【視察レポート】第37回定期公演オペラ『愛の妙薬』（2023年1月14日）

フェニーチェ堺大ホールで開催された2日間公演のうち初日に視察しました。開場中には演出の岩田達宗氏によるプレトーク。この後、上演されるオペラが如何に日常の我々と同じ様な人物とその感情で構成されているか、という内容で作品の理解と親しみやすさに貢献していました。ロビーでは物販の他にリハーサル時や通し稽古の舞台写真が展示され、本公演が主催者により独自に制作されていることを来場者も理解できるようになっています。
　
　
内容は、ゲストの歌手、定期的に共演している関西在住の歌手のバランスもよく、また自前の合唱団も高いレベルで重要な役割を果たしていました。村の野外劇場を模した舞台もシンプルで鑑賞の邪魔をしません。字幕やセリフでは日本語（関西弁）を混ぜ、作品の持つ喜劇性の範囲でノリや笑いも取り入れ、地元の劇場で芝居を見る楽しさも程よく効いています。
　
　
来場者も多く、また客席の反応もよく、定期的に来場する固定のファンを獲得している様子が伺えます。コロナ禍での中止、延期が続き、運営にも苦労されたと想像しますが、2年越しで本公演を実現されたことは長年の実績と努力の成果であり、舞台芸術創造発信区分の補助事業に相応しいものでした。

　
（令和4年度堺市文化芸術活動応援補助金採択事業）