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堺市立図書館資料選定基準

更新日:2016年10月25日

平成28年10月1日/制定

 「堺市立図書館資料収集管理方針」に基づき、資料選定基準を次のように定める。

【1】 一般図書

収集の基本的な考え方

1 新しい情報を提供できるよう資料の更新には留意し、継続的に受け入れる必要のある資料は確実に収集する。改定版や増補版の資料は、改定や増補の意義が大きい場合のみ収集する。
2 全館での共同利用を前提に、利用状況や予約状況を考慮して、複本の収集を検討する。
3 同一著作の日本語訳の異版は、選択して収集する。
4 自費出版等の資料は、必要に応じて収集する。
5 基本的に以下の資料は収集の対象としない。
(1) 極めて高度な専門書、特殊な資料、高額な資料
(2) 形態、造本、印刷が図書館利用に耐えない、そぐわない資料
(3) 書き込み、切り取り式の資料
(4) 学習・受験参考書、問題集およびテキスト類
(5) 特定の機関、団体、個人に対し、誹謗中傷または宣伝となるような資料
(6) 暴力、犯罪を容認したり残虐性を助長する資料
(7) 性的表現や性描写が過激な資料
(8) 人権への配慮に欠ける資料
(9) 類書をすでに多く所蔵しており、他の資料で対応できると考えられるもの
(10) CD-ROM、DVD等が付属している図書で、付属資料が利用の主となる資料
(11) 著作権者の許諾が得られない資料(付属資料も含む)

以下、日本十進分類法に基づく選定基準を記す。

0類 総記

情報科学
1. 情報科学・コンピュータ関係の資料は、情報の変更・更新が早いため、新しい情報を提供できるように順次収集する。
2. 個々のソフトウェアやハードウェアに関する資料は、利用できる期間や対象が限られている場合も多いので、より多くの利用が見込まれる一般的なものを優先的に収集する。
3. 各種データやプログラムの入ったCD-ROMやDVD-ROM付き資料に関してはその著作権に留意し、収集にあたっては図書館での個人貸出に支障がないことを確認する。
4. 特定の機種をすすめるものは、厳選して収集する。

図書館~図書、書誌学
1. 図書館利用に役立つ資料や各種書評類は、積極的に収集する。
2. また図書館学や各種目録、出版情報など、市民の読書活動や図書館の運営に役立つ資料はできるだけ豊富に、積極的に収集する。

雑著
他のどの分野にも該当しない内容のため、特に内容に留意し、厳選して収集する。

ジャーナリズム、新聞
言論・表現の自由は図書館とも深い関わりを持つ分野であり、積極的に収集する。

1類 哲学

哲学
原典をはじめ、入門書、概説書を中心に、古典から現代まで幅広く収集する。

心理学
1. 新しい研究に留意し、入門書、概説書を中心に収集する。
2. 心理療法は選択して収集する。
3. 心霊研究、占いなどは厳選して収集する。

家庭・性倫理、人生訓
類似内容の資料が多いため、厳選して収集する。

宗教
特定宗教に偏ることなく各宗教の原典をはじめ、入門書、概説書を中心に収集する。

2類 歴史

日本史、地方史、各国史
1. 一般的に書かれた歴史読物から入門書、概説書、研究書、史料など、特定の歴史観や学説に偏らないよう、幅広く収集する。
2. 戦争、原爆についての資料は積極的に収集する。
3. 情報の少ない国の資料については、特に留意して収集する。

伝記
古典的な著名人に限らず、各分野の著名な人物を中心に、国内外を問わず幅広く収集する。

地理、地誌、紀行
1. 旅行案内、地図については、最新の資料を収集する。
2. 情報の少ない地域の資料については、留意して収集する。

3類 社会科学

論文・講演集、社会評論、雑著
1. 著名人の著作、主要な主題についての著作は積極的に収集する。
2. その他は厳選して収集する。

社会思想・社会主義
多様な観点の資料を幅広く収集する。

政治
時事性のある資料、多様な観点の資料を幅広く収集する。

地方自治、地方行政
住民自治についての資料は積極的に収集する。

法律
1. 各法を体系的に収集する。
2. 法律の改正に応じて、絶えず情報の更新に留意する。
3. 専門書は厳選して収集する。

経済
1. 基本的な学術書だけでなく、市民のビジネス支援に役立つと思われる実用書なども積極的に収集する。
2. 利殖に関連する資料は、厳選する。

税金
実用書や入門書を収集し、法律の改正に対応した最新の資料を収集する。

財政
時事性のある入門書、概説書を中心に最新の資料を収集する。

統計
社会の動向を理解するのに必要な統計類を選択して収集する。

社会学
多様な観点に立つ資料を幅広く収集する。

人権問題
多様な観点に立つ資料を積極的に収集する。

社会保障、社会保険
年金など、生活に密接に関わる分野であるので、新しい実用書を幅広く収集する。

生活・消費者問題
生活に役立つ、時事性のある資料を積極的に収集する。

家庭・性問題
多様な観点の資料を幅広く収集する。

社会福祉
実用書を中心に、専門書にも留意して収集する。

教育
1. 基本書を中心に、多様な観点の資料を収集する。
2. 学校教育、家庭教育、生涯学習に関するものを中心に、今日的課題について理解を深めることができるものを収集する。

風俗習慣、民俗学
1. 主要な民俗学者の著作に留意して収集する。
2. 風俗、習慣、民俗に関することは、図版、写真などの豊富な資料を収集する。特定地方を扱った資料は、厳選して収集する。
3. 冠婚葬祭については、記述に人権上問題がない実用書を選択して収集する。

国防、軍事
多様な観点の資料を、世界情勢に留意して収集する。

4類 自然科学

 科学性や最新の研究成果に留意して、入門書、概説書を中心に収集する。

医学、薬学
1. 病気及び医療について理解を深めるのに役立つ資料を中心とし、専門的資料は厳選して収集する。
2. 闘病記については積極的に収集するが、宣伝色の強いものについては留意する。新しい治療法や民間療法については、客観性や科学性に留意して収集する。
3. 食の安全性については、堺市の過去の教訓を生かして、積極的に収集する。

5類 技術

技術、工学
1. 新しい技術に留意し、実務に生かせる資料を中心に収集する。
2. ビジネス支援の観点からもできるだけ各種業界の資料を収集する。

衛生工学、公害・環境工学
環境問題は日常生活との深い関わりがあるので、時事性・話題性を考慮し、幅広いテーマで多様な観点に立った資料を収集する。

建築学、機械工学
1. 新しい技術や法律の改正に留意し収集する。
2. 原子力工学については、多様な観点のものを選択して収集する。

電気工学
1. 写真、図版の多い電気鉄道についての資料は利用が多く破損しやすいので、更新に留意する。
2. インターネット関連資料は、最新の情報に留意し、入門書、概説書を中心に収集する。

家政学、生活科学
実用性の高い資料を選択して収集する。
1. 被服関連は、流行や季節にも留意する。
2. 育児については、子育て支援の面からも実用性の高い資料を幅広く収集する。

6類 産業

農業
1. 食糧問題に関する時事性のある内容の資料を幅広く収集する。
2. 食用作物については、入門書から研究書まで幅広く収集する。

園芸
1. 類書が多いので、選択的に収集する。
2. 新しい研究成果に留意し、実践に生かせるように多様な種類の栽培法の資料を収集する。

畜産業、林業、水産業
1. 畜産については、代表的な家畜に関する資料を中心に専門的な資料まで収集する。
2. 林業については、森林問題など時事性のある資料は幅広く収集する。
3. 水産業については、解説書から研究書まで幅広く収集する。

商業
1. ビジネス支援に役立つ資料を積極的に収集する。
2. 接客やセールスに関する資料は、類書が多いので厳選する。

運輸、交通
新しい資料を積極的に収集する。

観光事業
1. レジャー施設に関する本について、最新の資料を収集する。
2. 観光を軸としたまちづくりに関する資料を積極的に収集する。

放送事業
一般的な資料を中心に、放送史、番組史に関する資料も収集する。

7類 芸術

芸術・美術
1. 理論や歴史は、時代を反映した評価、評論、新しい発見に基づいた美術史などに留意して収集する。
2. 全集は、印刷、解説、編集等に留意して収集する。特に、今まで全集に取り上げられていない、あるいはその数が少ない作家の作品が所収されているものは積極的に収集する。

彫刻、絵画、版画
1. 鑑賞用の資料は、印刷が美しく芸術性の高いものを収集する。
2. 制作、技法に関する資料は、入門書から上級まで幅広く収集する。
3. 漫画については厳選する。ただし、漫画を用いた入門書、実用書等は、各分野の選定基準により収集する。

写真
1. 写真撮影の入門書から、上級者向けまで幅広く収集する。
2. 写真集については厳選して収集する。

工芸
1. 鑑賞用の資料は、写真が美しく芸術性の高いものを収集する。
2. 制作、技法に関する資料は、入門書から上級まで幅広く収集する。

音楽
1. 西洋音楽に偏らず、邦楽、民族音楽なども留意して収集する。
2. 楽譜、教則本は厳選して収集する。

演劇
各ジャンルについて幅広く収集する。

スポーツ、体育
1. 様々な競技について、初心者から上級者まで、それぞれに必要な知識を得られるような資料を収集する。
2. またスポーツ観戦の盛んな種目については、「観る」側からの資料も収集する。

諸芸、娯楽
1. 茶道、花道は、いろいろな流派の歴史、理論、作法、道具についての資料を収集する。
2. 囲碁、将棋は、基本的な資料から上級者向けの資料まで収集する。
3. ゲームの攻略本やゲームブックは、収集の対象としない。

8類 言語

日本語
1. 広範囲にわたって収集する。
2. 手紙、挨拶、スピーチについての資料は、記述に人権上問題がない実用書を選択して収集する。

中国語~東洋の諸言語
1. 中国語、韓国・朝鮮語の資料は、入門書や実用書を中心に収集する。
2. その他の言語については、留意して収集する。

英語
入門書や実用書を中心に収集し、専門書は厳選して収集する。

ドイツ語~その他の諸言語
1. ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語などの資料は入門書や実用書を中心に収集する。
2. 出版点数の少ない言語については、特に留意して収集する。

9類 文学

文学
作家事典、作品の解題辞典、全集の内容総覧等は積極的に収集する。

日本文学
1. 作家、作品研究は選択的に収集する。
2. 詩歌については、著名な歌人、俳人、詩人の作品を中心に積極的に収集する。
3. 小説については、利用頻度、資料価値の持続性を考慮しつつも、作家の知名度に重点を置き過ぎないように留意して収集する。

中国文学~その他の諸文学
外国文学については欧米の作品だけではなく出版点数の少ない国の作品も積極的に収集する。

【2】 児童図書

 児童図書とは、乳幼児から中学生程度を対象として出版されたものとする。

収集の基本的な考え方

 子ども時代にさまざまな本と出会うことは、豊かな感受性を育て、生きていく力を育むうえで大切である。発達段階に応じた本との出会いは、子どもが想像力を豊かにし、探究心を育て、正しい知識や科学的な物の考え方を身につける助けとなる。一冊の本との出会いが、その後の人生を左右することもある。また、利用の主体はあくまでも子どもであるという視点を忘れてはならない。これらを念頭におき、子どもたちがさまざまな本と出会えるよう、読書環境を整備し、幅広い資料を収集していくものである。
1 乳幼児期からの読み聞かせや読書の重要性を念頭におき、子どもの成長を豊かに育む絵本を積極的に収集する。
2 長く読み継がれてきた定評のある作品は、更新に留意し、欠本を生じさせないようにする。
3 子どもの利用はそのほとんどが、生活圏にある図書館となるので、基本的な資料は各図書館で備える。
4 子どもの探究心を育む科学の本、知識の本を積極的に収集し、調べ学習や学校行事にも十分対応できるようにする。

以下、絵本・よみもの・紙芝居・知識の本の順に選定基準を記す。

絵本

 子どもが最初に出会う本は絵本である。豊かな読書体験への入り口として、また子どもの言葉を育てるものとして絵本の役割は大きい。年齢や成長に応じ、知的・情緒的経験を広げ、想像力を豊かに養うものを中心に幅広く収集する。
1 絵と文が一体になっており、わかりやすく美しい言葉で表現されているもの。
2 装丁・造本がしっかりしたもの。またその造りが内容にふさわしく作品を十分に生かしているもの。
3 絵がストーリーを物語っているもの。
4 表現が豊かで、子どもの想像力・空想力を養うもの。

知識絵本
1. 子どもの探究心を刺激し、科学的興味を引き出すもの。
2. 最新の正確な知識に基づき、用語や資料の使い方が正しいもの。

乳幼児絵本
1. 乳幼児期の読書についての啓発活動により、利用者の関心も高まり、利用も多いため、資料の更新を行い、複本も用意する。
2. 乳幼児が生活で経験したことを絵で再認識できるものや、想像力を豊かに養うものを収集する。
3. 擬音や繰り返しなどリズム感があるものを収集する。
4. 物事への興味や関心を育むことができるような幼児向きの科学絵本を収集する。

その他
1. 神話、民話、昔話絵本は幅広く収集する。
2. 点字絵本、さわる絵本は、その特性に留意して積極的に収集する。
3. 大型絵本はその特性を生かした作品を収集する。
4. 外国語の絵本は、代表的な作品を中心に収集する。
5. 漫画、アニメ、ゲーム、テレビ、映画作品を原作とする絵本は厳選する。

よみもの

 たくさんの絵本に接して、本の世界の楽しさを知った子どもが、更に豊かな読書体験をもてるよう、古典・創作・冒険小説・推理小説・SF・ファンタジー等、多様なものを取り揃えて自ら選んでいけるよう幅広く収集する。
1 読みつがれているものは、できるだけ幅広く収集し更新も心掛ける。
2 神話、民話、昔話は幅広く収集する。
3 翻案もの、抄訳ものは厳選する。

紙芝居

 日本独自の文化である紙芝居の形式と特性・機能を生かした資料を積極的に収集する。
 また評価の高い作品については更新を心掛ける。

知識の本

 子どもの知的好奇心を満たし、物事への興味や関心を深め、子どもが自ら学び、洞察力を深め、科学的なものの見方、考え方などを身につけることができる資料の収集に努める。
 また、子どもが自ら考え、視野を広げることができるよう、多様な観点から評価し収集する。
1 情報が正確で最新のものか、出典や根拠が明確か、内容がわかりやすく客観的に書かれているかなどに留意する。
2 子どもの発達段階、理解力にあった内容であるか留意する。
3 図版や写真、漫画などで読みやすく工夫され、子どもが理解しやすく、親しみを持つことができる資料を、正確な内容であることに留意して積極的に収集する。
4 改訂版、増補版に留意し、必要に応じて更新する。
5 学校との連携を図り、調べ学習に十分対応できるよう留意して収集する。
6 学習参考書や各種問題集、書き込みを主体とする資料は収集の対象としない。

総記(図書館、書誌学、百科事典、叢書)
調べ学習に対応できるよう百科事典は各館で所蔵し、五十音順・主題別など各種揃え、計画的に更新する。また、図書館の活用法や、情報通信技術に対応できる資料も収集する。

哲学(哲学、心理学、倫理学、宗教)
1. 子どもの興味や関心、悩みなどに応えられるような資料を選択して収集する。
2. 特定の宗教に偏ることなく、各宗教への理解を深められるものを収集する。

歴史(歴史、伝記、地理、紀行)
1. 歴史認識は多様な解釈があるため、内容については、正確な事実に基づいていることに留意し収集する。
2. 伝記は、様々な時代の各分野の人物について、その生き方や業績について正確に描かれているものを収集する。
3. 地理の本は、各地域への理解を深めることができるよう最新の情報に留意する。

社会科学(政治、法律、経済、統計、社会、教育、民俗、軍事)
1. 身のまわりの問題から、社会的・世界的な問題について書かれたものまで、時事性に留意し幅広く収集する。
2. バリアフリーやユニバーサルデザインなど、社会的な関心が高い分野の資料は積極的に収集する。
3. 世界の国々の情勢や、人々の生活や習慣に関心をもてるような資料を収集する。
4. 平和や人権について知り、理解を深めることができるような資料は積極的に収集する。

自然科学(数学、理学、医学)
1. 図鑑類を豊富に収集する。
2. 科学の本については、情報が科学的な根拠に基づいているものであること、また、対立する意見の存在などについても留意し、科学的なものの見方、考え方を学ぶことができるような資料を収集する。
3. 健康や食について認識を深め、成長期にある子どもが、健康的な日常生活を送るのに役立つ資料を収集する。

技術・産業(工学、工業、家政学、農林業、水産業、商業、交通)
1. 各種工業、産業については、技術の発展や最新の情報に留意し、理解を深めることができるような資料を幅広く収集する。
2. ゴミ問題・リサイクル・公害等の環境問題は、日常生活と深い関わりがあるため、時事性・話題性を考慮し、理解を深めることができるものを積極的に収集する。
3. のりものについての資料は、特に子どもの関心が高いので、更新に留意して収集する。
4. 手芸や料理の本については、実用的でわかりやすいものを収集する。
5. ペット類の飼育方法や植物の栽培方法等は、身近な生きものや植物を中心に収集する。

芸術(美術、音楽、演劇、体育、諸芸、娯楽)
1. 美術・音楽は、子どもの情操を育む分野であり、豊かな感性が身につくよう留意し収集する。
2. 日本の伝統芸能への理解が深まるものは積極的に収集する。
3. スポーツや体育については、ルールの改定に留意し多様なものを収集する。
4. 漫画、アニメ、ゲーム、テレビ、映画作品のキャラクターものは厳選して収集する。
5. ゲームの攻略本は、収集の対象とはしない。

言語
1. 文章理解や、論理的思考の基本となり、読解力を養う国語力を身につけることができるものや、ことばの大切さに気づくことができるような資料を収集する。
2. 外国語は、英語を中心に子ども向けの辞典類を収集する。
3. 世界の国々への理解を深めるため、多様な言語の資料を収集し、特に英語については、語学力が身につくようなものを収集する。

文学
1. 詩歌は、教科書に掲載されている作者を重点的に収集する。
2. 児童書の研究資料は、一般資料の範疇で収集対象とするが、必要に応じて、児童資料としても収集対象とし、総記・文学ともに児童書の理解が深められる資料を収集する。

【3】 地域資料

 地域資料とは、図書館法第3条第1項第1号において、十分留意して収集し、一般公衆の利用に供することとして掲げられている、「郷土資料」ならびに「地方行政資料」を総称するものとする。すなわち、郷土堺に関する歴史的な資料だけではなく、その地域に住む住民が自らの生活を営むために学習・調査する、「地域」についてのさまざまな今日的資料まで幅広く含む。

収集の範囲は以下の通りとする。
1 地域的な範囲は、堺を中心とした、現在の行政区域における大阪府全域、および必要に応じて歴史的経緯に見る関連区域(堺県、摂津・河内・和泉国など)も対象とする。ただし、ある特定のテーマについて重点的に収集する必要がある場合は、地域的な範囲により限定しない。
2 収集する主題としては、歴史、人物、地名、ことわざ、伝説・民話、地場産業、風俗習慣、教育、労働、植物・動物、文化財、文学作品、選挙など、地域に関するあらゆる主題を取り扱う。
3 郷土人の範囲は、堺市で生まれた人、主な活動の場が堺市の人とする。また、歴史上の人物に限らず同時代の人物も含む。

収集の基本的な考え方

 住民の地域への知識・認識を深め、市民生活を行なうために的確な状況把握や自主的な判断を行うために必要な資料を収集する。また、将来の貴重な歴史資料を収集しているという視点をもって現在の地域資料の収集に当たる。地域資料は、配布地域・配布期間が限られるものも多く、いつでもどこでも誰でもが手に入れられるとは限らない。地元の公立図書館として責任をもって積極的に収集する。

以下、種類別に選定基準を記す。

一般資料

1. 部分的であっても、堺に関するテーマが掲載されている資料は幅広く収集する。
2. 内容が堺に関係がなくても、堺市在住の人の著作物は収集する。
3. 郷土人の著作のうちで、現在、職業として著作活動をしている人物のものは、積極的に収集する。

逐次刊行物

1. 地方新聞、地域ミニコミ誌、学校新聞、PTA会報、同人誌、紀要などは、地域の歴史や文化状況がわかるので積極的に収集する。入手に困難な資料が多いので特に留意する。
2. 堺・大阪に関連する雑誌は幅広く収集する。企業のPR誌も収集する。

古文書

 機会を失すると永久に失われるおそれのある資料なので、特に留意して収集する。

地図・絵図

1. 古地図・古絵図は、特に入手の機会を失することなく収集する。
2. 地図類は貴重な資料となるので、各種幅広く収集する。

行政資料

 堺・大阪府の行政機関の発行する資料は、可能な限りすべて収集する。冊子体になっていない資料についても収集する。

写真

 風景、人物、航空写真、図書館行事など、市販されるものだけでなく作成したものも幅広く収集する。

視聴覚資料

 郷土人の声や民謡や方言などの音声、民俗記録やテレビ放映の映像などの資料も積極的に収集する。映像資料については著作権に特に留意する。記録媒体についても、デジタル資料(CD、DVDなど)や、カセットテープ、ビデオテープ、レコードなど、様々な媒体のものを収集する。また、新聞などの市販のマイクロフィルムも収集する。

デジタル化資料

 堺市を中心とした地域の歴史文化資料の保存と積極的な活用のため、収集した資料を選択して、デジタル化等の媒体変換を行う。
 デジタル化した資源は地域資料デジタルアーカイブや電子書籍として公開する。

市民活動記録

 市民の文化的な活動の記録として行事のパンフレット、プログラム、市民の経済状況の反映となるチラシや広告なども留意して収集する。

その他

 書簡・日記・軸・屏風・パネルなど、各種の形態の資料を柔軟に積極的に収集する。

【4】 視聴覚資料

 視聴覚資料とは、活字以外の視覚・聴覚によって、情報を得られる資料のこととする。

収集の基本的な考え方

1 視聴覚資料は、利用者の知識・教養を高め、趣味や余暇活動の充実に資するため各分野について幅広く収集する。
2 図書館資料全体における視聴覚資料の位置付けを考慮し、メディアの特性を活かした資料を収集するよう留意する。
3 著作権法上、図書館での利用が可能であるものを前提に収集する。入手経路が確定できないため、著作権者以外による寄贈資料の収集は原則として行わない。
4 活字資料の利用が困難な市民にも配慮する。
5 既存の媒体および、技術革新によって発生する新しい媒体についても収集するよう留意する。
6 リクエスト資料は収集の参考として検討するにとどめ、収集対象とはしない。

以下、資料群別に選定基準を記す。

録音資料

1. 朗読・講演録
 文芸作品を朗読したいわゆるCDブックや、講演録は幅広く収集する。
2. 演劇・演芸
 演劇については演劇の録音、ラジオドラマなど、国内外で受賞したもの、評価されたものを中心に収集する。
 演芸については、落語・浪曲・講談・漫才などを中心に収集する。
3. 教育学習
・図書の付録ではなく、視聴覚資料として独立したものを対象に語学を中心に、収集する。
・少数言語も可能な限り収集する。
・講義録・セミナー等、教材・テキストではなく独立して利用できるものを中心に収集する。
4. 児童
 児童が視聴対象であり情操や言葉を育むものを収集する。
5. 音楽
 民謡、童謡、民俗音楽等、活字資料の補完として役立つものを中心に、将来の資料的価値に留意して収集する。
6. その他
自然音、効果音など。

映像資料

 幅広い年代を対象にノンフィクション・実用的なものを中心に収集する。

【5】 新聞・雑誌

新聞

 日々のニュースを伝える媒体として、デジタル化の時代にあっても、その資料価値は大きい。しかし、その選定は全国紙、一部専門紙等に限定する。また、収集にあたっては、以下の事項を考慮する。

1 各図書館の役割と地域の特性を考慮して収集する。
2 次に掲げる新聞は購入の範囲としない。
(1) 広げて閲覧する形態を鑑み、周囲の子ども、青少年への配慮に欠ける新聞。
(2) 特定企業の販売促進紙。
(3) 特定政党、宗教団体の機関紙・広報紙。
(4) 高度な学術・専門紙。
3 寄贈は各館の収集方針(図書も含む)との関連性、所蔵の有無、継続性を考慮したうえ、購入と同様に検討し、収集する。なお、前項2の(3)は寄贈には適用しない。

雑誌

 雑誌は、図書より体裁を簡易にし、発行頻度を高め、より早い情報の提供を全面に出している。その種類は、商業出版誌、学術雑誌、社内報・PR誌、政府刊行物があり、内容も趣味・娯楽誌、学術情報誌等多岐にわたる。したがって、発行の継続性、扱っている内容等十分に検討した上で、選定する必要がある。よって、収集にあたっては、以下の事項を考慮する。

1 購入タイトルの決定については、利用者の要求を考慮しつつも、公共図書館としてふさわしい内容であるか、堺市立図書館として分野のバランスがとれているかを吟味し、全館で調整し選定する。
2 各図書館の役割と地域の特性を考慮して収集する。
3 購入にあたっては、年間購読を原則とする。
4 流通にのらない雑誌についても考慮する。
5 次に掲げる雑誌は購入の対象としない。
(1) 特定企業の販売促進雑誌。
(2) 特定政党、宗教団体の機関誌・広報誌。
(3) 高度な学術・専門雑誌。
(4) 1月以内の利用に限定される雑誌。例えば、テレビ・ラジオ等番組誌、放送テキストとしての利用に限定される雑誌。
(5) 切り取り、書き込み等を目的とする雑誌。
(6) 漫画雑誌。
(7) 創刊時に完結巻号が決定済みで、期間限定で発行されている雑誌。たとえば、分冊百科と呼ばれるような雑誌。
6 前項5の(1)(2)は寄贈には適用しないが、内容については十分吟味する。

【6】 電子書籍

 地域の知の拠点としての図書館機能の充実に努め、市民のくらしに役立つハイブリッド型図書館をめざし、ICTを活用した資料情報提供を充実するため、電子書籍を収集する。また、収集にあたっては、以下の事項を考慮する。

1 電子書籍の収集・保存に関しては、図書に準ずる。
2 紙媒体では購入対象としない、書き込み、切り取り式の資料が電子書籍化されたものを収集する。
3 学習・資格参考書、問題集およびテキスト類が電子書籍化されたものを収集する。
 (音声付きで、自学自習に役立つ資料を考慮する)
4 絵本など、児童書も収集する。
5 モバイル端末対応の資料を積極的に収集する。
6 視覚障害者等、読書に対し障害を持つ利用者に対応できるように音声データを含んだタイトルを考慮して収集する。
7 マルチメディアに対応した資料を考慮して収集する。
8 来館困難な利用者に配慮して、ビジネス書・育児書など、さまざまな分野の資料を収集する。
9 地域資料に関しては、郷土史家の著作などを選択してデジタル化をおこなう。

【7】 その他

 資料価値と利用ニーズを検討し、必要に応じて下記の資料等も収集の対象とする。

1 マイクロ資料等、紙媒体では収集・保存が困難な資料。
2 オンラインデータベース等、正確性、迅速性、検索の効率性においてインターネットの無料情報よりすぐれた情報。

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電話番号:072-244-3811

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