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令和元年度第1回堺市博物館協議会 会議録

更新日:2020年2月6日

日時

令和元年10月23日(水曜) 午後2時30分から4時

場所

堺市博物館 地階ホール

出席者

協議会委員

 中村浩会長、岩間香副会長、足立久美子委員、伊藤廣之委員、谷晃委員、土橋ひとみ委員、森範子委員、山中浩之委員、吉川真一委員(欠席:菅原真弓委員)

事務局職員

 須藤館長、志摩副館長、増田課長ほか

会議録

委員・事務局の紹介、館長・会長・副会長あいさつ

司会

 ただ今より、令和元年度第1回堺市博物館協議会を開催いたします。本日の出席者は委員10人中9人です。過半数の出席をいただいておりますので、堺市博物館協議会規則第4条第1項により、協議会が成立しておりますことをご報告いたします。改選後初めての協議会でございますので、堺市博物館館長、須藤健一より委嘱書および辞令状をお渡しさせていただきます。

須藤館長

 委嘱書 足立久美子様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 委嘱書 伊藤廣之様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 委嘱書 岩間香様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 委嘱書 谷晃様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 委嘱書 土橋ひとみ様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 委嘱書 中村浩様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 委嘱書 森範子様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 委嘱書 山中浩之様、堺市博物館協議会委員を委嘱する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。
 辞令書、向丘小学校校長吉川真一様、学校長の職務ある期間、堺市博物館協議会委員に任命する。但し、令和3年6月30日までの期間とする。令和元年7月1日、堺市教育委員会。よろしくお願い致します。ありがとうございました。

司会

 それでは館長の須藤より一言ご挨拶を申し上げます。

須藤館長

 こんにちは、堺市博物館長須藤でございます。本日ここに令和元年度、第一回の堺市博物館協議会を開催させて頂きます。開催に当たり、委員の先生方に置かれましては大変、お忙しい中、ご出席を賜りまして心からお礼を申し上げます。お陰様で、ただいま9人の先生方に委嘱書および辞令書をお渡しすることができまして、本当に喜んでおります。よろしくお願い致します。本協議会は、堺市博物館の活動と利用展開の一層の活性化に向けて本館が抱える課題や活動方針等について各界の分野の第一線でご活躍なさっておられる委員の先生方から多角的且つ専門的なご意見を賜ることを目的としております。昨年の協議会では、博物館の広報と特別展示について、委員の先生から非常に建設的なご意見を頂きまして、その幾つかを実践することができましたし、今実現に向けて計画しております。
 さて、皆さまご承知のように7月に百舌鳥古市古墳群が世界遺産に登録されました。本館にも大きな影響が及んでおります。その1つは、入館者の激増、昨年の夏シーズンの3倍の入館者を迎えています。2つ目は、今月から国内外の入館者のために中・英・韓・日の4か国語の音声ガイドを導入しております。3つ目は、市長の交替に伴いましてガイダンスの新築が中止され、既存の建物を改修してガイダンスに充てることになりました。そのため、本館がガイダンスの機能の一部を担うようにと要請されております。以上3点がこの登録以降の大きな変化でございます。
 本日の協議会におきましては、昨年9月の「堺茶の湯まちづくり条例」の制定に伴いまして、本館が所有する茶室の活用について皆様からご意見を賜りたいと考えております。後ほど、皆様を茶室「伸庵」の方にご案内致しますので具体的な茶室の利用法について皆様からのアイデアをお教え願えればと思っております。本日の協議会は短時間ではありますが、本館の活動と運営などについて忌憚のないご意見やご批判をお聞かせください。先生方から頂きますご意見を今後の本館の企画運営に活かして参りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。本日はありがとうございます。

司会

 ここで、各委員のご紹介をさせていただこうと思います。足立委員でございます。

足立委員

 足立でございます。どうぞよろしくお願い致します。

司会

 伊藤委員でございます。

伊藤委員

 伊藤でございます。よろしくお願いします。

司会

 岩間委員でございます。

岩間委員

 岩間です。よろしくお願い致します。

司会

 谷委員でございます。

谷委員

 谷です。よろしくお願いします。

司会

 中村委員でございます。

中村委員

 中村です。よろしくお願いします。

司会

 森委員でございます。

森委員

 森でございます。よろしくお願い致します。

司会

 山中委員でございます。

山中委員

 山中と申します。よろしくお願い致します。

司会

 吉川委員でございます。

吉川委員

 吉川です。よろしくお願いします。

司会

 また、この度、今西委員がご勇退されまして新たに土橋委員にご就任いただきました。土橋委員から一言お願い致します。

土橋委員

 この度委員に就任いたしました土橋でございます。現在、大阪市立総合生涯学習センターというところで働いております。生涯学習センターは、こちらの博物館施設と同じように社会教育施設ということで同じような事業もやっている館でございますので、また色々と勉強させて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

司会

 どうもありがとうございました。続きまして事務局職員の紹介をさせていただきます。館長の須藤でございます。

須藤館長

 須藤でございます。よろしくお願い致します。

司会

 副館長の志摩でございます。

志摩副館長

 志摩でございます。昨年に引き続きよろしくお願い致します。

司会

 学芸課長の増田でございます。

増田課長

 増田でございます。どうぞよろしくお願い致します。

司会

 参事の田中でございます。

田中参事

 田中でございます。よろしくお願い致します。

司会

 みはら歴史博物館長の赤澤でございます。

赤澤みはら歴史博物館長

 赤澤です。よろしくお願い致します。

司会

 他に博物館職員も同席させていただいております。よろしくお願い致します。
 それでは議事に入ります。改選後、初めての協議会でございますので、博物館協議会規則第2条の規定に基づき、会長、副会長の互選を実施させていただきます。委員の先生方で互選の方をお願いしたいのですけれどもご意見を頂戴できますでしょうか。

山中委員

 じゃあ、私の方から。前副会長を務めておられました中村委員に会長をお願いするというのが自然な流れかと思いますし、副会長には、こちらの博物館開館当初に学芸員でもあられた、岩間先生を副会長に推薦したいと考えますが、よろしいでしょうか。

司会

 山中委員より会長に中村委員を、副会長に岩間委員をご推薦頂きましたがいかがでしょうか。

全委員

 異議なし

司会

 それでは、互選の結果、会長には中村委員、副会長には岩間委員が選任されました。ここで、席の方を交替させて頂きます。

司会

 それではここで、会長に就任されました中村委員より一言ご挨拶を頂戴いたします。

中村会長

 失礼いたします。前回の今西会長の後を受けて、私が会長ということですが、今西会長のようにうまく議事ができるか非常に心もとない次第ではございますが、皆様方のご協力を得て無事にこの大役を務めさせていただくように致したいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

司会

 ありがとうございました。続きまして、岩間副会長から一言お願いいたします。

岩間副会長

 「昔、学芸員をしていたから」という風にご推薦を頂いたのですけれども、もう30年以上、40年近い前ということで本当に一からこちらの博物館に色んなことを教えて頂きました。その頃まだはげ山だった公園が非常に緑豊かな公園になっているという、この月日の流れと考えております。会長、それから皆様に色々助けて頂いてなるべく、この館にご恩返しできるように、務めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。

司会

 どうもありがとうございました。それでは、ここから中村会長に議事進行をお願いいたします。

議事1 報告

中村会長

 それでは、早速ですが議事に入らせて頂きます。まず4件のご報告事項がございます。事務局の方から、よろしくお願い致します。

増田課長

 失礼いたします。この4月から学芸課長を務めさせて頂いております、増田と申します。どうぞよろしくお願い致します。それでは失礼ですが、着座にて説明させて頂きます。まずは、平成30年度博物館事業報告と令和元年度の組織体制および事業について、ご説明させて頂きます。
 まず、本年度の組織体制についてご説明いたします。資料3番をご覧下さい。ご覧のように館長・副館長以下、学芸課29人、みはら歴史博物館7人で構成しております。
昨年度から変更がありました点としましては、昨年度末で学芸員2人が定年退職致しました。それに伴い新しく2人の学芸員が採用されております。なお、退職したうち1人は推進係に、もう1人はみはら歴史博物館で再任用として引き続き在籍しております。
 続きまして平成30年度の事業についてご説明をいたします。資料は4番から8番に渡っております。まず、展示事業に関しましては、資料の7番をご覧ください。昨年度の協議会の際にご覧いただいた方もいらっしゃると思いますけれども、平成30年度の特別展は『土佐光吉-戦国の世に生きたやまと絵師-』を開催しました。27日間の会期で10,731人の観覧を得ることができております。
 続きまして、普及広報事業です。普及広報事業に関しましては、8番の資料をご覧ください。そちらの上の方にございますように平成30年度は臨時事業も含めまして合計17回の体験学習会を開催致しております。その結果、合計2,230人の方にお越しいただいておりまして、好評を得ております。
 続きまして、資料収集保存事業ですけれども、そちらの方は予算関係等が4番の方にございます。資料収集保存事業では、資料購入を2件行なっております。土佐光起筆の「柿本人麻呂図」と、そして「源氏物語図色紙「藤裏葉」」というのを購入させて頂いております。「藤裏葉」は、昨年度の『土佐光吉』展で展示をさせて頂いております。
 あと大きな事業と致しましては、開館以来稼働しておりましたエレベーター2基、こちらのホールを出まして右手にございます人用の地下1階と1階を結ぶエレベーター、それから事務棟の方にございます貨物用のエレベーター、その2基を更新させて頂いております。
 また、展示場では古代コーナーと中世のコーナーをリニューアルさせて頂いております。
 あと、大きな事業としましては昨年9月の台風21号により博物館も色々と被害を受けて修理を行なっております。博物館の屋根部分ですとか、茶室を囲っておりますフェンス、敷地内の倒木等がございましてその撤去など進めて、大変な作業となりました。
 今年度事業に関しましては、次回の協議会で詳しくご説明できるかと思いますけれども、今年度の特別展に関しては終了しておりますので、ご紹介をいたします。資料は12番になります。特別展『百舌鳥古墳群-巨大墓の時代-』というものを開催させて頂いきました。こちらの方は、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録に向けて企画したものですけれども、図らずも登録された日が開催初日7月6日になりました。7月6日から9月23日に開催し、40,821人もの観覧者を得ることができました。
 来年度の特別展につきましても少し触れさせていただきます。資料の14番になります。令和2年度の特別展の開催の要綱としまして、現在の企画を出させて頂いております。タイトルは『特別展 海を越えたつながり-百舌鳥古墳群と東アジア-』としております。会期は10月上旬から12月末で考えております。百舌鳥古墳群が築造された時代を東アジアとの交流を通して紹介する特別展となっております。ただ借用の中心は韓国からということを考えておりまして、調査の方はさせて頂いたのですけれども、ご存じのとおり昨今の情勢がございまして色々と困難なことがありまして、まずは確定致しました特別展の内容は、次回の協議会でお知らせできるかと思います。よろしくお願い致します。
 続きまして、報告の2番、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録後の博物館の動向について、ということで触れさせて頂きます。先ほど、館長からも紹介がございましたように百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録後の博物館ですね、こちらはかなり沢山の入館者を頂いております。本年度は4月から増加する傾向がございましたけれども、5月14日のイコモスによる世界遺産登録以降は前年比で約2倍の数字となっております。そして、7月6日の世界遺産登録以降の7月・8月は3倍以上の来館者をお迎え致しました。7月から9月にかけましては94,191人をお迎えしております。本年度4月から9月末までの入館者数は156,825人となっております。こちらの方の数字が資料の6番にございます。資料の6番の一番下にあります通り、9月末現在で156,825人となっております。平成30年度1年間が158,147人でしたので、まあ、上半期で昨年度一年間の入館者数に匹敵する数となりました。また、団体でお越しのお客様も増えておりまして、7月以降は約4倍の数になっております。10月以降も特に団体のお申し込みをたくさんい頂いておりますので、これから、秋のシーズンにかけまして団体のお客様等含めまして沢山のお客様に来て頂けるのではないかと考えております。
 続きまして、常設展展示多言語音声ガイドの導入についてご説明させて頂きます。資料は9番、10番になります。今まで当館では外国語表記の解説がほとんどないという状況の中、世界遺産登録後、海外からお越しになる方も増えるという状況に対応するため、また、それだけではなく以前から日本人の方々からも、音声による解説が欲しいという要望がありました。そういったことに対応するため、こちらの音声ガイドを導入致しました。10月1日から実施を致しております。現在、ガイドポイント28箇所になっております、そのあたりは資料の10番の方にございますけれども、そちらの方28カ所の使用についてご説明いたします。日本語・英語・中国語・韓国語の4ヶ国語で対応しております。10月1日より実施しておりまして、現在まで94人の方にご利用頂いております。内訳としましては、日本語が71ですが、英語14、中国語6、韓国語3、となっております。またこの協議会終わりました後、お試しを頂ければと思います。どうぞよろしくお願い致します。
 続きまして報告の4番、みはら歴史博物館の指定管理者制度についてご説明をさせて頂きます。みはら歴史博物館では、賑わいをつくり効率的で柔軟なサービスを提供して館の活性化をはかるため指定管理者制度を導入することになりました。その導入に関しましては、これまでの検討・準備行為等を経まして本年7月に内容の公表・受付・審査を行い、先日10月15日に行われました選定委員会により指定管理者が選定されました。次回11月の議会の承認を受けまして、来年度4月より令和7年3月31日までの5年間の予定で、指定管理者の元、運営されることになりました。よろしくお願いを致します。それでは説明について、これで終わらせて頂きます。

中村会長

 はい、ありがとうございました。報告多岐にわたっておりますが、それぞれについて委員のご意見、コメントを頂きたいと思います。まず、足立委員から、何かございましたら。

足立委員

 世界遺産に登録されてかなり伸びたということなのですけど、来館者の方、外国の方々の何か意見とか、そういうのは聞かれたりしているのですか。反応といいますか、例えば具体的に何かありましたでしょうか。楽しまれ方とかそういうことで何か「あー」と気づかれたこともしあったら。

増田課長

 直接お聞きするという機会があまり無かったのですが、ご存じのようにうちで堺観光コンベンション協会が運営しているVRというのがございまして、そちらの方では英語などで対応しております。そちらの方は、楽しんでいただいているという様子を、結構お聞きはしております。直接外国の方から生でちょっと色んなお話を聞くということがなかなかできないもので、今のところはあまりお聞きできておりません。

中村会長

 伊藤委員。

伊藤委員

 そうですね。入館者が非常に増えているということに関連して、ちょっとお聞きしたいなと思っていましたのが、受付とか発券業務ですがあの辺りは、入館者増ということで、増員とか、多言語化対応のような取り組みはされているのかどうかをお聞きしたい。
 もう一つは、音声ガイドの利用率ですね、その辺りについても、ちょっとお聞きしたいなと思っております。

増田課長

 やはり非常にお客さんの数が増えまして、なかなか受付の方も大変な状況なんですけれども、特にVRというのがありまして、そちらの方は受付が違うということもございまして、受付が非常に混乱しております。ただその中で受付も頑張っていただきまして、今のところ大きなトラブルはありません。まあ小さな混乱というものはございますけれども、ただ、今のところはそれに対しての増強というそういった面は今のところ対応はできておりませんが、来年度以降ですね、何とかもう少し増強して対応したいなという風には考えております。
 音声ガイドに関しましても、先ほど申しましたようなまだそんなに多くない状況でありまして、利用率ということでは非常に少ないということにはなっています。やはりお使いになられるというのは個人でお越しになった方々ということになります。利用率ということになりますと中々伸びていない。ただ、今この音声ガイドを導入するにあたりまして、色々な調査をさせて頂いた中で、利用率とかも調べさせて頂いたのですが、他の館ともそんなにすごく大きいものではないという感じはしておりまして、今後はもう少し増え、周知し続ければと増えるかなと思っております。また今は常設展のみですけれども、また、企画展、特別展なんかも考えていきたいなと思っております。以上でございます。

中村会長

 谷委員。

谷委員

 みはら歴史博物館が指定管理になるということなのですが、組織図見ていますと、館も組織の中に含まれているんですが、指定管理にするのは管理運営だけで人員はそのままということなんでしょうか。

赤澤みはら歴史博物館長

 みはら歴史博物館館長の赤澤でございます。来年4月から指定管理に移行した場合、みはら歴史博物館の、組織7人というのは全部引き上げるという形になります。職員自体は、異動なり吸収なりといった形で組織としてはみはら歴史博物館という課組織は無くなります。ただし、みはら歴史博物館は博物館機能が充実してございますので、その部分の学芸機能というのは、本館であります堺市博物館の中の学芸員が担っていただく形になると思います。事務と言いますか庶務といいますか、そういう部分は全て指定管理者の方で、いわゆる管理運営でございますね、ホールの運営でありますとか、観覧料の徴収などは、すべて指定管理者の業務になるということでございます。以上でございます。

中村会長

 土橋委員。

土橋委員

 音声ガイドのお話聞かせて頂いたのですけれども、例えば館のご案内ですね、パンフレットであるとか、それから館内の様々な表示ですね、あの、展示の表示だけじゃなくって、例えばトイレの場所であるとか受付とか、そういうのも多言語化というのを検討なさっていらっしゃるのでしょうか。

増田課長

 パンフレット等はですね、簡単な英語のものは以前より作成させて頂いております。館内の解説、章立て等、ある程度リニューアルしましたところに関しましては、大きな部分で、外国語表記、特に英語表記中心でさせて頂いておりますけれども、まだまだ不十分な状況であるというのは確かであります。館内の案内に関しましても、ようやく最近英語の表記で入れさせて頂いたりだとかはしております。ただ、全般的に先ほど申しましたように、堺市博物館としては少し遅れていたのかなというのは否めないのかなと思います。今後も、そういった多言語関係であるとか、そういった部分で対応していけたらという風には考えてございます。以上です。

中村会長

 森委員。

森委員

 海外からのお客様の対応ということで、私は今年3月と5月にメトロポリタンミュージアムに所用で行くことがあったのですが、入館するときに「どこの国?」と聞かれまして、向こうがコンピュータに打ち込んでいくんですね。レジでそのチケットが出てくるのですが、おそらくどこの国からどんな人達がどのくらい来ているのかを分析したものを蓄積して、何かに役立てているんだろうと思います。人がその沢山堺市博物館に入り始めた状態だと思うので、そういう蓄積は重要かなと思っています。また、パンフレットのことですけど、特別展は別として、従来のそのポジション、色んな所に何があるというのは、何か国語かは簡単でいいと思いますので置いておかれた方がいいかなと思います。オーディオガイド、昔からあるんですかね、利晶の杜にはオーディオガイドがありますよね。それで、何語かで出てくるというようになっていたと思うのですが、あんな感じなんですかね。同じような感じですか。

増田課長

 こちらの方は4か国語でそれぞれの展示用の資料に番号がございまして、その番号を押すとそれに対する音声が出てくる。ヘッドフォンで聞いて頂ける、そういう内容になっております。

森委員

 おそらく、人の出入りが今まで以上に活発化、観光ルートにおそらくのってくると思うので、そう考えると沢山の方がご来館される前に何か考えておかないと。人は来るが何も手立てが考えられていなかったというのでは、まあ大きい街の堺としては期待あるだけにクレームがつきかねないので、その辺の準備はされた方がいいかなと思います。

中村会長

 山中委員。

山中委員

 あえて聞くのですけど、ガイダンス施設が無くなるというお話でしたね。何かいきなり市長の一声で、そうなった印象があるのですが、それがどうしてなのかよく分からないということと、そしてその分がこの博物館でその後どれだけなのか分かりませんけども、担われるというお話でしたですよね。で、そういう中でこの予算はあの前年度末にたてられているので、何とも言えないかもしれませんが、全く増えていませんし、むしろ減額になっていますね。そして、収集費とか魅力向上事業とか随分減っていまして、だからそのガイダンス施設が無くなって博物館がその機能をかなり担うということであれば、これで大丈夫なんかなという思いがしきりにするんですね。この予算額を立てられたのは、世界遺産登録をたぶん見越して立てられたはずなのですよね。にも関わらずこういう形になるというのは、とても残念だなぁという感じがどうしてもするということですね。それと合わせて、ガイダンス施設が中止ということであれば、本館自体のやっぱり増改築ということを何らかの形で、まだ具体的には無理でしょうけれども、見通しをやっぱり示して頂く必要があるのではないかなという思いが強くしました。

志摩副館長

 今のことに関して少しご説明させて頂きます。まずガイダンス施設についてですけれども、ご承知のように市長が代わりまして、当初は大阪女子大跡地にガイダンス施設を建てる予定にしていたのですが、単独のガイダンス施設は二十数億かかりますし非常に勿体ないのではないかということで、既存の施設の中でガイダンス機能を担っていこうという方向性を出されました。その中で既存の施設、一つは仁徳天皇陵古墳の前にあります「Cafe IROHA」という喫茶店ですね。あそこはこの3月で貸付期限が切れますので、そこをガイダンス施設として使ったらどうか、そして一番ガイダンスとして機能すれば良いと思われるのは博物館でありまして、本来は堺市博物館というのは堺市の通史をご案内していますけれども、その中に百舌鳥古墳群の紹介ガイダンスを盛り込んでいったらどうかということで、今、市役所内で委員会を作って検討しているところです。で、もう一件、山中委員さんご心配の予算の件ですけれども、こちら、ご承知のように予算というのは年度頭に立てますので、前年度にたてますので、このガイダンスの変更については全く予算に反映されていません。12月の補正予算で計上することになります。さらに来年度予算の中で、博物館の改修経費についても計上していくようにしております。それと、市長は博物館だけではなしに、大仙公園エリア全体のリニューアル、見直しの方を考えておられまして、今副市長を中心にプロジェクトチームを作りまして、大仙公園内にある施設、例えば図書館でありますとか、博物館でありますとか、またその観光案内所、観光機能といったものを全体的にどういう形に整備していくかというところで検討しているところです。この検討結果につきましては恐らく、次回、2月開催を予定させて頂いておりますこの協議会の中でご報告できるのではないかなと思っていますので、そのとき改めてご紹介をさせて頂きます。

中村会長

 世界遺産について触れることはやめておこうと思っていたのですが、実は以前私がプロポーザルで建築と計画と両方関与しておりましたので、ここの世界文化遺産推進室の方から、何度か縮小されましたという連絡を受けておりました。で、最後に連絡なしで、無くなりましたと。元々ガイダンス施設というのは、観光施設、観光資源としての世界遺産のアピールの場所なのですね。博物館は観光資源としてじゃなくて文化財資源としてのアピールの場所なのです。だから本来機能が違うのですよね。で、観光客はどうしようもなかったら博物館に来るかもしれませんけどそれはごく一部で、ほとんどあそこでUターンして帰ってくと思うんですよね。世界遺産というのは、あちこちで登録されていますけれども、登録されている場所ごとにガイダンス施設っていうのは作られているわけです。ミャンマーにしてもそうですし、カンボジアにしてもそうですし。ところが日本は作るのに、最初は打ち上げておいて、出来上がってみたら、くだらんもんやということになるとやっぱり日本の文化度が、低くみられるんではないかと思いますね。だからやっぱり観光資源としての文化財、文化遺産を活かすとすればガイダンス施設っていうのは充実させていかなければいけないのではないかと思います。余計なことを言いました。吉川委員どうぞ。

吉川委員

 学校現場から言うことはないですけれども、体験学習の参加人数とかが、昨年度の様子を見せて頂くと随分定員よりもオーバーしている日が多くて。昨年の働きかけですね。世界遺産のことも含めての働きかけが進んでいったことの表れではないかと。子どもたちは世界文化遺産になったということは知っておりますし、堺の子どもたちにとっては誇れるものができたかなあという風にも思います。そういうことですので、より親しみやすいような博物館を模索されていくということですので、もちろん外国の方を含めて、大阪の外国の観光客が昨年また増えているっていう話が先日テレビでもやっておりましたので、どんどん色々な外国の方々、色々な人たちに対応できるように進めて頂けたらと思います。あと一点、先日、私が個人的に行った博物館で、展示の横にQRコードが貼ってありまして、そこの展示物を所蔵しているところのホームページにリンクするんですね。それで説明とか非常に詳しく分かって良いかと、また、それが結果自分のスマホに画像として残りますので、結構来られた方々が喜んでされていたようなことがありまして。これも新しい形なんかなあと思います。今やスマホというのは誰もが持っていて、誰もがその情報にすぐに触れられる状況になっているということを考えると、ホームページ機能など上手に使ってですね、お金のかかり方たぶんそんなにかからないと思いますので、それで博物館のアピールであるとか、それから来て頂いた時により面白いものが見られるであるとか、VRでしか見られないものもひょっとしたらあのその自分のスマホで、例えば上空から仁徳陵を見るとか、そのようなことが疑似体験できるようなことっていう、そんなに私も詳しくないのですが、そういう可能性っていうのもあるのではないかと。それから整備のこと、これから対応をどんどん今後進めていかれるなかで、若い人であり外国の方であれ、より身近な博物館になる1つの方法なんじゃないかなと思ったりしました。以上です。

中村会長

 岩間委員。

岩間副会長

 ガイダンス施設が無くなってこちらがガイダンスの機能を担う、ただ、公園全体のこともあるのでそれが決まってからということになるのかもしれないですが、今この館の入口のところ非常になんか立て込んでいるという感じがして、どうしても圧倒的に空間が足りないのかなあというのは思います。まあ、地下をどう利用するのか、それからやはりどうしても空間の増設というのが必要ではないかなというようなことで、引き続き、是非、市の方へアピールして頂けたらなという風に思いました。

中村会長

 ありがとうございました。予定ではですね、今から「伸庵」の方に移動となっておりますので。

山中委員

 先ほど、何か大仙公園の観光化というお話が、上の方から出ているというようなお話でしたけれども、博物館含めて先ほどみはらの歴史博物館が指定管理者制度になるとありました。で、そういうことがこの博物館にもひょっとして及んでくれば、大変なやっぱり違いが生じるのではないかなと、ちょっと危惧を持つんですね。そして、今の市政がどうかよく知りませんけど、意図的に上からということではなくて、できるだけ博物館の内側からの意見というか考えというものを、やっぱり市の行政に強く反映して頂きたい。そして、できればこの協議会の意見ですね、ということのために多分この会はあると思うんですね。だからそういうことを含めた形で、今後のそういう行政の方を進めて頂きたい。なんかいきなりぽんっとくるんではなくてですね、ガイダンス施設の問題は、何かそういう印象がどうも強かった。そういうやり方はとてもまずいんではないかと感じますので、多分委員会を作って随分議論を積み上げてこられたはずなのですが、それが一気に、そういう形になったというのは、とても空しい感じがします。だからこの博物館についても、そうならないようにして頂きたいということです。

志摩副館長

 ちょっとよろしいですか。山中委員の仰られた通り、我々も市長とも色々とお話しさせて頂いていますし、先ほども申し上げたかったのですが、ガイダンス機能を担うということで今の「イロハ」というレストランと博物館という中で、博物館については学術的視点からガイダンス機能を担ってほしいと言われています。ですからその辺ではガイダンス機能としての色分けというのもちゃんとできるのかなという風に思います。それと大仙エリア全体の観光スポットというよりは、文化・芸術をベースにしたエリアとしてもう一度色々と考えていきたいということなので、我々もその辺は十分議論した上で進めていきたいと思いますし、この協議会のご意見というのは大変貴重なご意見ですので、これはきちっと整理して上まで報告していきたいということであります。以上です。

中村会長

 他に意見ございませんか。

伊藤委員

 みはら歴史博物館の指定管理に関わっての質問なのですけれども、先ほどの話では学芸部門は直営という感じですかね。展示品の管理と展示行為は市、堺市博物館の学芸員の方が直接関与されて、その他は指定管理というようなイメージでしょうか。

赤澤みはら歴史博物館長

 はい、その通りでございます。利晶の杜も今指定管理者制度やってございますが、学芸部門は、与謝野晶子や千利休なりの記念館は、本市の学芸員が担っております。それと同じような形で、本館、堺市博物館の学芸員がそこの展示替えであるとか維持管理、それから黒姫山古墳の重要な甲冑の補修なんかも本市の学芸員がやるということになってございます。ただし、指定管理者の方にも要は縛りをかけておりまして、学芸員を雇ってくださいねと。やはり日常的には指定管理者がその管理におられますので、何かあった時には学芸員がいないと困ります。ですので、本館の学芸員と連携しながら日常的な業務をやっていくと、そういった形になっておりますので利晶の杜の小型版という風に考えて頂ければいいと思います。ただし、利晶の場合は現地に本市の学芸員がおりますけれども、みはらの場合は本館に引き上げているという、そこが違いでございます。以上でございます。

伊藤委員

 すみません、あと1点だけ。これに関わってなんですけれども、今後の話として博物館協議会というこの場としましてはですね、指定管理になった以降の事業運営に関する報告というのは行政的にいうと、どんな位置関係になるのでしょうか。

志摩副館長

 みはら歴史博物館はこの協議会の中でご審議頂く直接的な対象とはならないんですけれども、博物館の外部組織ですので今回こういう形で指定管理者になることをご報告させて頂いたということであります。

中村会長

 ではここでいったん休憩に入って、再開は今から15分後、3時45分といたしたいと思います。その間、伸庵でご案内をして、そこで茶室を見て頂いて、次の議題の方に入りたいと思いますので、よろしくお願い致します。

休憩

議事2 案件 茶室の活用について

中村会長

 それでは議事を再開いたします。案件(1)茶室の活性化について、事務局から説明をお願いします。

増田課長

 それでは、説明させていただきます。資料の15になります。茶室活性化事業茶の湯体験プログラムについてご説明させて頂きます。
 千利休を輩出した堺市では茶の湯文化を復興し、市民の豊かな心の醸成と、都市魅力の向上を目的として堺茶の湯まちづくり条例を昨年、平成30年10月1日に施行いたしました。  
 それを踏まえまして博物館敷地内にございます、先ほど見て頂きました堺市茶室「伸庵」、あとは隣接します「黄梅庵」を活用し、主に子どもたちに向けてまず茶の湯の第一歩というものを体験して頂きたいということで、「茶の湯体験プログラム」を企画いたしました。具体的な内容としましては、先ほどの国の登録有形文化財である「伸庵」を利用いたしまして、まず学校単位でお受けし、簡単に作法やマナーを学びながら、実際に生菓子を頂いてお茶を自らたてる、という体験をして頂こうと考えております。本年度は最初ということもございまして、これから希望される学校をお受けしてすすめていこうと思っております。現在11月からまず3校の希望を聞いてございます。この本年度の成果を元にして、来年度以降も新たな企画も考えながらすすめていこうと考えております。そういったところから先ほど見ていただきました「伸庵」を活用してどのような茶の湯体験プログラム、茶の湯に関するようなプログラムを考えていけるかというところでご意見を頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

中村会長

 それでは、ご専門の谷委員、何かありましたら、よろしくお願い致します。

谷委員

 はい。今「伸庵」を見学させてもらったわけですが、そこで思ったのが大変立派な建物でして、単に茶室だけではなくて一種の、元々この茶室は居住空間をイメージして作ったのではないかという風に思うのです。ですから、あの建物は私の印象では何にでも利用できるんじゃないかという印象を強く持ちます。茶室というのは元々歴史的に言いますと、それまで共用空間で行なっていたのを専用空間につくりだしたのですね。それを茶室ということにしたのですが、もう、今はむしろ逆に専用空間から共用空間という考えの方が良いんじゃないかという気がします。ここにあります教育プログラムは、それはそれとして進めて頂いたらと思うのですが、それ以外にも日本の畳文化、現在畳文化というのは失われている訳なのですね。マンションなんかに住んでおりますと、私もそうなのですけど、畳の部屋がないのですね。床の間ももちろんありません。そういったかつての日本文化の中心をなした座敷、畳を敷いた部屋というのを、小さい子どもたちに体験させる。そして畳の部屋でいろんなことが行われた。かつて、日本では行われたということを、まあ思い付きですけれど、例えば終戦後間もない映画の有名なもの「東京物語」とか、そういった場面をイメージして、そういった生活を子供たちに体験させるということも考えても良いんじゃないか。そして、そういうかつてはあった畳文化というものが、ずっと引き継がれていくような目論見といいますか、そういう視点に立って考えられてはいかがかなという気が致します。

中村会長

 どうもありがとうございました。では伊藤委員。

伊藤委員

 博物館に勤務していた立場の者から言いますと、ここにも色んな身体的な問題を抱えた方についてはどうだろうかというのがあって、石があったり、段差があったりと色々厳しい状況がございます。もちろん100%は無理だと思いますけれども、車いすの方が利用しやすい何か対応とかそういったことが少しでもあったら良いのかなあという感じがしました。

中村会長

 山中委員、何か。

山中委員

 この茶室の利用というのは、今までそれほど活発ではないということなのですか。子どもたちが利用されるというのは何か学校ごとに、集団で来られてということですか。

増田課長

 そういったことがほとんど行われていませんで、体験学習会というのがありまして、その中でお茶を飲んでみようというような、そういったことをしていたのですが、そういう団体をお受けするというのはしておりませんし、ただ茶室を利用してですね、今まで講談を聴いてみたりだとか、まあそういったことは若干やっておりましたが、あまり利用されていなかったというのが現状でございます。

山中委員

 茶の湯体験以外に、今おっしゃたような講談の場になったり、とか他にも何かそういった試みは今までもありますでしょうか。

赤澤みはら歴史博物館長

 例えばですが、市が主催というわけではなく、堺陶芸会というところが陶芸の展示会をして頂いたりとか、生け花とそれから田辺竹雲斎先生の竹工芸をミックスしたような展示会を行なったりだとか、主催というよりも共催の形で誘致はしてきました。いわゆる畳文化全般ではないのですが、ある一定の日本文化に関わるような展示の誘致であったりとか、利用企画というのはポツポツとやってはおるのですが、茶の湯を楽しむということは若干弱いかなという、条例ができたのを機にちょっと頑張ってみようかなという方向でやっております。

中村会長

 吉川委員、小学校の立場から何か。

吉川委員

 堺市の小中学校は茶の湯をするっていうのが、1つのスタンダードになっておりまして、かれこれ十数年くらいです。で、学校にその一定のお茶道具とか用意、堺市から配られて、多くの学校は持っています。で、何らか形で茶の湯ということについてしていくわけです。私が勤めた最初の学校は南宗寺をお借りして、中学1年生はお茶席を体験させて頂いて、それはたまたま色々な地域的なご縁があったのでそこをお借りしてやるというようなことでさせてもらいました。これは現在も継続しています。今現在私が勤めている学校に関しては、お茶クラブがありますので、地元の方が学校でお茶を子どもたちに教えるということをしています。あとは、たまたまですが今年3年生が堺市内の市役所等の遠足を企画した時に利晶の杜に行かせて頂いて、古い堺のまちの学習や、ちょっと3年生には早かったですが、千利休さんや与謝野晶子さんのところを見せて頂いたおりに、お茶を三千家のところをお借りしてお茶を体験させて頂いたりしています。で、ここについても、細かいところは私も知らないのですが、活用させてもらったというような話は聞いています。堺の学校としては茶の湯というのは一応どっかで何かやっていくということにはなっていて、どちらかといえば遠くまで行くのが大変なので自分のところの学校内とか、地域の会館を活用させて頂いてしているところですので、ここで色々と積極的にもっと使いやすいということをアピールしていただいたときにそれぞれの学校で考えるのかなあと。その、お茶だけでここへ来るのは大変なので、もちろんそれこそここの博物館の見学と兼ねて、まあ、ごはんは大仙公園で食べられますので、半日の遠足のような形で、活動はできるのかなと、まあ、全てというわけにはいきにくいのかもしれませんけど、こういう立派な場所でさせて頂くというのはやはり学校で毛氈敷いてやっているよりはずっと本格的なものですから良いのかなと。どんどん進めて、どこまでの学校が活用できるのかはわかりませんけれども、浸透していけば必ず堺市博物館には小学生も行っていますし、色々なものがうまく繋がれば、お茶の方の活動も進むのではないかという風に思います。以上です。

中村会長

 森委員。

森委員

 非常に良いと思います。こういう子供たちを対象にしたお茶の体験というのはね、学校でも堺市ではやっていらっしゃるということなんですけども、学校でやっていて今度は本当のお茶室のところに入ってみるとその畳のね、ここは敷居を踏んだらだめだとか、どっちの脚から入るだとか、ご挨拶をして頂くとか、その細かいルールというのを学ぶチャンスを得られるのかなと思います。で、次年度以降の企画はっていうのは面白くって、シニア世代とか女性向けとかがあって、男性向けといのも良いかなと思っております。おそらくある程度の年齢になってお茶を学ぶ機会がなくって、実際どう頂いたら良いか分かんないけど、誰に聞くこともできずにあの年齢がいってしまったというケースはあると思うんですよね。お茶に関しては。で、全く初心者、ビギナー向けの男性の方の、お茶会だとかっていうのも面白いと思いますし、女性に関しても、お茶を頂いたことはあるけど、マナーは分からなくてお茶を頂いているって方もいらっしゃると思うので、より多くの人が、「伸庵」や「黄梅庵」を使って頂いて、先生にご指導頂くというのは、ある意味、博物館へも足を運んでいただく機会になるのかなと思います。

中村会長

 土橋委員。

土橋委員

 子どもたちにまず体験して頂くというのが堺市の全体の流れとして、これまでもやってらっしゃるということなので、是非それをもっと拡充するということで来年度の体験プログラムはすごくいいことだと思います。まず堺の方に知って頂く、来て頂くというような次年度の企画案を。例えば子どもたちだけではなくその保護者も来て頂くというようないいアイデアだと思いますし、あるいは堺市はアセアン諸国との交流に力入れてらっしゃるということで、留学生とか、それから総領事館、ベトナムの総領事館もあります。ですので、海外から観光客で来られている方だけではなくて、日本で学んでらっしゃる方とか、働いてらっしゃる方とかも堺市により愛着を持っていただくということで、例えば留学生を対象にしたプログラムですね、またシニア世代向けとか男性向けとか、そういったターゲットを絞って、合わせて博物館も見て頂くみたいなことも、対象を拡げていくということでは面白いんじゃないかなと思います。あと、ボランティアガイドさんもおられるということもお聞きしていますので、茶室の方は別の観光協会が委託されているということなのですが、是非ボランティアの活躍の場っていうも、茶室でもあったらいいのかなと思います。いわゆる専門的な茶道を勉強するとか、親しむっていうことも必要だと思うのですが、全くの初心者の方をつなぐ役目ということでボランティアさんの役割もあるのかなと思います。層を拡げるという意味ではボランティアの活用ももうひとつ何かできないか考えて頂ければと思います。

中村会長

 ありがとうございました。森委員。

森委員

 子どもさんたちに茶の湯を体験とのことでしたが、さきほど吉川先生が利晶の杜に子どもが見学に行かれたということですけど、何人くらいで行かれていますか。

吉川委員

 80~75人くらいです。

森委員

 75人は分散してですかね。見学だけじゃなくて、お茶もですか。

吉川委員

 お茶も一斉に入って。3部屋全部使わせて頂いたら広くなるので。通常はこうそれぞれ千家ずつで、3つに分けてはるのですが、うちぐらいの人数になったらその3部屋を全部通してそこで全員座ってお茶を。本来は自分でたてるところまでいかない、もうたったやつを頂いたという形なんですけれども、そういう形で利晶の杜ではやらせて頂きましたし、その前の南宗寺さんの時は、お世話していただける人がおられましたので、子どもたちが自身でたてて振る舞うという、これは中学生なので、もう少し段階が、経験がある中でやっていますので、そういう形でやらせてもらったりはしていました。

森委員

 そのぐらいの人数を、受け入れないといけないのかなと思うのですけど、今の建物では可能ですか。大丈夫ですか。

増田課長

 あの部屋でね、やはり全部一度にするということはできませんので、学校単位で来て頂きましたら、茶室に行っておられる方以外はこちらの方で見学していただいたり、クラスの人数によってはそれをまた半分ずつに分けたりとか、そういうことで対応するしかないかなというか。

森委員

 先ほど、いれて頂いたお茶の先生とか、それから子どもたちになんかそういうお茶を教えてくださる先生というのは、こちらでお願いしている先生ということですか。

増田課長

 そうです。先生方は、先ほど立礼の時出て頂いた伸庵で色々お世話していただいている先生方に、何人かもう少し増員されて沢山来て頂いて対応して頂くということになっております。

森委員

 せっかく堺という土地柄ですのでそういう経験をするというのは非常に良いことだと思いますし、そういう今言われたように色々な空間で、おそらく畳でお辞儀をするなんていうことも子どもたちはしたことがないと思うので、とてもいい経験になるかなと思います。やはり受け入れに周到に準備をしたり、それこそ壁に触ると落ちるとか、この建物は登録有形文化財ですので、そこもしっかり教えていく必要もあるのではないかなと思いました。また、来年度の企画もなかなか面白いなと思いました。一般の方にもなるべくこう使って頂くような事を考えるというのと、学校のクラブとかに何か特別な措置をするのかどうかとかも1つの検討事項なのかなという風に思います。以上です。

中村会長

 どうもありがとうございました。茶室の活性化というのは来年度からというか、次年度から本格的な活動に入るということですので、今色々と委員の先生方からご助言を有効に活かして頂いて来年度からの活性化に活かして頂ければと思います。最後になりますけれども、その他委員の先生方から、これだけは言っておきたいということがありましたら、あの特にガイダンス施設がなくなったわけですから、ガイダンス施設の費用をどこかに持っていくのではなく、こちらに持ってきてもらって、できるだけ博物館の充実をしてもらったらと思いますが、くれぐれもよろしくお願い致します。他に何かご意見ございませんでしょうか。はい、どうぞ。

吉川委員

 学校でもし広めて頂くのでしたら、事前に一度来て頂くような取り組みをして頂いたら学校側としては非常に助かります。子どもたちも1年生でもちゃんと教えればお茶はちゃんと飲めます。色々私も夏休みは親子茶会というのに参加させてもらっていて、見ていると、幼稚園くらいの子だとさすがにしんどいかと思いますが、1年生くらいからは教えればちゃんとある程度作法にのっとった形でお茶を飲むことができますので、そういうことを事前に教えて頂いて、行かせて頂いていればもう少し場所もちゃんと使えるのかなと。いきなり行きますとせっかくいい場所でも、やっぱり子どもたちも分からないでただ飲んだだけということになってしまいますので、学校の敷地でやれば良い部分もあるのですが、せっかくこの「伸庵」というところでやるという意味というか、そういうことも含めて啓発を事前にして頂いて、我々と一緒の形で、学校と一緒に進めて頂けたら、より良い形になるのかなという風に思います。以上です。

中村会長

 ありがとうございました。まず隗より始めよというか、1番大事なのは子どもたちなので子どもたちから始めて頂くのが1番良いのかなと思うのですが。子どもたちの場合は非常に手間暇もかかりますけれども、その手間暇を惜しむと結果的につまらないことになってしまいますので、どうかよろしくお願い致します。ほかに何かご意見ございませんでしょうか、ご意見ございませんか。
 本日の議事はこれですべて終了いたしました。委員の皆様のおかげで短い時間ではございましたが非常に様々な議論を行なうことができました。ありがとうございました。幸い色々な意見が出ましたけれども、それをまとめるという力がございませんので、ご意見を頂いて使っていただくということで、よろしくお願い致します。それでは、司会にマイクをお渡しいたします。

閉会にあたって

司会

 本日はどうもありがとうございました。最後、閉会の前にご案内をさせて頂きます。後ほど閉会後お時間の許す委員の先生方におかれましては多言語音声ガイドの体験および企画展「描かれた仏の世界」の展示解説を担当学芸員より行わせて頂きますので、このあと、お残り頂ければと思います。それでは、本日の協議会の方終わらせて頂きます。最後に館長の須藤よりお礼のご挨拶を申しあげます。

須藤館長

 今日は本当に時間が短かったのですが、内容の濃い議論をして頂いて、ありがとうございました。特に本館が行ってきている、あるいは来年度行なおうとしていることに関しましては、特に館全体の多言語化ですね、パンフレットも英語しかないのですから。ようやく多言語音声ガイド機器は導入しましたけれども、利用頻度が高くない、等々多くの問題を抱えております。しかし、一つ一つやるしかないかなと思っています。パンフレットの多言語化は、来年度早速かかりたい。中国語、韓国語は少なくともですね。
 そして、ガイダンス機能、こちらは市長が代わるこんなに変わってしまうというのは、堺ではよくあるそうでございますけれども、やっぱり中村会長が仰ったようにこれはドメスティックなことのため大ダメージです。いかに堺の文化度が低いかということを社会に見せつけたことになるんじゃないかなと私は考えております。今の食堂をリニューアル、改修してそこをガイダンスの代わりにするなんてこれ信じられないですよね。食堂というのは食堂のために使う建物なのですよ。ガイダンス施設は天井が高く、広いスペースがないとダメです。そういう意味でも、世界遺産登録さえすればいいという発想が目に見えているのが非常に残念です。館としましては、考古学にしろ堺の歴史文化にしろ学芸員のアカデミックな研究成果を展示し、多くの方々に堺を深く理解してもらうというのが目的ですので、このガイダンスで考えていたすべて実物のないバーチャルによって仁徳天皇陵古墳や百舌鳥古墳群を紹介するようなコンセプトと全く違います。これは中村会長が的確に言ってくださいましたけれども、我々もガイダンスを受け入れるスペースはほとんどありません。廊下とか、あるいは今VRで使っているところだとか、その辺を少し使ってやるしかないです。ところが、今年度でもガイダンス用の26億円のお金がありますので、それをうまく利用して、仁徳天皇陵古墳や百舌鳥古墳群に関する出土品をうちの博物館はあまり持っていないので、古墳や埴輪のレプリカを今年から来年にかけてどんどん作ることによって、より充実した展示を図ろうと考えております。それから、この博物館ですけれどももう40歳なんですよね。もうあちらこちらに傷みがきております。改修とは言っているのですが、どの程度までの修復をするべきか。市長をはじめとして市全体として図書館とか美術館とか博物館等を視野に入れた大きな、この大仙公園の文化開発を考えているようなので、ガイダンスを新築しないのなら、博物館の中に取り込んでしまおうというぐらいの考えをもってガイダンス機能を乗り切らないといけないと思います。部分的に増築したりなんかしていても博物館の中身も充実しませんし、ガイダンスも十分なものにならないということもありますので、何年かかるか分かりませんけれども、長期構想、5年先くらいに、博物館の新しいものを建てるくらいの計画をたてながら博物館の拡充に向けて頑張っていきたいと考えております。
 茶室に関しましても、既に館に来て下さる小中学校にクラス単位で茶室もどうぞ使ってくださいという呼び込みもかけています。いくつか対応してくれるところもあるんです。しかし、みなさんのお話しを聞いておりますと色々なことをやらなければならない。小学生を文化財の部屋に入れるなということが言われますが、私も谷先生が言われたように、失われていく日本の文化、畳に座ることの経験や、お茶を知ることも大事なことです。板の間だけで過ごしている今の若い子どもたちにもう少し日本の文化というものを知ってもらうためにも茶室を利用していかなければと思っております。そう意味でまず、小中学生で見学に来て下さる学校の先生方に宣伝する。吉川先生のように事前にうちから学校へ行って予備的な知識を与えろという、それはちょっと不可能だと思いますので、本館に来た段階で楽しんでもらう、学んでもらって、お茶文化というものを経験して、小学生・中学生に少しでも何かを得て貰えればと思っています。とりあえず、小中学校中心にいきます。まあアセアンまで手を伸ばしてもいいですし、シニアの方にも広めてもいいのですが、そこまでやる力が我々ありませんので、まずは小中学生のうち、うちへ見学にくる学生を連れてくる先生方にお願いしたい。そういう方針で来年は望みたいと思っております。今日は本当に革新的な新しいアイデアからご意見ご批判ありがとうございました。来年も頑張っていきたいと思います。よろしくお願い致します。ありがとうございました。

司会

 ありがとうございました。なお、本年度2回目の協議会は、来年2月ないし3月頃を予定しております。委員の先生のお手元にございます日程調整表を11月末を目途にご返送いただければと思います。それでは、本日はどうもありがとうございました。

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