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第1回 (仮称)次期堺観光戦略策定に向けた懇話会 会議録

更新日:2025年10月28日

開催日時 令和7年6月25日(水曜)  13時30分~15時
会 場 堺市役所 地下1階 会議室(B)
出席構成員

座長 橋爪 伸也(大阪公立大学特別教授、堺市戦略アドバイザー)
   佐藤 郁子(元 株式会社JTB 総合研究所 客員研究員)
   間宮 菜々子(SAKAINOMAマネージャー)
   吉本 昌史(南海電気鉄道株式会社、堺観光コンベンション協会理事)
                             (座長以下、五十音順)

欠席構成員

辻内 宏治(株式会社シティホテルサンプラザ代表取締役、大阪府公安委員長、堺商工会議所常議員)

事務局 観光企画課長  若林 晴香 外
傍聴人数

1人

案件名 (仮称)次期堺観光戦略策定にあたっての現状と方向性について
会議資料

次第(PDF:124KB)
資料1 (仮称)次期堺観光戦略策定にあたっての方向性(PDF:573KB)
資料2 堺市の現状(データ集)(PDF:497KB)


開会

事務局

第1回(仮称)次期堺観光戦略策定に向けた懇話会を開催する。会議については、すべて会議録を作成し、非公開部分を除き、後日、堺市ホームページで公開する。

構成員紹介

佐藤構成員、橋爪構成員、間宮構成員、吉本構成員の順で紹介した。

座長の選出

構成員の互選により、橋爪構成員を座長に選出した。

座長代理の指名

懇話会の座長代理は、要綱第4条第3項の規定により座長があらかじめ指名することとなっているため、座長が佐藤構成員を座長代理に指名した。

(議事の進行役が座長に移る)

座長

まず、事務局から資料の説明をお願いする。

事務局

資料に沿って説明した。

意見交換

座長

これより意見交換を行う。佐藤構成員から順番に意見をお願いする。

佐藤構成員

まず、堺市のまちづくりをするにあたり、大きく三つの観点があると考えている。一つ目は、いわゆる観光客や宿泊者を増やしたいといったような観光振興(マーケティング、ターゲティングが必要)。二つ目は、市民にとって観光の価値というものはどういうことなのかということを周知し、観光客がきて経済を潤すだけではなく、例えば文化や伝統産業のブランディング、シビックプライドや生活への影響について考えていただくこと。三つ目は、堺への還元や域内調達率を踏まえた経済効果。例えば堺市の宿泊客を増やそうとした場合、外資系のホテルを誘致したとして、果たしてどの程度が堺へ還元されるのか。
次期の戦略を考えるうえで提案したいことが4つある。1つ目は、これまでは単に観光客を増やして消費拡大するという政策が多かったが、やはりそれだけではなく、そのうち域内で調達がどれだけできているのかということを考えておくことが大事。単に宿泊施設を増やして宿泊者数を増やすというのではなく、堺にふさわしい消費拡大を考えたい。
2つ目は、団塊世代が75歳を超え、旅行市場から退出。20代が主役になりつつある。今までの歴史スポットを紹介するという学びの場だけじゃなく、音楽とかスポーツ、推し活、趣味など、若い人も興味を持つような観光を推進する必要がある。
3つ目はインバウンド。堺のインバウンド戦略を考えた時に、いちばんホットなのは刃物。京都や大阪市とは異なり、日帰りでも、刃物の工房を見たり、自分で作ったり、じっくり説明を聞いたり、また高額な買い物も多い。大阪でのコンベンションや大阪港クルーズ、エクスカーションなど大阪観光局と連携して取り組む必要がある。
4つ目は、今までの観光事業者だけではなく、幅広く産業界の方や地域住民を取り込んでいかないと実現できない。その人たちが納得し、一緒に考えてもらえるようなデータ収集や分析をしっかり行う。KPIの設定や役割分担も重要。

間宮構成員

2016年から古民家を改装してホテルとカフェを営んでいる。コロナ前もインバウンドは多かったが、海外向けに情報発信しているというわけではないのに、ここ2~3年でさらに増えている。大阪に来て日本らしいところに泊まりたい、堺らしさを体験したいという方が多く来られる。インバウンドは、堺打刃物を買うために堺に来たという方がたくさんおられ、特にフランス人、イタリア人、ドイツ人の方は皆さん堺打刃物を買うと言っている。伝統産業はもっとPRしていきたい。一方で、作るところを見たい、体験したいという観光客も多いが、職人は刃物の生産に忙しく観光客を受け入れられるほどの余裕がない。作り手を増やしていかないといけないと思うが、一人前になるまでに相当な期間を要し、苦労されている。職人へのサポートも考えていただきたい。

吉本構成員

まずは堺の認知度をあげたい。仁徳天皇陵古墳は多くの方が知っていると思うが、もう一歩踏み込んでストーリーとともに発信しないと印象に残らず、訪れる動機に繋がらない。何か工夫が必要だと考える。
インバウンドを意識すると、中長期的にはラグジュアリーホテルを誘致することが、都市格を上げて海外の富裕層を呼ぶための手段の一つではないか。
また、認知度を上げる手法として、何かのロケ地として誘致するというのも一つ。アニメ等であれば固定ファンもおり、話題性が生まれる。ロケで気球などを取り上げてもらえば、いろんな方に来訪していただける。
海外プロモーションを行う際には、関西国際空港から近いという立地を活かし、関空からの直行便はどこへ出ているのかを調べて地域を絞り、重点的にプロモーションを展開していくべきではないか。

座長

国の方針では、2030年の訪日外国人旅行者数の目標を6,000万人としているが、これはフランス、スペインに次ぐ世界第3位にあたり、コロナ禍前のおおよそ2倍となる。たとえば京都では、京都市のインバウンドは現在1,000万人、ロンドンは2,000万人であり、インバウンドが倍になるということは、これまで以上に国際観光都市となるイメージであると議論している。日本は島国のため航空機で入国することになる。関西国際空港の発着便が倍になる可能性があり、堺にとってもビジネスチャンスである。
認知度に関して、現時点で海外で堺の認知度が低いのは理解できるが、一般的に有名な都市を目指すではなく、特定の地域や分野で有名になることが重要。地域については、関空からの直行便が発着する地域にターゲットを絞るなど、マーケティングが必要。分野についても、例えば世界自転車都市ベスト5など、自らグルーピングしてブランディングしていくべき。
戦略策定にあたっては、市民、観光産業、従事者など観光に関わる皆がウィンウィンであり、これから堺の観光が良くなっていくと思える計画を作る。観光戦略にどの程度のことを落とし込むかは検討する必要があるが、観光まちづくりという面的な取組の方針も必要。

佐藤構成員

国際観光を考えるときに、大阪市のオーバーツーリズムの受け皿になるというのはスタンスが違う。大阪市が溢れるから堺に行くのではなく、堺らしい体験がしたいといった目的が先にあるべき。
行政が優先順位をつけるのは難しいことであるが、観光分野においては絶対にすべきこと。覚悟も必要なことであるが、方向性として記載すべき事項。また、庁内関連部局とも情報や進捗を共有して連携を図りながら、戦略の策定を進めてほしい。

間宮構成員

宿に来るインバウンドから食事処を聞かれることがよくあるが、おすすめしたいと思う堺らしいお店は、定休日が多いことや英語対応ができないといった理由で断られることがある。施設でも英語表記がなく、QRコードを読み取って解説ページに遷移できるようになっているが、QRコードは外国人に浸透していない場合もある。ガイドも、英語が話せず専門的な解説ができないこともあり、そういった根本的な受入環境から見直していかないといけない。

座長

インバウンドを受け入れて堺で消費してもらうためには、地元事業者や市民のマインドも必要となる。

吉本構成員

堺には様々な歴史文化が、かえってぼやける場合もある。自転車なども絡めながら上手く繋ぎ合わせてストーリーとして伝えていくとより魅力が伝わり、周遊に繋がるのではないか。

座長

MICE関係のデータや資料はあるか。ないなら、データの収集や検討を行い、今後の考え方などを盛り込んでいきたい。
堺で日本一が決まる大会などはないないか。わざわざ堺に来るという動機づけが必要で、ゆるい認知度ではなく、特定の分野において内外で有名になるということが大事。仁徳天皇陵古墳は、世界遺産登録により知名度は上がったと思うが、動機付けには至っていない状態。
また、堺にはここでしか食べられないものがない。名物や名産などは、意図的に自ら創るべき。

佐藤構成員

食の堺らしい価値創出という観点では、堺打刃物は料理人が選ぶ刃物ということで有名なので、例えば堺のかき氷は刃物がいいからあんなにふんわりしているとか、刃物がいいからアナゴが有名とか、そういった伝統産業が生んだ価値の高い食という切り口からブランディングができれば堺へ行く理由になる。

事務局

外資系ラグジュアリーホテル等は雇用という意味では大事かもしれないが、域内調達率は低い。例えば、部屋数は少なくても、地元事業者等による日本らしい宿泊ができる場所の方が域内への還元ができる。域内調達率というのは戦略を策定するうえで意識するべきという理解でよいか。

佐藤構成員

意識すべきだと考える。外資系ラグジュアリーホテルを誘致して都市格を上げるというのも良いことであるが、誘致に何年かかるのか。また、地域が賑わい需要が生まれれば、ホテル側から勝手に投資してくれると思う。まずは域内に自前のものがどれだけ準備できるのかが大事。

事務局

この10月上旬に気球の運行開始を予定している。まずは気球で勝負したい。気球にはアトラクション感覚で乗りに来る方もいると思うが、そこをきっかけに古墳の価値魅力を感じてもらいたい。また、そこから他の堺の魅力も知ってもらいたい。

佐藤構成員

京都でも、地元のお店というのは近隣住民が利用して経営の下支えをし、そこに観光客が来ることで潤っている。堺にももっと地域内で「今日は良いもの食べに行こう」ということに応えられるお店があってもいい。それが話題になって、観光客に魅力が伝わり、良いランチを食べてくれるなどの消費に繋がる。それの積み上げが必要。変動が激しい観光客やインバウンドに特化した事業だと事業者の経営リスクが高いので、まずは地域から支えられる地元事業者を盛り立てることが大事。

座長

他に意見がないようなので、意見交換を終了する。
本日の議事は全て終了した。

(議事の進行が事務局へ移る)

閉会

事務局

本日の意見交換を踏まえ、次回に向けて骨子案を作成する。
以上で、第1回(仮称)次期堺観光戦略策定に向けた懇話会を閉会する。

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文化観光局 観光部 観光企画課

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ファクス:072-228-7342

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所本館2階

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