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第3期 中期目標

更新日:2020年2月20日

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 地方独立行政法人堺市立病院機構(以下「病院機構」という。)は、平成24年4月に設立され、堺市の医療施策として求められる救急医療及び高度医療等を提供し、医療水準の向上を図り、市民の健康の維持及び増進に寄与することを目的として市立堺病院を運営してきた。
 第2期中期目標期間においては、堺区南安井町にあった市立堺病院を移転し、平成27年7月、西区家原寺町に堺市立総合医療センターを開院した。同センターでは、堺市で初となる救命救急センターを設置し、市内の救急告示病院との役割分担のもと、救急医療提供体制の構築に取り組んできた。医療サービスの提供に関しては、さまざまな変化に対応しながら、堺市における中核病院として、質の高い医療を安定的かつ継続的に提供し、業務運営に関しては、平成27年度の病院建設により悪化に転じた経営状況を、効率的・効果的な病院運営により段階的に改善してきた。
 堺市の医療を取り巻く環境としては、団塊の世代の方が75歳以上となる2025年を見据え、医療と介護の連携と地域医療構想を踏まえた病床機能の分化、加えて、働き方改革など、社会情勢の変化への対応が求められている。
 第3期中期目標の策定にあたっては、このような社会情勢の変化に対応し、救急医療及び高度医療等を提供する高度急性期及び急性期機能を担う病院として地域の医療機関との役割分担のもと包括的な医療サービスを提供し、市民の健康の維持や健康寿命の延伸等に寄与するとともに、市民に信頼される病院として、人材育成に努め、法令遵守に基づいた効率的・効果的な病院運営を行うことを期待する。
 これらのことを踏まえ、ここに病院機構に示す基本的な方針として第3期中期目標を定める。

第1 中期目標の期間

 中期目標の期間は、令和2年4月1日から令和6年3月31日までの4年間とする。

第2 市民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項

1 市立病院として担うべき医療

(1)救命救急センターを含む救急医療
ア 市内、唯一の救命救急センターの円滑な運営に努め、二次救急で対応が困難な重篤な患者に対して、24時間365日、三次救急医療を提供すること。
イ 市内の救急告示病院との適切な役割分担のもと、24時間365日、二次救急医療体制の維持に取り組むとともに、二次・三次の一体的運用による救急医療の中核的役割を果たすこと。
ウ 堺市消防局の救急ワークステーションとの連携によりメディカルコントロール体制において中心的な役割を果たすこと。
エ 精神科医によるコンサルテーションのもと、適切な医療提供につなげることができる体制を整え、積極的に精神科合併症救急患者を受け入れること。

(2)小児医療
 地域の医療機関との連携と役割分担に基づき小児医療を提供するとともに、小児救急医療については、初期救急医療を担う堺市こども急病診療センターや他の病院群輪番病院との連携と役割分担のもと、24時間365日、二次救急医療体制を確保すること。

(3)周産期医療
 地域の医療機関との連携と役割分担に基づき周産期医療を提供するとともに、二次・三次の一体的な運用を活かし、緊急的に対応が必要な出産前後の方に対して適切な医療を提供すること。

(4)災害・感染症・その他緊急時の医療
ア 災害その他緊急時には、災害拠点病院として、堺市地域防災計画等に基づく対応を的確に行うとともに、自らの判断で医療救護活動を実施すること。また、大規模な災害や事故の発生に備えた訓練の実施と物資の備蓄等を行うこと。
イ 第一種及び第二種感染症指定医療機関として、感染症患者の受入体制の維持、感染症に関する関係法令や市の計画等に基づく適切な対応など、地域の感染症医療における中核的な役割を果たすこと。

2 生活習慣病への対応

(1)がんへの対応
 がんは、市民の疾病による死亡の最大の原因であり、その対策が市民の生命及び健康にとって重大な問題となっていることから、科学的な知見に基づく適切で良質な医療提供を行うこと。また、地域がん診療連携拠点病院としてがん診療の質的向上に努めるとともに、地域の医療機関と連携し、がん相談や情報提供を行うこと。

(2)高度・専門医療の包括的提供
ア 心疾患、脳血管疾患の治療については、地域の医療機関との連携と役割分担に基づき、救命救急センターを有する施設として必要な高度・専門医療を提供すること。
イ 糖尿病の治療については、食事、運動、薬物療法により適切な医療提供を行うこと。

(3)健康寿命の延伸に向けた予防医療の推進
ア 市が実施するがん対策等に関する施策に協力し、がん予防に寄与すること。また、糖尿病については、合併症等重症化予防の医療に取り組むこと。
イ 市民の健康維持や健康寿命の延伸に寄与するため、市と連携や協力し、予防医療の推進に努めること。また、健康に関する保健医療情報の発信及び啓発に取り組むこと。

3 患者に寄り添った信頼される医療の提供

(1)医療安全対策・感染対策の徹底
 医療事故に関する情報の収集と分析を行い、医療事故の予防及び再発防止に取り組むこと。また、院内感染防止対策の確実な実施等により医療安全対策を徹底すること。

(2)医療の質の向上
ア 診療科の枠を越えた多職種が連携するチーム医療や医療センターの機能の充実、強化を行うこと。また、クリニカルパスの充実による医療の質の標準化など、医療の見える化に取り組むこと。
イ 医療の発展に貢献するため、臨床研究及び治験に積極的に取り組むこと。

(3)患者の視点に立った医療・サービスの提供
ア 医療の中心は患者であることを常に認識し全ての患者の権利と人格を尊重するとともに、インフォームド・コンセントの徹底や患者の視点に立った環境整備に努め、心の通う医療を提供すること。また、地域で果たす役割や医療機能等について、患者ニーズに合った情報発信を積極的に行うこと。
イ 患者が満足し、患者に信頼される病院をめざし、患者の視点に立ったサービスを提供すること。

4 地域への貢献

(1)地域の医療機関等との連携推進
ア 地域医療構想を踏まえ、市立病院として担うべき医療機能を発揮し、地域での役割を果たすため、紹介された患者の受入と患者に適した医療機関への積極的な紹介や開放病床の利用促進を行い、地域の医療機関との連携や協力を推進すること。
イ 在宅医療については、地域包括ケアシステムの推進に向け、関係者との情報共有やネットワークの構築を図ることなど、医療施設としての役割を果たし、地域づくりに貢献するよう積極的に努めること。また、地域連携機能を強化し、医療関係者だけでなく介護関係者との連携関係の構築に取り組むこと。

(2)医療従事者の育成
 医療専門職の養成や医療従事者の育成に貢献すること。

(3)健康を支える環境整備に向けた行政全般等との連携と協力
 市立病院として、医療、保健、福祉、教育等の行政全般等との連携に努めること。

第3 業務運営の改善及び効率化に関する事項

1 効率的・効果的な業務運営

(1)自律性・機動性・透明性の高い組織づくり
ア 適切な権限委譲と効率的な業務運営を図ること。また、経営に関する企画立案機能の更なる強化を図り、各部門の業務分析や損益分析等により患者動向や医療需要等の変化に即した効果的な医療提供体制の整備に取り組むなど、戦略的な病院運営を行うこと。
イ 外部評価等を活用し、効率的かつ効果的であり、また市民目線を活かした業務運営改善を組織全体で図ること。
(2)法令・行動規範の遵守(コンプライアンス)
 患者の権利を尊重し、医療法をはじめとする関係法令を遵守することはもとより、行動規範と倫理に基づく適正な病院運営、個人情報の保護と管理の徹底を行うこと。

(3)やりがいを感じ働くことができる職場環境の整備
 職員の業績や能力を的確に反映し、職員のモチベーションの向上や人材育成につながる客観的な評価制度等の整備、運用を行うこと。また、職員のキャリアアップを支援し、職員一人ひとりが「やる気と誇り」を持って働くことができる環境整備を行うこと。

(4)働きやすい病院づくり
 職員の健康を守り、一人ひとりが能力を最大限に発揮できるよう、「働き方改革」の考え方に沿って、ワーク・ライフ・バランスの推進を図るなど、働きやすい病院づくりに取り組むこと。また、家庭と仕事を両立し、子育てをしながら安心して働くための支援の充実に努めること。

第4 財務内容の改善に関する事項

1 安定的な経営の維持

 収入の確保と効果的な費用節減に取り組み、経常収支比率の目標を達成させ、安定的な経営を維持すること。

第5 その他業務運営に関する重要事項

1 環境にやさしい病院運営

 省資源及び省エネルギーに取り組み、低炭素社会の形成に寄与する環境にやさしい病院運営に努めること。

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健康福祉局 健康部 健康医療政策課

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