堺市認知症初期集中支援推進事業実施要綱
更新日:2024年4月4日
(趣旨)
第1条 この要綱は、認知症を発症した場合等においても、本人がその意思を尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるようにするため、認知症である者及びその家族等への早期の診断及び対応に向けた支援等を行う堺市認知症初期集中支援推進事業(以下「事業」という。)について必要な事項を定める。
(事業の対象者)
第2条 事業の対象となる者(以下「訪問支援対象者」という。)は、本市の区域内において在宅で生活をする40歳以上の認知症の症状を有している者及びその疑いがある者で、次のいずれかに該当するものをいう。
(1) 認知症疾患に係る臨床診断を受けていない者
(2) 適切な医療サービス(健康保険法(大正11年法律第70号)第63条第3項第1号に規定する保険医療機関における受診等をいう。以下同じ。)又は介護サービス(介護保険法(平成9年法律第123号)に基づくものをいう。以下同じ。)のいずれも受けていない者
(3) 認知症の行動及び心理症状が顕著であり、現在受けている医療サービス又は介護サービスでは対応が困難となっている者
(事業の内容等)
第3条 事業の内容は、別表のとおりとする。
(実施主体及び委託法人)
第4条 事業の実施主体は、堺市とする。
2 市長は、その円滑かつ効果的な実施を図るため、認知症疾患医療センター(介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第140条の67の規定により本市が適当と認めたものをいい、以下「センター」という。)に事業を委託して行うものとする。
(事業の実施)
第5条 事業は、本市の地域包括支援センター(介護保険法第115条の46に規定するものをいう。以下同じ。)から事業による対応が必要であるとの通知があった訪問支援対象者及び市長が特に必要と認める訪問支援対象者について実施するものとする。
(事業の実施日等)
第6条 事業の実施日及び実施時間は、センターの稼働日及び稼働時間とする。ただし、センターは、実施日以外の日及び実施時間以外の時間帯においても、緊急時に連絡を取ることができる体制を整えていなければならない。
(事業の実施体制)
第7条 センターは、事業の実施に当たり、認知症初期集中支援チーム(事業の実施を目的として編成されるもので、本市の全ての区域をその活動の対象とするものをいい、以下「支援チーム」という。)を設けなければならない。
2 支援チームは、次の各号に掲げる者(以下「チーム員」という。)で構成するものとする。
(1) 次に掲げる要件の全てを満たす者(2人以上)
ア 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士又は介護福祉士の資格その他医療保健福祉に関する国家資格を有していること。
イ 認知症ケア又は在宅ケアの実務、相談業務等に3年以上従事した経験を有していること。
ウ 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修(国立研究開発法人国立長寿医療研究センターその他これに類する国の機関が実施する研修をいう。)を受講し、必要な知識及び技術を修得していると認められること。ただし、やむを得ない理由により当該研修を受講できない場合であって、当該研修を受講したチーム員が支援チーム内において当該研修の内容を共有し、支援チームにおいて必要な知識及び技術を有することができると認めるときは、この限りでない。
(2) 次に掲げる要件のいずれかに該当する認知症サポート医(国立研究開発法人国立長寿医療研究センターその他の国の機関が実施する研修を修了した医師をいう。以下同じ。)である者(1人以上)
ア 公益社団法人日本老年精神医学会又は一般社団法人日本認知症学会が認定する認知症の専門医
イ 認知症疾患について鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師
(3) 前2号に掲げる者のほか、市長が事業の実施に必要と認める者
(チーム員の役割等)
第8条 前条第2項第1号に掲げる者は、別表の2 認知症初期集中支援の項に定める支援を行うものとする。
2 前条第2項第2号に掲げる者は、認知症に関する専門的見識から指導、助言等を行い、他のチーム員を支援するとともに、必要に応じて当該チーム員と共に訪問支援対象者を訪問し、及び相談に応じるものとする。
3 訪問支援対象者に係る観察及び評価のための最初の訪問については、医療サービスに関する知識及び経験を有するチーム員と介護サービスに関する知識及び経験を有するチーム員が共に訪問することにより行わなければならない。
(守秘義務)
第9条 チーム員は、事業の対象者及びその家族のプライバシーの尊重に万全を期するものとし、その業務上知り得た秘密を漏らしてはならない。当該業務に従事しなくなった後も、また同様とする。
(委任)
第10条 この要綱の施行について必要な事項は、所管部長が定める。
附則
(施行期日)
1 この要綱は、平成27年10月1日から施行する。
(支援チームに係る経過措置)
2 第7条の規定にかかわらず、同条第2項第2号に掲げる専門医等をチーム員とすることが困難である場合には、当分の間、次の各号のいずれかに該当する医師をもって同号に掲げる者に代えることができる。
(1) 公益社団法人日本老年精神医学会若しくは一般財団法人日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年以内に認知症サポート医となることが見込まれるもの
(2) 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験(センター等の専門医と連携を図り、診断及び治療に従事した経験をいう。)を有するもの
附則
この要綱は、令和6年4月1日から施行する。
事業の内容等 | |
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1 支援チームに関する普及啓発 | 地域住民、関係機関及び関係団体に対する支援チームの役割及び機能についての広報活動及び協力依頼等 |
2 認知症初期集中支援
| (1) 訪問支援対象者の把握 支援チームが地域包括支援センター又はかかりつけ医等から訪問支援対象者に関する情報を入手するよう努める。この場合において、チーム員等が訪問支援対象者に関する情報を本人から直接知り得たときは、当該本人の同意を得て、地域包括支援センターと情報共有を図るものとする。 (2) 情報収集、観察及び評価 訪問支援対象者及びその家族等が同席するよう、あらかじめこれらの者と調整を行い、訪問支援対象者の現病歴、既往歴、生活情報等に加え、その家族の状況等について情報収集を行うとともに、観察・評価票(信頼性及び妥当性が検証されたものに限る。)を用いて、認知症の包括的な観察及び評価を行う。 (3) 初回訪問時の支援 訪問支援対象者について、認知症の包括的な観察及び評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明並びに訪問支援対象者本人及びその家族に対する心理的支援、助言等を行う。 (4) 専門医を含めたチーム員会議の開催 初回訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察及び評価の内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員による会議を行う。この場合において、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、地域包括支援センターの職員、市の関係部局の職員等の参加について依頼するものとする。 (5) 初期集中支援の実施 医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付け、継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨及び誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア(身体の状態を整えるため、訪問支援対象者の身体の状況を確認し、水分摂取、食事摂取、排せつ、運動等について助言することをいう。)、生活環境等の改善等の支援を行う。この場合における支援の期間は、訪問支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、最長でおおむね6カ月とする。 (6) 引継後のモニタリング 初期集中支援の終了をチーム員の会議で判断した場合は、地域包括支援 |
センターの職員、介護支援専門員等と共に最終の訪問支援対象者の訪問を実施するなど、円滑な引継ぎを行う。この場合において、チーム員の会議において、当該引継ぎの2カ月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要があると認めるときは、随時モニタリングを行うものとする。 (7) 支援実施中の情報共有 初期集中支援の実施中は、訪問支援対象者の同意を得た上で、本人の訪問支援対象者の情報を地域包括支援センターの職員、区保健センターの職員、認知症サポート医、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬局の薬剤師、介護支援専門員、介護事業所の職員等との連携を常に意識し、情報共有を図る。 (8) 記録等の保管 訪問支援対象者に関する情報、観察及び評価の結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を作成し、適切な管理のもと5年間保管する。 | |
3 関係機関との連携等 | (1) 認知症疾患医療センター、認知症地域支援推進員等の医療、介護関係者から組織された会議に参画し、地域の認知症に関する支援体制に関する検討等を行う。 (2) 前号の会議において、支援チームの設置状況及び活動状況を検討する。 (3) 支援チームと医療関係者との連携を図るため、堺市医師会等との事前協議、かかりつけ医と情報を共有するための連絡票等のツールの作成やそれを用いた地域の連携システムの構築を図る。 |
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