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第10回堺市阪堺線活性化推進懇話会(議事録)

更新日:2016年7月29日

1 開催日時 平成28年2月15日(月曜) 午前10時から午前12時
2 開催場所 堺市総合福祉会館5階・第3研修室
3 出席者

懇話会委員
座長:塚本委員(大阪産業大学人間環境学部生活環境学科教授)
委員:伊藤委員(広島工業大学工学部都市デザイン工学科准教授)、福井委員(NPO法人 RACDA大阪・堺理事長)、田中委員(浜寺昭和校区自治連合会 会長)、久保(照)委員(湊西校区自治連合協議会 会長)、川上委員(NPO法人堺観光ボランティア協会理事長)、河盛委員(大醤株式会社代表取締役社長)、服部委員(一般社団法人堺市老人クラブ連合会堺区女性部会部会長)、岸田委員(企業組合HUCA・C専務理事)、明神委員(市民委員)、久保(洋)委員(堺市女性団体協議会 運営委員)
欠席:西口委員(市民委員)、高田委員(堺市商店連合会副会長)、松永委員(つーる・ど・堺 ライター)
事務局:阪堺電気軌道株式会社、堺市建築都市局

阪堺線の平成27年度交通調査(平日)について

塚本座長

数字としては増えた、減ったというのは分かるので、この停留場周辺はどうだとか、高齢者がどうだとか、分かるのか。

事務局

P11の資料になるが、東湊の周辺の工場への通勤が元々多かったが、今でも続いており、新しい石津北停留場の開設に伴って東湊の利用者数が減少していない。また、花田口は近くに泉陽高校がある事から、泉陽高校への通学の方見られるようになっていたが、交通調査でも結果に出たと考えている。P9の資料になるが、新しい停留場である石津北の結果がどうなっているか我々も注目していた中で、石津北の前後の停留場の利用者が減るのではないかと考えていたが、1日だけの調査で絶対とは言えないが、石津北が300人/日程度の利用者数となった中で、東湊が前回調査から100人以上、石津でも25人程度増えている。石津北の開設によって利用者の取り合いが起きたのではなくて、前後の停留場を含めて利用者が増えている事で、施策の効果が当初予定よりも大きくでていると考えている。P13の資料になるが、高齢化率の関連はこれから分析する必要があるが、居住機能が高いエリアで割合が高くなっているのではないかと考えている。

伊藤委員

これまで活性化の議論で2区間運賃を1区間運賃にするとか、高齢者割引や宿院停留場直近に「利晶の杜」ができるなど色々な施策を見ているが、そういった施策を実施した事で増えているかなどの検証をきっちりやる必要がある。2区間運賃に関しては、大阪に行かれている人が増えているという事で分かるし、宿院に関しても「観光・レジャー」の目的で降車している割合が大きくでているので、「利晶の杜」と関係しているのではと想像できる。高齢者についても高齢者の利用率がどのように変わったかきっちり見てもらって、今までの施策の効果がでているかの検証は是非やっていただきたい。

事務局

宿院と「利晶の杜」との関係だが、今回の交通調査が平日の調査であった事から、休日の調査を実施しないと正確な分析は難しいと考えている。調査日の天気も良くなかった中で、平日でもかなりご利用があったという事で、行楽シーズンで天気が良ければもう少し利用が伸びるのではないかと期待している。高齢者割引については、現在ICカードでご利用いただいており、何処から何処に乗ったかのデータが日々履歴として出てきている。個人情報等の関連があるので慎重な分析が必要になるが、大まかな交通行動がどうなっているのかは、次回の懇話会で分析の紹介ができるのではと考えている。イオンが3月にオープンするが、最寄りが高須神社になるので、乗降がどうなっていくのかは見ていきたいと思っている。交通量調査は1年に1回で、先になるので、高齢者割引等のデータで見ていければと考えている。

塚本座長

伊藤委員からご指摘ありました分析も出てきたらおもしろいと思っている。P1の調査日時の順番からいくと、今年の秋は休日調査をする予定になっているのか。

事務局

調査は隔年になっており、平成27年度が平日だったので、平成28年度の調査は休日になる。

塚本座長

今年の秋は観光や買い物が多くでてくる可能性がある。

福井委員

これからの事になると思うが、外国人観光客について、調査に入れていっていただければと思う。台湾とか何カ国かの観光ガイドに阪堺線の事が載っている。外国人観光客に阪堺線を乗っていただく事が利用者の増加になるのではないか。堺市も観光に力を入れていただいていると思うが、堺に是非来ていただきたいという事で阪堺線を一つのツールとして、使っていけばどうかと思う。

塚本座長

次回の調査を行う時に、調査カードを中国語併記とか英語併記とか考えているのか。

事務局

交通調査の中でおこなうのは、カードに多くの情報が記載されているので難しいと感じている。インバウンドに関しては、阪堺の乗降だけではなく、阪堺線沿線にいかに行っていただくかという事が課題と考えている。従って、「利晶の杜」を含めて沿線の施設にどういった形でインバウンドの方が来られているのか、またその交通手段がどういった物なのかを別の方法で調査できないかと思った。観光ボランティア協会等と意見交換をさせていただきながら、どんな事ができるのか研究させていただきたい。

塚本座長

なかなかおもしろいテーマだと思うので、是非取組みをお願いしたい。大阪市内相互発着が平成22年度に比べて減っているとデータに出ているが、上町線と阪堺線(大阪市内)とでは全然違うのではないかと思うが、その辺の傾向は何か分かるか。

阪堺電軌

平成22年度に比べて、平成27年度の数値自体は減っているが、平成23年度、平成25年度、平成27年度と推移を見ていただくと、順次増加傾向にはあるという事になっている。平成22年度と平成23年度の間で減った理由としては、詳しい分析はできていないが、上町線については天王寺地区の再開発で、アベノキューズモールが平成23年4月にオープンしたという事で、堺市からの2区間利用が大分伸びてきているのかと思う。大阪市内については、増加効果の若干タイムラグがあったのではという事で、近年になって、上町線の利便性が認識されて5年前位の水準に近づいてきているのではないかと考えている。全体的な傾向としては、上町線と阪堺線(大阪市内)があるが、平成20年に恵美須町~浜寺駅間で直通運転をしていたものを、天王寺駅前~浜寺駅前間の直通運転に変更した事によって、お客様の流れ、特に通勤のお客様については、新今宮駅前あるいは恵美須町で地下鉄やJR環状線に乗換えていたのが、天王寺の乗換えに変わられたという事で、上町線の方は増加傾向にある。一方で恵美須町方面については、平成26年度にはダイヤ変更で運行本数を6割程に減らさせていただいた。それに対してのお客様の減少傾向は7割程度に止まっているという事で、現時点での恵美須町方面への輸送力に対する需要は平準的な形で推移しているのではないかと考えている。

久保(洋)委員

P11の利用者別の人数というのが、行きの目的と人数が違うのは回答がなかったからか。

事務局

P10とP11をご覧いただきたいが、P10の東湊では、「行き」と「帰り」の総数を合算すると525という数字になっており、「帰り」が239、「行き」が286となっている。286の内訳がP11に示している数字となっている。なぜ、「行き」だけ分析しているかというと、「帰り」は家に帰られるために利用した事になっており、「行き」は何処かに行く目的があって出かけられているので、その行先が通勤や通学なのか、それ以外の目的なのかを分析している。

久保(洋)委員

P12の「行き」の目的が466というのはまた違う解釈なのか。

事務局

ご指摘のとおり、P12、P13の高齢者割引の数値はあっているが、全数の数値の取り方に誤りがある。修正した物を次回懇話会で改めてご報告させていただくとともに、高齢者割引は日々の履歴を取っているので、その分析と併せてご報告させていただきたい。
(※ご指摘のあった、P12、P13ですが、全数の数値は、P9の乗車・降車人員数となっており、数値について誤りはありませんでした。なお、表題をおでかけ応援ICカード利用時の「行きの目的」、「帰りの目的」としておりましたが、P12は「おでかけ応援IC利用の乗車人員」、P13は「おでかけ応援IC利用の降車人員」の内容となっておりますので、表題を修正させていただきました。)

福井委員

大阪市内の事になるが、運行本数が6割減になって、利用者数の減が7割だという事で、輸送力に対する需要は平準的との分析になっているが、知り合いが天神の森の近くに住んでいて、なかなか電車が来ない事から、姫松まで自転車で行っていると聞いている。阪堺線(大阪市内)がダイヤの関係で路面電車の機能を果たせなくなると危惧している。経営努力で対応をお願いしたい。

阪堺電軌

平成26年度のダイヤ改正以来、大変ご不便をおかけしておりまして、その点については大変申し訳ないと思っている。現時点で経営資源である運転手の人数や、車両の数をどのような形で配分していくかの中で、お客様の大きな流れでいいますと2万人/日の利用がある中で、約1万人/日が天王寺から乗降されるお客様、2番目に乗降されるお客様として我孫子道で約3千人/日あまり、上町沿線、堺市内それから恵美須町~我孫子道間という事で、全体を見ると恵美須町~我孫子道間を利用するお客様が少ないという現状の中、限られた運転手や車両のやり繰りで今のダイヤにさせていただいた。一方では、路面電車としては、時刻表を確認せずに停留場に行って、気軽に乗れるのが本来の役割だと認識しているが、ご指摘のとおり、現状は必ずしもそうなっていない。あるいは電車が出た後に行ったら、かなり待ち時間が長いというのも事実となっている。恵美須町~我孫子道間は路線延長もあるので、軌道の修繕や車両のメンテ等に対して一定の費用が掛かっており、それを賄うだけの収入を得られているかというと決してそうではないという現状であるという中で、極力費用を切り詰めながら経営を行っている。関係自治体である大阪市や大阪府を含めて活性化に対する連携の働きかけを行っている。地元の皆様やお客様からも阪堺線を使ってこういう事をやりたい等あれば、懇話会の場や別の場でも結構なので、是非提案や阪堺電気軌道への意見をいただけたら、反映させていただきたいと考えている。よろしくお願いしたい。

塚本座長

不採算部門を切り捨てたら残りの部分で黒字になるものではなく、交通とはネットワークだから不採算部門を切り捨てたらトータルとして減るという話もあると思うので、よく検討いただけたらと思う。

阪堺線支援の中間検証結果の概要について

伊藤委員

監修者から提起された今後の課題として、多様な主体の参加・協働の機会を広げるというキーワードだが、沿線の市民や企業をもっと巻き込みましょうという意味の多様な主体だと思う。もう少し拡大解釈すると阪堺線は大阪市内も走っているので、大阪市側とも協動してもらって阪堺線を全体としてバックアップする事も考える必要があると思う。広島も路面電車が走っているが、広島市だけでなく隣の廿日市市にも跨って走っている。広電の場合も新しい車両を導入する時には広島市と廿日市市が協調して補助をして導入しているので、沿線の自治体が是非協調し、もっと阪堺線の利用者が増える沿線の活性化を生み出すような方向をめざして欲しい。

事務局

大阪市では天王寺駅前~阿倍野間の再開発を実施されており、軌道と停留場の大規模な改修を進められている。予定では次の正月ぐらいには乗れるのではないかとなっている。その中で沿線の商店街と協力されて芝生軌道にされるとの事で、大阪市側も堺市の取組みが一つのきっかけになったのかもしれないが、取組みを進められている。大阪市側でチン電バルを開催されている団体の会合等にも顔を出せる時に出しているが、このチン電バルに堺市の店舗が入りはじめている。行政が入る、入らないは関わらず、市民同士で上手く繋がっていただきたいと思いもある。市民レベルでもお互い連携して色々な施策を進めていただき、堺市と大阪市はそれを上手くサポートしていくのが理想ではないかと考えている。

塚本座長

中間検証として数字がでてきて、いろいろ取り組んでいる事は良い事だが、一方で公共交通という物は社会的コンセンサスみたいな形で、出来れば市民の意見とか阪堺電軌の好意度とか、市民の方が阪堺電軌をどう思っているのか、阪堺電軌への支援をどう思っているのか等の継続的なアンケートやコメント集みたいな物も中間検証の一つとしてあるべきではないかと思っている。私企業に対して公的資金を投入する事の議論はいつでもどこでもあって、どちらもそれなりの理屈がある中で、市が公的なレベルを含めて市全体で私企業である事業会社を支えるという図式は、どこまで社会的な合意がなされているかの裏付けとしてある訳で、検証する中で市民の方たちがどういう風に阪堺電軌を考えているのか、客観的につかめるような物があったらいいのではないかと思う。

中間検証結果に対する市民意見について

事務局

今回資料としてお配りしておりますチン電沿線ギャラリーマップについて、岸田委員が作成されていますので、ご紹介いただきたいと思います。

岸田委員

以前から行動して何か情報発信をしなければいけないと申していたので、去年の12月の与謝野晶子のイベントで、アートイベントを開催したことから、ギャラリー、アートをテーマにしたマップを作った。大阪から浜寺駅前までのアートスポットが並んでいる物を作らせていただいた。堺の魅力である与謝野晶子をテーマに、沿線の社会貢献企業と連携して作った。これはまず第一歩という形で、今後の計画としては企画ごとにいろんな情報を作っていって発信したら、だんだんと情報が積みあがって、お互いの情報が繋がって価値が上がるのではないかと考えている。今回のギャラリーマップを作成中に、堺市内にお菓子屋さんが本当に沢山ある事に気が付いたことから、スイーツをテーマとしたマップを鋭意製作中であるが、知り合った所だけ載せてもすごい数である。特に堺の環濠地域というか、神明町のつぼ市からだんだん南に向かって御陵前まで、沢山の和菓子屋さん、洋菓子屋さんがあり、それを今制作している所。この目的は沿線の小さな店舗や企業、住んでいる方々に、何度も行き来してもらって、乗り降りして楽しんでもらうという事と、外から来てもらう事です。大阪から南海電車で行くのではなくて、景色を楽しみながら、だんだん景色が変わっていくのを楽しめるのではないかなと思っている。今後は、インバウンドの事も前からずっと申していたが、外国の方に知らせるにしても欧米系と台湾や中国系では全然興味対象が違う。中国の方、台湾を含めて、爆買が終わって個人旅行の時代に入っているそうである。また、体験とか含めるのは欧米系の方が望まれて、中国の方は趣向が違うそうである。試しに、英語版をローマ字表記として、モニターツアーのような事をしたら良いのではないかと思う。春に桜の所でお菓子を食べて、浜寺公園は桜が綺麗だから、そこだけではないと思うが体験をして、お茶を飲んでお菓子を食べてチンチン電車に乗って、着物を着て写真を撮ってもらうとか出来ないかと計画している。協働という言葉を言ってもらったので、懇話会の皆様にもいろいろ協力いただけたらありがたい。配布する場所についても、観光ボランティア協会が配っているマップを置く天王寺駅前のラック等に置いていただくとか、いろいろな形での協働で外国人を呼び寄せるような実験的な事も出来たら良いなと思っている。中国の方は個人旅行の口コミサイトで行くところの企画があるので、行く前にこういう所にこういうのがある、こういうチン電に乗って楽しいよっていう情報を発信してもらい、なおかつ情報を知らせる作戦が主だと聞いている。日本に住んでいる方向けと外国人向けの情報については、もう少し戦略を練って懇話会の場でも議論いただけたらと思う。

塚本座長

経営的に自立するのが一番いいのだが、公共交通の役割としてどれだけ堺市が元気になってきているのかも見ていかないといけない。阪堺を支援するという形の中で、どんな元気になった事例がたくさん集まっているのかをリストアップした資料があると良い。また、P2の3つ目4つ目の意見にもう少し耳を傾けて欲しい。答えとしては懇話会や中間検証を実施しているというのは非常に重要な取組みではあるが、それ以外に市民の方が分かりやすいように今回の支援はどういう風に堺市が元気になるのに役にたっているのか具体的なリストだとか、何のために支援をしているのか絶えず詳しく情報提供をしていく取組みがあってもいいと思う。

久保(照)委員

堺市の税金の中から阪堺線に対して支援をして、運行していただいている。堺市民の利便性、また高齢者に対してのサービス等々の目的自身は理解されていると思う。ただしそれは堺区だけであって、泉北とか堺市内全体になると少し違和感を覚える区もあるという事も行政の方で把握していただきたいと思う。この前も脱線事故があって、最近も御陵前で何か事故があった気がする。前回の時も指摘して調査をして、やるという話を聞いているが、やはりこういう問題は指摘された時点で早急に復旧をする事が使命ではないか。いろいろ予算や阪堺電軌との打合せもあると思うが、現実的に見て分かっている訳なので、これから特に高齢化が進んでまいると押し物を押して歩道を通る。歩道を通るところが沿線の所になると高くなっている。交通機関としての役目を電車だけでなくて、歩道にも役目を果たすような義務を負う責任があると思う。高いところは線路より、10センチメートル以上高くなっている。そうするとお年寄りは押して通られない。デコボコなっているから、そういう指摘があったら阪堺電軌と行政とで話をしあって、事故を起きてからでは遅い。指摘された部分については、お金がかかるとか、どっちがどうだとかではなく、市民の安全・安心を確保しておかなかったら、事故が起きたら大変な事になると思う。その辺の所はどっちがどうではなくて、やるべき物は早急に取り掛かってまちの人たちが安心して渡れるような状況を作っていただきたい。阪堺電車については、まちのひとつの文化。いろいろ違和感を覚えている意見をたくさん聞いている。阪堺線を使わないのに堺市の税金を使うのかという意見も当然ある。阪堺線は堺市にとっての一つのシンボルでもある。廃止にするのは安い事であるが、堺市民の足として必要。割引制度をしてくれた事は市民にとってはすごく喜ばれている反面そういう事があると認識していただいて、何かあった時に行政としてすぐ対応できるような阪堺電軌との仲としていただきたい。ここまでは堺市でここは阪堺ではなしに、やるべき事はやるという事だけは確約していただきたい。人の人命とか事故に関わる物については、言われたら早急に実施できるような体制づくりを取っていただきたい。

事務局

前回ご指摘いただいているアスファルトの盛り上がり状態となっている事について、対応が遅れていて大変申し訳ない。堺市は道路管理者でもあるので、道路管理者の立場で危険な箇所については、当然阪堺電軌に指摘させていただいて、早急な整備を努めていきたい。本日ご指摘もいただきましたので、早急な対応を求めていきたいと考えている。また、この点については阪堺電軌と密に話をして、対応をしてまいりたいと考えている。阪堺線に対してネガティブなご意見、市民意見でもありましたが、そういったご意見をいただくという話、塚本先生からもそういった方々も含めて社会的コンセンサスをどうとっていくのかというご指摘もいただきました。この点については、資料に記載している市の考え方をいろいろ書いているが、こういったものでご理解をいただくのは難しいのではないかと思っている。意見はアンケートを実施すれば、使われない方々からは、なぜ公金がという素直なご意見が出るのはある意味当然な事なのかと思っている。お示ししていくべき事は、阪堺線の取組みが波及効果というものをいろいろ持っている事だと考えている。波及効果の部分が形になって表れている物を評価して分かりやすくお示しする。例えば「利晶の杜」は、おそらく阪堺線がなくて最寄り駅がなければ、どういった形になっていたかを想像いただくなかで、ご理解いただくために、地道ではあるが沿線との様々な取組みとの関連をお示し、こういう風に堺市も変わってきていますよというあたりを言わないといけない。全市的な交通のあり方というのももう一方にあり、おでかけ応援で高齢者のご利用や利便が高まったという事で好評いただいているので、全市的な取組みの施策と地域との関係を手探りであるが出来るだけ効果というものも含めてお示ししたいと思っている。

河盛委員

市民意見の中に停留場の新設や改修のコストに関して、ネガティブな意見とかもあると思うが、停留場はお客さんを呼ぶために綺麗な物であるという事が望ましいけど、それ以上に安全・安心、特に高齢な方が利用しやすいような駅に低コストで改修できるのが一番望ましい。路面電車とセットになっていない物として、トイレではないかと思う。短い距離を乗るならトイレも問題にならないが、例えば端から端まで乗れば結構な時間になるし、高齢になってくるとトイレも近くなってくる。乗ったはいいがトイレが利用できないという事もある。浜寺駅前と我孫子道の駅のトイレは使えるのか。トイレを使えるようにしていただきたいのと、駅にはなくても駅のそばに公衆トイレがある場所もある。駅の案内で歩いて100mの場所の公園にトイレがあるよという事も案内をすればより駅の安心・安全度が広がるのではと思うのでそういった事も考えていただきたい。

阪堺電軌

停留場周辺にあるトイレというのは我孫子道には駅務室の中にトイレがあって、そこは一般のお客様もご利用いただける形になっている。浜寺駅前は駅務室の裏側に従業員用のトイレがあるが、一般のお客様がご利用いただける状態で解放している形にはなっていない。運転士あるいは平日・土曜日に定期券売場にいる係員に一声お声を掛けていただき、鍵をあけてご利用いただく形である。それ以外では特に併用軌道の道路上にトイレはないので、例えば花田口の公園の中にトイレがあるとか、周辺にもそういった場所もあると思う。ご案内が現状出来ていないため、ご意見を持ち帰って検討させていただきたい。

塚本座長

途中でトイレ下車するともう一回お金を払わないといけない。せっかくIC化しているので短時間乗降はチャージしないとか、それが繋がって2時間の間ヨーロッパみたいにいつでも乗降自由になるのであれば良いが、そういた物とは違う仕組みも含めてあれば面白いと思う。

久保(洋)委員

ICカードの利用について、阪堺電軌の協力によってお体の不自由な方や杖や傘をお持ちの方が乗った時に声を掛ければ、かざさなくても良いとお聞きしている。この事について、もう少しPRしていただけたら高齢者の方にはより親しみやすいかなと思う。トイレの事だが、堺市がセーフシティのプログラムに取組んでおり、目標の中に安全・安心まちづくりという事で、トイレを整備するという計画があると聞いているので、是非堺市で取組みを進めていただきたいと思う。

事務局

ICカードのリーダは入口と出口についており、入口にある物が縦型、出口の方が運賃箱についているので平面となっている。平面の方は割とタッチしやすいが、阪堺電軌は残念ながらバリアフリーが出来ていない段差のある車両がたくさんあり、乗って縦型のリーダにかざすというのが、健常者でも若干つらい場合もあると思う。特にお体が不自由な方については、大変だというケースがある。そういったケースについては、下りる時に何処から乗ったという事をお申し出いただいてご利用いただけたらとご案内させていただいているが、広く普及している訳ではないので、そのあたりをというご指摘かと思う。高齢者のIC利用は11月からで、まだ始まって時間が経っていないので普及の方がどうかという事もある。今後、まだまだ新しい方に乗っていただくので、そういった機会も含めPRできればと考えている。セーフシティプログラムについては、市として積極的に取組まなければならない大きな課題となっているので、こういったご意見をいただいた事は関係部署にお伝えさせていただく。

福井委員

堺まち旅ループバスを走らせていただいているが、阪堺線を乗っていた方がこれを利用するPRが駅に出来たらと思う。例えば、御陵前から仁徳天皇陵古墳に行くのにあのバスを利用したら便利ですよとか、駅ごとにループバスが利用できるとPRをやっていただいたら、東西の交通がそれなりに観光客に便利になるのではないかと思う。まち旅ループバスだけでなくて南海バスとも協力していただいて、東西の観光客並びに病院が移転したので、最寄りの近くにバス路線があるとか阪堺線の駅に明示していただいたら、阪堺線の利用客も増えるのではないかと思う。

事務局

まち旅ループと乗換が出来るのが、御陵前と宿院になっており、そちらの方に案内板の明示をさせていただいた。時刻表は細かくなってしまうので、QRコードで携帯電話をかざせば時刻情報を見られるようなになっている。宿院の方は、停留所は分かりやすいが、御陵前の方が分かりにくいなどいろいろな課題がある。まずは案内掲示で緊急の対応を行ったが、もう少し乗換の場所を含めて分かりやすい工夫をしていかないといけないと考えている。まち旅ループ以外にもご指摘の新しい病院に行くバスは、浜寺駅前停留場のすぐそばのバス停から出ているので、そういうご案内も検討していきたいと思っている。

久保(照)委員

阪堺線を使わしていただいているが、運転士に非常に親切な人が多い。阪堺の中の教育が良いからだと思う。高齢者に対しても親切に接していただいている。当然中には不愛想な方もいるが、全体的に眺めてみて非常に親切だと感じている。その辺を徹底していただければ、高齢者も安心して利用していただけるのではないかなと思う。自治会としても沿線の活性化を図る意味で、いろんな人の協力を借りて知恵を出したり、阪堺線沿いに店を出したり、まちの活性化にいろいろ努力をしている。市の公園の所管課と協力していただいて、緑化とか大道筋がきれいになると人が集まるし、電車にも乗っていただけるのではないか。川上委員などボランティアの方には、いろいろご協力いただいてすごく活性化をされている。

事務局

緑化の方ですが、宿院停留場が移設により場所が変わって、旧の停留場の撤去に入っていっている。跡地はどうなるかというと併用軌道の両側は緑地帯を整備しており、公園の所管課と協力して緑地を整備する。

川上委員

トイレが何処にあるか分からないから、トイレの場所のPRがあったら良いとの事だが、市のトイレがないと書けないが、ザビエル公園のトイレぐらいではないか。現実は利晶の杜にトイレだけの目的で入ってくる人がものすごく多い。半日で50人はあると思う。そういう人たちは利晶の杜にトイレがあると知っていて来ている。そういう人たちも来場者の数に入っているが、それでも良いから分かるようにすれば良いのかなと思う。市民と言っても範囲が広い。南区や東区なんか阪堺線を見た事がない方もいるかもしれない。市立小学校の3年生を大体年間に80校ぐらい、1万人ぐらいの方を展望ロビーに案内するという社会科の勉強の一翼を担っている。その子たちは銀座通りあたりをふらっと歩いて帰ってしまう。どのみち1日あるなら大道筋まで引っ張って阪堺線に乗せる、乗ってもらうという事を教育委員会に言う形になるのかもしれないが、声を掛けていただいてその子たちが乗ったら、気に入るのはおそらく間違いない。それをお母さんに言う。そしたらお母さんを連れてまた来る。お母さんがお友達を連れて来るという事で、その時にチン電バルのような催しがあれば、そこにも引っ張って活性化できるのではないかなと思う。また、日本中の高校生の修学旅行をガイドとして良く受ける。今人気なのは府立大学にある植物工場。その時も、もちろん観光バスで動いているが、例えば何処から何処かまで15分ぐらい阪堺線に乗るなど、無理やりにでも乗せるという事をコースの中に入れ込めたら非常にいいのではないかと思う。これについてはコンベンション協会に教育旅行担当がいるし、その方に声を掛けてもらって、どんどん全国に発信してもらうのが良いのではないかと思う。インバウンドの個人旅行がこの頃増えてきた。その人たちは必ずなんらかの本を持っている。その本に載っている堺というのは、仁徳天皇陵古墳と日本庭園と伝統産業会館と阪堺線。これだけお寺があっても全く載っていない。海外の人はここを狙って来ている。東南アジアの人は四季がない。四季によっていろいろ変わる日本庭園にものすごく感動する。そういう所に来ているが阪堺線の写真が載っている事に対して、阪堺電軌の方は載せて欲しいと運動しているのか、していないのか。していないのであれば、ものすごく可能性がある。何も手を打っていないのに海外の人が阪堺線の写真を載せて旅行案内に載っているという事が、海外の方が注目するという事ではないか。これからどんどん時代が経っていくと、そのあたりが非常に狙い目ではないかと思う。P6の東西交通についていろいろ考えていると書いているが、教えていただきたい。

阪堺電軌

外国人ガイドブックへのアピールについては、積極的なアピールができている状態ではない。堺市の一つの観光資源として取り上げていただいているという事があるのではないかと思う。阪堺電軌独自でなかなか出来ていないが、南海電鉄全体ではインバウンドに関連する部署があり、関西空港でも旅泊とかのイベント時にはアピールをさせていただいている。ガイドブックに載せていただくために積極的なアピールは個別にしているかというとそこまでは出来ていない。

事務局

都心交通検討会議で様々なご議論をいただいて、その後市民のご意見をいただいた。また、それを動かしていこうとすると道路空間を利用している関係者の方々の合意をどのように取っていくのかによって、東西交通のあり方は変わってくる。東西交通といっても道路の中に公共交通を入れる形のため、道路交通からすると自動車交通の妨げになるのではないかというのが今までの議論となっている。そういった感覚を変えてもらって、そういう必要性があるのだと思っていただくためには、自動車交通との関係を、何らか形にすることでいろいろな議論をいただく。そういう取組みがないと書いた物を取りまとめてもなかなか議論が進展しないと思っている。平成28年度もそれに関連した取組みを少し始めていきたいと考えているが、東西交通を入れる目的が都心の活性化、いわゆる賑わいをどうやって作っていくかという議論になるので、それには交通の取組みが必要だという事が、少しでも関係の人にご理解いただけるような取組みをやっていきたい。いきなり大々的な事をやるとネガティブな意見ばかり出かねないので、最初はやわらかめの所から始めて、少しずつ考え方も導きだせればと思う。

平成28年度以降の取組みについて

田中委員

南海電気鉄道が石津の駅から諏訪ノ森、浜寺、羽衣で立体交差事業をやっているが、その中で昨日も地元説明会があった。常磐浜寺線から浜寺駅前に行くところで、阪堺電車が高架で南海電車が下になっている所が、逆になって南海電車が上で阪堺電車が下になる。平成31年頃から8年ぐらい阪堺電車を船尾から浜寺の間を休止するという説明があった。これについて、昨日の説明会に堺市の連続立体推進課の担当者、南海電鉄からも説明者が見えていたが、ある1人の市民が、阪堺電車が休止する事について、阪堺電車から担当者が説明に来ないのかというような意見もあった。約8年から10年止まると、昨日のご意見の方は阪堺電車を使って通勤しているが、どうなるのかという意見もあった。前々から阪堺電車が路面を走るという事は決めていたと思うのだが、それについての言及が全然記載されていないのはどういう事なのか。昨日の説明会の中では、常磐浜寺線の所に一つ臨時の停留場を設けて、常磐浜寺線の南側にある堺市の駐車場から浜寺公園までの間をバスでピストン輸送する事で対応するとの説明があった。上手く対応しないと浜寺公園から乗車されている人が減ってしまって、阪堺電軌の経営にも非常に影響するのではないかと危惧している。

事務局

連続立体に伴う阪堺線の休止の件ですが、阪堺電軌と連続立体推進課とで、いろいろ協議はされているのだが、まだこういう方法でと確定していない状況である。ご指摘いただいたように今から4~5年先になるが、阪堺線を一旦途中で止めて切り替えないといけないのは現実である。それに向けて鋭意協議を進められているが、残念ながらご指摘いただいたように阪堺の経営に大きく影響がある事なので、これで行くとは定まっていないと聞いている。今回の資料の中に説明が入っていない点については、そのような状況であるとご理解いただきたい。阪堺線の活性化に大きな影響がある事項であるので、出来るだけ早期に方向性が定まって、皆様にご説明が出来るよう話を進めていきたい。今日の所はなかなか内容を示す事が出来るものがないので、鋭意協議をさせていただくという事でご理解をお願いしたい。

閉会

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