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蒸気・省エネアドバイザー派遣事業でのアドバイス事例

更新日:2022年3月25日

令和3年度提案内容

診断時の対象事業所の状況

  • 蒸気出力は事業所全体で13t/h。
  • 蒸気の利用用途は蒸気タービン発電と加温設備。(タービン:加温設備=8:2の割合)
  • 蒸気タービン発電出力は約2000kW。
  • 蒸気タービンの蒸気は使用後にドレン回収。
  • ボイラ(廃棄物焼却炉)は平均75日ほど連続運転し、1週間ほどの定期点検で1サイクル。
  • 配管の保温について、保温材がはがれ落ちてそのままになっている箇所も有り。

改善提案(1)スチームトラップ、バルブの更新

年間削減効果(各種換算)投資額回収年
金額143.8 万円
蒸気量978.5 t
原油71.1 kL
CO2

191 t-CO2
(A重油換算 70.5kLより算出)

150~200万円1~2年

  • 超音波測定による計測で蒸気の漏れ状態を検出したところ、複数のトラップ、バルブで次のような不具合が見つかった。
詰まりトラップ内部が配管内のさびやスケールで詰まっており、蒸気とドレンの両方を通さない状態。
吹き抜けドレンを検出する機構が故障しており、トラップに入ってきた蒸気が素通りしている状態。

バイパス
バルブ漏れ

スチームトラップに並列で取り付けているバイパス配管のバルブ(通常稼働時は常時閉)から蒸気が漏れている状態。
  • 特に吹き抜けによる漏れ量が多かったのが、蒸気タービン室に設置している圧力3MPa用トラップ4台で、年間120万円ほどの金額に相当する蒸気が漏れていた。
  • 蒸気タービン室のトラップはドレン回収配管に接続されているため、見た目には蒸気漏れが分からず正常に稼働しているように見受けられた。
  • 3MPa用のトラップは設備費で1台30万円ぐらいのため、工事費込みでも1~2年で投資回収できる見込み。
  • バルブは1台5万円前後。
  • 0.3MPa用のトラップについては、画像のような故障しやすいパーツを簡単に交換可能なタイプを推奨する。

 配管接続部分とトラップ部分が簡単に分離交換できる。本体額は5~6万円、交換用パーツは3万円程度。

改善提案(2)保温ジャケットの取り付け

年間削減効果(各種換算)投資額回収年
金額9.7 万円
蒸気量66.1 t
原油3.66 kL
CO2

9.84 t-CO2
(A重油換算 3.63 kLより算出)

30~40万円

3~4年


  • 熱利用設備の定期点検の際に保温材などを取り外し、点検後に取り付けるという一連の作業があるが、点検を繰り返すうちに、保温材が欠落してしまっている。
  • 加熱器表面からの熱の損失量は金額換算で9.7万円/年であり、非保温部分に相当する面積の保温ジャケットの値段が30~40万円ほどなので、3~4年で投資回収の見込み。
  • 50Aバルブに設置するような小型のジャケットであれば3万円程度で販売している。
  • マジックテープによる脱着式の保温ジャケットは、従来の保温材と比較して、取り付け・取り外しが容易のため、バルブなどの可動部分や定期点検で頻繁に取り外す部位への設置に適している。また、隙間が少なく、保温効果も高い。その他、日常点検時の従業員の安全対策にも効果的である。

保温ジャケット例

 (保温部位に合わせて複雑な形状でも作成可能)

このページの作成担当

環境局 カーボンニュートラル推進部 環境エネルギー課

電話番号:072-228-7548

ファクス:072-228-7063

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