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【ニュースレター】堺アーツカウンシルニュースレターvol.13(2024年2月26日)

更新日:2024年3月4日

目次

【開催レポート】地域でのアート活動を学ぶ勉強会 第4回 「 振り返りから始める活動のススメ 」

 1月30日、堺市役所内の会議室で勉強会を行いました。文化芸術活動の「振り返り」をテーマに、プログラム・オフィサー(PO)の大澤が講師を担当し、進行を中脇POが担当しました。   
   

最初に参加者の皆さん全員に、ごく簡単な自己紹介をしてもらったあと、二人一組で、昨年1年間に自分がどんな活動をして、振り返ってどんなことを感じているのかを相手に3分話し、聞いた相手が1分で全員に紹介をしました。他己紹介という形で、話し手側は自分自身や自分の活動を知らない相手に要領良く伝え、聞き手側も第三者に伝えるために必要な情報を引き出すことを、皆さんは短時間で上手にされていました。   
   

それから振り返りについて考えました。文化芸術に限らず、様々な活動や事業を継続する工程には「PDCAサイクル」という考え方があります。Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Act(改善)の4段階を繰り返しながら改善し、問題を解決するというものです。振り返りとは、この4段階の中の「Check」にあたります。    
   

次に、振り返りをするのに大事な要素を3点示しました。(1)「いつ」、(2)「だれと」、(3)「どのように」振り返るのか、です。まずは、(1)「いつ」振り返るのか。活動が終了した直後や打ち上げのようなタイミングもあれば、活動を始めてから5年、10年が経過してから振り返ることもできます。タイミングで見えるものも変わります。次に(2)「だれと」振り返るのか。参加者、来場者、企画者など、活動の当事者と振り返る機会は多いと思いますが、「批評的な意見をもらえる人」や「参加していない(したことがない)人」と振り返る機会を持つことは、あまりないかもしれません。そして、(3)「どのように」振り返るのか。話す・聞く、話し合うということが基本だと思いますが、アンケートを取ることも振り返りの方法としては一般的になっています。活動の実績を整理分析したり、SNSをチェックしたり、また、外部の専門的な立場から感想や意見がほしいと思う人を見つけてレビューを依頼するという方法もあります。    
   

その後、「いつ」、「だれと」、「どのように」活動を振り返っているのかを、参加者の皆さんでテーブルごとに話してもらいました。企画者や主催者の振り返りが出演者と共有されていないのは改善のきっかけを失っているのではないかという意見、仕事として行っている習い事の教室では生徒の継続率や収益率というKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)が大事だが、発表の機会である展覧会では参加者の満足度を大事にしたいという意見がありました。また、アンケート調査を行っているけれども、何を目的としたアンケートなのかが、人や活動によって違っていることに気づきがあったという声も聞くことができました。    
   

今回の参加者は、初めて参加された方も多かったにも関わらず、リラックスして打ち解けて会話されている様子でした。今回の勉強会を踏まえて、今後の活動の「振り返り」をする時の参考にしてもらえると嬉しいです。(PO・大澤寅雄)

【メッセージ 】堺のみなさまへ。この一年、アートを感じましたか

 
 2024年のお正月は能登半島で地震があり、こころの落ち着かない年の始まりとなりました。被災された方にはお見舞いを、そして支援に携わる方々に感謝します。    
   

いつ何が起こるかわからない、という考えをずっと持ち続け、備えを怠らないようにするのはわたしにはできそうにありません。けれど、誰かと一緒に、楽しみながらなら、なんとかなりそうです。子どもたちとゲーム感覚で防災活動に取り組んだり、おもちゃを交換する仕組みを使って地域の人たちと知り合ったり、避難所の設定でその場にいる人たちと即興演劇をつくったり、街歩きをしながら危険な場所や避難場所を確認するマップをつくったりなどは既に各地で行われています。そんな活動をアート的に取り組んでみるのも有効でしょう。    
   

そもそも表現するというのは、自分の存在を表すこと。「助けて」という表現を日頃から練習できていたら、また誰かの表現を受けとめる練習をしていたら、もしもの時に役立つのではないでしょうか。アートや文化芸術は趣味のもの、訓練しそれを仕事としているのがアーティストと思いがちですが、そんなことに囚われずに、日常的に表現を味わい深めていきたいと思います。    
   

2023年5月から新型コロナウイルス感染症が5類へ移行し、堺市内でも催しや往来が盛んになりました。懐かしい出会い、新しい出会いはありましたか。それらは積み重なって、きっと人生を支える栄養になります。堺市内でもさまざまな文化芸術活動が繰り広げられています。もし文化芸術活動に関わる相談事があれば連絡をください。PDの上田が市役所でお待ちしていますし、お伺いすることもできます。出務日をX(旧Twitter)にあげています。ぜひ堺ACのアカウントのフォローをお願いします。
    

堺に文化芸術の風が吹き渡り、新しい出会いが生まれますように。(PD・上田假奈代)

【プログラムオフィサーのリレーコラム】『居場所としてのアート』

 
 
 昨年度から、堺では子ども食堂の「居場所としての機能」を高めることを目的として芸術ワークショップ事業(主催:(公財)堺市文化振興財団)が展開されています。   
   

 私はアートコーディネーター個人として、その事業調査に関わり、今年度は、にしのこまんぷく食堂さんでのワークショップを見学させていただきました。    
   

突然ですが、みなさんは子どものころに「居場所」と感じる場所はありましたか?私は小学生の時に習っていたクラシックバレエの稽古場が「居場所」だったと感じています。学校や家で嫌なことがあっても身体で表現することに夢中になり、日常を一旦脇に置いておくことができました。    
   

子ども食堂でのワークショップでは、アーティストの淀川テクニックさんが拾ってきたゴミを使って造形を行います。一人で黙々とパーツを探す子どももいれば、友達と一緒に創作している子どももいます。出来上がった作品についてアーティストやスタッフが尋ねると、「知らん」「わからん」と答えない子どももいれば、恥ずかしそうにぽろぽろと説明する子どももいます。    
   

その様子を見て、アートが自分自身との対話、他者との対話の橋渡しになっていると感じました。また、もしかしたら私と同じように嫌なことがあったけれど気晴らしに参加したというような子どももいたかもしれません。    
   

子どもの自由な表現を受け入れる場所が、これからもいろんな形で増えていくことを願います。(PO・川那辺香乃)

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