第9回堺市阪堺線活性化推進懇話会(議事録)
更新日:2016年2月19日
1 開催日時 | 平成27年8月3日(月曜) 午後3時から午後5時 |
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2 開催場所 | 堺市総合福祉会館5階・第1研修室 |
3 出席者 | 懇話会委員 |
阪堺線の安全性の向上について
川上委員
更新とはどのような事をするのか。
阪堺電軌
基本的には部品等を新しく交換するということ。車両を新しく更新するとなる場合は、低床式車両を購入して、置き換える意味になる。軌道を更新する場合は、レール・枕木・砕石等を新しい物に入れ替える意味になる。設備や装置に対して更新の範囲はそれぞれ異なっている。
川上委員
安全への支出に関しては、全部新しく更新するための支出ということか。
阪堺電軌
安全への支出に関しては、更新だけではなく、保守・保安といった費用すべて合計したものになっている。
河盛委員
安全への支出は年間5億円程度掛かっているが、今後も同程度の費用を掛けないと高度な安全性が保てないのか。あるいは、何年か同程度の費用を掛けると、今後支出が減る可能性はあるのか。
阪堺電軌
平成22年度以降、堺市の支援によって、堺市内の設備に関しては、更新・整備が進んでいる。その部分に関しての費用の削減は出てくるが、大阪市内区間も含めて全線には、まだまだ老朽化した施設があるということが現状となっている。平成21年度以前は、経営的にも非常に厳しい時期であったため、ある程度優先順位をつけて必要な物から取り組んでいた。現在の施設を維持していくためには、現在と同程度の費用を掛けていくことが、今後も必要になってくる。
福井委員
大道筋の信号の右直分離が進んでいるが、今後の予定はどのようになっているのか。
事務局
信号の右直分離は、電車が直進する時には右折車が軌道に入れないような信号の現示となっている。全体の割合の中では、まだ進捗が図られているわけではない。信号は、警察に対応していただいており、堺市として右直分離の設置をお願いしている状況となっている。
岸田委員
電車線や車両等は老朽化した後更新となっているが、それぞれの耐用年数はどうなっているのか。
阪堺電軌
阪堺電軌の考え方として、期間によって部品を交換しなければならない物、所定の機能を果たせなくなった物によって更新を行っている。
福井委員
先日、我孫子道で脱線事故があったが、そのことについて教えて欲しい。
阪堺電軌
7月30日に我孫子道車庫内のポイント部で脱線事故が発生した。原因については現在調査を行っている。軌道側、車両側それぞれ検証を行っているが、整備基準値の逸脱や、部品に劣化等があるといったことはないが、様々な要因が複合して発生したと考えており、外部の専門家の協力のもと、詳細な調査と原因究明を行っていく予定である。
また、原因究明に必要なデータを測定した上で、事故が発生したポイント部の部品の交換をし、安全が確保できた後に営業運行を再開した。堺市からの支援によって、ある程度の安全性が図られていると思っていたが、このような事故が起きたことから、維持管理の在り方を見直した上で、安全性に関しての信頼を1日も早く回復できるように努めてまいりたいと考えている。
久保委員
復旧までに8時間程度かかっているが、なぜそんなに時間がかかったのか。
阪堺電軌
事故発生直後から監督官庁である近畿運輸局並びに警察にも情報提供をおこなったところであるが、安全が確保してからでないと営業運行の再開は監督官庁から認めていただけなかった。また、原因究明に係る必要な現状の状況を把握した中で、ポイント部の復旧や車両の復旧に係るよう指示を受けていた。また、事件性について警察の検証があり、多くの時間を費やす形となった。
久保委員
大道筋の交差点の横断歩道部のアスファルトが盛り上がっている部分が多くあるので、対応を行う必要がある。
阪堺電軌
横断歩道部については、堺市の道路管理部門からのご指摘やお客様からのご指摘を頂いた部分について、随時修繕で対応を行っている。また、抜本的に軌道自体を更新しなければならない部分については、堺市の支援を活用しながら、横断歩道部も含めた軌道の更新時に対応させていただいている。軌道更新については、年間ある程度決まった規模での区間を整備することとしていることから、順次対応させていただきたいと考えている。
市民提案に基づく活性化策の実現度について
伊藤座長
市民協働として、様々なイベントを市民団体の方が行われているが、この懇話会も、市民・事業者・行政が一緒になって情報交換を行い、その情報についても情報公開を行っている事から、市民協働の一つになっているのではないか。
事務局
議会とのやり取りの中で、継続的に検証を図っていく場が必要であるという指摘を頂いていたところである。和歌山の貴志川線でも懇話会といった形で活発な議論が行われている事例があったことから、阪堺線に関しても同様の場が必要ではないかということで、皆様にお願いし、懇話会を設置させて頂いた。いろいろな方に参画いただき、協働の側面はあると考えてはいるところであるが、市民提案で取り上げられている市民協働という部分は、現場で行われている協働の取組みを上げられていると考えていたので、このような枠組みとさせていただいている。また、この懇話会は市が立ち上げさせていただいた会になるので、協働の観点が少し薄れてしまうのではないかと考えている。
河盛委員
市民提案に基づいて様々なイベントをされたと思うが、今後も継続的にイベントを行っていく事が必要であるが、それ以外にも新たなイベントも必要ではないか。また、沿線で行われているいろいろな地元の行事ともコラボすることによって、沿線の活性化及び阪堺線の利用者増加に繋がると思うので、沿線行事の洗い出し等を行うべきでないか。
事務局
次なる展開としてコラボといった事を図っていきたい。また、「利晶の杜」で阪堺線のジオラマ展示が行われているが、これについては、市から何らかの働きかけを行ったわけではない。「利晶の杜」が集客のネタの一つとして行われた。こういった取組みと今後関係性を作っていけるかが大きいと思っている。堺市の波及効果に関わってくるが、いかに阪堺線沿線から範囲を広げていけるかという事が今後の重要な部分であると考えている。
田中委員
この時期、浜寺公園ではプールを営業しており、浜寺駅前停留場まで乗車するお客さんが多くなっている。夏場のプールだけでなく、年中いつでも浜寺公園にお客さんを呼べるような仕掛けをやれば、阪堺線の利用客増にも繋がると思う。
事務局
ローズカーニバルを始め、スプリングフェスタ、オータムフェスタといったイベントが開催されている中で、もう少し内容的に広げていけないのかなという思いは持っている。現状、具体的な案を持っている訳ではないので、浜寺公園を管理されている公園協会と意見交換をさせて頂きたいと思っている。
福井委員
シンボル的な阪堺線が通っている価値を我々市民が高めていくことによって、まちの価値が高まっていく事が非常に多いので、意識的に市民が行っていく必要がある。
阪堺線利用者数について
伊藤座長
市民協働として、様々なイベントを市民団体の方が行われているが、この懇話会も、市民・事業者・行政が一緒になって情報交換を行い、その情報についても情報公開を行っている事から、市民協働の一つになっているのではないか。
事務局
議会とのやり取りの中で、継続的に検証を図っていく場が必要であるという指摘を頂いていたところである。和歌山の貴志川線でも懇話会といった形で活発な議論が行われている事例があったことから、阪堺線に関しても同様の場が必要ではないかということで、皆様にお願いし、懇話会を設置させて頂いた。いろいろな方に参画いただき、協働の側面はあると考えてはいるところであるが、市民提案で取り上げられている市民協働という部分は、現場で行われている協働の取組みを上げられていると考えていたので、このような枠組みとさせていただいている。また、この懇話会は市が立ち上げさせていただいた会になるので、協働の観点が少し薄れてしまうのではないかと考えている。
河盛委員
市民提案に基づいて様々なイベントをされたと思うが、今後も継続的にイベントを行っていく事が必要であるが、それ以外にも新たなイベントも必要ではないか。また、沿線で行われているいろいろな地元の行事ともコラボすることによって、沿線の活性化及び阪堺線の利用者増加に繋がると思うので、沿線行事の洗い出し等を行うべきでないか。
事務局
次なる展開としてコラボといった事を図っていきたい。また、「利晶の杜」で阪堺線のジオラマ展示が行われているが、これについては、市から何らかの働きかけを行ったわけではない。「利晶の杜」が集客のネタの一つとして行われた。こういった取組みと今後関係性を作っていけるかが大きいと思っている。堺市の波及効果に関わってくるが、いかに阪堺線沿線から範囲を広げていけるかという事が今後の重要な部分であると考えている。
田中委員
この時期、浜寺公園ではプールを営業しており、浜寺駅前停留場まで乗車するお客さんが多くなっている。夏場のプールだけでなく、年中いつでも浜寺公園にお客さんを呼べるような仕掛けをやれば、阪堺線の利用客増にも繋がると思う。
事務局
ローズカーニバルを始め、スプリングフェスタ、オータムフェスタといったイベントが開催されている中で、もう少し内容的に広げていけないのかなという思いは持っている。現状、具体的な案を持っている訳ではないので、浜寺公園を管理されている公園協会と意見交換をさせて頂きたいと思っている。
福井委員
シンボル的な阪堺線が通っている価値を我々市民が高めていくことによって、まちの価値が高まっていく事が非常に多いので、意識的に市民が行っていく必要がある。
阪堺線の平成26年度交通調査(休日)について
伊藤委員
交通調査で住まいについてもお聞きしていると思うので、堺市内に住んでいる人が堺市内での移動や大阪市内への移動をどれくらいしているのか。また、堺市外の方が、どれくらい堺市内に来られているのかわかる集計をしてほしい。
事務局
ご指摘いただいた集計はまだできていないので、今後集計していきたい。
伊藤委員
運賃補助を行っているが、この補助が堺市民にどれだけ役立っているのか、堺市に来ていただけるのにどれだけ役立っているのか等が分析できるのではないか。
事務局
ご指摘いただいた点を参考に、今後分析していきたい。
塚本座長
大阪市内の停留場別の発着についても分析するべき。今回の利用者増加要因に、あべのハルカスやキューズモールなどの再開発効果もあるはずである。
事務局
主要駅に絞る形にはなると思うが、今後分析していきたい。
阪堺線高度化について
河盛委員
宿院停留場が改修され、立派になるのは堺の顔として楽しみだが、改修にかかる費用はいくらか。
事務局
改修費用は約1億2千万円となっている。なお、この改修費用には国費も要望しているが、どれだけ国費がいただけるかは、現時点ではわからない。
河盛委員
今後、他の堺市内の停留場の改修も行っていくのか。
事務局
宿院を除く大道筋の停留場は一定の改修を終えている。また、車いすの方がご利用いただけるようにスロープの改修も行っている。今後の予定として、いつ行うか決定していないが、綾ノ町の上り停留場については、一旦改修を終えたところであるが、停留場背面の壁がないことから、それらを構築していきたいと考えている。
川上委員
宿院停留場を改修することによって、車線数は減らないのか。
事務局
右折車線が信号手前にあり、信号先はゼブラゾーンとなっている。現在の停留場は、右折車線の横にあるが、信号先に持っていくことでゼブラゾーンを利用することが可能となり、広い幅をとることができる。宿院停留場は、利晶の杜で多くの方の利用を想定しており、バリアフリーと多人数利用を考えた広めの幅の停留場としている。
阪堺電軌道の利用状況について
川上委員
8月1日から「利晶の杜」で観光ボランティアが駐在することになった。「利晶の杜」には外国人が良く来る。一般的な堺市に来られている外国人の傾向と違って、茶の湯をメインにしている事から欧米系の方が多くなっている。「利晶の杜」に来られていた外国人の方に、「これから何処に行くのか」と声をかけた所、南海本線堺駅から「通天閣」に行くと言われたので、阪堺線をご案内したが、「あびこ道」での乗換券の案内がなかなか分かって頂けなかった。乗換券等の案内は阪堺線の車内に英語で記載されているのか。
阪堺電軌
英語での乗換券の詳細な説明はできていないのが現状である。我々も欧米系やアジア系を含めて観光客が増えていると実感している。今年度、外国人の方に対する案内を充実させるためのマニュアルや表示等の検討を行っている。乗継券に関しては、日本人の方もきちんと説明してご理解いただくには苦労するという部分がある事から、社内の検討にも反映させていただきたい。
伊藤座長
阪堺電軌の利用状況についての「課題」の中で、一時的な利用者増加とならないよう、継続的な利用者拡大を図っていく必要があると、川勝准教授にコメントいただいているが、目標の増加数の3,600人/日の約7割まで達成できている要因としては、天王寺の再開発や運賃施策による効果だと考えられる。残り3割増加させるためにどう考えていくかが一番の課題になってくる。
事務局
平成27年4~6月の3カ月平均の利用者数は、23,073人/日となっており、平成26年度の22,208人/日よりも利用者が増えている。4半期ごとに見ると、1~3月、4~6月の利用者数は多くなっており、7~9月、10~12月の利用者数は少なくなっている事から、平成27年度平均としては、8割ぐらいの増加数の達成度になるのではないかと考えている。直近の4~6月の利用者数が増加している要因について、正確には把握できていないのだが、「利晶の杜」のオープンが平成27年3月20日だった事から、「利晶の杜」効果はあったのではないかと考えている。今後は、百舌鳥古墳群の世界遺産登録や天王寺停留場のバリアフリー化等から、利用者数3,600人/日はめざせない数字ではないと考えている。
伊藤座長
現在行っている支援策は、現金や回数券等で阪堺線を利用する方の運賃を安くする形になっており、定期利用外の方の利用の伸びに大きく出ている。継続的な利用といった観点を考えると、定期券を利用されている方をどれだけ底上げできるかということも考えていく必要がある。通学定期券に関しては増加傾向にあるが、通勤定期券に関しては減少傾向の状況にある。定期利用に関して底上げするための支援策を考える余地はないのか。
事務局
定期券利用が減少している要因のひとつに、ICカードの登録型割引へ移行していると阪堺電軌から聞いている。通勤定期の減少に関しては、単純に通勤客が減少しているとは捉えておらず、ICカードへの移行があるものと考えている。今後、通勤・通学需要はどの交通機関も同様に減少していく傾向にある中で、大きく底上げするのは困難であることから、長期的な視点として、買い物、観光・レジャー等といった自由目的の利用者増加を図っていくことが必要と考えている。
河盛委員
南海本線の七道駅の近くにイオンがオープンするが、「大和川停留場」から歩いていけない事はないので、阪堺線沿線直近だけでなく、少し離れた場所でも歩いて行く事ができると案内する事が阪堺線の利用者増加につながるのではないか。
事務局
阪堺線から少し離れたところでも様々な施設が点在しており、そういった施設と阪堺線をどう組み合わせるかという観点から、ゾーンチケットという取組みも行っている。多くの方が集まる施設に関しては、自動車で集中するのではなく公共交通利用の働きかけをしていきたいと考えている。
阪堺電軌の経営状況について
伊藤座長
堺市が阪堺電軌に対して支援を実施しているが、阪堺電軌自体の経営は赤字の状況である。他都市事例で取り上げた、福井や富山をはしる万葉線では、沿線市すべてから支援があるが、阪堺線の場合は堺市のみ支援を実施し、大阪市は何も支援をしていないという状態でずっときており、堺市の税金が大阪市の役にも立っている状況になっている。この点に関しては、大阪市へ働きかけて、協調して支援をしていくといった検討は行っているのか。
事務局
経理上2区間利用者の収入増が、大阪市内の収支の改善に繋がっているとなってしまうが、全路線の収支の改善状況の数字は大阪市内区間のみの利用者が減少している事も考慮すると、堺市内区間を乗っていただいている利用者が増加していると考えている。堺市の支援については、阪堺線堺市内区間の赤字による阪堺電軌からの廃止表明が発端のため、堺市内区間のみご利用の方を増やすのではなく、2区間利用も含めて増やしていく必要がある。阪堺電軌の2区間利用の収入は距離比によって割り振られることから、経理上は大阪市内へ2区間利用の収入が割り振られているように見えるが、その部分も含めて堺市の支援策による収入増の効果であると考えている。支援策開始前の阪堺線堺市内区間の赤字は、約2億円分であったが、今後、全路線で増収され、約2億円分の収支が改善されていけば、堺市としては、阪堺線堺市内区間は残されていくのではないかと考えている。また、支援を開始するにあたり、大阪市側の協力を取り付けていかなければならないと議会からも要望されており、大阪市への働きかけも行っていく。
福井委員
堺市が支援を行った事で利用者数が増加したが、大阪市側に行かれる方が増加して、大阪市への波及効果がでている。
事務局
堺市民の方の2区間利用をされている方が増加しているが、堺市外在住の方の2区間利用も増加している。
堺市への波及効果について
明神委員
堺市内の中では「浜寺駅前停留場」の利用者数が一番多くなっているが、停留場の改修といったプランとかはあるのか。
阪堺電軌
「浜寺駅前停留場」の改修について、具体的な計画は立てていない。停留場もかなり老朽化している事は認識しており、運行に必要な改修について今後も適宜行っていきたいと思っている。
明神委員
南海本線の連立高架事業において、現在の線路の隣に仮線を建設した後に現在の線路の場所において高架化し、その後仮線を道路にするプランになっていたと思が、仮線の場所を道路にするのではなく、阪堺線の線路にするといった事も考えてもらえたらと思う。
閉会
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