【プログラム・ディレクターからのメッセージ】「様々な人が関わる芸術の場を」

くちびるに風を感じて、季節を感じます。先の知れぬコロナ禍でマスクの下に隠していたのは不安や安心など、さまざまな感情だったのだろうと思います。今年の5月から新型コロナウイルス感染症が5類へ移行し、平時に向けての一歩が進んだとされています。季節がめぐり忘れてしまう前に、この3年の間に感じて、考えたこと、話し合ったこと、行動したこと・しなかったことをふりかえるのも大事なことかもしれません。
　　　　　
　　　　
堺の街でも延期を繰り返して実現した取組もあれば、公演中止となった苦渋の決断も記憶に残っています。不要不急の言葉のもとで文化芸術の活動はそれまでの形をとることが難しくなりましたが、その中でも生きるために芸術が必要だと気づいたこと、芸術との関わり方にもさまざまな工夫がありました。オンライン配信だけではありません。暮らしのなかでささやかな創造の喜びをみつけたり、それらをシェアする仕組みをつくった方もいます。
　　　　　
　　　　　
さて、堺市内で行われた令和4年度の文化芸術活動応援補助金の事業も3月中に全て終了しました。コロナ禍を縫うようにして活動があり、堺アーツカウンシル（以下、堺AC）のメンバーも現場を訪ね相談をお聞きしながら事業を見守りました。また、令和5年度は34件の事業が採択されました（申請47件）。幅広い分野からの申請があり、堺における文化芸術の裾野が広がっていることを感じています。子どもや子育て中の方、障がいのある方など、多くの方に参加いただきたいと心から願っています。そして、文化芸術活動に関する相談事があればお話しに来ていただきたく、プログラム・ディレクター（以下、PD）の上田が市役所でお待ちしている日程をTwitterにあげています。前述の採択事業の紹介もしていますので、ぜひ堺ACのTwitterのフォローをお願いします。
　　　　　
　　　　　
堺に文化芸術の風が吹き渡り、新しい出会いが生まれますように。
　　　　　
　　　　　
　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　プログラム・ディレクター 上田假奈代