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平成25年度第1回(平成25年7月16日開催) 議事(その3)

更新日:2013年8月15日

 (3)平成24年度 業務実績報告について

事務局説明

  • 評価の目的、評価の進め方について、資料5、参考資料5及び参考資料6を用いて、評価の目的は、法人が中期目標を達成するために、業務運営の改善及び効率化が進められること及び法人の質的向上に資することを目的として行うものであることを説明。
  • 評価の進め方は、小項目評価は、法人の業務実績や自己評価などを総合的に検証し、単に目標値や前年度値と当該実績値の比較だけでなく、計画を達成するために効果的な取り組みについても判断し、5段階で評価を行うこと。大項目評価は、小項目評価の結果割合や重点ウエイト小項目の評価結果等を基に5段階で評定する。そして、最後に記述式による全体評価を行うことを説明。
  • 資料6は法人が作成した業務実績報告書、資料7は各小項目における法人自己評価の一覧。また、具体的な法人の業務実績と取り組み状況については法人側から説明することを説明。

地方独立行政法人堺市立病院機構(北村理事長)

 法人経営の最終的な責任者として、この間、役員とともに法人が進むべき方向について議論を重ね、自らを律する組織として危機意識をもって法人の経営にあたりました。なかでも特に力を入れたのは、市の病院として救急医療を充実することと財務内容の改善です。公的病院としての役割を果たすためにも、高度専門医療の提供とともに、救急医療を拡充する必要があり、私自身も救急医療の必要性を説いてまいりました。
 院長のリーダーシップや現場の職員の努力により、当院は平成24年度の救急患者の受入れを大幅に拡充し、堺市二次医療圏で最大の救急受入れを行う病院に成長することができました。また、スタッフの研修と技術向上のためには投資を行うことが重要でありますが、将来にわたり安定して医療を提供するために経営基盤の安定は欠かせません。そのため入院患者数や手術件数の増加、診療報酬改定への着実な対応、施設基準の取得など、特に収入の増加による経営改善に取り組んでまいりました。また、物品購入など支出削減にも力を入れて取り組んでまいりました。
 業務実績の詳細については、この後、法人本部長・経営企画室長からご報告を差し上げますが、こうした取り組みの結果、初年度は入院・外来収益が平成23年度に比べ9.2億円増加し、経常損益で6.8億円の黒字を達成することができました。
 これらの成果は私たち病院の経営幹部だけでなく、現場のスタッフが、それぞれの立場で自立した考えを持ち、何かを変えようという意識を持って業務にあたってくれたことが極めて大きな要因だと思います。評価委員の皆様には是非とも、私たちの業務実績を客観的に評価いただき、改善すべき点のご指摘をお願いします。私は、ご指摘いただいた点を職員と共有し、業務の改善につなげてまいりたいと考えております。
 平成27年には救命救急センターを併設する新病院も開院し、ますます地域における役割が高まってまいります。
 今後も地域における中核病院として、その時代時代の市民の医療ニーズに応えるべく、職員一丸となって努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

地方独立行政法人堺市立病院機構説明(出耒法人本部長)

  • 資料6及び資料8を用いて、堺市立病院機構の概要と業務実績の総括について次のように説明。
  • 法人の基本的な目標は、法人移行前の堺病院の理念を継承し、真に地域に必要な医療を安定的且つ継続的に提供するという公的使命を果たすとともに、医療の質の向上及び患者サービスの充実に取り組むことと、将来にわたり安定して医療を提供できるよう、効率的な経営による経営健全化の推進に取り組むこと。
  • 中期計画期間中の3ヵ年のうち平成24年度は、経営基盤の安定化に取り組んだ。平成25年度は引き続き経営基盤の安定化に取り組むとともに、医療の質の向上や人への投資にも取り組む。こうした3ヵ年の取り組みを通じて地域に信頼される新病院をめざしたい。
  • 独立行政法人移行による変化として、当院で働く委託業者を含めた全てのスタッフに意識の変化が生じ始めた。そのために、職員に意識改革スローガンの浸透を図った。経営幹部は独法化により自立した経営を行っていく自覚が高まり、経営者として責任ある迅速な判断や対応を行うようになった。また、目標・実行・評価のPDCAサイクルを導入したことが、各部門長の目標達成意識を高めた。併せて、経営情報の院内共有に努めたことで、各部門長が部門運営に経営的な視点を持ち始めた。
  • 日々の業務のなかでも、業務改善や予算施策で多数の提案がなされるなど、個々の職員自らが行動を起こす気運が高まった。
  • 平成24年度の運営を総括すると、意思決定のプロセスを明確化するなど、法人運営の基盤となる仕組みを整備した。診療面では、救急・小児救急で多くの患者を受け入れ、堺市医療圏におけるセーフティネットとしての役割を果たした。また、負担の少ない鏡視下手術の拡充にも取り組んだ。財務面では、入院・外来収益が117.7億円と、前年度に比べ9.2億円増加した。費用の節減にも取り組み、経常損益で6.8億円の黒字となった。

地方独立行政法人堺市立病院機構説明(寺口経営企画室長)

  • 資料6及び資料8を用いて、大項目の全体的な取り組み状況の説明及び、法人自己評価が3以外の小項目と重点ウエイト小項目について平成24年度の業務実績と自己評価の評点の理由について説明。

杉本委員長

 ただ今、事務局から評価方法の確認また、法人から重点ウエイト小項目と法人自己評価が3以外の小項目について、平成24年度の業務実績についての説明がありました。
 法人の平成24年度 年度計画に係る取り組み状況についての確認と我々、評価委員会としての評定について検討を行っていくわけですが、項目数も多くあり、効率的・効果的に議論を進めたいと思いますので、全体を大きく4つに分けて進めたいと思います。主に法人から説明があった重点ウエイト小項目や法人自己評価が3以外の項目について前から順番に検討を行いたいと思います。また法人自己評価は3であるが、評価委員会としては異なる評価が妥当と考える項目についてもご意見をお願いします。

岡原委員

 救急の項目ですが、救急応需率等の指標が目標を超えているということですが、この実績数値だけで評価していいのですか。つまり、数字で判断していいのでしょうか。
 率は上がっているのですが、3次救急の提供を睨んでの評価と思うのです。評価を「5」とすると、今、現状のままで充分となりますので、少しどうかなと思います。

地方独立行政法人堺市立病院機構 金万院長

 平成24年度の取り組みは、まず、救急隊からの受入れ要請を断らないようにしたことです。その他には、受入患者のデータベースを作っての分析です。その結果、外科系救急患者の受け入れが少なかったので、救急救命センターに向け、整形外科、脳神経外科、外科の受入患者の増を目標に取り組み、結果として3科で約540件近くの受入件数の増となりました。
 堺市の消防隊によると、救急搬送で1番困っているのは、休日・夜間の消化管出血に対して、内視鏡治療や外科系手術ができる病院が非常に少ないということでしたので、当院としては、消化管出血を引き受けられる体制をとり、吐血コールという直ぐに治療できる体制を整備しました。また、以前からある重症の心疾患患者に対して、到着後すぐに心臓カテーテル治療ができるよう、ハートコールという体制もとっております。
 実際にウォークインを含む救急搬送患者の疾患別データベースを作り、他の医療機関との棲み分けの中で、どういう疾患を中心に診ていくのか、単に受入数だけではなく、分析を行ったうえで取り組んでいきたいと考えています。また、将来の救命救急センターにどのように近づけていくか、この2つの方向で現在進めています。

杉本委員長

 平成24年度の取り組みとしては、救急の質的な面で変えていっていることが1つ。病院ごとの特徴を活かし、地域全体として救急体制を支えると考えた上で、堺病院が担わなければならない分野の救急に力を入れての取り組みであるという説明でした。
 救命救急センターも様々な形態がある。少し先のことになるが、救命救急センターを開始した後のウォークイン患者への対応については、現状では、どの様に考えているのですか。

地方独立行政法人堺市立病院機構 金万院長

 新病院では、3次救急、2次救急を中心に運用したいと考えていますが、当院ではウォークイン患者の中に実は重症な患者が含まれていることも多いので、ウォークイン患者をきちんとトリアージし、より重症な患者から診療をするようにしています。
 新病院での3次救急や2次救急の患者数がどの程度となるのかも含め、実際にやってみないとウォークインをどの程度カバーできるのかは断言できません。ただ、現状でも約 13,000人のウォークイン患者を診ているので、13,000人よりも少し多いぐらいのウォークイン患者を受入れることをめざしています。
 1年間データベースを作ってきており、他の急性期病院を参考に、現在シミュレーションを行っているところです。ウォークイン患者の受入を行わないのではなく、重症患者を中心とした救急医療の提供を行いたいと考えています。

岡原委員

 断らない救急をめざすことは非常に大事なことです。しかし現実的には受け入れた患者の内、他の病院に搬送する場合もあります。全ての患者を受け入れることが必要というわけではないが、3次救急をめざす上で大切なことは、今まで他院に搬送していた2次あるいは2.5次の患者をどれだけ今まで以上に受け入れることができたのかが重要であると思います。
 小児救急なども非常に頑張ってくれていることは理解しています。ただ、救急医療についても、地域の医療機関と連携し、分担してやっていく方が良いのではないかと思っています。

地方独立行政法人堺市立病院機構 北村理事長

 堺二次医療圏に救命救急センターがないため、堺市から他の医療圏に搬送される3次救急患者は年間350人~400人います。当院に救命救急センターが完成した時には、全て、堺市医療圏で完結する救急受入体制としたいと思っています。
 現状の当院のウォークイン患者を含めた救急からの入院割合の率は3割を超えています。全国の2次救急における平均の2割台を1割程度上回っており、重症患者の受入を積極的に行っている状況です。今後、急病診療センターが隣接地に併設されることもあり、このような方針で救急を行っていきたいと考えています。

地方独立行政法人堺市立病院機構 出耒法人本部長

 二次医療圏における救急についても、それぞれの病院が特徴を活かし、機能分担し行うことがベターだと考えています。
 今回の評価は、最終的に救命救急センターの開設をめざしていく中で、平成24年度の年度計画に基づく成果としては、特にこれまで弱かった外傷系救急の強化を図ったことなどで、こうした取り組みを今年度の業績として自己評価しています。3年後、最終的にどうだという評価ではないので、よろしくお願いします。

杉本委員長

 救急に関しては、数だけでなく、質的な変化への取り組み行っており、このことも重要であるということです。
 確認したいのですが、救急プロジェクトの毎朝ミーティングの取り組みは平成24年度からでいいですか。また、トリアージナースの配置で、院内トリアージの診療報酬加算は取得できているのですね。
  (法人より はいの声)
 小児救急患者数の中には、ウォークイン患者を含んでいるのでしょうか。それとも、救急搬送患者のみでしょうか。

地方独立行政法人堺市立病院機構 青木副院長

 全て、救急搬送されてきた患者数で、ウォークイン患者は含んでおりません。

杉本委員長

 堺市には初期救急施設の小児急病診療センターがあるので、小児救急は2次救急のみということですね。
 周産期医療の観点からですが、分娩件数が減っていますが、何か特別な理由、院内における体制などの理由があるのでしょうか。

地方独立行政法人堺市立病院機構 大里診療局長

 大きく2つの理由があります。
 正常分娩については、妊産婦のニーズにマッチする療養環境、食事であったり、個室対応であったりですが、この対策が少し遅れ後手に回ったということです。ハイリスクの分娩については、NICUを閉じていますので、その様な妊産婦の受入ができていないことです。新病院では、NICUの機能も整備しハイリスク分娩にも対応していきたいと考えています。
 療養環境の改善や医療機器への投資も行っていますので、今後は増加するものと思っています。

杉本委員長

 がん、高度医療については、どうでしょうか。
 がん入院患者も平成23年度と比べると少し減少し、目標の5,000人は少し高い目標なのかなと感じています。患者数が減少した理由はどの様に分析していますか。また、今後、どの様な取り組みをしていくのですか。

地方独立行政法人堺市立病院機構 大里診療局長

 医師の人事異動により胃がんで高名だった医師の退官や、それまで中心的な役割を果たしていた医師が異動したことが一つの大きな理由です。また、新病院建設により、堺病院は救急に特化するという風評が起こったことも理由の一つです。
 ただ、市民公開講座の開催や医師会との勉強会の開催などの取り組みによって、紹介患者を徐々に増やし、昨年度の夏以降は従来とおり、また本年度に入っては従来以上の手術を行っております。

杉本委員長

 この項目は、重点ウエイト小項目ということです。一時的な理由により患者数等減少しているが、目標達成に向け新たな取り組みを行い、その方向に推移しているということでした。
 医療の安全、安心という項目や事務の効率化というところで何かないでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、経営状況についてはどうでしょうか。

岡原委員

 会計基準や科目の変更等があり、独法化する前後でどのように財務状況が変化したのかを理解するのは非常に難しいです。また、地域医療支援病院に認定されると10%くらいは自動的に診療報酬が上がります。独法化して、どのように財務状況が変わったのか、丁寧に分かるように説明をお願いします。

地方独立行政法人堺市立病院機構 寺口経営企画室長

 岡原委員が仰るとおり、堺病院は地域医療支援病院の認証を取得しており、これににより年間約1億円程度の上積みがあります。平成24年度の収入増で最も大きかったのは、入院収益と外来収益で約9億円の増収となったことです。これは、入院単価、外来単価ともに単価が上がったことが要因です。
 単価増の理由の一つ目は、地域医療支援病院の認証取得で医療機関別係数が上がったこと、二つ目は手術件数が増加したことです。鏡視下による手術の増加も単価増に影響しています。また、救急からの入院患者が増加したことも入院単価を押し上げる要因の一つと考えています。年間の入院延べ患者155,000人の単価が4,000円上がったことが経営改善の大きな要因であると考えています。
 費用についても、独法化の際に土地、建物などの資産の時価評価を行いました。その結果、減価償却費が約5億円、現病院の建物、構築物に絞りますと約8億円、昨年度より減少しました。
 昨年度より経常収支は17~18億円改善していますが、そのうち9億円強は独法化による会計基準等の制度変更による影響額、残りの半分弱が入院収益の増や費用の削減など法人の努力で好転した影響額と分析しています。次回に、もう少し詳しく説明いたします。

岡原委員

 中期計画には、一般会計からの運営費負担金が含まれているが、平均すると年間どの程度でしょうか。

地方独立行政法人堺市立病院機構 寺口経営企画室長

 平成24年度の運営費負担金は16億4千万円です。平成23年度の一般会計繰入金が20億7千万円です。比較すると平成24年度は削減となっているのですが、独法移行に際し債務超過を解消するために頂いた分が減っています。平成23年度と平成24年度で、運営費負担金の考え方そのものに変更はありません。
 運営費負担金の金額は、平成24年度が16億4千万円、平成25年度以降は17億円前後となっております。
 なお、平成24年度の運営費負担金16億4千万円の主な内訳ですが、救急医療として7億円、小児医療、感染症医療、高度医療等に1億5千万円です。

杉本委員長

 少し、気になることがありまして、地域医療支援病院の認定を受けているとのことですが、国ではいろいろと紹介率や逆紹介率などの要件の変更を検討しています。平成24年度の取り組みとは関係ないが、新しい制度となった時のことを考えると、逆紹介率が少し低いのが気になります。今後、対策が必要ではないかと思います。
 もう1つ、今年度の増収の主な要因は単価がかなり上がったことということでしたが、平成24年度は、比較的大きな病院では診療報酬改定の影響でプラスになっていることが多いです。平成24年度の評価は問題ないのですが、平成25年度は診療報酬の改定の影響もなくなるので、どうなるのかが少し気がかりであり、法人としても経営上、少し考えておく方が良いと思います。
 入院収益、外来収益により9億円の増があったわけですが、費用の方は絶対額としては削減しているのでしょうか。材料費率や人件費比率は、分母が大きくなる(増収になる)と値は小さくなるので、絶対値としての費用はどの程度減っているのでしょうか。

地方独立行政法人堺市立病院機構 寺口経営企画室長

 営業費用で5億6千万の減少、営業外費用では1千万円の増加となっており、経常費用では、5億5千万円程度の減少となっています。その最も大きな要因は、減価償却費の減少です。なお、給与費に報償費や委託料を加えた労務費では、前年度とほとんど変わらない額となっています。

杉本委員長

 今回は、事業実績や小項目の評価について、さまざまなご意見をいただきました。
 今日の意見の他に、委員の皆さんから追加のご意見、ご質問がありましたら、次回までに事務局までお寄せいただきたいと思います。
 事務局は、本日、いただいたご意見を踏まえ、小項目における論点や評価についてまとめ次回の評価委員会に提出していただきたいと思います。
 他に、ご意見がなければ、本日の評価委員会を終了させていただきたいと思います。

3.閉会

事務局(森健康医療推進課長)

 杉本委員長、ありがとうございました。
 次回の会議は、7月24日(水曜)午後2時から 会議の場所は、堺市役所 本館6階の健康部会議室で開催します。
 主な議題といたしましては、小項目評価の確定と大項目、全体評価の検討を、考えております。
 また、第3回の日程は、7月30日(火曜)午後2時からの開催であります。
 お忙しい中、連続しての開催となりますが、何卒、よろしくお願いいたします。
 本日は、長時間にわたり、各委員の皆様方にはご審議いただきまして、本当にありがとうございました。
 以上をもちまして、第1回 地方独立行政法人堺市立病院機構評価委員会を終了いたします。

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