたが、資料の7ページで、来店車両台数が、平日で約5000台、休日で約11000台と想定されているのに対し、現状は通常どれぐらいの台数が動いているのですか。
事業者
交通量ですよね。
野村委員
そうですね。元の交通量の値がないと、寄与が多い少ないと言われてもちょっと良く分からないですね。
瀬川会長
まず、駐車場の配置につきましては、準備書本編の2-21ページを見てもらえばわかりやすいでしょうか。こういう配置になっています。これを見ると、なるほど確かに南側の方がうるさいな、というのが分かりますね。
事業者
交通量につきましては、本編の6-2-17ページに自動車交通量の調査結果を掲載しております。国道309号線では、平日でだいたい4万台/日以上の交通量が、反対側の市道の黒山南北線でだいたい1万台/日の交通量があります。休日もそれほど大きく変わらなくて、むしろ若干少なくて、国道309号線は約4万台、市道のほうも9千台から1万台程度というのが、現況の交通量でございます。
野村委員
そうなりますと、約1割増えるというオーダーですね。
事業者
そうですね。資料の7ページにありますように、トータルで休日は約1万台増えますが、各方面から車で来ますので、それぞれの中で交通量の配分が変わってきます。ただ、国道309号線で一番負荷が大きくなることは間違いない、とは思っています。
野村委員
結局何パーセントぐらい増えると理解すれば良いですか。
事業者
供用時の国道309号線の交通量の増加分につきましては、4万台/日に対して15%~20%ぐらいと考えています。これは来た車が帰る分も含めますので、来るのが11533台で、309号線に発生集中するということで、想定しております。
野村委員
感覚的にはやはりそれぐらい騒音が増えると思うんですよ。でも試算を見ると、あまり変わってない。
例えば資料の21ページを見てみると、現況が70dBぐらいで、交通量が1割増えると、本当はもっと緻密に計算されているとは思うのですが、単純に考えてもある程度数字が増えるのではないかなと思うのですが。
事業者
供用時につきましては、資料の24ページに記載しておりまして、騒音に関しましては、やはり断面の形によるということと、先程の約1万台の増加分につきましては、ほとんどが小型車でございまして、騒音で一番影響が大きいのがやはり大型車であるので、単純に小型車が20%程度増えるとなっても、騒音が単純に極端に大きくなるということはないです。
野村委員
そういう試算の過程というものが、もう少し説明にあった方が良いのかなと思うのですが。数値だけ出されて、影響が無いですよ、とされるのはあまり良くないと思います。
これだけ交通量が増えると、やはりすごくうるさくなるのでは、ということを感覚的には思うのですが、そこで変わらないと言われても、あまり腑に落ちないと思うので、もうちょっと算定根拠を見せてもらうと、例えば大型車の割合がどれぐらいだから大丈夫ですよ、というような説明をしていただいた方が分かりやすいのかな、と思います。
あともう一つは、昼間は多分うるさくても多少は許容できると思うのですが、騒音については夜間が一番問題です。工事は何時までされるのですか。夜間工事の時間帯によっては、工事騒音の寄与は、やはり夜を重点的に見た方が良いと思いますので。あと、実際の供用時に、何時までオープンしているのかで騒音に対する寄与は変わる、という気もします。その視線で見ていると、全部問題ないですよ、という感じで済まされているように思えるので、そのあたりをもうちょっと分かりやすくしてもらったらよかったのかな、と思います。
事業者
ちょっと説明が不十分だったところがあるとは思うのですが、工事中に関しては、夜間の工事については、基本的にやらないという計画でございます。それから供用時につきましては、開店時間を朝5時までとしていますが、交通量の方に関しても、夜間は2時ぐらいまでの交通量を配分いたしまして、予測計算をしてはおります。
野村委員
厳しい側(夜間)に寄せて計算されていると。
事業者
そうですね。どちらかというと、昼間に集中してしまう方が厳しい側になると思うのですが、夜間も含めて全部分散させてしまうと、逆に分散されるかな、と思います。
野村委員
そこは分けていただいた方がよいと思います。
事業者
まあ、ある程度夜間の方も見込んでやっているところではございます。
野村委員
そのあたりは少し配慮いただいた方がよいとは思います。
事業者
分かりました。
瀬川会長
すみません、関連しまして、資料の23ページで、南側が北側と比べて騒音レベルが高い理由はなんでしょうか。
事業者
南側に関しましては、バックヤード、要は搬入搬出の車両が来る場所が直近にありまして、そこが近いということで、ちょっと騒音の数値がオーバーする、ということでございます。
準備書概要の7ページを見ていただければ、分かりやすいかと思います。
瀬川会長
主に要因としては、バックヤードということですか。
事業者
そうですね。もちろん、屋上等に設置される冷暖房施設とか、そういった設備から出る騒音も含めて、予測評価はしているのですが、一番寄与が大きいのは、こちらのバックヤードから出入りする車両の騒音ですね。
瀬川会長
ということは、同じ資料の23ページにある環境保全措置の3番目に「夜間、状況に応じて場内の走行経路の絞り込み」と書かれていますが、仮に利用者の駐車場利用に係ることでしたら、駐車場が3箇所ある、ゾーンに分けると更にもう少し増えると思いますが、それらの適切な運用で改善されるとは思うのですが、施設関連車両のバックヤードの利用については、これはどうしようもない、ということと考えてもよろしいのでしょうか。まあ、その対策として、遮音壁と書かれているようなのですが。
つまり、環境保全措置として「夜間の場内の走行経路の絞り込み」とありますが、実質的には有効に作用しないということになるのでしょうか。
事業者
そのあたりにつきましては、一番大きい寄与が搬入搬出車両ということであれば、その搬入搬出車両の運行の仕方等の配慮をしていく等の。
瀬川会長
できるのですか。
そのあたりを、分かりやすくといいますか、もう少し詳しく本当のところをお示しいただいた方が、こちらとしても考えやすいかな、というように思います。
事業者
先程ご質問いただいた件につきましては、トラックヤードは北と南の2箇所にございまして、北側につきましては、予測地点が奥の方にありますので、あまりトラックヤードが影響しなかった、というのがございます。例えば、夜間の搬入に関しましては、北側のトラックヤードをメインで使っていくと、いうようなことも運用面で考慮していきながら、南側の車両の集中を解消していくということを考えていきたい、と思っております。
瀬川会長
そうであれば、その部分をもう少し3番目の環境保全措置に反映していただいて、事業者としてできることとしては一番最初に持ってくるべきかな、と思います。確かに、空ぶかし等の防止の呼びかけは重要ではありますが、必ずしもそれが効果を発揮するのかというと、そうではないので、それよりも、今おっしゃっていただいたようなことの方が、効果があるように思えますので、そのようにしていただければと思います。
田中委員
資料の5ページの事業計画の経緯のところで、「美原都市拠点」に位置付けられているということで、まちづくりが期待される地区として、積極的に開発を行うということだと思うのですが、やはり景観の部分でプラスアルファのものが欲しいですね。例えば、立体駐車場についてですが、屋上緑化は積極的に実施されると思うのですが、壁面緑化であるとか、周辺の農地も含めて、そういうデザイン面での配慮というのは、今後必要になってくると思われます。そこまでまだ分からないとは思うのですけれども、デザイン的な質の問題ですとか、そういったところとかをお考えであればお聞かせいただければと思います。
併せて、屋外広告物の話ですね。やはり農地が周辺にあって、屋外広告物の照明による農作物の害とかも最近よく言われているようなので、その辺の配慮、例えば24時間の内、特に夜間の照明の度合いですとか、例えば11時ぐらいになったら照明を消すとか、そういった対策をされているのかどうか、そういったプラスアルファの取り組み内容についてお聞かせいただきたいと思います。
瀬川会長
少しよろしいですか。今のお話のうち、光害については後でお話しいただくとして、外観の話と、それから計画の大本として、街のにぎわい拠点への寄与という話があったかと思います。その3つのお話をしていただければと思います。
外観に関しては、配慮書の段階で、草木が緑の写真だけではおかしいのではないか、という指摘が委員からありまして、そちらについては資料編の方に、冬の写真も出していただいていますが、そちらも見ていただきながら、先程のご質問について説明していただければと思います。
では、にぎわい拠点の話は少しおきまして、まずは光害と外観についてお話しいただいて、その後、地域との関係についてもう少しご説明いただければと思います。
事業者
まず外観につきましては、まだ着工が先ということもありまして、設計の部分ではまだ詳細な部分の検討ができていないところがあるというのが事実ではあります。けれども、イメージしていただく上で、「ららぽーと和泉」だとか、我々のその他のららぽーとをイメージしていただければ、すごくイメージしやすいと思うのですが、それほど派手な作りはしていない、というところでございます。周囲には農地等もあるので、上手く景観に溶け込むような外観を考えておりますが、今後、景観や屋外広告物等につきましては、条例等々に沿った協議をしていきますので、その中で配慮しつつ、計画をさせていただければな、と思っております。今の段階では、他事例を参考にイメージしていただければ、という風に思っている所存でございます。
壁面緑化につきましては、他店舗で採用しているという事例もあるのですが、かなり管理面で難しいところがあるということで、今回は採用するか否かはまだ決まっていないというところでございますが、今後そのような景観等にも配慮した、圧迫感をなくすような外観にしていきたいなと思っております。
瀬川会長
あとは、光害についてもご説明をお願いします。
事業者
光害につきましては、特に立体駐車場等は光の影響があると思いますので、配慮として、遮光ルーバー等の設置を他店舗でもやっておりますので、今回も立体駐車場には、光害に対応する遮光ルーバー等を対策として打っていきたいと思っております。
瀬川会長
照明に関して、電灯の種類としてLED照明を採用する、というご説明はありませんでしたか。
事業者
LED照明に関しましては、省エネという観点で選ぶということと、生物に関しても、いわゆる光走性、光に向かって集まってくる昆虫は、波長が違うために、LEDにはあまり集まってこないという性質があることから、そういった生物の対策にもなるということで、LEDをできるだけ積極的に採用するという方針で考えているところでございます。
田中委員
地元の要望として、「健全かつ一体的な開発を進めたいという地元地権者の声」があるということが説明資料に書かれている通り、やはりここは地元にとって重要な地域だと思います。その中で、やはり景観的には一定配慮いただいて、コストの面で考えるとちょっとお金はかかるかもしれないですけど、そういう位置づけがあるという中でのデザインですし、周辺は公共施設があるということも踏まえると、やはりある程度の質を確保したデザインが必要ではないかな、と私は思っております。
瀬川会長
要約書の71ページから外観の写真が出ていて、これを拝見しますと、必ずしもよいイメージを持たない可能性もあるような、無機質な壁が立っているように見えます。例えば、73ページの写真は、中学校の門から見た写真かな、と思うのですけれども、このあたりもですね、少し「街のにぎわい」という言葉とのズレを感じる景観になっているのではないか、というご質問ではないかな、と思うのです。そういったことへの配慮として、例えば壁面緑化とかそういった考えはないでしょうか、というお話だと思うのですが。難しいとは思いますが、コメントをお願いします。
事業者
私の方で少し説明が不足していたのですが、今回フォトモンタージュを作るにあたって、デザインや緑といったものを外観に取り入れれば、もうちょっとイメージが違ってくるとは思ったのですが、まだ確定していないものを出してしまい、イメージ付けをしてしまうのはいかがなものか、というところもございましたので、今回のアセスでの予測では、あくまで建物にどれぐらいの圧迫感があるのか、それによって周辺とのイメージや調和がどう変わってくるのか、という形状的なところを主体で予測しております。実際のところは、いろいろ周辺での植栽も含めて、もう少し印象を和らげるような景観になってくると考えているところでございます。
瀬川会長
ただその結果として、委員から見て、あまりよい印象ではなかったということだ、と受け止めていただいた方がよいのかな、と思います。
あとは、残っておりましたもう1点、「にぎわい拠点」としてのこの施設の位置付けについてですが、例えば、私からいたしますと、それがすぐに分かるようなモノであったりコトであったりということが、今回ご説明いただいた中に見出せなかったのですが、いかかでしょう。
事業者
都市拠点にふさわしい施設の創出につきましては、まだ開業時期が先で、これで確定ですということは言えないのですが、まず一つありますのは、我々が計画している商業施設というのは、一つの業態の店舗からなるものではなくて、様々な店舗が入ることになります。その店舗の中には、病院やカルチャーセンターといったものもあり、そういった店舗も入っている施設は他事例でもあるので、おそらくそういうものの組み合わせによって、地域の人々がこの施設に来て、楽しんで、またコミュニティを形成できるような空間というものを作っていくことができるだろう、というところで、都市計画拠点にふさわしい地区環境の創出を考えております。
あとは、周辺施設には美原区役所や図書館といった、様々な公共施設があるので、それらと連動するような空間というのをどう作っていくのかというのは、我々も詳細を詰めていく中で、課題として認識していることでございますので、そのあたりをどのように反映し、地域のコミュニティの拠点として作りこんでいくのかということを、今後詳細を詰めていく中でも、配慮したような計画にしていきたいとは思っております。
瀬川会長
準備書本体の2-9ページの施設配置の図ですと、左上に交流のための広場を設置するということですが、一方で堺市の施設は下のあたりにあって、これは敷地の形状の関係で仕方がないのかもしれませんが、周囲の施設との関連性が必ずしも強くない配置になっていると思います。それと先程ご指摘のあった、外観の写真のイメージが合わさってしまって、先程のような「にぎわい拠点」という大目的とのずれを、我々に感じさせているのかな、というように思います。実際、我々も心配するところでございますので、事業者から何か少しよいアイデアを出していただければ、と期待しております。
事業者
少し補足させていただきますと、今回はおっしゃる通り、デザイン的には我々もまだ結構圧迫感があることは認識しております。特に、一面同じ色のグレーモデルになってしまっていますので、そのあたりはデザイン面で配慮し、建築の細かいところを設計していく中で、例えばスリットを入れる等々を行い、見え方というのは考えていこうと思っております。
また、交流のための広場が309号線の北側にある理由ですけれども、一つの大きな理由といたしましては、道路の反対側で区画整理事業が動いていますので、そちらも併せて「にぎわい拠点」を構成すると考え、その中での中心として交流広場を置いております。そのため、個別に見るとバラバラな感じはするのですが、全体をまとめてデザイン等を考えていきたいと思っております。ご意見、ありがとうございます。
瀬川会長
非常に難しいというお答えをいただきまして、残念ですがありがとうございます。
中谷委員
陸域生態系について質問させていただきます。
陸域生態系の中の水鳥に対する影響の中で、「周辺の池で許容可能な環境があるので、影響は小さい」という予測がされていますが、その根拠資料となっているのが、例えば要約書の63ページのところの、事業計画地周辺の同じようなため池群の調査結果です。年間で見ると水鳥確認状況が、事業計画地内にある新池と他のため池群でほとんど同じだったというか、新池のところで見られるカルガモやカイツブリが他の池のところでも確認できるから大丈夫ですよ、という論拠だと思われるのですが、問題は、実は冬だと思います。
冬に水鳥が来るのは、基本的に水域面積が大きいというのが条件だと思います。その中で、ヨシ帯があるため池は、実はそんなに多くはございません。その中の、2つですね、船渡池と花田池というのが、調査結果によると、冬には水抜きがされる、ということで、この調査結果でも、冬には水鳥は確認されていません。この2つの池以外で、冬には水抜きがされない状態で、水域面積がある程度確保されて、ヨシ帯があるというのが、実は事業計画地にある新池しかない、というように見えるのですが、そのあたりはどのようにお考えですか。
事業者
まず船渡池の水抜きの件ですが、毎年というか、ずっと行っているわけではないので、たまたまこの時期は長期間水抜きされていたので、どうしてもデータとして取れなかった、というところが実態でございます。実際、私どももこういった水鳥の調査結果に加えて、DCAという解析をやってみた別の解析資料も資料編のほうで載せております。その解析の結果、この新池と類似する池は、他にもあるというような結果も出たので、新池が失われたとしても、それを代替できる機能があるのではないか、と予測したところでございます。
中谷委員
DCAの結果も見せていただいたのですが、これもやはり全季節のデータで解析をおそらくされていると思いますので、問題となる冬の時期の影響は予測できないと思います。冬に代替の場所がもし無かった時に、水鳥にとって冬は非常に大事な時期ですから、この一帯で水鳥がかなり少なくなる可能性は、正直あるのではないかなというように考えています。
まあ、新池に関する話だけで代替措置を考えるのではなく、もしかしたら既に堺市と協議の上かもしれませんが、水抜きのやり方とかを考えるというのも一つの方法かなと思います。
そのあたりも含めて、新池が消失しても水鳥の生育環境に全然影響はない、という評価には、私はならないんじゃないか、と思っていますので、ご配慮いただければありがたいと思います。
瀬川会長
今ご意見をいただいて、いかがですか。
事業者
そうですね、やはりどうしても広域的な話になってきますので、ちょっと私ども事業者の中で、できる対策というのは限られてくるとは思っています。
新設池ができるということですが、実際、現況の池よりも小さくなり、あとヨシ帯もないということなので、水鳥の生息機能としては、正直落ちるとは思ってはいるのですが、休息場としては利用できるのではないかとは思っております。新池の消失につきましては、水鳥の生育環境に対し、特に影響が無いわけではないとは思いますが、周辺のため池でもそういった水抜きなどが行われており、周辺の池でも人工的な管理が行われているという中では、まだ許容範囲内、許容量というか、許容できるところがあるんじゃないかという風に、ちょっと思ってはいるんですが。
瀬川会長
今の中谷委員のコメントというのは、全て事業者様の責任で何とかしてください、ということではなく、しっかりと影響評価をしていただいて、その中で事業者様として対策を取れることと、その影響というものを示していただくことが重要ではないかということで、「影響は無い」というように結論付けるための環境影響評価はして欲しくない、ということではないかな、と思うのですが、何とかならないのでしょうか。
事業者
先程もお話したように、新設池で何かできることがないかということも、検討してみたところではございます。
瀬川会長
そちらは難しいということは、資料を拝見していて、分かっておりまして、ですから今も申し上げておりました通り、どういう影響が出るというように、まずは出していただくことをお願いしているわけです。「影響が無い」という結論がなければ、この事業を中止しなければならない、ということでは、必ずしもないですよね。
まずは、この事業に対して、我々も冷静に判断したいと考えておりますので、事実の積み重ねとしての資料をご提供いただきたい、というお願い、と受け止めていただきたい。
中谷委員
その結果を受けて、地域全体としてどうするかとか、自治体としてどうするか、という話に繋がるのではないか、と私は思っておりますので、そういう意味でも、客観的で正しい評価をしていただいた方がいいのではないかと思います。
瀬川会長
例えば、船渡池が水抜きのようなことを、他の池と同時にやってしまって、この新池もなくなるという状況だと、冬場の水鳥の生育環境に大きな影響を与えるので、これは望ましいことではない、ということを、環境影響の予測評価の中で推定した上で、事業者としては検討したけれど、新池を維持することはこの計画では難しい、そういったことを、まずは考えられる一つの予想として、お示しいただきたいという、そういうことです。
事業者
分かりました。
瀬川会長
今のことに関しましては、例えば要約書の99ページにもございますし、102ページに記載されている、配慮計画書に対する意見にもございますとおり、重ねて指摘がされていることですので、その点につきましては、もう少しご配慮いただきたいな、という気持ちも持っておりますので、付け加えさせていただきます。
犬木委員
資料の6ページの施設の全体図を拝見いたしますと、前回の現地視察の時も少し申し上げたのですけれども、ちょうど四角く、正方形になっていると思うのですが、この形状は古代の条里制の単位なんですよね。
古代の単位「町」と書いて「ちょう」と読むのですが、1町が約109mと言われていまして、この場所は3町×3町なんですよね。それで、条里制の単位というのは、6町×6町が基本単位ですので、これ4分の1が丸々あるんですよ。道路は走っていますけれど、小規模な建物がある程度で、現状丸々残っているということがなかなか貴重なことでありまして、美原区役所から見てもそれが丸々見えるというのは、そういうのが歴史的景観だと思います。
説明資料の中の文化財に係る概要では、「文化財保護法に基づいて適切に処置を講ずる」と述べられていて、それはもちろん必要なのですけれども、やはりこれはどういう場所であるかという、きちんと恒久的に残るような、例えば説明板であるとか、そういった何かで明示するということが必要だと思います。
まあ、丸々空いていたから大きな商業施設が入ることになったのだと思うのですが、実際ここで、おそらく発掘調査をすると遺跡が出てくると思うのですけれども、多分奈良時代以降の遺跡だと思います。つまり、条里制が施行された以降の遺跡が出てくることになるので、発掘調査をして終わりというわけではなくて、ここに何があったのかを写真とかも含めて残す、あるいは、現状では航空写真を出すとかの措置をして、しっかりと埋蔵文化財としての適切な保全というか、保全というより記録保存ということをしていただきたいと思います。
ただ掘って終わりということではなくて、美原のまちづくりとの関係性も述べられていましたけれども、やはり歴史的にどういう場所であったのかということを、街中でよく見かける、このビルのこの場所は元々こういう遺跡があったとかという、恒久的なパネルみたいなものを設置するといった、何かそういう工夫などをしていただければなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
事業者
まず、埋蔵文化財調査につきましては、これから試掘や発掘を行っていくのですけれども、そちらにつきましては、いま堺市の文化財課と大阪府文化財センターのお力をお借りしつつ、発掘範囲等を協議させていただいているところでございまして、まだ開業後のことについて確定的なことは言えないのですが、例えば、埋蔵文化財調査や発掘調査の際に出土してきた物であったり、また周辺には黒姫山古墳等もありますので、そういった歴史的なものであったりを展示するスペースなどを設ける等々で、例えばそのような施策に寄与するといった考え方はあるのではないかな、と我々も思っておりますので、できる限りのそのような貢献は、開業してからもしていきたいと思っております。
犬木委員
そうですね、そういう遺跡物ということであれば、「空間」という観点で実施していただければ、と思います。
柏尾委員
私はコミュニティの方の立場で委員をさせていただいているのですけれども、準備書の2-12ページのところで、行政が実施するイベントに協力したり、地産地消の促進策に協力したりしますということで、地域のコミュニティへの影響をお示しくださっているのですが、事業者様の方で、行政とは違って、市内で私たちはこういったことをしていますという情報の発信とか、或いは地域の商店街とかと連携して、コミュニティについてこういったことをしたい、という何かプラン等があれば教えていただけますでしょうか。
事業者
コミュニティに関する質問なのですけれども、まず先程も少し触れさせていただきましたが、子供たちのカルチャースクールなどを設置するとか、逆にそういった店舗とかを誘致するという、そういったところでもコミュニティ作りに寄与したいと思っております。
また、我々としても、いま段々とイーコマースが台頭してきている中で、やはり実店舗として、どのようなコミュニティ空間を作っていくのかということは、一つの大きな課題として認識しておりまして、例えば施設の中に、そのようなコミュニティが形成されるようなイベントスペースを設けるといった、そういった施設づくり、まだ詳細設計に入っていないので確定的なことは言えないのですが、まさにそういったコミュニティを形成できるような空間づくりというのを、今後も課題として認識したうえで、詳細設計に臨んでいきたいと思っております。
事業者
あと少し補足いたしますと、ハード面の話は今お話した内容で考えているのですが、実際の他店舗の例では、近くの中学校の吹奏楽の発表会などに使っていただくといった、そういう形で結構地元のイベント等はここでやるというような使い方はされておりますので、当然今回計画している店舗でも同様のことは考えていきたいと思っております。それから、お母さま方が集まって意見交換会ができるような、そういうクラブを作って集まっていただいたり、もしくはそこで自由に使ってもらったりもしておりますので、そのようなことをもう少し発展的に実施していきたいと思っております。
柏尾委員
そのようなニーズについては、何か声を集めたりとか、アンケートを取ったりとか、何かそういった市民の方の声とかは聴取されておられるんでしょうか、具体的に。
事業者
この計画につきましては、まだ開業が先ということもありまして、現段階ではこの計画についてはしてないですけれども、通常、他店舗の事例とかですと、開業から1年前から2年前ぐらいから、そういったマーケット調査だとか、あとはヒアリングやインタビューとかも進めていき、この地域でどのようなニーズがあるのか、ということを吸い取ってから、いわゆる店舗の構成とかを決めていくというフェーズに移っていくというステップアップを図っております。
柏尾委員
そういうことでしたら、できるだけ事前に計画を立ててお示しいただいた方が、更に良いのかなという印象を持ちました。
それともう1点、全く門外漢で申し訳ないのですが、景観のことで質問させていただきます。
先程の資料では37、38ページ、準備書では6-14のところでは、夏と冬、8月25日と2月7日で調査していただいて、10箇所のところで写真を撮っていただいています。その中で、例えば、お示ししていただいた資料37ページのスライドでは、計画地から100mの地点で写真を撮影していただいておりますが、そうすると私としては、同じ方向から撮影した100m地点の写真、30m地点の写真といった、事業計画地の近いところから違った距離で撮影した資料をすごく見たいと思いました。景観調査地点の選定理由は詳しく書いていただいているので、ちょうど気になる景観の地点で、640m、500m、20m、30mと異なる距離をお選びいただいたとは思うのですけれども、例えば資料37ページのところなどは、計画地から100m地点だけでなく、もう少し異なる距離でも、あらゆる方向からちょっと見てみたいな、という思いがとてもいたしました。
また、資料でお示しいただいたスライドと、準備書でお示しいただいた写真を見ますと、どうもやはり資料の写真の方が圧迫感を少なく感じまして、ちょっとした見方の違いによってかなり違う印象を受けると感じます。ですから、今回そのあたりについても、教えていただけたらと思います。
事業者
景観調査地点の選定なのですが、基本的には、色々な不特定多数の人たちが集まるような、公園であったり、或いはそういったよく人が通行する道路といったり、そういった観点で地点を選定しておりまして、先程のこの場所に関しては、北側の方に住宅地がありますので、そのあたりの住民の方から見た景観ということで、この地点は選定しているということでございます。
柏尾委員
その場合、100m地点の方向で30mから拝見するということは可能なのでしょうか。
事業者
景観調査としてはそこまで調査していなかったところはあるのですが、当然近くで撮ったものにフォトモンタージュを合成することはできると思います。ただ、そのあたりは、先程のデザインの話でもありましたが、そういったところができた時点で、お見せする方が良いのかなと思っているところでございます。
柏尾委員
私の専門は社会心理学なのですけれども、何かしらの調査結果やデータを比較する時に、これだけ距離が違って方向が違っていたら、評価することは難しいのではないかなと思います。夏と冬の違いを見るよりも、ここをちゃんとコントロールされた方が良いのではないでしょうか。景観については全く門外漢なのですが、何か測定して、一定の基準で、色々な人が評価するにはちょっとこれはどうかな、と思いました。少なくとも、1点、2点、3点ぐらいの地点を選んで、いくつかの同距離から見せていただく必要があるのではないかなと思います。もしかすると、すごく恣意的に景観の予測評価をしていると、見ている側に誤解される可能性があるのではないかと。これについては、ちょっと専門ではないので、素人考えで厳しい意見を述べさせていただきました。
瀬川会長
今のお話も、残念ながら、結果的には外観の印象が良くなかった、ということだと受け止めていただいた方が良いのかもしれません。つまり、もう少し色々な方向からの絵が見たいということは、まだ何か不安があるのではないか、何か気にすべきことがあるのではないかというように、我々が思いかけているということです。費用のこともあるとは思いますが、ぜひ外観等につきましても、積極的にご検討いただければという、お願いと取っていただければと思います。
瀬川会長
配慮計画書の段階で、複数の形態の駐車場があれば、当然、利用時の排ガスの出方が駐車場の形態によって違うのではないか、という指摘がありましたが、配慮書の段階ではそこまで予測することは難しいということで、次の段階でそういったことは考えればいいのではないか、という話で終わったかと思うのですけれども、今回の大気質の検討において、例えば駐車場による排ガスの出方の違い、もしくは利用状況による駐車場の運用を配慮したうえでの排ガスの排出といったような、計算の仕方がされているのでしょうか。
事業者
供用時の大気質の予測として、準備書の6-2-59から61ページの方に、大気汚染物質の排出源の設定について書いているのですが、配慮計画書の時も、確か立体駐車場にのぼってくるところの縦断勾配によって、排出ガスの発生量が違うのではないか、そういったご指摘があったと思いますが、今回に関しましては、走行ルートを設定しまして、縦断勾配を考慮したうえで、排出係数を設定して、点源を各走行経路に置いていくという、実際の走行に近い形で予測を設定したというところでございます。
瀬川会長
この場合の駐車場の利用状況なのですけれども、均等に利用したという形になっているのですか。
事業者
そうですね。まあ、実際は、時間帯によって色々と出入りはでるということになってしまうと思いますけれども。
瀬川会長
いや、むしろ、例えば、最初の方に話が出ていた、夜間はここの駐車場のこのゾーンは使わないとか、そういったことも実際にはあるのではないかなと。また、天候にもよるかもしれませんが、利用が少ない時間帯は、解放しないというようなことも、人員の配置のことも含めて、されているかと思うのですけれども、そういったことは予測に入っていますか。
事業者
それは入っていないですね。なので、均等に分配しています。そこはまだ決まってないところでございまして、設定のしようがないところがございましたので、基本は均等にしております。
瀬川会長
それは騒音についても同じモデルですか。
事業者
騒音についても同じようにやっております。
瀬川会長
分かりました。今のお話は、駐車場の運用については、まだ考慮していないけれども、代表値とできるような計算はしていただいたと、理解いたしました。
中谷委員
事後調査計画について、少し質問させてください。
事後調査は、基本的に、予測が大丈夫であったかとか、前後でどれぐらい変わったかとかを、評価するために行うものだと思うのですけれども、陸域生態系のところが、敷地内で新しく作ったものの評価でしかなくて、結局、今回の事業の事前事後でどうなったのかという評価が、これでは全くできないと思うのですけれども、何とかなりませんか。
事業者
最終的な事後調査計画については、この後も検討を続けて出すことになると思うのですが、私どもの考え方としては、この現状の農地中心の計画地が、商業店舗ができて、全くガラッと変わってしまうということで、環境全体としては変わってしまうことは免れず、また明らかであると考えております。
一応、事後調査の考え方としては、ミチゲーション、つまり代償措置として行っていく植栽木の状況について、把握していくことの方が重要じゃないかということで、まず基盤環境の調査として、新たな計画地の中にできる緑がきちんと維持されているかどうか、といったところを事後調査の主題として、このような設定をしたところでございます。
瀬川会長
先程の繰り返しになるかと思うのですが、中谷委員からご質問のあった、生態系全体に対する影響については、複数の指摘がございますので、ご配慮いただければと思っております。
中谷委員
環境省から公表されている事後調査の指針とかを見ていたのですが、やはり予測の不確実性が大きい場合は、事後調査を実施してくださいよ、という通達があると思います。陸域生態系に関しては、不確実性の度合いが大きいと私は思っておりますので、やはり項目に入れていただくべきではないかと思います。
瀬川会長
よろしくお願いします。
先程の地域との関連性について、少し関係するとは思うのですが、今回の事業計画でできる美原のこの施設の「美原らしい」何か目玉といったようなものは、考えられているのでしょうか。もちろん、公表できないようなことであれば、よろしいのですけれども。
事業者
今まさに、地元の議員やまちづくり会と密にコミュニケーションを取っていまして、探しているところでありますので、ちょっと今何かということは言えないのですけれども、先程の黒姫山古墳だとか、或いはここの埋蔵文化財調査で出土したものだとかを展示するだとか、あとは地元の中学校や高校と連携して、イベントを開催するだとか、そのあたりのことを中心にして、今後考えていきたいと思っております。
瀬川会長
モノとコトの両面で、他の施設と違ったところを出していっていただければありがたいと考えております。
いかがでしょう、もう他にご質問はございませんでしょうか。
それでは、出尽くしたようですので、長い時間、質問にお答えいただきまして、大変ありがとうございました。それでは、事業者の皆さん本当にありがとうございます。ご退席いただいて結構でございます。
【事業者退室】
それでは、今後の審議の進め方につきまして、事務局の方からご説明の方をよろしくお願いします。
事務局
【今後の審議の進め方について事務局の説明】
瀬川会長
はい、いま事務局から、今後の進め方につきまして、説明がございましたが、委員の皆様から何か質問等ございますでしょうか。よろしいですか。お気づきの点等ございましたら、メールでご連絡いただくようお願いしたいと思います。
それでは、本日の議題はこれで全て終了となりますが、全体を通しまして何かご意見ですとか質問等ございませんでしょうか。よろしいですか。
では、議事につきましては、以上とさせていただきまして、事務局にお返しいたします。
辻尾環境共生課長
本日は、瀬川会長を初め、委員の皆様方には大変お忙しいところ、ご審議を賜りまして、まことにありがとうございました。
それでは、これをもちまして、「平成30年度 第2回 堺市環境影響評価審査会」を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
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このページの作成担当
環境局 環境保全部 環境共生課
電話番号:072-228-7440
ファクス:072-228-7317
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