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平成29年10月31日開催 堺市行革推進有識者会議議事要旨

更新日:2018年3月16日

委員

氏名 職名
菊地 端夫 明治大学 経営学部 公共経営学科 准教授
小林 弘明 公募委員
佐藤 雅代 関西大学 経済学部 教授
高見 理恵 認定NPO法人大阪NPOセンター
豊岡 敬 日本フッソ工業株式会社 代表取締役
中村 義哉 公募委員
山本 浩二
(座長)
大阪学院大学 経営学部 教授
大阪府立大学 名誉教授

(敬称略 50音順)

資料

議事案件1 (仮称)第3期行財政改革プログラムのKPIについて

事務局説明

(豊岡委員)

  「生産性の向上度合」について、ものづくり企業の場合、インプットに対してアウトプットがどれだけあるかという見方をするが、自治体の場合、同じ業務を何人の職員で総労働時間がどれくらいで行ったのかという視点で測ることができるのではないかと思う。

(事務局)

  同じ業務を行うにあたって、総労働時間がどれだけ短縮できるかということは、生産性向上の指標になると思う。ただ、新規事業やスクラップなどもある中で、3年後の目標値をどのように設定するかという課題もあり、可能な限り既存の指標を用いるようにしている。

(豊岡委員)

  KPIの設定に労力をかけるのではなく、既存の指標を使うというのはその通りだと思う。従前は時間外で行っていた業務を時間内で行うようにするという観点からは、時間外勤務時間数の削減も生産性の向上度合を測る指標となりうる。

(小林委員)

  KPIは数値的な目標になるが、現状値からの単なる延長ではなく、目標値自体がどういうことを示すのか、達成できたらどうなるのかということを明確にする必要がある。

(佐藤委員)

  時間外勤務時間数を指標の1つにするということに関して、例えば人材派遣や非正規職員を活用するなどコスト増を見込めば、正規職員の時間外勤務時間数は容易に削減できる。コストと人数をかけて時間外を減らすのか、職員の能率を上げて減らすのか、そのあたりのイメージをしっかりさせておかないと数字は一人歩きするので、気を付けていただきたい。

(事務局)

  本市では、要員管理方針に基づき、正規職員と再任用職員を含めて10年間で要員数を2割削減する、併せて非正規職員も含めた総人件費も2割削減するということで取り組んでいるところであり、その中で、働き方改革や業務改善などによって時間外勤務時間数を削減していくということで考えている。確かに、指標と目標値だけが記載されているだけなので、そういったところが見えにくくなっている。

(佐藤委員)

  管理職は時間外勤務という概念はあるか。

(事務局)

  課長級以上は管理職で、時間外勤務手当はつかないが、管理職手当を毎月支給している。

(小林委員)

  民間企業でもワーク・ライフ・バランスということが言われており、管理職だからどれだけ仕事をしても構わない、時間外勤務を把握しなくてよいということではだめだということで、我々の職場では管理職のパソコンのオン・オフの時間で、管理職の時間外勤務を把握している。時間外手当を少なくするというだけの目標ではなく、働きがいも含めてどういうKPIにしていくか考えてもらいたい。

(事務局)

  管理職の出退勤時間も把握しており、管理職が率先してワーク・ライフ・バランスを推進することで、職員のワーク・ライフ・バランスも確保していくという考えで進めているところ。

(菊地委員)

  これまでは財源の確保が、行革効果額ということで大きな柱であったが、非財務のパフォーマンスもしっかり見ていこうということだと思う。これはノートンとキャプランのバランスト・スコアカードでいうところの「財務の視点」のほか、「顧客の視点」ということで「利用者満足度の向上」があり、「業務プロセスの視点」と「学習と成長の視点」の2つが「生産性の向上」に含まれているのだと思う。
  KPIの目標値を考えるときに、過去からのトレンドを見ていくものやあえてチャレンジングな設定をするものなど出てくると思うが、KPIという用語は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で使われており、社会成果指標のような扱いとして使われる場合が多く、行政のみで達成できるような指標とは限らない。そういった場合に、達成を促進あるいは阻害する外部要因を想定・把握できているかということが、事後評価では重要になる。

(山本座長)

  KPIをどのように測定していくかという検討を今後さらに進めていく必要がある。また、議論になっている時間外勤務時間もどういう見せ方をするか、他の指標についても単純に数値を集計するということではなく、実質的な行革の成果が見えるように、検討、工夫してほしい。

(高見委員)

  中間アウトカムや最終アウトカムは時期の設定はあるか。

(事務局)

  中間や最終という表現が時間的な意味合いというよりは、第3期行革プログラムの目的を最終アウトカムとしたときに、KPIを設定するには難しいので、それをブレイクダウンしたものが中間アウトカムという意味合いで記載している。

(高見委員)

  最終アウトカムの達成というのが把握しにくく、中間アウトカムにKPIを設定して評価するということであるが、過去からの継続で達成できるものやチャレンジングなものなどKPIの設定にも強弱をつけてほしい。また、ロジックモデルがアクション〔取組〕からスタートしているが、その前に行政が持っている資源でできるものなのか、見直してみることも必要である。

議事案件2 (仮称)第3期行財政改革プログラムの個別取組について

事務局説明

(中村委員)

  個別取組の目標については、無理をしなくても達成可能なのか、チャレンジングなのかということが分かるように、トレンドが見えるようにしてほしい。また、可能な限り定量的に示していただきたい。

(菊地委員)

  個別取組については、行財政改革の目的を量から質へと転換しても、大きく変わることはなかなか難しいと思う。ただ、第3期行革プログラムとしての視点を全面に出すような表現にすると、プログラムの目的と個別取組のつながりが分かりやすくなるのではないか。
  例えば、「質の高い公共サービスの実現」という目的でいうと、5ページの「(9)子ども食堂ネットワークの構築」は、行政の支援が行き届いていなかった領域に、量的かつ質的な拡大を図っているということができる。7ページの「(2)指定管理者制度の推進」は、非公募施設を公募化していき、競争を通じたより良い提案を受けることによって、公の施設の質を高めていく。同様に「(4)大浜体育館の建替えへのPFI手法の活用」も、民間とのリスク管理、リスク分担によって、より良いものを作っていこうということのあらわれである。
  また、8ページの「(7)市立こども園の民営化」についても、民営化することによってサービスの質が向上されるということが期待される。「(6)ESCO事業の実施」についても、光熱水費の削減だけでなく、CO2の削減という効果もある。10ページの「(2)区役所のハローワーク常設窓口における生活保護受給者への就労支援」については、これまでの申請主義のような生活保護から、プッシュ型、つまり生活保護受給から次のステップに行くように支援をしようという動きで、生活保護受給から抜けた場合に効果額があるでしょうし、さらに本人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)も向上する。
  個別取組が少し端的に書かれているようなところもあり、これらのような表現をすることで、質の高い公共サービスということが個別取組で具体的にどういうことなのかイメージしやすくなると思う。

(佐藤委員)

  「公共サービス改革」の分野について、予算をそのままで利用者満足度を上げていくのか、新たに投資をするのか、ある程度明確にするべきと思う。サービスは少なくとも今のままでいいから負担は増やさないでほしいという人もいるので、例えば、当初はお金がかかるけど、将来的なコスト負担がこれだけ減りますということが説明できると、納税者からも理解しやすいと思う。

(事務局)

  当然、重点化するところや拡充するところもあるが、基本的にはさらに投資をしてということでは考えていないので、そのあたりも意識して個別取組を見直していく。

(豊岡委員)

  長野県では、高度医療設備の導入など病院に投資をするということではなく、がん検診の促進など健康増進の取組や啓発活動により、日本で最も長寿の県になったということを聞いた。単純にお金をかけてサービスをよくするということではなく、地道な取組も行財政改革には必要である。

(山本座長)

  前回の会議においても議論になったが、サービスの価値は、機能とコストの点で考えなければならない。お金をかければ機能は上げられるが、どこまでコストをかけて、どれだけの価値を提供するのかという観点で、個々の取組がどう行革に結び付いているのか分かるような表現に見直していただきたい。
  それと、今後重点的に取り組もうとしていることなのか、計画済みのことなのかというのが分かりにくい。例えば、8ページに記載のある「民営化委対象となっている市立認定こども園の民営化」について、どういう経緯の中で、平成31年度に1園の民営化となっているのか。

(事務局)

  もともと39園あり、そのうち12園を市立認定こども園として存続させる方針で、27園を民営化対象とし、現在21園が民営化済みとなっている。民営化対象の残り6園のうち1園が平成31年度に民営化することが予定されている。

(山本座長)

  12園を市立認定こども園として存続させるという位置付けをしたということであるが、現在の社会経済情勢に照らして、民営化した際の効果や市立としての意義なども踏まえながら、このプログラムの中で再度検討してはどうか。また、27ページの「小規模校の再編整備」や「市立幼稚園の再編」についても、既定のもの以外に、市としてどうしていくことが市民にとって価値の向上につながるのか、検討して提示する必要があるのではないか。
  それから、参考資料3で、他市事例が示されているが、指定管理者制度に関して、指定管理者制度の導入と指定管理者制度導入施設の民間移管という2つが挙がっている。指定管理者制度の導入については、コスト削減という側面と民間のノウハウの活用という側面があり、また民間移管についても他市で事例があるということだが、堺市の実績や民間移管の考え方はどうか。

(事務局)

  指定管理者制度導入施設については、平成28年度末で213施設であり、体育館や野球場などのスポーツ施設、文化会館などの文化施設、老人福祉センターや児童発達支援センター、健康福祉プラザ、共同浴場などの健康や福祉に関する施設、そのほか市営住宅、自転車駐車場などがある。
  他市事例で挙げている指定管理者制度導入施設の民間移管について、大阪市のホームページで確認したところでは、福祉施設については、利用者に精神的な負担を与えないようにするために、サービスが継続して行われることが望ましいが、指定管理者制度においては運営者が変更になる可能性があるということで、民間移管を進めていくこととしている。

(山本座長)

  公と民の役割分担があるべきであり、市の直営施設がいいのか、指定管理者制度を導入するのがいいのか、民営化するのがいいのか、市民サービスの向上の観点からも、このプログラムの中で積極的に検討してはどうか。
  それともう一点、歳入の確保の他市事例として、ごみの有料化が挙げられているが、環境行政という広い視点でいうと、例えば自転車専用道路の整備による自転車利用の促進ということも質の向上につながる。ごみ処理費用負担の公平性や家庭ごみ排出量の削減という広い視点から、検討を進めてはどうか。

(菊地委員)

  第2期行財政改革プログラムの策定にも関わらせていただいたが、減量型の行財政改革はタマネギの皮むきのように限界にせまってくるだろうけれども、要員管理や公共施設等の再編・整備など過去の計画があり、これまでのトレンドの中で第3期の期間内のものが載ってきている取組と、今回の改革の視点の1つである「多様な主体との協働」ということで、3ページの「(1)多様な主体の連携による防災体制の実現」やエンジンとしての仕組みである「(2)新しい公共ガバナンスの推進」、6ページの「(10)パークマネジメントの推進」などの質に関わる取組がある。また、既存のサービスの質を高めるということと、先ほど触れた子ども食堂、あるいは豊岡委員の長野県の長寿の話など社会的に需要のあるところに手を広げていくという、質の高い公共サービスの実現にも2つ意味がある。このあたりの質の高いということが何なのかを明確にすると分かりやすくなるのではと思う。なお、健康寿命の延伸については、神奈川県では未病センターといって病気になる前から手を打って、その人のQOLを高める取組をしている。
  また、質が高いということを誰が一番知っているのかということを考えると、質が高いということの目標設定や定義付けが容易になると一般的に言われている。例えば、仕事のプロセスにおける質といった場合には、そこで働いている人たちがやりがいを感じるかという観点、サービスの質ということでは、サービスの受け手の観点などである。

(中村委員)

  内容的には他市と大きく変わることはないと思うが、堺市の考え方や方針を伝えるためには、表現の仕方や見せ方の部分で工夫すべき。

(高見委員)

  多様な主体との協働による取組が多数挙げられているが、個別取組に記載している所属だけでなく、行政内部でも横の連携をしながら行財政改革を進めていってほしい。

(小林委員)

  中村委員と同じ感想を持ったが、マスタープランとのつながりが見えづらく、第3期行革プログラムをやれば、堺市がどうなるのかというのが見えるような形にしてほしい。

(山本座長)

  参考資料4にマスタープランとの位置付けが示されており、このプログラムの目的は「質の高い公共サービスの実現」と「弾力的な行財政基盤の構築」であるので、その目的の範囲内で各委員からのご意見を取り入れられるところは取り入れて、個別取組についても再検討をしていただきたい。

(佐藤委員)

  行財政改革は下支え的なものなので、ある意味で個性はなくてもと思うところはある。ただし、第3期行革プログラムという新しいものを作るとなったときには、新機軸のようなアピールできるものがあった方がよい。

議事案件3 その他

事務局説明

(質問・意見等なし)

(注)丸数字(丸付き数字)は、機種依存文字のため、「(数字)」で代用しています。

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総務局 行政部 行政経営課

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