(2021年9月9日)ハニワ駅はあっちこっち
更新日:2022年3月10日
ハニワ駅(堺東駅)
堺東駅で乗り降りをするようになって、駅構内の大きな絵、祝世界遺産のハニワ駅にいつも目が向いてしまいます。
駅名はハニワ駅。
前の駅と次の駅が、あっち/こっち。
だいたい大阪のおばちゃんもおっちゃんも、指示語で話をすませます。
「あっちって、どっちやねん?!」
「だから、そっちや、って。」
雑踏のなかで、声が聞こえてきます。
大阪の会話の肝は、ユーモアだと思います。
話にオチがないと、話が終わった気がしません。
いちいち会話におもしろさを加味しないといけないなんて、気が重いかもしれませんが、骨までしみこんでいるのが、大阪体質の人。
大阪弁と限ったわけでもありません。
大阪出身や育ちでない人でも、このような体質の方は、います。
案外、よその人も大阪っぽい。
感じたことを口にする賑やかな感じが、大阪の特徴のように思います。
そうした人たちは、観察しながらその場や人のおもしろいところをみつけて、伝える役割も果たしています。
地域の人たちとよその人が指示語で、地域をおもしろくしようと奮闘しています。
このところ目にするようになった「地域とアート」ということば。
いつも見慣れている地域を、ちょっとずらした視点でとらえてみると、時空が広がります。時に、噛み合わないこともあるかもしれませんが、ユーモアを忘れず、粘り強く関わりを持ちたいと思います。
古墳時代、その頃の芸術は、きっと生きる術に直結していたのでしょう。
食器や衣服、生きるための道具、神さまに備える物を手作りしていたのでしょうから。
ハニワとナニワも似ているなあ、と思いながら、古墳時代の人たちも冗談を交わしながら、手を動かし、物を運んだりしていたのでしょう。
コロナ禍で、気持ちが沈みこみがちですが、身近なことばを組み合わせて、日常を大切に、おもしろくしていきたいものですね。
2021年9月9日
プログラム・ディレクター上田假奈代
このページの作成担当
