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平成25年度

更新日:2021年10月13日

≪特別企画展≫南海ホークス―市民の暮らしとスポーツ―

会期

平成25年3月9日(土曜)から5月12日(日曜)
休館日:月曜日(但し3月11日・3月25日・4月29日・5月6日は開館)

概要

 1938(昭和13)年に創設され、1988(昭和63)年に福岡へ本拠地を移転するまで、地元大阪、泉州で根強い人気を得たプロ野球球団「南海ホークス」は、堺市域ともつながりが深い球団でした。堺市域では、大浜や中百舌鳥の球場が本拠地や二軍の練習場となり、選手寮「秀鷹寮」も設けられるなど、関連施設が身近にあったため、多くのファン層が形成されました。
 本展覧会では、準備段階から堺市民をはじめとするかつてのファンの皆さんにもひろく情報提供を呼びかけました。この結果お寄せいただいた多くの資料には、南海ホークスに対する皆さんの思いが詰まったものばかりです。  
本展覧会を通して、堺市民や府内の南海ファンにあらためて南海ホークスの魅力を認識していただき、あわせてファンと球団によって培われたスポーツ文化の奥深さにふれていただけましたら幸いです。

展示構成

1.場所の記憶
球団の創立期に利用された大浜球場、昭和14年につくられた中百舌鳥球場、「昭和の大阪城」の異名で知られた大阪球場に関する資料を紹介!
2.ホークスのあゆみと選手たち
戦後を中心にチームや選手ゆかりの品々や応援にかかわる資料などを紹介!鶴岡一人氏、杉浦忠氏ゆかりの記念品も特集展示します。
3.モノからたどるファンのこころ
ファンとの交流、子ども向けのグッズ類、さまざまな記念品類を一挙に展示  
4.堺のスポーツ文化
水泳・バレーをはじめとして堺市域で培われたスポーツ文化の過去・現在・未来を紹介!

関連事業

1.記念講演会

  • 演題:南海ホークスと私
  • 講師:岡本伊三美さん(公益財団法人全国野球振興会理事、元南海ホークス主将、元近鉄球団代表)
  • コーディネーター:永井良和さん(関西大学社会学部教授)
  • 日時:平成25年3月17日(日曜)午後2時~午後3時30分
  • 場所:堺市博物館地階視聴覚室

2.記念シンポジウム

  • テーマ:スポーツとデザイン、スポーツとサウンド
  • 日時:平成25年4月13日(土曜)午後2時~午後5時
  • 場所:関西大学堺キャンパスSA501教室(南海高野線「浅香山駅」から約100メートル)
  • 報告1:綱島理友さん(プロ野球意匠学研究家)
  • 「アメリカ社会とスポーツ―野球のユニフォームの変遷から読み解く―」
  • 報告2:永井良和さん(関西大学社会学部教授)
  • 「スタジアムと音―観客とファンと視聴者―」
  • コーディネーター:杉本厚夫さん(関西大学人間健康学部教授)
  • 申込:事前申込は不要です。定員300人。

3.ギャラリートーク

  • 日時:平成25年4月6日(土曜)午後2時~(30分程度)
  • 場所:堺市博物館展示場
  • 講師:永井良和さん(関西大学社会学部教授)、当館学芸員

展覧会図録

  • 好評につき完売いたしました。
  • A4サイズ 42ページ
  • 300円

主催・協力

  • 主催:堺市博物館・関西大学
  • 協力:南海電気鉄道株式会社・福岡ソフトバンクホークス株式会社

≪スポット展示≫堺の街角から―市民が歩んだ戦後―

会期

平成25年4月2日(土曜)から5月12日(日曜)

内容

本展では、戦後の堺の風物を描きとった郷土資料を通して、1945年から1964年頃までの堺市民が歩んだ戦後の街角の暮らしに焦点をあてて、堺の市民生活の一端を紹介いたします。
特別企画展「南海ホークスー市民の暮らしとスポーツ―」と併せてご観覧ください。

展示資料

戦後の社会を描いた岸谷勢蔵スケッチブックなど10点ほどを展示しています。

≪企画展≫かな美の再発見―近代化のあけぼのの中で―

会期

 平成25年7月17日(水曜)~9月8日(日曜)

内容

 固有の文字を持たなかった日本では、中国から伝わった漢字を用いて『万葉集』の成立までには、漢字の音または訓を借りて漢字一字そのままで日本語の一音の仮名として用いた「万葉仮名」、そして片仮名へと発展していきました。
 その後、「仮名」は、平安時代中期、日本風の漢字の書体である「和様」の完成と相前後して、和歌が活況を呈したことから、「和様」の洗練された最たるものであり、かつ、和歌を書く書体として完成しました。これが「女手」と称された「かな」で、後世「古筆」として珍重され、この書風を「上代様」と称して「かな」の書の規範となりました。
 武士の世となり、「かな」の書は衰微期を迎え、江戸時代に魅力に欠けるものとなりました。しかし、中期以降に国学者や歌人の中から、異彩な「和様」としての「かな」の書を残したものも現れました。
 明治維新直後の急速な欧米化の反省に対応するかのように、明治20年代になり、日本国内での国家意識の高揚と起こると共に、古来からの日本独自文化の見直しの気風が高まり、書の世界の「和様」において、「古筆」を研究した難波津会(なにわづかい)の結成、そして会員たちの後の宮内省御歌所(おうたどころ)での歌人としての活躍により、宮中を中心に、雅(みやび)な和歌の世界と連携した「上代様」を中心とする「かな」書道が隆盛を極め、今日に到っています。
 本展では、書道史研究家の山下是臣コレクション(本館蔵)から、近代の日本的なヒューマニズムの発芽の一つの形態ともいうべき近代の宮内省御歌所の歌人たち和歌作品に見る優雅な「かな」の書とその前提である近世・江戸時代に異彩を放った国学者・歌人たちの「かな」の書の鑑賞を通じて、「かな」美を再発見していただきます。

主な展示品

A、江戸時代の国学者・歌人の和歌作品
 村田春海筆和歌
 小沢蘆庵筆和歌懐紙
 加藤千蔭筆和歌懐紙
 他
B、宮内省御歌所の歌人たちの作品
 大口周魚筆和歌懐紙
 加藤義清筆和歌懐紙
 岡山高蔭筆和歌
 阪正臣筆和歌懐紙
 他

関連イベント

学芸講座

  • 日時:8月25日(日曜)午後2時~午後3時30分(展示品解説を含む)
  • 演題:かなの書について
  • 講師:当館学芸員
  • 会場:当館 地階 博物館ホール

展示品解説

  • 日時:8月10日(土曜)午後2時~(30分程度)
  • 講師:当館学芸員
  • 会場:企画展展示場

≪スポット展示≫タイの古陶磁2―スコータイ王朝の優品―

会期

 平成25年7月13日(土曜)から9月8日(日曜)

内容

 タイで造られた陶磁器はインドやアフリカそして日本にも輸出され、その多種多様な器種や文様構成は多くの人々を魅了してきました。なかでも、日本では「宋胡禄(すんころく)」と呼ばれた焼物は、茶の湯の主要道具として珍重され、桃山時代以降に数多くの茶事に用いられました。
 中世の堺の遺跡である堺環濠都市遺跡からも、合子(ごうす)などが出土しています。この宋胡禄(すんころく)という珍しい名称は、タイのサワンカロークという都市名が訛ったものとされています。ここにスコータイ窯とシーサッチャナライ窯の製品が集積・経由され積出された事によると言われています。
このスコータイ窯とシーサッチャナライ窯などが主に操業していた時代がスコータイ王朝です。
 スコータイ王朝は、13世紀初め頃に建国されたタイ民族による初めての統一国家です。タイ文字を創設するなどし、第3代ラムカムヘーン王の時代は領土が拡大し、繁栄しました。また、伝承によると、タイの陶磁器生産は、13世紀後半頃のスコータイ王朝に始まったとされています。
 しかし、1317年に王が没した後には衰退して、新興のアユタヤ王朝の台頭により領土は縮小し、その後1438年には後継ぎが途絶えてアユタヤ王朝に吸収される形で王朝は滅亡します。
 この200年間に都が置かれたスコータイは、ユネスコの世界文化遺産に登録されており、約190の遺跡が点在しています。
 今回の展示では、昨年度に引き続き個人所有コレクションの優品を使用してスコータイ王朝の陶磁器を展示いたします。デフォルメされた魚文に代表される自由な意匠や端正で美しい青磁などタイの陶磁器のもつ魅力を御堪能ください。
 なお、今回の展示は「堺・アセアンウィーク2013」の連携事業として開催します。

主な展示品

鉄絵菩薩像建築装飾 スコータイ窯鉄絵ガルーダ文大皿 スコータイ窯鉄絵魚・花文皿 スコータイ窯青磁鳥形水注 シーサッチャナライ窯鉄絵獅子形水滴 シーサッチャナライ窯褐釉双耳瓶 シーサッチャナライ窯 など 総展示品数 32点を予定

協力

 堺国際交流協会

≪日本ポルトガル交流470周年記念特別展≫ICOCU/異国―南蛮とキリシタンの美術― 大阪・南蛮文化館コレクションより

会期

 平成25年9月14日(土曜)~10月20日(日曜)  *休館日 9月30日(月曜)、10月7日(月曜)

内容

 1543年、ポルトガル人の同乗した中国船が種子島に錨を下ろし、日本に鉄砲(火縄銃)がもたらされたと伝えられています(『鉄炮記』)。日本と西洋との出会いはここから始まります。その後、江戸幕府が鎖国政策を採るまでの約百年間、しばしば日本に来航したポルトガル船は、東南アジアや中国南部の海域を通って南洋からさまざまな文物を伝えたため「南蛮船」とも呼ばれました。当時の堺は、鉄砲をはじめ海外からもたらされた珍しい品々をいち早く商売に取り入れ、国際商業都市として繁栄します。
 西洋との出会いは、キリスト教との出会いでもありました。アジアへの布教を志したイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝えたのが1549年のこと、ザビエルに続いて多くの宣教師が来日しました。彼らの行った熱心な布教活動は日本人の思想に新たな面を加えたといえるでしょう。
 イエズス会ではポルトガル語が教会内の日常語として用いられており、当時の日本のキリスト教徒を表わす「キリシタン」という言葉も、ポルトガル語が語源です。言葉の壁を乗り越えようと、宣教師たちは日本語をポルトガル語で説明した辞書や文法書を編纂しました。本展のタイトル「ICOCU」は、『日葡辞書』(葡=葡萄牙・ポルトガル)に掲載された言葉であり、「Cotonaru cuni. Outro reino, ou reino de estrangeiros(異なる国。他の国、あるいは外国人の国)」と説明されています。しかし、キリスト教は1612年の禁教令を端緒として江戸幕府によって厳しく禁じられ、開国後、明治時代に至ってようやく信仰の自由を得るという歴史をたどりました。
 グローバル化の現代、異文化は身近な存在になりましたが、それでも異文化に触れるときの感動は大きく、また様々な摩擦も生じます。470年前の日本人は、どのように西洋を受け止めたのでしょうか。 本展では、南蛮文化に関するまとまったコレクションを有する南蛮文化館(大阪市北区)にご協力いただき、ザビエルの伝記やキリシタンゆかりの品々のほか、南蛮意匠の工芸品等を約60件展示いたします。本展が、日本とポルトガル、西洋との交流の跡を振り返る機会になれば幸いです。

主な展示作品

 黄金の十字架 16世紀
 悲しみの聖母図 16世紀末期~17世紀
 フランシスコ・ザビエルの生涯 1596年 ローマ刊 (大阪府指定文化財)
 IHS七宝繋蒔絵螺鈿聖餅箱 16世紀後期~17世紀初期(大阪府指定文化財)
 南蛮屏風 江戸時代初期 17世紀前期
 西洋風俗図屏風 桃山時代 16世紀末期~17世紀初期
 他 約60件

関連イベント(日本・ポルトガル交流470周年記念事業)

1.記念講演会 南蛮美術を生んだ時代背景 ―海外との交流

  講師:越智裕二郎氏(広島県立美術館 館長)
  9月14日(土曜)午後2時~3時30分 *申込不要、先着100人、無料

2.体験イベント ウンスンカルタで遊ぼう!

  ウンスンカルタは、日本風に変化したポルトガルのカードゲーム。熊本県人吉市に
  遊び方が伝わっています。
  講師:立山茂氏(人吉市鍛冶屋町通りの街並み保存と活性化を計る会会長)
  9月22日(日曜)第1回:午前11時~12時30分、第2回:午後1時~2時30分
  第3回:午後2時30分~4時 *要申込、各回14人(対象:小学4年生以上)、無料

3.展示品解説

  10月5日(土曜)午後2時~2時30分 *申込不要、要特別展観覧料

4.シンポジウム 日本と世界が出会うまち・堺 2013

  桃木至朗氏(大阪大学教授)、角山榮氏(和歌山大学名誉教授)他
  10月6日(日曜)午後2時~5時 *要申込、定員100人、無料

5.館長の文化講座 南蛮は何をもたらしたか

  講師:中西進(堺市博物館 館長)
  10月12日(土曜)午後2時~3時30分 *申込不要、先着100人、無料

6.記念コンサート マリオネットin博物館コンサート~南蛮ぎたるらの世界~

  アコースティック・デュオ「マリオネット」が、独自の南蛮をテーマとした曲を
  ポルトガルギターとマンドリンで演奏します。
  10月14日(月・祝)午後1時30分~3時 *要申込、定員140人、無料

≪スポット展示≫千利休とその時代―ゆかりの資料からよむ―(平成25年度秋季堺文化財特別公開関連展示)

会期 

 平成25年10月22日(火曜)から12月1日(日曜)

内容

 今回のスポット展示では、平成25年度秋季の「堺文化財特別公開」と連携して、堺市博物館が所蔵または寄託を受ける資料のうち、千利休(1522~1591)とゆかりの人々の残した茶の湯に関係する書状類や、彼と同時代の堺にかかわる資料などをご紹介します。
 スポット展示の前半では、戦国時代の堺とかかわりの深い三好氏にかんする書状類、後半では、利休と同時代の茶人たちの書状類などを展示します。本展を通じて、千利休や利休を生んだ堺の戦国時代の様子に関心をもっていただけましたら幸いです。

主な展示品

1.堺と三好氏
 ・安宅冬康書状(重伊入宛、年未詳3月20日付、当館蔵) 
 ・柴田勝家他連署状(堺南庄惣中宛、年未詳卯月11日付、個人蔵)

2.茶人の手紙をよむ
 ・千利休画像
 ・千利休書状(万代屋宗安宛)
 ・山上宗二記

≪特別企画展≫堺奉行の新資料―いま描かれる豊かな都市像―

会期

 平成25年10月26日(土曜)~12月15日(日曜)

内容

 16世紀天下人織田信長は堺を直轄都市とし、天正3(1575)年に初代堺政所に松井友閑を任じました。豊臣秀吉も石田三成たちを堺政所に任じ、堺と河内・和泉の広域を支配させました。徳川家康もそれを継承し、慶長5(1600)年、成瀬正成・米津親勝を堺政所に任命します。天下人から堺に派遣される高官は「堺代官」が正式な名称でしたが、室町時代からの呼び名に従い、「堺政所」と呼ばれていました。最後は「堺奉行」の名称に落ち着きます。
江戸時代、上方地域では個別領主支配と幕府広域支配の二種類の支配(司法・行政)が展開していました。個別領主支配とは大名や旗本など領主による個別の領地の支配、幕府広域支配とは領主が誰であるかにかかわらず、幕府の遠国奉行によって行われる支配です。京都や大坂同様に幕府の直轄都市である堺にも奉行が置かれ、都市堺の支配や和泉国の広域支配をおこないました。
 さて、堺市域には、堺空襲による史料の散佚などによって、堺奉行に関する古文書がほとんど残って居らず、堺市立中央図書館の写本類が唯一の史料となっていました。史料の少なさが堺奉行研究の妨げとなっていたのです。
 ところが平成18 (2006)年に兵庫県相生市内の民家から旗本若狭野浅野家の資料が偶然発見され、たつの市立龍野歴史文化資料館に収蔵されました。資料の中には正徳元(1711)年から享保14(1729)年まで18年間、24代目の堺奉行を勤めた浅野長恒(あさのながつね・1658~1732)に関する古文書・絵図が含まれていました。長恒は若狭野浅野家の初代、伊勢山田奉行や堺奉行を歴任した旗本でした。古文書のなかには、これまで全く知られていなかった浅野長恒が堺奉行を勤めた時代の江戸時代中期の堺に関する古文書と絵図がまとまって残っていたのです。
 この新発見によって、江戸時代中期の都市堺についての新しく豊かな歴史像が描かれる機会が生まれました。
 本展では、たつの市立龍野歴史文化資料館蔵の若狭野浅野家資料のうち、堺奉行関係を借用し一堂に展示します。若狭野浅野家資料は、約280年ぶりに堺に里帰りをすることになります。江戸時代中期の貴重な資料をご覧いただければと存じます。

主な展示品

 若狭野浅野家資料一括 たつの市立龍野歴史文化資料館蔵

関連イベント

講演会

  • 日時:12月8日(日曜)14時~15時30分
  • 会場:当館地階 博物館ホール
  • 演題:江戸幕府の上方治水政策と堺奉行
  • 講師:大阪大学大学院教授 村田路人氏

学芸講座

  • 日時:11月24日(日曜)14時~15時30分
  • 会場:当館地階 博物館ホール
  • 演題:堺奉行新資料発見の衝撃と意義
  • 講師:当館学芸員 矢内一磨

展示品解説

  • 日時:10月27日(日曜)14時~14時30分
  • 会場:特別企画展会場
  • 講師:当館学芸員

≪スポット展示≫クイズ!? むかしの道具

会期

 平成25年12月3日(火曜)から平成26年3月9日(日曜)

概要

 博物館が収集している、むかし使われていた道具を、茶の間の再現コーナーやクイズで紹介します。

展示資料

 蓄音機、謄写版印刷機、ラジオ、火のし、龍吐水、こたつ、他

関連体験学習会

 「昔の道具・あそび体験会」
  日  時 : 1月20日(日曜)、2月9日(土曜) 両日とも13時~16時
  会  場 : 当館 地階 視聴覚室・学習室
  定  員 : 小・中学生とその保護者 50人(事前申込不要、当日先着順、随時受け付け)
  参加費等: 入館料、参加費とも無料

≪スポット展示≫「利休にたずねよ」公開記念関連展示 千利休と堺の人々―ゆかりの資料からよむ―

会期

 平成26年1月5日(日曜)から3月9日(日曜)

概要

 堺は千利休(せんのりきゅう)を生んだ地として、内外にその名が知られています。この展示では、平成25年12月に公開された映画「利休にたずねよ」を記念して、茶人千利休と同時代の堺にゆかりの人々に関する資料をご紹介します。
 本展示は二つの部分からなります。前半の「1.千利休とその周辺」では、利休とその弟子たちの茶の湯にかんする書状や高弟山上宗二による茶書『山上宗二記』などを展示します。後半の「2.近世前期の堺とゆかりの文化人」では、千利休が活躍した時代よりもやや下る江戸前期までの時代に焦点を当て、堺ゆかりの人々のなかから江月宗玩・沢庵宗彭の書状類や近世の地誌『堺鑑』などを紹介します。
 本展を通じて、千利休や利休を生んだ堺ゆかりの人々について、関心をもっていただけましたら幸いです。

展示予定資料

1.千利休とその周辺
・千利休画像
・千利休書状(万代屋宗安宛)
・千利休書状(舟越景直宛)
・春屋宗園・古渓宗陳連署請取状(千利休宛)
・古田織部書状(浅野長政宛)
・山上宗二記
・今井宗久書札留

2.近世前期の堺とゆかりの文化人
・江月宗玩書状(半井宗珠宛)
・津田宗及五十年忌法語(江月宗玩筆)  
・沢庵宗彭(厚徳軒)書状
・堺鑑
・今井宗久書札留

≪企画展≫田能村直入と山水画―堺で夢みた理想郷―

会期

平成26年3月29日(土曜)~5月11日(日曜)

概要

 田能村直入(たのむらちょくにゅう 1814~1907)は、94年の生涯を「文人画(南画)」の制作と振興に捧げた人物です。豊後国岡藩の城下、竹田村(現在の大分県竹田市)に生まれ、今年は生誕200年にあたります。9歳の頃、同郷の画家・田能村竹田(たのむらちくでん 1777~1835)の門人になりましたが、竹田の没後、関西に活躍の場を求めて郷里を出ます。直入の関西における最初の拠点が堺であり、20歳代後半から30歳代前半にかけての約7年間を過ごしました。
 その後、直入は大坂に居を移し、大規模な煎茶会を主宰して文化人たちとの交流を図るなど、名を揚げていきます。さらに、明治元年(1868)には京都に転居し、明治11年に画学校の設立を京都府知事に陳情、京都の諸派の画家たちを講師陣にむかえて明治13年に開校した画学校の初代摂理(校長)をつとめました。 
 ところで、堺滞在期の直入の画業を支えた人物の一人が、堺で魚問屋を営んだ旧家、古家(こげ)氏の13代当主、太郎兵衛(号・魯岳 ろがく 1785~1855)でした。魯岳は、中国の「文人」への憧れを基盤として詩や書をたしなみ、同好の人々との交流を楽しむ、いわゆる「文人趣味」に通じた人物でした。
 本展では、この魯岳との交遊から生まれた堺滞在期の絵画をはじめ、幕末から明治にかけての作品28件を展示し、文化の動乱期に直入が志した「文人画(南画)」の世界に思いを馳せてみたいと思います。

主な展示作品

・牛瀧紀行図巻  田能村直入画・古家魯岳書 天保14年(1843) 堺市博物館蔵
・山水図帖 田能村直入筆 天保14~15年(1843~44) 堺市博物館蔵
・月下春遊図  田能村直入筆  弘化3年(1846) 個人蔵
・茅海八勝図帖  田能村直入筆  弘化4年(1847) 堺市博物館蔵
・界浦眺望図  田能村直入筆  弘化4年(1847) 堺市立中央図書館蔵
・吟客賞春図  田能村直入筆  嘉永元年(1848) 個人蔵
・青湾茶会図録  田能村直入筆 文久3年(1863) 高取友仙窟蔵
・月瀬探楳・箕山賞秋図  田能村直入筆 明治3年(1870) 個人蔵
 等 28件

展示品解説

平成26年4月6日(日曜)午後2時から2時30分

学芸講座

平成26年4月20日(日曜)午後2時から3時30分(*展示品解説を含みます。)

このページの作成担当

文化観光局 歴史遺産活用部 博物館 学芸課

電話番号:072-245-6201

ファクス:072-245-6263

〒590-0802 堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内 堺市博物館

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