配当所得等の課税方式の選択
更新日:2023年11月22日
配当所得、利子所得、株式等の譲渡所得のうち、一部については、課税方式(申告不要、総合課税、分離課税)を選択できるものがあります。選択の影響を確認いただき、あくまでも、申告者の方の判断の下、選択を行ってください。
課税方式を選択できるもの
配当の区分 | 課税方式 | 源泉徴収税率 |
|||
---|---|---|---|---|---|
所得税 | 住民税 | ||||
上場株式等の配当等 |
申告不要 | 申告不要 | 所得税 15.315% |
||
総合課税 | 総合課税 | ||||
申告分離課税 | 申告分離課税 | ||||
上記以外の配当等 | 少額配当 | 申告不要 | 総合課税 |
所得税 20.42% |
|
総合課税 | |||||
その他 |
総合課税 (選択不可) |
総合課税 (選択不可) |
※少額配当は、1回払いの支払額が10万円×配当計算期間の月数(最高12カ月)÷12 以下の配当を指します。
利子の区分 | 課税方式 | 源泉徴収税率 |
|
---|---|---|---|
所得税 | 住民税 | ||
特定公社債等(※)の利子 |
申告不要 | 申告不要 | 所得税 15.315% |
申告分離課税 | 申告分離課税 | ||
国外で支払われる |
総合課税 |
総合課税 |
所得税・住民税なし |
同族会社が発行した |
総合課税 |
総合課税 (選択不可) |
所得税 15.315% |
一般公社債等の利子 |
申告不可 |
申告不可 |
所得税 15.315% |
※特定公社債の利子は、申告する場合、「上場株式等の配当等」に分類されます。
株式等(※)の取引区分 ※株式、投資信託受益建、 公社債 |
課税方式 | 源泉徴収税率 特別徴収税率 | |
---|---|---|---|
所得税 | 住民税 | ||
特定口座(源泉徴収口座)による譲渡 |
申告不要 | 申告不要 | 所得税 15.315% |
申告分離課税 | 申告分離課税 | ||
非課税口座による譲渡 | 申告不可 | 申告不可 | 所得税・住民税なし |
上記以外の場合 |
申告分離課税 |
申告分離課税 (選択不可) |
所得税・住民税なし |
上場株式等の配当所得等や譲渡所得等の課税方式が統一されます
上場株式等の配当所得等や譲渡所得等については、これまで所得税と市民税・府民税において異なる課税方式を選択することができましたが、税制改正により令和6年度(令和5年分所得)から所得税と市民税・府民税の課税方式を一致させることになりました。これにより、市民税・府民税のみ課税方式を変更することや所得税と市民税・府民税のどちらか一方だけ申告不要を選択することはできなくなります。
そのため、確定申告において申告した上場株式等の配当所得等や譲渡所得等については、市民税・府民税の「合計所得金額」に算入され、 扶養控除や配偶者控除の適用、非課税判定、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料・介護保険料の算定などに影響が出る場合がありますので、ご注意ください。
選択の影響
≪所得税について≫
所得税に関するお問い合わせは堺税務署へ
≪市民税・府民税≫
申告不要制度を選択する方
- 申告不要とした配当所得、利子所得、株式等の譲渡所得(損失)について、市民税・府民税の 特別徴収税額(配当割額、株式等譲渡所得割額)の控除が受けられません。
- 申告不要とした配当所得について、「配当控除」が受けられません。
- 市民税・府民税の「配偶者控除」「配偶者特別控除」「同一生計配偶者」「扶養控除」「非課税限度額」 などを判定する際の「合計所得金額」は、申告しなかった配当所得、利子所得、株式等譲渡所得(損失)を含めずに判定します。
- 国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の算定において、申告しなかった配当所得、 利子所得、株式等譲渡所得(損失)は算入されません。
総合課税を選択する方
- 申告した配当所得について、市民税・府民税の特別徴収税額(配当割額)の控除が受けられます。
- 申告した配当所得について、「配当控除」が受けられます(配当の種類により、控除率が異なることや「配当控除」がない場合があります)。
- 市民税・府民税の「合計所得金額」は、申告した配当所得を含めて判定します。
- 国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の算定において、申告した配当所得が 算入されます。
申告分離課税を選択する方
- 申告した配当所得、利子所得、株式等の譲渡所得(損失)について、市民税・府民税の特別徴収税額 (配当割額、株式等譲渡所得割額)の控除が受けられます。
- 申告した配当所得について、「配当控除」は受けられません。
- 市民税・府民税の「合計所得金額」に、申告した配当、利子、株式等譲渡所得(損失)を含めて判定します。ただし、前年までの株式等の譲渡損失の繰越控除を適用した場合、合計所得金額は、繰越控除前の金額となります。
- 申告した株式等の譲渡損失の金額と、申告した配当、利子所得の金額を損益通算することができます。
- 損益通算してもなお控除しきれない株式等の譲渡損失の金額について、翌年度以後3年間にわたり繰り越すことが可能となりますが、毎年連続して、納税通知書(特別徴収税額決定通知書を含みます)の送達までに、譲渡損失に係る事項を記載した確定申告書又は市民税・府民税申告書および上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除明細書を提出する必要があります。
市民税・府民税に関するお問い合わせは市民税課へ
選択の要件
≪特定口座(源泉徴収口座)で株式等の譲渡額、配当、利子を受け取られている場合≫
- 口座ごとに申告不要とするかどうかを選択できます。1回の支払ごとに申告不要を選択することはできません。
- 同一口座内の株式等の譲渡所得のみ、又は配当所得及び利子所得のみを申告不要とすることができます。
- 同一口座内の配当所得を申告する場合、一部を総合課税、残りを分離課税に分けて申告することはできません。
- 配当所得は総合課税又は分離課税を、利子所得は分離課税を選択することができますので、同一口座内の配当所得と利子所得で異なる課税方式の選択をすることは可能です。
- 同一口座内での株式等の譲渡による損失を分離課税で申告する方は、配当所得、利子所得を併せて申告しなければなりません。
≪特定口座(源泉徴収口座)以外の方法で配当、利子を受け取られている場合≫
1回の支払ごとに、申告不要を選択することができます。
選択の方法
≪所得税、市民税・府民税の両方について、同じ課税方法を選択する場合≫
両方とも総合課税または分離課税を選択して申告する場合
原則として、所轄の税務署宛てに確定申告書を提出してください。この場合、市民税・府民税申告書の提出は不要です。ただし、申告する額を含めた所得について判定すると確定申告が不要となる場合(公的年金等の所得が400万円以下で、公的年金等の雑所得以外の所得の合計金額が20万円以下の場合など)は、市民税・府民税申告書を提出してください。
両方とも申告不要を選択する場合
原則として、確定申告書、市民税・府民税申告書の提出は必要ありません。ただし、申告不要とする額を含めない所得について判定すると確定申告が必要とされる場合(公的年金等の所得が400万円以下で、公的年金等の雑所得以外の所得の合計金額が20万円を超える場合など)は、確定申告書に、申告不要とする配当所得、利子所得、株式等譲渡所得(損失)を含めない額を記載して提出してください。
≪所得税と市民税・府民税で異なる課税方式を選択する場合≫
確定申告をした場合でも、特定配当等・特定株式等譲渡所得金額(上場株式等の譲渡損失に係る金額を含む)のすべてを市民税・府民税の計算上、算入しない場合や確定申告とは異なる課税方式を選択する場合は、市民税・府民税の申告書の提出が必要です。
ただし、令和4年度から、確定申告をする際に、特定配当等・特定株式等譲渡所得金額(上場株式等の譲渡損失に係る金額を含む)のすべてを市民税・府民税の計算上、算入しない場合は、確定申告書における個人住民税に係る附記事項が追加され、原則として確定申告の提出のみで申告手続きが完結できるようになりました。提出書類についてはこちらをご覧ください。
※これらの申告は、納税通知書(特別徴収税額決定通知書を含みます)が送達される時までに行う必要があります。
※これらの申告をすることにより、扶養控除や配偶者控除等の適用、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療制度等の保険料や一部の行政サービス等に影響を及ぼす場合があります。
選択の変更の制限、期限
≪選択の変更の制限≫
確定申告書を提出した後、修正申告や更正の請求により所得税及び市民税・府民税の課税方式の選択を変更することはできません。例えば、上場株式等の配当所得の金額を含めずに確定申告をした後に、その配当所得の金額を修正申告することはできません。
また、上場株式等の配当所得の金額を総合課税で確定申告した後に、その配当所得の金額を申告しないこととしたり、分離課税に変更したりすることはできません。
≪市民税・府民税の課税方式の選択の期限≫
市民税・府民税の納税通知書(特別徴収税額決定通知書を含みます)が送達される時までに、確定申告書又は市民税・府民税申告書を提出しなければ、市民税・府民税の課税方式の選択は認められません。例えば、市民税・府民税の納税通知書(特別徴収税額決定通知書を含みます)の送達後に、上場株式等の配当所得の金額について確定申告をした場合、その配当所得の金額の申告は、所得税については認められますが、市民税・府民税については認められません。
この場合、所得税の源泉徴収税額の控除は受けられますが、市民税・府民税の配当割額控除額の控除は受けられません。
市民税・府民税に関するお問い合わせは市民税課へ
所得税に関するお問い合わせは堺税務署へ
