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3.数奇屋壁が自慢の蔵座敷

更新日:2012年12月19日

 SKT47(堺市堺区甲斐町西2丁)は、1985年の冬に調査しました。慶長20年(1615)の被災面から蔵座敷(くらざしき)と考えられるせん列建物SB04を検出しました。「せん」と呼ばれる瓦状の方形物を使用して建物の壁外周基礎部を囲む構造の建物で、西側の別棟とは廊下でつながり、東側には1メートル×4.2メートルの縁をもった2階建の本瓦葺建物だったと考えられます。また、建物内部からは大坂赤壁(あかかべ)と呼ばれる数奇屋(すきや)建築の壁材が出土しており、この建物の中に茶室が存在していたことがわかりました。なお、建物の東側外には、蔵と建物との狭い空間に井戸と築山風庭園(天正十年以降の築庭)があったが、この建物の改築工事に伴い埋め立てられています。
 建物内部から出土した主な陶磁器は、貿易陶磁器では中国染付24個(碗3・皿18・盤3)、白磁23個(皿22・香炉1)、青磁3個(碗3)、赤絵1個(碗1)、華南三彩3個(盤1・小壺1・鴨型水注1)、黒釉2個(壺・擂座茶入)、褐釉2個(鉢・摺鉢)、それにタイ・メナムノイ四耳壺1個、朝鮮[李朝]6個(壺3・碗2・皿1)、国産では美濃52個(灰釉皿・鉄釉茶入・水指・志野向付・鼠志野向付と碗)、唐津9個(鉄絵向付・沓形碗・耳付水指)、備前7個(徳利・水指・摺鉢)、信楽・伊賀7個(茶壺・煎餅壺)などがあります。
 これらの陶磁器の品質は高く、しかも懐石道具では中国や国産品とも同一器種・図柄のものが五客を単位として出土しているのが注目されます。
 国産陶器では懐石膳に使用したと思われる向付・皿・鉢では、唐津は少なくて美濃(特に志野)の点数は多いが、織部は1点も含みません。また、茶壺・水指などは信楽・伊賀の製品が多いのが特徴です。このように出土遺物は、懐石膳に使用する皿・鉢類の出土量が多く、茶碗が少ないのは焼失前に持ち去った可能性も考えられます。
 一方、貿易陶磁器では圧倒的に皿類の量が多く、朝鮮は全体に占める量は少ないが宮廷や役所にしか納入されない官窯(かんよう)製品を含んでいます。また、これ以外に茶臼、畳、襖(ふすま)引手金具、屏風飾り金具などが出土しています。
 参考文献:「堺環濠都市遺跡(SKT47)発掘調査報告」『堺市文化財調査報告第35集』1987年7月

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