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令和5年度第2回(令和5年7月18日開催)議事(1)

更新日:2024年2月26日

(1) 地方独立行政法人堺市立病院機構の令和4年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について

嶋津委員長

 それでは、議事に入りたいと思います。
前回は、第1-1-1の救急医療から第1-2-3の健康寿命の延伸に向けた予防医療の推進までの項目について審議をいたしました。今回は、第1-3-1の医療安全対策・感染対策の徹底からとなります。
 事務局から説明をお願いします。

事務局

 資料2により、重点ウエイト小項目の評価理由について説明

西川委員

 事務局からご説明があった医療の質の問題ですけれど、臨床倫理ということで、救急の場面で非常に問題になるのは、運ばれてきたときに既に亡くなっておられる方について、死亡診断書を誰が書くのだという問題があります。特に高齢者施設から救急搬送された場合、本来ならば高齢者施設それぞれのかかりつけのドクターが診る、それが遠く離れたドクターがやっておられるケースが非常に多いです。そういう契約でやっていると高齢者施設の方はおっしゃりますが、とにかく救急車で搬送するというようなことが多く、もう来たときには救急の受入れ側から見れば既に亡くなっている。既に亡くなっているのに死亡診断書が分からないと。亡くなっている人を対象に血液検査、心電図検査もするわけではない。だから、死因はどうなっているかということで、仕方がないから警察の方に任せるという方が多く、警察医からはなかなか判断が困るというような話を聞いております。
 そこで、臨床倫理コンサルテーションチームの活動の中で、そういうケースが今まであったのかどうか。令和4年度だけで結構ですので、そういうケースがあって、トラブルになった例がなかったかどうかということをよければお聞かせいただきたい。データがなければ、それはそれで構いません。一応警察医の方も、医師会としては探さなければならないということがあります。
 身元のこともなかなか分からないという例もある。そういう例が救急搬送された場合というのは、こういう臨床倫理コンサルテーションチームが診られるのかどうかということ。救急搬送されたけれども亡くなっていて、ここの患者ではないのだから知らないということになるのかもしれないですが、その辺のところのお考えをお聞かせいただけたらありがたいと思います。

嶋津委員長

 ただいまのご質問は中田先生ですか。

中田副院長

 救急外来と医療倫理委員会をやっていますけれども、医療倫理コンサルテーションチームでは、そのような検討、課題のことは今まで預かっていないと思います。院内での対応について倫理的にというのが中心です。

西川委員

 ありがとうございました。

嶋津委員長

 今のことで関連して、そういった場合は死亡診断書ではなくて、死体検案書という形になりますよね。

西川委員

 そうです。死体検案書でいいのですけれども、その書き方をご存じない先生方がおられて、死亡診断書を書いたところで、それが訴訟リスクになるかどうかということで考えられるドクターがおられるのですけれども、あれは全然ならないということで。体表上だけを見たら、変死かどうか分かるということですので、法律的には外見的にです。

嶋津委員長

ありがとうございます。中田先生、一般的に何か対応は決めてられていますか。

中田副院長

 救急外来としましては、いわゆる異状死体という扱いをさせていただきますので、来院時に心肺停止の患者に関しましては、基本的に検死をお願いして、警察の指導に従うと。
 ただ、当院でずっとがんの患者や、緩和のレベルでいっていた場合は、当院の主治医に来ていただいて、24時間以上で検案していただければ書ける場合も、数少ないですけれどもあります。基本的には検死をお願いすることになります。

西川委員

 特定看護師の育成ということが書かれていますが、1人の方が研修を修了されたということで、特定看護師はいろいろと分野がありますので、その中身はどうやったかということを教えていただけたらと思います。コロナで忙しくて、ナースのマンパワーが足らないときに研修に行かれるのは待ってということもあったのではないかと思うので、それからいうと、1人でも研修が終わっているということはなかなかすごいなと思っていたのです。

澤田看護局長

 特定行為研修は、前年度、麻酔科の領域の特定行為を受けています。あと、感染管理の特定行為がもう修了に向かっているのと、認知症の認定看護師の特定行為と、薬剤に関するところが修了しようとしています。今後、看護師の認定試験とともに修了という形になりますけれども、麻酔科領域に関しては一旦研修が完全に修了しているという状況になります。

西川委員

 特定看護師のがん対応についてはいかがでしょうか。

澤田看護局長

がん対応は、がんの化学療法の認定看護師が、一部は水分や栄養の特定行為を既に修了しています。

北村委員

 堺市の評価の判断理由でお聞きしたいのですけれども、よろしいですか。
 44ページ、ケアプロセスでは、サーベイヤーから最適な医療提供体制の活動をしていると評価されとあり、高く評価したと書いているのはどのあたりになりますでしょうか。実際には、その上のブロックのB評価であったものがほぼA評価になり、かつSがついているというのは相当高い状況になったのではないかなと思うと、質は上がったのではないかなと思います。単純に数値からだけ見たらそのように見えるのですけれども、それがなぜ3になったか、教えていただいてもよろしいでしょうか。

事務局

 こちらにつきましては、年度計画でいきますと4番のところになるかと思いますので、計画4については高く評価させていただいておりますが、総合的な観点から3とさせていただいているところです。
また、病院機能評価につきましては、どう解釈するかということで、市の解釈としましては、こういった行程を踏まえて改善されているというところは高く評価させていただいておりますが、全体的なSや、19項目のうち16項目がA評価というところにつきましては、他の病院の状況のところも比べさせていただいた結果、我々として判断するに4というところまでは至らなかったというところが現状でございます。
 以上になります。

嶋津委員長

 いかがでしょう、北村委員。

北村委員

 すぐに判断することはできないですが、他のところがどうだったか、私が分かっていないので、割と容易ではない状況かなと思ったので確認しました。

西川委員

 私も同じ意見です。高く評価とした文言が書かれていますよね。それは後の項目でも出てくるのですけれども、あとのところは全部同じだったでしょう。その中で高く評価したが1つ出てくるわけだから、4ではないかと、単純に思えばそうなります。計画どおりというのが、高く評価したけれども計画どおりだったとか、計画どおりであったけれども何やかんやというのであれば分かりますけれども、高く評価しただけがここに出てくるので、患者に寄り添った信頼される医療の提供が行われると判断し、高く評価したと。北村委員がおっしゃったように、その文言があるので、患者に寄り添う医療というのは、我々臨床医が目指すところでございますので、4にしたらいかがかなと思うのですが、事務局はいかがでしょうか。

事務局

 ご意見ありがとうございます。
 その評価にありますように、高く評価したという項目としまして、計画の1と4を評価させていただいております。我々としましても、評価委員会でのご意見も踏まえまして、3のところについては検討させていただく可能性としてはあると認識しております。昨年度と同様になりますが、今我々が情報として持っている中身と、年度計画の総体的なところを見させていただき、計画の内容と比べて、今回の判断理由の実施内容は計画どおりとさせていただいておりますが、今回の委員会でのご意見も踏まえて、評価は検討させていただきたいと考えております。以上です。

嶋津委員長

中礒委員と堀内委員、いかがでしょう。4か3かというところです。

堀内委員

 私も読ませていただいていて、北村先生や西川委員のおっしゃっている、普通、何々ができたところがこうだったというところがあって差なのかなと思うのですけれども、確かに読むと、高く評価した、それ以外は計画どおりと感じ取れましたので、そのあたりについては、私もほかの委員と同じ印象を持ちました。

中礒委員

 私も何度読んでも、高く評価したから、どうして3になったか分からなかったのですけれども、今お伺いしたら、それ以外はそのまま順調にということで3にされたというご意見と分かりましたので、そのように決められるのであれば3で大丈夫と思います。

嶋津委員長

 少し委員でも意見が分かれていますけれども、ご説明があったように、年度計画は42ページに6項目上がっているかと思います。44ページで高く評価したという評価がされているのはそのうちの1と4で、6つのうちの2つ、3分の1が高く評価して、残りが計画どおりというので、最終的に6つ合わせてどうするかというところだと思います。半分以上になっていればもちろん4で文句はないでしょうけれども、6つのうちの2つということでその辺の重みづけをどうするかというところになるのだと思います。
 ただ、私の印象としては、病院機能評価でAがたくさんだったというのはかなり努力された跡だと思いますので、確かに4でも決して悪くないとは思うのですが。

中礒委員

 先ほどこのA評価も、ほかの病院と比べてそれほどでもないというお話だったと思うので、その中身が分からないので、その内容次第で。

嶋津委員長

 そうですね。もう一度、先ほどの病院機能評価の評価についてご説明いただけますか。

事務局

 表現として、他の病院と比較してというのが不適切だったかもしれませんが、この病院評価におきまして、S評価というのは、秀でた取組としてS評価という評価がされることとなります。
 A評価につきましては、適切に取組が行われているという場合がA評価となっておりますので、今回の場合ですと、適切に取組が行われているという解釈としてA評価が数多かったと、我々としては取り上げさせていただいております。
 B評価につきましては、課題はあるが、一定の水準に達しているということでB評価。C評価というのが一定の水準に達していないということで、今回、A評価につきましては、本市とましては適切に行っていただいていると解釈をさせていただいております。病院との比較という表現が少し不適切だったかもしれませんので、そこは訂正させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

嶋津委員長

 ありがとうございます。訂正ですけれども、いかがでしょうか。
 西川委員、お願いします。

西川委員

 ほかの病院との比較というのは、これはやはり間違っていると思います。なぜかというと、評価委員会で出ている資料の中で去年と比べてどうだったかということで、それぞれの個々の病院がどのように変わっていくかということを見ているわけです。その上で、計画がどうだったかということです。私自身は、高く評価しているものが2つあるのだから、4でいいではないかと簡単に思うのですけれども。確かに質の問題というのは大きくて、数値化は難しいと思います。ですので、病院の自分たちの判断でどうだったかという感覚も大事かなと思います。
 また、我々のような第三者、それぞれ違う分野の人間が会議の中に入るということも大事だと思っていますので、私自身は、質の評価は難しいと思いながらこれを見ていました。臨床倫理の問題でも問題が出てきて、その中ではコンサルテーションチームにかける必要もないようなものも出てくると思っています。
 非常にいろいろな問題が出てきていると思うのですが、以前に医療の質というか、いろいろなところで問題が出たこともあったかなということもあったので、それと比べるとはるかに良くなった。我々が忘れたらいけないのは、まだコロナの大きな波の中でやってこられたということです。だから、感染症対策4という感じなのですけれども。クラスターは少し出ましたけれども、1つの病棟だけで終わっていますから、感染症対策もうまいことしていたのではないかということで。でも、全体の項目として見るとしんどい。実際、感染対策はうまくいっていたのではないかなと思うのですけれども、どうでしょうか。

澤田看護局長

 病院機能評価に関しては、今回は89項目中B項目が2項目。前回はB項目が19項目ありました。それを様々なワーキンググループや、各種委員会で取り組み、改善することで2項目に減少し、A評価がついたという状況になっています。
 取組の中身を一部ご紹介させていただくと、患者の意思決定や権利のところでは、患者が理解できるような説明を行っているかであったり、同意を得ているかというところに関して、診療録の委員会や診療局等で協力しながら、インフォームドコンセントのガイドラインをもう一度見直したり、あと、同意書に関して、もう一度見直しをして、同席をしていき、意思決定支援を進めていくことや、同席者の署名欄を作り、できる限りICに同席する、同席できないときはどうするかというような基準を改定させていただきました。
 臨床倫理に関しては、2019年3月に、臨床倫理コンサルテーションチームを開始し、22年の12月までですけれども、40件ほど臨床倫理コンサルテーションをしていまして、その中で高齢者の課題や、救急の場面の制限値の問題、そこで解決困難な場合は医療倫理委員会でバリアフリーも含めた医療倫理部会での検討をしながら、迅速審査等も経ながら様々な取組をしてきました。
 特に質改善の指標の一つとしては、患者の満足度が指標になると思うのですけれども、当院は患者経験価値調査といって、P10という調査に毎年参加しているのですが、実はこのデータが2019年度、全国18位だったのが、2021年度は8位までスコアが向上し、2021年度の参加病院は70施設ほどある中で、8位まで上がっているというところも高く評価していただいていると思っています。その中で、特に、看護師はあなたに礼節と敬意を持って接していましたか、常にそうであったという返答が前回34位だったのが、今回、機能評価のデータでは2位まで上がっていたり、あなたの話を注意深く聞きましたかというようなデータが前回37位だったのが、常にそうだったというのは2位まで上がっていたり、トイレの際にすぐに介助を受けられましたかという項目は13位から9位まで上がっていたり、痛みをよくコントロールされていましたかという項目に関しても、今回は70病院中、常にそうだったと答えた人が7位だったり、全てのことを、痛みを減らすためにしてくれましたかという項目も、これは70病院中1位でした。常にそうだったと回答していただいたということで、それぞれ取組をしています。
 患者のそばにいられるような取組としたら、看護体制を大幅に変更して、高齢者に対応できるように、PNSという看護体制からゾーニング式と、できるだけゾーニングごとにスタッフを分けて、そこでできる限り患者のそばにいて、ナースコールが鳴るまでにできるだけ対応できるような体制を取ったりであったり、看護ケアチームに働きかけてスクリーニングの徹底であったり、チーム会議というところをしていたことで、そういう結果が得られたと思っております。項目にも業務の質改善に継続的に取り組んでいるという、Aの取り組まれている点も、実際に評価として記載していただいているのですが、そういうところも含めて評価していただけたらと思います。

嶋津委員長

 ありがとうございます。病院機能評価は非常に多面的に継続的に取り組まれているということで分かりました。
 ただ、患者満足度については、この次の1-3-(3)患者の視点に立った医療サービスの提供は4という形で全般的に評価されておりますので、それは4のままでいいと思いますけれど、今回の病院機能評価を含めました1-3-(2)について、最終的に3か4かというところになります。
 中礒委員、いかがでしょうか。4でよければ委員会として4ということで進めさせていただきますが。

中礒委員

質の向上と患者の視点と何が違うのか、まだ少し分からないままです。

嶋津委員長

 確かに厳密に分けることはできない要素というのはたくさんあると思います。

中礒委員

 ポイントはどこになるのですか。厳密には分けられないだろうけれども、質のほうは患者というよりかは、何がメインですか。

嶋津委員長

 医療の質は一般的に、右から見るか、左から見るかで同じものでも必ずしも100%一致しないというところは、評価としてはあり得ると思っております。いかがでしょうか。

中礒委員

 難しいと思います。

西川委員

 2番と3番の医療の質の向上と、患者の視点に立った医療について、嶋津委員長がおっしゃいましたように、やはり現実には分けられないです。先ほど言いましたように、臨床医学としては患者に寄り添うというのが当たり前で、全部100%やろうと思えばかなり難しいことです。それ以外に、第三者から見て、法律的、倫理的に見てどうか。例えば医療が独りよがりにならないかどうかということです。患者が希望されたとしても、例えばがんの治療を私は要らないというようなときでも、それに対してそうですかだけではなく、いろいろと話をして、できるだけデータを患者にも持っていただいて、患者と周辺でご判断いただく。そういうことをやっているかどうかが質になるわけです。そういうようなことをオープンでやっているのかということにつながってくると思うのですけれども、大体お分かりいただけましたか。

中礒委員

 はい。2のようなことですね。

西川委員

 2のようなことは、先ほど看護局長からお話がありましたように、各病院間でも全国と比べてどうだったかということで非常に判断しやすい。あとは、患者に寄り添うというのは患者の満足度で、例えば手術の成功か失敗かという話ですけれども、患者はこの程度しか治らないのかと、満足度がうまくいかない。なぜかといえば、術前の説明でうまくいかなかったということです。患者の満足度を質に落とし込む作業をやっているかどうかと思っていただいてもいいです。なので、厳密には切り離すことはできない。けれども、患者サイドで見るか、医療サイドとしての数字の上で見るか。それでいいでしょうか、大里院長。

大里院長

 一つは、病院機能評価という意味では、医療の質の可視化プロジェクトというのがありまして、感染と安全と、それから専門対策という3項目について、全国の病院でどれぐらいのポイントを取りましたかということをしていまして、うちの病院、どの領域についても高をつけていたということもあります。一つはそういうことで、機能評価でBがAになったとかいう質的にというものだけではなく、順位づけしても、日本全体としてもそれなりに良い成績であったのではないかなと思っています。
全般的になかなか言えないですけれども、1から6のそれぞれの項目でどの病院もこういう取組をしていましたかといったら、なかなかそうではないのではないかと。臨床倫理コンサルテーションのところでも、治療の選択ということは今難しい時代になっているのですけれども、それを40回、50回、そういうことを検討するような会議を開いています。そのほかでも、いろいろな取組は十分やってきているのではないかなと、院長としては思っております。

西川委員

 それともう一つ、例えば輸血をしてくれるなという話がございます。輸血をしないとこれはまずいという話になったとき、大手術のとき、想定外で出血することはあるわけです。そのときに、例えばその方が17歳で、17歳の子は輸血してほしいと言うのです。でも、保護者の方は輸血してくれるなとおっしゃる。では我々としては一体どうすればいいのか。こういうのは恐らく医療倫理のコンサルテーションにかかると思うのですけれども。だから、これについても、そういうチームを持って可視化するとおっしゃいましたけれども、誰が見ても分かるような状態にするというのがやはり医療の質ということです。

嶋津委員長

 様々な側面がありますし、必ずしも患者の視点から見えない部分も含めた医療の質の評価というのが非常に大事だと思います。この検討は長くなりましたけれども、一応委員会としては4でもいいのではないかというご意見で、市に答申をさせていただきたいと思います。

西川委員

 私は4でいいと思います。

嶋津委員長

 4ということでよろしいですか。

堀内委員

 今回からこの委員に加えていただいたので、見方が当然市側と病院側で違うというときに、例えば今の意見が出ても、市の方に意見を言っていただく。これについてはどう思うのか、当然そういうことを分かった上でこの評価をされていると思うのですけれども、そういうことも少し聞いてみたいと個人的には思いました。基本的には、この評価からすると4でもいいのかなと印象的に思いました。
 今の順位の話は、ここからは読み取れなかったので、活動としては非常に高評価で、全国の病院の中でも、評価が上がっているのだなという認識はそこで初めてしたのですけれども、いかがでしょうか。

嶋津委員長

 事務局、何かありますか。

事務局

 様々なご意見ありがとうございます。市としましては、この評価委員会で出たご議論を踏まえ、検討をする余地はあると考えております。今回の医療の質の向上の点につきましては、例えば(2)のところ、今現状、計画どおりという評価をさせていただいておりますが、臨床倫理コンサルテーションチームの活動や職員の研修というところは、今回のご議論を経て、我々としても評価すべき点ではあるのではないかという認識になっております。
 また、今回の病院機能評価の点につきましても、単純にA、Bという、いわゆる評価の基準だけをもって判断するのではなく、質的なところ、まさにこの題名にあるようなところが議論の中で分かってきましたので、委員会で4という評価になった点につきましては、持ち帰って、4という評価ができるかどうか検討と考えております。

嶋津委員長

 北村委員、4ということで、委員会はよろしいでしょうか。

北村委員

 今までの議論を聞いていて、41ページの医療の質の向上と、患者の視点に立った医療サービスの提供、大きく違うのは恐らくチーム医療を効率よく、クオリティー高く展開できたかというのが、42ページの今議論していた質の向上だと思うので、堺市側も、病院機能評価の更新にケアプロセスがどれほどみんなで尽力していたのか、(5)のところの特定看護師の育成はしているけれども、年度計画の利用者のQOLの向上を図ると書いてあるから、どのようにいいことが患者にあったのかとか、チーム医療を推進して医療の質が上がったというデータが付記されることによって、私たちにも十二分に伝わるのかなと思いました。

事務局

 44ページのところが堺市の評価基準ということになりますので、こちらの記載内容等もいただいた議論等を踏まえ、少し修正を加えながら、4になるかどうかを検討させていただきたいと思っております。いろいろご議論いただきましたので、我々も委員会と同じような認識にはなっているとご理解いただければいいかと思います。

嶋津委員長

 ありがとうございます。一度ご検討いただきたいということで委員会からの意見とさせていただきます。
 今回、第1の大項目の中の項目で両者の評価が異なっている小項目ということで、医療の質の向上をご議論いただきました。
 残りの5項目についてさっと見ていきたいと思いますが、3-3-(1)医療安全対策・感染対策の徹底は両者とも4となっております。ここも様々な項目のことが具体的に示されていると思いますし、取組もされていると思います。医療安全の研修の参加、感染対策の参加というのも高い数字が出ていると思います。いずれも4ということですが、よろしいですか。
 (異議なし)
 それでは、その次が1-3-(3)患者の視点に立った医療サービスの提供は先ほどの患者満足度調査等も含めてご説明いただいて、こちらも非常に多面的に取組をされているという状況だと思います。両者ともに評価は4ということです。よろしいでしょうか。関連資料とか、幾つかここに記載されております。特にご意見、ご質問よろしいですか。
 (特になし)
 それでは、その次が1-4-(1)地域の医療機関との連携・推進も、いずれも評価は4ということになっております。ここでは、目標指標、紹介率、逆紹介率、その他が記載されていますけれども、評価は4ということで、逆紹介率は100%になっていないけれども、全体として年度を上回って実施して、4という評価になっております。いかがでしょうか。

堀内委員

 紹介率、イメージは何となく、こちらの病院に紹介、あるいはこちらの病院から地域ということだと思うのですけれども、48ページの過去の年間計画の目標値を見ますと、例えば逆紹介率が75%、高いときには90%と結構幅があって、何となく私の直感的なイメージは、ちょっとずつ評価率というのは上がっていって、高い割合がいいのかなと、何となくそのように思ったりもするのですけれども、ここはやはり年度によってこれだけ幅が出るものなのかというのが、単純な疑問として思いましたので教えていただけたらと思います。

事務局

 紹介率、逆紹介率につきましては、病院の位置づけとしましては、どちらかの診療所等からご紹介いただいて、高度な医療や、必要な医療を提供するということになります。もちろん高くということにはなってきますが、一定やはり様々な背景をお持ちの患者が来るので、100%ということにはならないと思っていただければと思います。
 逆紹介率につきましては、例えば分母が増えてしまいますと、分子を幾ら頑張っていても割合というのは下がってしまいますので、目標につきましては、新型コロナの影響がありましたので、そのような背景の下に数字は変動している状況を見ていただいたらいいかと思います。
 我々としましても、目標値としては高くと考えておりますが、様々な背景をお持ちの患者がいると思っていますので、必ず100%というよりも、病院のいわゆる経営実態といったところも踏まえて適切な目標値、そこに向けての計画的な対応というところをお願いしたいと考えているところです。

堀内委員

ありがとうございました。

嶋津委員長

 ほかの項目も含めて、委員からご質問、ご意見ありますでしょうか。

西川委員

 50ページの総括のところに「完全非公開型医療・介護専用SNSを活用し」と書いていますけれども、これはどのようなシステムなのでしょうか。これ初めて聞いた気がするのですけれども、前に出ていましたか。

澤田看護局長

 このシステムは、退院支援をしていくに当たって、例えば創傷処置等で同じような状況にある方に対して、地域の訪問看護ステーションと契約を結び、例えば在宅に変えられ、訪問看護される方でそういう症例があった場合に、患者に同意を得た上で、施設間で契約を交わして、創傷の状態を写真等に撮って、当院の創傷処置の認定看護師のところに送ってきてもらって、直接相談に応じるという。この状態であればこういう処置で経過を見てもらって大丈夫ということや、来院して診察を受けていただいたほうがいいだろうというようなやり取りを、非公開型の共有システムを使ってすることで、在宅でも安心して、患者が入院することなく過ごしていただけているというところです。
 あと、もう一つが腹膜透析に関しても活用しています。腹膜透析の方も在宅で療養していくに当たって、この状態で本当に病院に行かなくてもいいのかというような相談を実際には慢性看護の専門看護師に連絡いただいて対応しているというような取組をさせていただいています。

西川委員

 これは病院と、それぞれの業者間、訪問看護ステーションとでやり取りしているということですね。

澤田局長

 はい。

西川委員

 分かりました。ありがとうございます。

嶋津委員長

 ほか、特にご質問ないでしょうか。これにつきましては、いずれも評価は4ということですので、特にご意見ないようでしたら4ということで委員会としてもまとめたいと思います。
 続きまして、1-4-(2)医療従事者の育成についても、両者ともに評価は4ということになっています。医療専門職・医療従事者の育成に貢献することという中期目標に対して様々な学生たちを含めた教育システムということをしておられるということが記載されていると思います。何かご質問、ご意見ございますでしょうか。

西川委員

 53ページに「シミュレーターを複数購入し」と書いてありますけれども、これは院長からご説明ありましたか。ロボット手術のダビンチが新しく入ったという話は出ていましたけれども、このシミュレーターとは一体どんなものがあるのでしょうか。

大里院長

 初期研修医に診察を受けてもらうのに患者ではなく人形なので、たくさんの人形を購入していましたけれども、少し時間がたってきましたので更新しているということです。

西川委員

 分かりました。
 もう一つ、私は堺看護専門学校の前校長をしていました。そこでここの看護学生の実習はほかのところからも来ているということで、本当に助かっています。これはナースの業務として、本当に大変だと思います。なぜかというと、実習に来ている看護学生の評価は、その実習を受け持ってもらった看護師にやってもらっています。ということは、本来のここの業務をやりながら、それもやるということで本当に大変だと思うので感謝しております。こういう看護学生の実習についてもご理解を得て、ほかの看護学校からも来られているということですので、4でいってほしいと思います。

嶋津委員長

 ここの52ページの表に様々な実習に来られている方の人数も書いていますけれども、看護師でいうと387人、かなり多くの方が来られているということで、ほかの職種の方も研修を受けている方がたくさんおられるようです。そういった医療従事者の育成ということにもよく取り組まれておられるということで、4ということでいいかと思います。
 次に、1-4-(3)健康を支える環境整備に向けた行政全般等との連携と協力ですけれども、いかがでしょうか。産後ケア病床、社会福祉施設訪問、中小規模病院のリンクナースの育成や、生活習慣病の取組、フレイル予防事業、大学・企業等の連携と、研究、様々な取組をされていると思います。これもいずれの評価も4となっておりますので、委員の皆様、いかがでしょうか。
 (特になし)
 特にご意見ないようですので、これも4ということでよろしいと思います。
 これで第1の大項目に含まれる小項目評価については、前回の会議で議論しました項目も含めて、ここまでとなりますので、第1の大項目評価に移りたいと思います。
 大項目の評価方法は資料2の79ページに記載があります。堺市による大項目評価、Aは、年度計画を達成し中期計画の実現に向けて計画どおり進んでいるということです。
 全ての小項目が3から5ということになりますけれども、今年の分につきましては資料2の4ページ、5ページに記載されております。4ページ、小項目評価の積み上げが書いていますが、本日は医療の質の向上、5ページの3の(2)の部分を3から4にしてはどうかと委員会でご意見を上げているところですけれども、いずれにしても、このS・A・B・C・DということでいくとAということになるかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 (異議なし)
 大項目の評価についてはAということで変わりはありませんけれども、小項目についてはひとつご検討いただきたいということになるかと思います。
 事務局にお聞きしますが、小項目の評価は変わっても、大項目は変わらないという判断でよろしいですか。

事務局

 ご意見を踏まえ、小項目については修正等検討させていただきながら、大項目の内容は、委員の皆様のご意見と特段の変わりはないと考えておりますので、特に変更等の検討は必要ないかと考えております。

嶋津委員長

 よろしくお願いします。
 それでは、続いて、第2の大項目に含まれる小項目について議論をしていきたいと思います。
 58ページ、2-1-(1)自律性・機動性・透明性の高い組織づくりから64ページの2-1-(4)働きやすい病院づくりまでの4項目について、堺市の評価は、単純に自律性・機動性・透明性の高い組織づくりは4、法令・行動規範の遵守(コンプライアンス)については評価4、やりがいを感じ働くことのできる職場環境の整備は評価3、働きやすい病院づくりは評価4ということになっています。
 この中で、3つ目のやりがいを感じ働くことができる職場環境の整備については評価に差異がある小項目となっていますので、このやりがいを感じ働くことのできる職場環境の評価について、ご意見、ご質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

西川委員

 63ページの堺市の評価のところで、今回も(2)のところで高く評価するという言葉が入っています。高く評価しているのに3というので、高く評価しているのだから4でいいではないかと思います。
 やりがいというのは、ナースの離職率が資料にありました。大阪府下と、スライド22ページの看護師の離職率というのを見ていますと、令和4年度は8.5%ということで、令和3年度を見ていきますと、大阪府が14.3%、全国が11.6%となっております。これはコロナの最中のときですので、みんな燃え尽き症候群で、そして辞めていかれるというような話をよく聞きました。ですから、それから言うと、離職率が低いということは、やはりそれだけのいろいろなメディカルスタッフに対してやりがいがあるから、残ってくれるということです。お金のことだけではなくて、やりがいがなければ、燃え尽きてしまうとやる気はなくなってしまう。ですから、やりがいを感じ働くことのできる職場環境の整備の離職率から見ますと、よくやっているなと僕は思います。
 それはできたら離職率ゼロのほうがいいですけれども、そういうわけにいかない。それぞれ個々の理由がございますので、ゼロにはできないですけれども、そういうことから思ったらいいかなということと、働きがいのある報酬制度構築のためということが書いてあります。例えば一時金を出したという話がこの前ありましたけれども、それも同額でということで、非常に組織として考えながら、しかし人件費を削るというようなことはしていないと。非常にやりがいがある、よく頑張っているなということで、4でいいのではないかなと思いました。

嶋津委員長

 離職率については、資料の65ページの後ろの働きやすい病院づくりのところにも記載されていますので、これも先ほどお話があったように、両者を区別することは基本的に難しいですけれども、そちらで今回評価されているのかなと思います。
 それにしても、やりがいを感じ働くことができるということは離職率が低いことにつながるという意味では関係する指標だと思いますので、これについて、委員会として4という提案をするかどうかですけれども、ほかの委員、いかがでしょうか。
 事務局、何かありますか。

事務局

 計画2につきましては、我々としましても高く評価させていただいているところです。計画を上回って実施しているかどうかという評価の点は、人事制度につきましては、この評価委員会の中で令和3年度中に構築し、実際の運用、試しの運用も含めて令和4年度からの運用ということで、令和3年度の評価についてどうしますかというご意見をいただいたところと認識しております。
 当初は、堺市の評価3ということでさせていただいていていましたが、こちらの評価委員会でのご意見を踏まえ、4と修正をさせていただいた中で、組織の改編、組織の体制の構築というところにつきましては我々としても高く評価させていただいておりますが、令和4年度の実績につきましては、当初の評価どおり、期待値どおりの結果と考えておりますので、今回、小項目につきましては総合的に年度計画を順調に実施しているとさせていただいたところでございます。

嶋津委員長

 ありがとうございます。難しいところです。

西川委員

 ただ、計画をして、計画どおりシステムが動いているから計画どおりである。そうでしょうけれども、ただ、その中で何年間も続いたとはいえ、コロナのことは関係なくこれやっていたのですよね。コロナは全部、感染者も感染対策も全て含めて、全て関連してくるのですが、それから考えるとやはり燃え尽きるような条件がたくさんあったわけです。
 先ほど少し、看護師がすぐ飛んでいくという話出ていました。ナースコールを鳴らす前に対応しようという話も出ていましたから、本当にできるのかなと思いながら聞いていました。でも、実際、その項目でほかの病院と比べて高い評価を得ているということでしたから、そういうことからもやりがいがなければとてもではないですけれども、そこまでいかないのと違うかなと思います。
 いろいろな先生方のお顔を見ていますと、皆さん頑張っていただいていますから、やりがいを持ってやっておられるだろうなと。メディカルスタッフもやっておられるのだろうなと思うので、やはり高く評価したという文言があって、4でいいかなと。北村先生、そう思いませんか。

北村委員

 すごく悩んで見ていました。やりがいを感じ働くことができる職場環境の整備が62ページ、次が働きやすい病院づくり。関連しているけれども、やりがいを感じ働くことができているかは、職員の方かなと思って、それで働きやすい病院づくりは働き方を管理の人を含め全員が検討した結果ということなので、両方が比例しているとするならば、項目は上回っているだろうと思います。ただ、それを推測するということは、評価が正しいかどうか、少し悩んでいるところです。ですので、65ページの中において、明らかにやりがいを感じて、このように職場環境が変わったというようなとかが期待されていれば高いだろうと言えるところです。
 もしかするとコミュニケーションシートが反映できるものとなっていることを評価したと堺市もおっしゃっているので、このあたり、少し私が読み取れなくて、コミュニケーションシート、62ページの(2)のあたりで、やりがいを感じて働くことができたという記載や、何らかのストレスが減っていっているとか、そういう事実があれば相当4に近しいと思っていました。

西川委員

 コミュニケーションシートというのは、メディカルスタッフとそこの長、管理者と一人一人のコミュニケーションシートですよね。

花房疾病予防管理センター長

 教育育成サポートセンター長の花房でございます。
 コミュニケーションシートですけれども、これは上司も部下も同じ目線で、フラットな関係でお互いがコミュニケーションを取るためのツールとして導入したもので、西川委員がおっしゃっていただいたように、上司と部下に当たる人が1対1で話し合いながら埋めていくというスタイルのものです。目的としてはお互いのコミュニケーションを活性化するということと、人間力をアップする、人間力を高め合うと。医療人としてプロフェッショナリズム、専門性以外に特に医療人に求められる人間力という、人間としての魅力、力というのをアップするために導入しているもので、昨年度は初めて診療局でも導入いたしまして、ドクターの中でのコミュニケーションの活性化に利用し始めました。
 この項目、やりがいというのは数字で表すのは非常に難しいことだと思うので、数字でどう表したらいいのかというのは課題ではありますけれど、お互いのコミュニケーションの活性化には非常に役に立っていると思います。

北村委員

 そうするとこの62ページの(2)の目標設定を共にできたという記載があるので、そういったのがナースと管理者、ドクターと上級医との間でコミュニケーションシートを使って、恐らく苦言を聞いてくれていたと思うのですけれども、そういうことによって、こういう環境を整備したという事実を書き加えていただけたら4でいいかなと思いました。

西川委員

 賛成です。私もそう思います。

北村委員

 職場環境の整備と書いてあるので、そこまでつながったものが読み取れたらいいなと思いました。

西川委員

 今、花房先生おっしゃいましたように、ドクターにも今回初めて入れたというところです。やはりここの病院は、研修生の方が研修を受けたい病院の中のかなり高いところに入っています。そういうところからだと思います。
 また、コミュニケーションシートのように、違うことをどんどんやっておられるということなので、やはり計画以上と思います。北村先生がおっしゃいましたように、こういうことをしたという具体例を出して、計画以上のことをしたということでいいのではないでしょうか。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 他の委員からもお伺いしたいので、堀内委員、いかがでしょうか。

堀内委員

 なかなか難しいなと思いながらお聞きしておりましたけれども、私も北村委員と同じように、書き方が制度を整備したとだけ書かれていると、制度を整備するのは非常に労力もかかりますし、その分の評価があって、それが3なのかなと思ったのですけれども、堺市からのお話を聞いて、それは前年度だったという話だったので。運用もすごく難しいと思います。目的を達成しようと思ったときにかなり努力もされたと思いますので、それの一つがこのコミュニケーションシートであれば、もう少しそれをしっかりと書き込んでいただいて、なかなか定性的なアンケートが取れないと思いますけれども、例えばこんな声があったとか、そういうものを書き加えていただくと少し分かりやすかったのかなと思います。
 これは単純に質問ですけれども、例えば市と病院で、例えば来年、また令和5年度の評価をするのですけれども、そのときに、計画これぐらいやったら計画どおりですとか、ここまではやりましょう、ここまでいったら4になりますとか、そういうコミュニケーションというのは事前にはあまりされないものなのでしょうか。

事務局

 年度計画自体こちらで確認させていただくという作業はさせていただいております。病院で検討した内容等は、ヒアリングできるタイミングはあると考えておりますが、今回ご意見いただきました(2)につきましては、先ほど説明させていただきましたように、基本的には制度の整備は、令和3年度の評価として昨年度させていただいたというところは認識の共有が図れている中で、実際に動かしていく中でのご苦労というところもあるかと思いますので、そういったところは実際、事が起こってから、このような評価の段階でヒアリングをさせていただくという形になりますので、事前のヒアリングと後半のヒアリングが全く一致するというような状況ではないところはお含みいただければと考えております。
 ただ、(2)の計画の点につきましては、もちろん制度だけという評価をさせていただいていたところですけれども、運用面というところも視点にも入れていかないといけないというところは検討するべきところではないかと今現在では考えているところです。

堀内委員

 会社でも、結果へ逃げないとか、プロセスだとかというのは、組織というよりも個人と個人のときは上司と部下の見方が違うとか、そういうものがありますので、やはりそこはどれだけ事前に期待を伝えているか、あるいは評価されるほうもどれだけ困難が実はあるんだとか、そういうところをお互いにコミュニケーションしていくと、最後、すり合わせるときにそうだったよねという話になるのは、これは個人と個人だけでなくて、組織もそういう部分があるのかなと思いましたので少しお聞きした次第です。

嶋津委員長

 ありがとうございました。
 北村委員、どうぞ。

北村委員

 もしその視点に立って、また考えていただくことができるならば、あまりネガティブな、上司と部下が精神的に疲弊するような表現は避けて記載いただければいいかなと思います。コミュニケーションシートなので、あくまでコミュニケーションをどう取れたか、どのような目標を互いに持つことができたかという、よいところがきちんと書くことができれば4で、業務の調整にとどまったとなれば、今の堺市と同じような3のままかもしれず、少しでも事実に基づいて評価できるといいなと思いました。かといって、個人のことがたくさん出る、目立つキーワードばかりになるようなことは避けていただきたいなと私は思いました。

事務局

 この小項目についても、この後、評価委員会のご意見として取りまとめされると思いますが、今のご意見いただきましたところにつきましては、堺市の判断理由のところにヒアリング等行って記載できる内容かと思いますので、状況等踏まえて、もちろん趣旨を我々も理解した上で記載するということは可能ではないかと考えております。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 先ほどご質問にもありましたけれども、基本的には年度計画をつくる際に市側と病院側でお話しされると思いますし、項目によっては目標指標という数値目標があるところもあると思います。むしろないところのほうが多いと思いますので、その辺ある程度目安みたいなものが分かれば評価するときには役立つかと思いますので、ご検討いただければと思います。
 中礒委員、何かございますか。

中礒委員

 目標が「やる気と誇り」なので計画の段階から難しいし、その計画をどうしたかというところも難しいことだと思います。これだと研修しましたで終わっているし、シートを導入しましたで終わっている感じはやはりあるので、その続きはあったほうがいいかなという感じはします。

嶋津委員長

 ということで、いろいろな可能性が十分ここには書き示されていないということですので、もしそういう形で許されるのであれば、病院からコミュニケーションを中心に少し追加記載をしていただく形でよろしいですか。

西川委員

 コミュニケーションのシステムですけれども、そのシステムのやり方で運用の拡大もしたということで、そこのところをきっちりと書いていただいたら。ドクターが、来年度から医師の働き方改革もありますので、ジェネレーションギャップが大きいと思っているので、これをどのようにやるかといえば、このコミュニケーションシートは本当にいいなと思っています。

嶋津委員長

 これについて、もう少し具体的な成果なり効果というものが示されるようであれば、もう一度評価して、4の可能性を委員会で次回検討させていただくということでよろしいですか。
 (異議なし)
 では、そういう形でお願いしたいと思います。
 続いて、2-1-(4)働きやすい病院づくり。これも先ほどと非常にオーバーラップするところもあり得ると思うのですが、いずれも評価は4ということで、ここでは特に看護師の離職率が低いという話とか、あるいは事務局でのリモートワークの話もありました。それから、健康相談ダイヤルアドレス、医師事務作業補助者等による様々な症例登録が増えている、特定看護師の育成ということで、具体的な数字も出て、働きやすい病院づくりは4ということです。特にご意見ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 (異議なし)
 それでは、これについては4ということでさせていただきたいと思います。
 続いて、第2の大項目評価に移ります。資料2の6ページになりますが、ここに記載されているのと違う可能性があるのは自律性、それから法令、やりがいのところが場合によっては4になるかもしれないということで、次回に最終を決めさせていただきますけれども、いずれにしても評価4が3つないし4ということで計画どおり進んでいるということになると思いますが、そういう形でよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 では、そういう形で委員会からの意見ということにさせていただきます。
 続きまして、第3の大項目、66ページからの大項目ですけれども、ここに含まれる小項目は安定的な経営の維持のみということになっております。この小項目は重点ウエイト小項目になっております。評価は、法人、市ともに5となっております。何かご意見、ご質問ございますでしょうか。非常にしっかりと運営された数字というのが並んでいると拝見いたしました。中礒委員、いかがでしょうか。

中礒委員

 5ですし、大丈夫です。

嶋津委員長

 コロナでいろいろな病院が苦労されていますし、来年以降は補助金もなくなるとまた悩みの種ですけれども、それでもかなりしっかりした数字が出ているので、院長先生以下の皆さんのご苦労がしのばれます。
 それでは、第3の大項目評価に移りたいと思います。7ページになります。ここは1つしか項目はありませんが、5ということで、これについては計画どおり進んでいる、Aということになると思います。委員会としては、これを承認させていただくということになります。
 それから、その次が第4の大項目です。第4の大項目は環境に優しい病院運営、71ページから、4-(1)環境に優しい病院経営ということになります。これについては、この小項目は法人評価が4、堺市の評価が3と差異がございます。
 72ページには、法人自己評価の判断理由として、省エネ化に向けての様々な取組、廃棄物削減の取組ということで具体的に示されています。また、事業者クラス分け評価で省エネ優良業者Sランクということを獲得したということも記載されております。
 何かご意見、ご質問おありでしょうか。

西川委員

 71ページですけれども、(2)の一番下、部署で不用となった物品を廃棄せず、他部署での利用を募るなどのリデュースを実施しているということですけれども、リデュースをした結果が載っていない。例えば具体的にどのようなものをやったかとかいうのがあれば。例えば人員を少し削減して、そこの机が空いたので別の部署に持っていったとか、共有したという話だと思うのですけれども、よく分からないのと、それから、経済産業省のSランクというのは一番いいのでしょうか。

安井財務企画部長

 まず、先に質問のございました71ページ下のリデュースということで、現場や職場で机等不要になった場合に、机が余ってきたのでほかで使いませんかというのを院内のイントラを使って募集し、必要なところに持っていくというようなことです。数件ですけれども、数が今は持っていなくて申し訳ないですけれども、二、三件の引継ぎはあったかと思います。
 経済産業省の省エネ優良事業者については、S・A・Bというランクづけがございまして、一番上がSクラスということで、これは年間でエネルギー使用量1%低減という実績、努力目標達成ということでSに認定されるといった形でございまして、実績報告には書かせてもらっていないですけれども、2年連続、当法人はSランクといった状況でございます。

嶋津委員長

 ありがとうございます。前年度より何%以上減ったということで、しかも、それが2年間続いているということですので、せっかくの成果ですのでぜひ記載していただければと思います。いかがでしょうか。

西川委員

 ほかの病院のことを教えていただきたいのですけれども、SからAに落ちたとか、そういう病院は多いのでしょうか。今回、コロナという話があって、医療廃棄物がたくさん出たと思います。それでもここはSなので。

安井財務企画部長

 経済産業省のホームページで各都道府県、全国で出ているのですが、大阪府の医療業という分類の中で見させてもらった中では、一部、21年度はSだったけれども、22年度はSでなくなっているというのは何件かあるようです。

西川委員

 続けてまた前年度よりも減らしていくわけでしょう。同じ量でしたらAです。それから考えると、またよく頑張っているなという感じです。先ほどお話ししましたように、コロナというのは医療廃棄物が物すごく増えているはずです。ゴム手袋や、エプロンとか、いろいろとすごい量が出ているはずですけれども、その中でもきちんと分別してやっておられるということです。ですので、これも4ではと思っていました。

嶋津委員長

 ご意見ありがとうございます。
 ほかの委員、いかがでしょうか。指標や目安がないのでなかなか相対的な形でしか評価できないのは難しいと思うのですけれども。堺市の評価としては、これらの結果から、小項目については年度計画を順調に実施している。これは間違いないと思うのですけれども、それを4とするか3とするかというところの判断だと思います。

西川委員

 令和3年度Sがあって、そして今年度もSになった。同じでなくて、減らしているわけですから。だから、よく頑張っているなと。医療廃棄物が増えるようなところで、かえって逆に減らしているので、いいではないですかと私は取れます。

嶋津委員長

 72ページの評価結果を見ますと、昨年も堺市は3となっています。昨年もおそらくSだったと思います。そのとき、正当に評価されてなかったのか、そうでなかった理由があったのか、正確には記憶していないですけれども。
 事務局、何かありますか。

事務局

 前回も含めましての評価ですけれども、経済産業省のSランクというのが、Sという数字がついていて最高水準という形にはなっておりますが、あくまでもSランクのつけ方については、提出された報告書の中で努力目標を達成していればSランクという形になっております。なので、我々としましては、努力目標を達成したということで、いわゆる計画目標を達成したという判断をさせていただいているところです。
 前回も同様の評価ということにつきましては、前回のときにはこのSランクという表記がなかったかと思いますので、それを踏まえてというわけではございませんが、年度計画の内容を踏まえたときに計画どおりされている、上回ってというよりは着実に実施していただいているという評価で3という形にさせていただいていたところかと思います。
 計画の71ページで、年度当初に4という評価をさせていただいた中で、取組内容については、継続して令和2年度から実施されている内容かと考えておりますので、様々な背景もあるかと思いますが、計画どおりということで3という評価にさせていただき、昨年度も3という評価で最終評価とさせていただいたという経過があります。

嶋津委員長

 今のご説明は、Sランクというのが計画どおりということで、こちらの評価でいくといわゆる3に該当するということです。
 そういった評価、基準をもう一度確認した上で、経産省のSランクを再評価したら、委員会としてはいかがでしょうか。

西川委員

 単年度でSになったというのは分かります。2年続けてS、Sになったので、単年度のSだったら、それは計画どおりのことはあるのですけれども、さらに減らしている。昨年よりも今年のほうが減らしているからSになっているわけです。

中礒委員

 今の説明では、減っているのか、計画どおりだったのかが分からなかったので、教えてください。どれぐらい減ったのかというのが分からないので。

安井財務企画部長

 努力目標の1%低減というのが、少し言葉足らずでした。5年間の平均の部分の数字が1%以上低減することという形の基準になっておりますので、年々減らしていけば、S、Sと続くという形になろうかと思います。

嶋津委員長

 5年間の移動平均が下がっていくという理解でよろしいですか。

安井財務企画部長

 はい。5年間の平均が年1%以上低減することというようなことです。

中礒委員

 5年間の何の平均ですか。
 載っているこの電気、ガス、水道の3種類の平均のことですか。

安井財務企画部長

 エネルギーの使用料。原油換算ということで書かれています。

西川委員

 原油、火力発電所の換算ですよね。
 水道は関係なく、ガスと電気だけですよね。

嶋津委員長

 堀内委員、お願いします。

堀内委員

 なかなか難しいです。確かにどういう状態が標準で、どういう状態が望まれているかというのが分からないまま、上回っているのかなとかいう感じなので、やはり病院側の方も書いていただくときに、どういう部分を評価して上回っていると自己評価されるのか。市は先ほど言いましたように、書いてあることを達成すれば、これは計画どおりということだと思うのですけれども、もう少しそのあたりがどのぐらい努力をして、あるいはどのぐらい苦労して、どのぐらい数字が上回って、Sでもすごいレベルの違うSなのか、もう少し書き込んでいただかないと、難しい判断を迫られることになるのかなとは思いました。

西川委員

 Sランクだったというだけではなく、実際の数字がどうだったかということ、5年間の平均が前年度はどうで、今年度はどうだったということを書いていただいて、これだけ減っているということです。毎年減らし続けているわけで、経産省のSということで書いてくれている、しかも公表されているわけですから、これはこれで努力しているではないかなと思います。

嶋津委員長

 一つの指標で見るとよくなっている。
 電気、ガス、その他、重油があるのかどうか分かりませんけれども、その辺のことが分からないので、オーバーオールでどう評価するかというのは難しいところがあります。そういったことを評価して、西川委員は4でいいのではないかというご意見ですか。

西川委員

 はい、4か3かどちらか。
 3.5とかになるでしょうけれども。

嶋津委員長

 ほかの委員はいかがでしょうか。

北村委員

 71ページの関連事業の足し算をし始めて、そして割り算をして、それで原油と言われたらそこで止まってしまい分からないので、意見としては、総体的に年々すごい努力なんだろうとは思います。ですが、電気使用量は少し上がって見えていますのと、ガス使用量はすごく減って見えています。そういうことが計画どおりとなっているのか、あるいは計画よりも上回っている状況なのかというのを何かの形で示していただきまして、分かるような状況であれば良いと思います。ここは割とそういう指標で見ることもできると思っています。

西川委員

 そうですね。賛成です。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 ということは、4か3かはまだ未確定です。内訳を含めた経産省の評価の効果なり、ありがたみというところを説明いただくということで、もう一度評価させていただきたいということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 委員会の意見としてまとめさせていただきます。
 それでは、次に第4の大項目評価に移りたいと思います。8ページは1つですけれども、3か4かということですが、いずれにしても大項目としてはAということで同じになるかと思います。
 本日の小項目では1-3-(2)医療の質の向上のところと、2-1-(3)やりがいを感じ働くことができる職場環境の整備、4-1環境に優しい病院運営ということで、この3項目について、もう少し具体的な効果あるいは成果、背景なりを説明していただいた上で、委員会として3か、それとも4にするかということを決めさせていただきたいと思います。
 資料2の2ページから3ページに記載されている項目について、内容について何かご意見、ご質問ございますでしょうか。
 (特になし)
 大項目評価についてはA、A、A、Aで変わりないですけれども、小項目、先ほど申し上げた3項目について、3か4かというところが現時点ではペンディングということで終わらせていただきたいと思います。
 事務局、それでよろしいですか。

事務局

 まず、医療の質の向上につきましては、ご議論いただいた内容を踏まえまして、3か4かというところを検討させていただき、修正案をまた次回、ご確認いただきたいかと思います。
やりがいを感じ働くことのできる職場環境の整備につきまして、病院側にもう一度状況等をお伺いした上で、今回の取組の趣旨等を考慮させていただき、評価のところに書き加える等させていただき、評価3か4を検討させていただきたいかと思います。
 8ページにつきましては、先ほどの趣旨、病院運営ということで、現状3という評価をさせていただいている中で、もう少し経済産業省の状況を見させていただいてということになるかと考えておりますが、現状は今のご議論の中で新たな材料等が出てこない場合は、我々としては3になると検討させていただいておりますので、新たな材料等が出てきた場合には、評価を改めて検討させていただき、修正案を提示させていただきたいと考えております。

嶋津委員長

 以上で小項目評価、大項目評価及び全体評価の確認は終了いたしました。
 最後に、77ページの業務実績評価の基本方針3の3では、評価委員会は評価結果の決定をする際、法人に評価結果案に対する意見申立ての機会を与えることとなっております。法人のほうから何かご意見ございますでしょうか。

門田理事長

 評価に対する謝意

嶋津委員長

 門田理事長、ありがとうございました。評価については特にご意見はないということで、医療の質ということでお話をいただきました。
 それでは、評価委員会としては、令和4年度の業務実績に係る評価結果報告書に関する意見を取りまとめていきたいと思います。
 それでは、業務実績等の評価時の意見書について、事務局から説明をお願いします。

事務局

評価結果に対する意見書について説明

嶋津委員長

 評価結果報告書と意見書については、次回の会議で確認を行い、最終的なものを審議、提出したいと思います。

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