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堺市長記者会見 令和7年2月4日

更新日:2025年2月18日

市長

 よろしくお願いします。
 本日の案件は、令和7年度当初予算案の概要、そして財政収支の見通し、令和7年度組織改正(案)です。

令和7年度当初予算案の概要

 まず、令和7年度当初予算案の概要からお伝えいたします。
 一般会計は4879億円で前年度から4.4%の増加、特別会計と企業会計を含めた全会計は8380億円で2.6%の増加です。人事委員会勧告による職員の人件費や社会保障関係費の増加などで、一般会計、過去最大の予算規模となっております。
 歳入歳出に分けて見ていきたいと思います。
 歳入では、市税が1620億円で、定額減税終了また個人市民税の増加等で6.1%の増加を見込んでいます。
 地方交付税は、臨時財政対策債の発行がゼロとなったことなど114億円増加をしまして、社会保障関係費の増加等の影響で、国庫支出金も増加しています。
 次に、歳出です。
 扶助費が障害者(児)自立支援給付の対象者増などにより7.5%の増加を見込んでいます。また、全員喫食制の中学校給食が始まりますので、その分も増加しています。
 令和7年度当初予算案の全体イメージを表したシートがこちらです。
 市政運営の大方針「堺市基本計画2025」では、都市像に未来を創るイノベーティブ都市を掲げ、これまで徹底した事業の見直しや公共サービスの改革、物価高騰など喫緊の課題への対策に加えて、生活の質の向上や地域経済の活性化に向けても積極的に進めています。
 令和7年度は「堺市基本計画2025」の最終年度ですので、集大成との思いも込めて「堺の安心を守り、未来を切り拓く予算」として、「安心できる堺の確保」と「堺の未来への挑戦」を軸に編成しました。
 それぞれの「安心できる堺の確保」、「堺の未来への挑戦」に分けて、事業のご説明をいたします。
 まず、「安心できる堺の確保」です。
 順番にお伝えいたします。こどもの育ちを応援するため、就労要件を問わず、認定こども園など施設を利用できる「こども誰でも通園制度」の実施や、虐待などにより保護が必要なこどもを一時的に保護する施設を定員超過に対応するために新設します。
 そして、これまで準備を進めてきた全員喫食制の中学校給食。これまではお弁当か選択制の給食を行ってまいりましたが、この6月から全ての市立の中学生に給食を食べていただくことができます。2か所の給食センターで調理した給食を提供します。
 そして、今回大きな方針としまして堺市において小学校給食を無償化いたします。段階的に実施いたしまして、令和7年度は1年生及び2年生、そして8年度は1年生から4年生、9年度以降は全学年、1年生から6年生と段階的に進めます。
 あわせて、学校給食を栄養バランスと量を保つために、この4月から1年間、小・中学校と特別支援学校の食材費高騰分を支援します。
 教育環境の充実としましては、特別支援学校の学びに必要なスペースを確保するために、宮園小学校の敷地の一部を特別支援学校分校として整備します。
 そして、昨年お伝えしていました学校体育館の空調設備、こちらは教育環境や災害時の避難所機能の強化に向けて、小・中・高及び特別支援学校の体育館に空調の順次整備を実施いたします。
 そして、物価高騰対策として、校外学習のバス借上料。借りるバスの料金も値上がりしておりますので支援いたします。
 そして専門家などで構成する「堺市こども自殺危機対応支援チーム」を設置いたしまして、教職員の自殺危機対応スキルの向上や心理的ストレスを低減します。
 続きまして、教員の働き方改革です。
 教員の事務負担軽減のため、教員業務支援員を配置します。また、教材費など学校徴収金事務を公会計化するシステムを構築します。
 大規模災害時の備えとしましては、災害時の負傷者に迅速かつ適切な医療を提供するため、医療機関と連携をしまして、応急処置などを行う拠点応急救護所の増設準備を進めます。防災拠点などではインターネット通信環境を確保するため、衛星通信機器を導入します。また、災害時でも安全な水と衛生環境を保つため、避難所につながる管路などの耐震化を上下水道一体で進めます。
 次に、市民の安心・安全の確保に関しましては、警察や地域、事業者などと連携して、高齢者を中心に急増する特殊詐欺被害防止に向けた行動を強化いたします。
 また、クビアカツヤカミキリの対策としまして幼虫駆除のための薬剤散布など実施いたします。
 消防活動においては、迅速かつ適切な消防部隊の投入のため、災害現場の近くを走行するドライブレコーダーの映像を活用できるシステム、これまで会見でもお伝えしてまいりましたが、トヨタ自動車と連携をしながら、実際にシステムを導入いたします。
 そして、高齢者の介護予防に取り組む「あ・し・た」プロジェクトを拡充しまして、地域で展開をするための事業を実施いたします。
 障害のある方への支援としましては、入所事業所の増設など緊急時の受付対応を強化いたします。
 また、がん治療に伴う外見の変化により不安やストレスを抱える方に寄り添った支援として、ウィッグや人工乳房などの購入費用の一部を助成します。
 今年、戦後80年を迎えます。戦争の悲惨さと平和の大切さを次の世代に、後世につなげるために、堺大空襲の次世代の語り部育成や、大阪戦没者追悼式にて戦争体験談の記録と伝承などの取組を実施します。
 そして昨年運用を開始しました大阪府の都市OS(ORDEN)を活用した「my door OSAKA」と堺市の図書館情報システムなどを連携いたします。
 ここまでが「安心できる堺の確保」の主な取組のご紹介です。
 次に、「堺の未来への挑戦」としましてご説明いたします。
 今年4月13日から大阪・関西万博が開幕いたします。
 間もなく、もう2カ月ちょっと先に迫っておりまして、大阪・関西万博の関連としましても予算を計上しています。万博会場において、堺の魅力を国内外に発信するイベントなどを実施いたしまして、また次の時代の堺を担うこどもたちの国際感覚の醸成など、可能性を伸ばす取組にもつなげたいと考えております。
 また、期間中2820万人の来場者数、万博想定をされておりますので、堺市により多くの方に訪れていただくための観光誘客の取組を強化します。
 ガス気球に小・中学生を招待する「こども気球体験」など優良な観光コンテンツを創り出しまして、観光ツアーへの一部補助や宿泊事業者へのエネルギー価格の高騰支援など宿泊の促進、また観光関連団体と連携したプロモーションや、万博会場行きのバス車内での堺観光のPR等も行います。
 スポーツの分野におきましては、堺市を拠点とするプロスポーツチームなどと連携しまして、企業版ふるさと納税を活用したスポーツ教室や交流イベントを実施いたします。
 文化振興におきましては、(仮称)堺ミュージアムの整備に向けた懇話会を設置いたしまして、基本構想(案)を策定したいと考えています。
 産業振興におきましては、企業投資を誘導し、都市拠点の強化を図るため「堺市イノベーション投資促進条例」を改正して、固定資産税などの市税軽減を行う対象地域の追加や、カーボンニュートラルにつながる革新的技術関連への投資費用の補助を行います。
 また、中小企業における生産性の向上に向けては、DX実践に向けた専門家による伴走支援のサポートや、産学連携による新しい事業へのチャレンジを実現します。
 女性活躍の推進におきましては、女性の採用や定着を進めたい企業に専門家を派遣しまして、柔軟な働き方の導入を支援します。
 次に、国が定める脱炭素先行地域に堺市は選定されておりますが、その「堺エネルギー地産地消プロジェクト」を推進いたします。民間施設の屋根に太陽光発電設備を設置し、余剰電力を公共施設に供給する事業者を補助します。また、市役所本庁舎のZEB化改修や都心エリアの小・中学校のLED化などに取り組みます。
 堺東エリアの活性化のため、南海高野線の連続立体交差化を見据えて、駅街区周辺の整備の方向性や備えるべき機能、必要な空間の配置などを検討します。
 SMI(堺・モビリティ・イノベーション)プロジェクトに関する事業を紹介いたします。
 SMI都心ラインの実現に向けて、実証実験、この自動運転車両走行時の円滑な走行につなげるための検証などを行います。SMI美原ラインにおきましては、これまでの実験の結果や検証を踏まえて、本格運行に関する検討や実証実験を行います。
 公共交通の利用促進に向けまして、「堺おもてなしチケット」、今は紙媒体で発行しておりますが、こちらのデジタル化でございましたり、万博期間限定割引などを支援いたします。
 若年・子育て世代の移住促進に向けては、関係団体と連携しまして、泉北ニュータウン内の戸建て住宅にて最低6年間貸し出すことを条件に、持ち主にリフォーム費用の一部を補助します。
 「サイクルシティ堺」の推進に関しては、大和川沿線に自転車体験やサイクルサポート機能を有する自転車賑わい拠点施設を整備いたします。
 ここまでが、当初予算の主な事業のご説明です。

財政収支見通し

 続きまして、毎年公表しております財政収支の見通しをお伝えいたします。
 こちらの表に示しております、令和8年度から令和16年度までの推計期間中、後年度に向かって改善してまいりますが、令和8年度で約80億円、そして令和16年度でマイナス約17億円と収支不足が見込まれております。概ね、傾向としては昨年同様ということです。そして、その昨年との相違点を示した内容がこちらです。
 市税や地方交付税等が増加している一方で、人件費でございましたり、また社会保障関係費、そして物価高騰の影響、そして先ほどお伝えした令和7年度から段階的に実施する小学校給食無償化等によって、こちら側も歳出増になっております。差引きとしましては、収支見通しは概ね前年と同様の傾向となっております。
 こちらは市債残高の見通しです。
 こちらも資材の高騰や労務単価の上昇などによりまして、普通建設事業費が増加をしております。昨年公表した前回公表分がこの点線で表しているところ、そして、今回青で示してるのが、本日お伝えする内容です。
 それらの高騰の影響によりまして、金額、市債残高としては増加をしておりますが、前回同様に減少傾向で推移する見込みと考えています。
 そして、基金の残高です。市の貯金に当たる部分です。
 こちらも今回の収支見通しの反映によりまして、前回公表時と比べてほぼ同じ水準で推移をする見込みです。
 推定期間中、基金残高は300億円を確保できる見込みとなっておりますが、一方で、この財政調整基金、財源調整に活用できる基金としては年々少なくなっていく見込みになっておりますので、今後も持続可能な財政に向けた取組を着実に進める必要がございます。
 ここまで財政収支の見通しです。

令和7年度組織改正(案)

 そして最後に令和7年度の組織改正案をお伝えいたします。
 今回、社会環境の変化や今後の職員数減少などを見据えまして、「重要施策の推進体制の強化」、そして「喫緊の課題への対応」、「組織の合理化」、この3つの観点で組織を改正いたします。
 まず1点目、「重要施策の推進体制の強化」としましては、大阪・関西万博の開催に伴う関係機関との調整を円滑に進め、市内への波及効果の最大化に向けた取組を進めるため、「万博調整担当課長」を配置します。
 また、教育委員会では、中学校区を構成する小・中学校を学校群としてマネジメントしまして、学校同士の連携を強化するため、学校改革推進室を学校教育部に移管します。
 2つ目の項目、「喫緊の課題への対応」としましては、業務プロセスの最適化やDXのさらなる推進など構造的な改革を進めるため、「行財政・構造改革担当課長」を配置します。
 また、マイナンバーカードの更新手続の増加に対応するため、マイナンバーカード普及促進担当課長を戸籍住民課に移管し、名称を「マイナンバーカード担当課長」に改めます。
 最後に「組織の合理化」です。
 市政情報の効果的な発信のため、広報戦略推進課を「広報課」に統合。また、全庁的で中長期的な視点から総務事務を戦略的に進めるため、行政経営課を総務課に統合し、名称を「行政総務課」とします。さらに効果的・効率的な事務執行を強化するため、政策企画部に課を設置しまして、そして都心未来創造部を交通部と都市整備部に再編します。
 以上、本日お伝えをしました令和7年度は「堺の安心を守り、未来を切り拓く予算」を実施する組織体制も整えまして、「安心できる堺の確保」と「堺の未来への挑戦」を力強く進められるように、そして最終年度を迎える堺市基本計画2025に掲げる施策や事業が着実に進められるように力を注ぎたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(司会)

 それでは、ただいまから質疑に移らせていただきます。挙手の上、社名を告げていただき、ご質問のほうをよろしくお願いいたします。ご質問ございますでしょうか。
 それでは、日本経済新聞社さん、どうぞ。

(日本経済新聞社)

 日経の高橋と申します。
 給食費の無償化について教えてください。
 まず1点は、恒久化というふうに考えていいのかどうなのかっていうところと、それから、以前から永藤さんやりたいっていうことを仰ってたと思うんですけども、このタイミングで、一遍にじゃなくて、段階的にとした理由を教えてください。
 それから、財源、全部やれば20億ぐらいかかるんじゃないかと思われるんですけれども、税収増で賄えるのか、それとも何か他を切り詰めてというふうにお考えなのか。それからあと、中学校も当然親御さんからすれば、なるのかなっていうふうに思われると思うんですけども、そこまで視野に入れてらっしゃるのか。
 以上、お願いします。

(市長)

 まず、恒久化かどうかということに関しては、恒久化です。段階的に令和7年度から1年生(及び2年生)、そして1年ごとに(令和8年度は1年生から)4年生、(令和9年度は1年生から)6年生までの全学年としまして、令和9年度以降は小学校6年生まで毎年実施をするということです。なぜこのタイミングかということですが、やはり堺市の財政状況は大変厳しい状況で今も厳しい状況ではあります。その中で、私が就任してから、財政収支見通しを毎年このような場で公開することにしました。そして、庁内でも財政状況を把握しながら、今後を見通し、例えば無償化っていうのは望ましいですが、多額の財源を要しますから、実施したとしても将来的に厳しくなると市財政が回らなくなるようでは、市政運営としては厳しい状況になりますので、それも踏まえて検討してまいりました。そして、このたび、今回財政収支の見通しを鑑みて、一気にというと、やはり約20億円、1年生から6年生まで無償化に要しますので、後年度徐々に改善をしていく見込みではありますが、特に近年においては、まだまだ収支不足の額が多いものですから、一気にここで行うということは、やはり市財政の持続的な財政運営という面でも厳しいというところから、段階的に行うという判断をいたしました。
 そして、今後の見通し、この財政収支の見通しというのは、国が出している地方財政計画でありましたり、また堺市の中での事業の状況等も踏まえてこの数字を出しておりまして、ここには給食費の小学校給食の無償化ということも反映をしております。その中でも、基金残高も一定確保しながら、基金が尽きるということがない状況で実施をできるという見込みが立ったことが一番の要因ということです。
 そして、中学校給食に関しましては、まずは今年6月、実施をできるということになりました。これまで準備を進めてきましたが、いよいよ6月から中学校給食で全員喫食が始まりますので、まずは確実に、安全に実施をするということに注力をしたいと。そして、令和9年度に1年生から6年生まで無償化を実施したいと、小学校で考えておりますが、そのときに、やはり財政状況にもよるかと思います。さらに中学校給食無償化となると財源の上積みが必要ですので、まずは今の状況、これでもまだ令和16年度まで毎年収支不足が発生する見込みになっておりますので、さらに、改革を進めて財源を捻出しながら、可能であれば中学校も無償にしたいという思いはありますが、まずは公約に掲げた小学校給食無償化の実施ということを着実に行っていきたいと考えています。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 日刊工業新聞社さん、どうぞ。

(日刊工業新聞社)

 日刊工業新聞の冨井です。
 予算案に関して、関西万博についてお聞きします。
 今回、万博に関して全体で大体4.7億ぐらいになるんですかね、何かその数字、万博全体に関してこの予算額に対して、ある程度満足しているのかというのと、あと、万博の中で特に市長が推したいと思っている目玉の事業などがあれば教えてください。
 よろしくお願いします。

(市長)

 まず、今回の万博関連については、先日もプロジェクト推進本部、取材をしていただきましたが、この間、関係の皆様と協議をした中で検討してまいりました。ですので、今回当初予算として掲げる部分については、一定、その内容というのは見込めていると考えております。
 特に、魅力発信に関するところでは催事、こちらは令和6年度8月補正予算において債務負担行為として、もう既に計上しておりますが、万博会場において、春・夏・秋と、それぞれ複数日、堺の魅力発信を行う予定にしております。
 ぜひ、そこで堺の伝統文化であったり、また未来への姿勢など万博会場は多くの方が訪れますので、堺の魅力発信をして都市ブランドをさらに高めるような場になればなと思っております。
 あわせて、予算として、民間事業者の皆様と協力しますが、例えば宿泊費の助成であったり、また観光に関する誘客のところも今回計上しておりまして、万博会場を訪れる方に一人でも多く堺に来ていただきたいと考えます。また万博会場で発信する堺のことというのも、存分に発信したいと思いますが、やはり日数も限られておりますので、その期間が半年間ありますから、ぜひ堺市内へ来ていただいて、堺の魅力を感じていただきたい。その部分がやはり大きなポイントかなと思っております。こちらの中では、例えば民間事業者と連携するデスティネーションキャンペーン。こちらはJR西日本さん、また私鉄各社の皆さんにご協力いただいて行いますが、このようなプロモーションというのが、チケットの、今回設けるデジタル化も含めまして、様々行われますので、ぜひ万博期間中、多くの皆様と連携しながら、堺市内が盛り上がるように、万博会場も、そして堺市内でも盛り上がるように努めたいと考えています。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 時事通信社さん、どうぞ。

(時事通信社)

 時事通信の及川です。
 何点かお願いします。
 まず、全体の当初予算のことについて、改めてその位置付けだったり、どういうところに重点を置いて編成したのかということが伺いたくて、扶助費や人件費などの増加が大きな要因ですけれども、過去最大の予算規模となっておりますので、どういう堺を今後つくっていきたいのかという思いであったり、あと市長の強い思いが込められている事業のご紹介をいただきたいのと、理由も含めて教えていただけますでしょうか。お願いします。

(市長)

 まず、思いとしましては、今回の何予算かというところを一言で述べるとすれば、「堺の安心を守り、未来を切り拓く予算」としました。
 一方で、こちらの「安心できる堺の確保」と「堺の未来への挑戦」という2つの括りは、昨年も同じ軸として掲げております。今年、この「堺の安心を守り、未来を切り拓く予算」という名称をつけた思いとしましては、まず今年戦後80年という大きな節目を迎える年であること、そして先日、阪神・淡路大震災から30年が経過をいたしました。やはり、市民の皆様がこれからも堺で安心して暮らしていただけるということが非常に重要であろうと、物価高騰であったり、もしくは様々、新型コロナウイルス感染症も今も感染というのが全くなくなったわけではございませんし、不安がある方も多くおられると思いますが、その安心をまずは守ることということで、今回掲げております。
 そして、これからも市民の皆様が安心して暮らし続けていただくためには、やはり堺市もそれをお支えするための財政運営であったり、市政運営を的確に確実に行っていく必要があります。そのために、未来を切り拓く、堺の未来への挑戦というのは、今のこの現状維持のままでは、今人口がどんどん減っていっています。これからも少子化が加速する中で、人口減少が見込まれております。その中で、やはり都市として挑戦をしなければ、市民の皆様のこれからも安心した暮らしを支えることができないというところから、今回、「堺の未来への挑戦」というところで、万博というのは1つ大きな事業ですし、この半年間だけでなくても、例えば市内誘客であったり、堺の魅力発信の取組というのは万博期間後も活かされる、レガシーとして残ると考えておりますので、ぜひ堺市も市内の事業者の皆様、経済団体の皆様とも連携しながら注力したいと考えております。
 また、例えば堺東エリアの活性化、こちらも基本的な考え方は既にお示しをしておりますが、実際にこの堺東、これからどういうふうに見据えて動かしていくのかである部分。またSMIプロジェクト、こちらも未来を見据えた自動運転等の新しい、これまで歴史を前面に打ち出してきた堺、歴史だけではなくて、活かしながら未来を創っていくということも行っておりますので、まさに行政が挑戦をしながら堺の未来を切り拓いていきたいという思いがあります。
 その中で、特に注力する事業、いくつかお伝えをしますと、やはり今回、多額の費用を要する中で苦心をして、今年ようやく実施できる見込みが立ったという内容が小学校給食の無償化です。財政の面、持続的な財政と考えたときには、段階的な実施ということにはなりますが、これから恒久的に、ぜひ小学校給食無償化を着実に進めたいと思っています。
 また、準備を進めてきた中学校給食の全員喫食でありましたり、学校体育館の空調の整備、こちらも多額の費用を要しますが、方針決定をしておりますので着実に進めてまいります。
 あわせて、防災対策としましても、医療機関とこの間、皆様と協議をしておりまして、特に三師会の皆様、堺市医師会、堺市歯科医師会、堺市薬剤師会の皆様とは、災害時に対応するための協定をこれまでも結んでおりました。
 ただ、その協定をさらに実効性のあるものとするために、この間、協議を重ねてまいりまして、そのうちの取組の1つが、この拠点応急救護所の設置でありましたり、また今ガイドラインも策定作業を進めておりますので、災害のときにも皆様が安心して過ごしていただけるようにしたいということです。
 上下水道施設の耐震化については、こちら掲載しておりますが、今、災害等も非常に多くて、特に水道、下水道というのは市民生活になくてはならないものです。これまでも基本計画2025の中で、例えば財政危機宣言を出すような厳しい状況の中でも、この上下水道の耐震化というところは計画に沿って着実に進めてまいりました。そして、この基本計画の目標年次が令和7年度ですので、そこに向けても引き続きこの耐震化をきちんと図っていくというところで、決意も含めて、ここに計上をしております。
 まとめになりますが、安心できる堺の確保を進めながら、一方でこれからもお支えするために、税源涵養、堺が魅力ある都市になって税収を得ることによって、さらなる住民サービスの拡大もしくは維持をすると、最低限維持をするということにもなりますので、そのための重要な年度になるかなというふうに考えております。

(時事通信社)

 ありがとうございます。学校の給食の無償化なんですけれども、給食の無償化を議論するときに、必ずアレルギーで給食を食べてないこどもたちだったり、給食がない学校に、不登校などで学校に通ってない子もいたりする中で、何か一律に無償化しても恩恵が及ばないとか、そういう指摘もあったりすると思うんですけども、そこに対するお考えというのはどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。

(市長)

 今、市立学校で多くの児童の皆さん、給食を食べていますので、多くのご家庭の皆さん、経済的負担が少なくなるようにと、軽減できるということで今回無償化を実施する方向にしております。もちろん、その中には必ずしも全ての方に恩恵が及ばないという方もいらっしゃるかもしれませんが、それでも、やはり給食の無償化というのは意義があると考えていますし、一方で、例えば不登校の方であったり、もしくは体調的な問題も抱えていらっしゃる方にとっては、無償化ということでなくても、親身に寄り添いながら対応させていただきます。私からも教育委員会に伝えておりますのは、やはり不登校児童・生徒の皆さんをそのまま、不登校のままというよりも学びにアクセスできるように、また連携を取れるようにということも伝えていますので、全面的にサポートする中での1つの取組が給食の無償化というふうに考えていただければと思います。

(時事通信社)

 ありがとうございます。
 あともう1点、万博を契機に、その観光誘客に力を入れるというお話、ご説明がありましたけれども、宿泊を伴う場合だと受入体制の整備なども必要になってくるかと思います。これまでの、今年度までに発表いただいている誘客の事業でも、立ち寄ってほしいっていうようなメッセージが結構強く出てたりもするんですけれども、堺市としては、万博会場が大阪市で、空港にも近いっていうことで、立ち寄ってもらいたいというお考えなのか、それとも宿泊も伴って堺に滞在してほしいという思いがあるのか、そこら辺をお願いします。

(市長)

 ただいまのご質問の答えとしては、後者がより望ましいと考えています。つまり、立ち寄っていただくだけではなくて、できれば宿泊をして、複数日滞在をしていただきたいと。そうすれば、夜も過ごしますから、晩御飯であったり、また市内の各施設を巡っていただけるということです。
 一方で、堺市内の現状を見ますと、やはりホテルの数は大阪市に比べて圧倒的に少ない状況です。これでも、この近年、ホテルは増えつつありますが、一方で、例えばラグジュアリーホテルと言われるような高級ホテルは大阪市に集まっていますし、堺市がなかなかホテル事業者の皆さんも、誘致であったり、こちらからも呼びかけをしながら、やはり今は大阪市のほうに投資をされることが多い現状です。今も、3月にまた堺旧港にもオープンするホテルがありますが、受皿としては、まだまだ多くはない状況です。その中でも、今新設されるホテルでありましたり、またビジネスホテルが多い本市ですが、そちらにも多くの方お越しいただいて、できれば宿泊をしていただきたいと思いますし、万博期間に限らず、やはり泊まる場所、また宿泊できて堺で長く滞在できる環境というのは重要ですので、これからも堺市として強力に働きかけていきたいと考えています。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 毎日新聞社さん、どうぞ。

(毎日新聞社)

 毎日新聞の新宮です。
 安心という部分は分かったのですが、その未来なんですけどね、永藤さんとして、どういうその堺の未来を創っていくための今回の予算なんでしょうか。ちょっと未来の具体的な、どうあるべき、どうしたいかっていう部分を、もう少し説明いただけますでしょうかね。

(市長)

 まず1つは、堺というイメージは、やはり歴史の印象が強いと思っています。世界遺産百舌鳥古市古墳群でありましたり、中世の時代に栄えた黄金の日々、これらも大変堺にとっては類いまれな歴史であり、魅力ではあるんですが、一方で、この歴史だけではなくて、じゃあ、今の全国の方が古墳がある堺市っていうのは知っていても、現在の堺市というのは、東京に行ってもあまりご存じない方が多い。市民の皆さんにとっても、じゃあ、これからの堺市に住み続けたいと思っていただくためには、堺市の将来を示さなくてはいけないというところから市長として就任して5年以上経過をしますが、「歴史のまち堺から未来を創る」というキャッチフレーズで行動をしております。堺の歴史ある資源を活かしながら、これから新しい取組をどんどんしていくというところが、今、市政で掲げている方向性です。
 この中で、今回お示ししている以外でも、前年度までの予算でも多く未来への挑戦というのは計上しておりますが、今回の中で限ると、例えば、堺エネルギー地産地消プロジェクト。これまで堺市は高度成長時代に堺の臨海部に工業地帯が建設をされました。そのときは化石燃料に関わる企業も多くございましたが、今は環境の変化であったり、企業の経営のスタイルもございまして、新しい挑戦を様々されております。例えば、水素の活用でありましたり、ゼロ・カーボン、カーボンニュートラルに向けた動きもございます。SAF(次世代航空燃料)に挑戦もされております。
 これから、今この時代の流れの中で、大きく変わろうとされている企業の皆さんおられますので、堺市としても、例えばこれはもう国に認定されながら進めている堺エネルギー地産地消プロジェクトでありましたり、堺の企業の皆さんと連携しながら前に進めていくと、未来を切り拓いていくというのが1点です。
 そして、もう1点は、この堺の中心部です。我々都心部と呼んでおりますが、堺東駅、そして堺駅、その中心にあります歴史ある環濠エリア、また堺旧港、このエリアが堺の旧市街も含めまして、大変歴史あるエリアなんですが、以前の堺東、もう数十年前の堺東とすると、どうしても活気であったり元気がなくなってきているという状況にあります。
 皆さん、利便性のいい難波に行ってしまって、これまでは南大阪の中心的な場所としての堺東がにぎわっていたんですが、今は、人が多く集まる場っていうのも損なわれつつあるという状況です。
 ですので、この歴史ある場所の中でも、今回SMIプロジェクトというのは長年、この私が令和3年に発表してから、この間進めておりますが、歴史ある堺の中でも新しい未来を感じさせるような取組、都市ブランドの向上ということを掲げて行っていく。もちろん、都市空間の魅力向上であったり、利便性の向上というのは前提ではありますが、その中でも新しい挑戦をどんどんしていくというところで、堺市がその姿勢を示さなくては、民間事業者の皆様も、堺で投資をしようと、堺で頑張ろうということも難しいかと思いますので、行政が姿勢を示しながら、多くの皆様に関わっていただけるように、今、行政も汗をかいて頑張っているという状況です。

(司会)

 それでは、ほかにご質問、いかがでしょうか。
 それでは、時事通信社さん、どうぞ。

(時事通信社)

 すみません、当初予算じゃないんですけれども、埼玉県で発生した道路陥没の事故の件で質問させていただきます。
 上下水道管も含めてインフラの老朽化っていうのは全国共通の課題ではありますが、今回の事故のご所感とインフラの在り方について、どういうふうに思われるかお願いします。

(市長)

 まず、今私も報道を注視しております。トラックの運転手の方がまだ救出されていないということで、まずはご無事を心から祈っております。大変、今日から寒い日が続きますので、一刻も早く救出されてほしいという思いが強くあります。
 そして、陥没するときの動画も拝見したんですが、普段交通量が多い6差路の道路で、急にボコッと穴が空いてしまった。そこに車が来てしまって、もうなかなか避けようがない、しかも、そういうことが起こるとは想定されていない場所だったと思っています。ですので、大変不幸な事故ではあるんですが、ただ今回、もう国も各自治体に対して緊急点検を呼びかけているように、何とか防ぐことができないかということは本市でも今行動しております。堺市には国が呼びかける緊急点検の対象となるような管はないんですが、自主的に確認をしております。また、先ほどお伝えした耐震化等も計画的に進めておりますが、布設からもう数十年、50年経過するような管も、大阪府内にも多く存在すると認識をしておりますので、改めて安全に、また安心して使っていただけるように、また欠かせない生活インフラですので、堺市としても対応を、さらなる対応はできないかということを検討したいと思います。

(司会)

 それでは、日本経済新聞社さん、どうぞ。

(日本経済新聞社)

 SMI都心ラインについて教えてください。
 私も前年度ここにいなかったので、改めての部分もあるんですが、まず1つは、今回の実験っていうのは24年度に本来やろうと思っていた実験の横滑りという理解なのか、何かプラスアルファがあるのかということと、それから前年度のいろんな資料を見ますと、30年度にレベル4っていうのが国の補助金とちょっと合わないんじゃなかったかっていうことで、27年度かな、レベル4みたいなところに、前倒しみたいなことを今回されるのかっていうことと、それから国の補助金が一応今回前提というふうに聞いてるんですけれど、昨年度のように、もし下りなかった場合も何らかの予算措置でやろうと思ってらっしゃるのか。昨年度のように下りなかったら、もう今年度も諦めるというふうな理解でよろしいのか。
 あと、最後に昨年議会といろいろ擦れ違いがあったと思うんですけども、今年度改めてまたこの予算計上に当たって、議会の、こういうところで理解を得ていきたいみたいなところがあれば、それもお願いします。

(市長)

 まず、昨年度との違いです。予算を執行することが、今年度は、できませんでした。ただ、その間、国のルールであったり、期間の短縮等もありまして、令和7年度のこの予算によって2027年度、レベル4というところも掲げながら実証実験できるというふうに考えております。
 今回、昨年と違うところは、1つは信号協調といいまして、今既に設置をされている信号と自動運転の車両と連携しながら情報を取り込んで運行するためのシステムが含まれております。
 もう1点は、3Dシミュレーション。実証実験で全てを網羅できるわけではございませんので、シミュレーションを行いながら、より現実に即した運行を行う、その想定を行うということが今回上げられております。
 そして、補助金が下りなかった場合について、もう2027年度ということは、4月から2025年度ですから、やはりもうこちらで何らか前に進めなければ、2027年度のレベル4、また2030年度の実際の私たちがめざす運行開始っていうところまで難しいかと考えております。
 まずは補助金、国の補助というのは非常に大きな割合を占めますので、確保できるように最善を尽くします。私も昨年、何度も国に出向いて協議をした中で、こういう要件が必要じゃないかということも内部で検討を重ねてまいりました。ですので、まずは補助金、きちんと獲得ができるように進めていくということです。
 そして、何らか、前に進めることができるように完全に補助金頼みということじゃなくて、市としても汗をかいて、何とか前進させたいという思いでおります。

(日本経済新聞社)

 一応、今の話ですと2027年度にレベル4を実装、運行開始じゃないけれども、何らかの形でやりたいと。当初よりも、少し前倒しになるんで3Dシミュレーションとかも組み合わせ、なおかつ今年度の実験は、前年度を想定していたものよりも、もう少しレベルアップした形の実験にする、こんな理解でよろしいですか。

(市長)

 2027年度のレベル4実現に向けて、今回改めて、昨年度の、もともとその実証実験というのは自動運転の本格運行へのプロセスっていうのはありますので、概ねここは押さえておかないといけないだろうということは、今年度も押さえるんですが、プラスアルファ、先ほどお伝えしたような信号協調であったり、シミュレーションを駆使しながら、2027年度の実現に向けて動いていくということです。

(日本経済新聞社)

 2027年度にレベル4を、運行じゃないけれども、実験みたいな形で、レベル4を27年度にやりたいっていう理解ですか。運行開始は30年度っておっしゃってたんで。

(市長)

 本格的な運行ということでは30年度と考えています。担当局、補足があればお願いします。

(司会)

 担当局、よろしくお願いします。

(建築都市局)

 建築都市局SMI担当の甲野と申します。2027年度につきましては、一部区間でのレベル4の実装というところを考えております。全区間におきましては2030年度をめざしておるというところでございます。
 以上です。

(日本経済新聞社)

 あと、もう議会が始まっちゃうので、そもそもSMI都心ラインの狙いのところで、以前から永藤さんが1つは、都市ブランドの向上、それから中心部の活性化、この2点はすごく仰ってらっしゃるんですけども、あまりドライバー不足、人手不足については去年のいろんな記者会見も改めて見ても、あんまり仰ってらっしゃらない。この3つ目のところについては、今回もコンソーシアムで南海バスっていうのが決まってるんで、その辺の話す相手というか、協議の相手も明確になってきてると思うんですけど、その人手不足、ドライバー不足というところについて、改めて今回のこの自動運転の意義について教えていただけますか。

(市長)

 今ご指摘いただいた運転手さんが不足をしていると、これからますます不足が見込まれるという状況への対応として、自動運転というのは非常に意義深いと考えています。
 今回、特に都心部で行う自動運転でして、今も多く運行していますから、自動運転になることによって、ドライバー不足、運転手さん不足が改善できる。ほかの地域でも、今回の運行というのが活用できる可能性がありますので、ドライバー不足というところにおいても、今回改善が図れたらなというふうに考えています。

(日本経済新聞社)

 それは南海バスさんとの間で、例えば、その周辺部の減便をもうちょっと減らしてほしいとか、そういった交渉もやり得るのか、あくまで都心だけの話になってしまうのか、そこはいかがでしょうか。

(市長)

 今回、その都心ラインの取組というのは、あくまでも都心部、堺の都心部ということになりますが、一方で、こちらSMI美原ライン、より広域の東西交通の改善でして、これは堺区の堺駅から美原区まで、これまで直通の路線がなかったところを、今直通のバスを通すということにしております。
 ですので、堺市内全体の公共交通の在り方というところでも、南海さんと協議をしたり、一部協議しておりますが、今後広いところで、やはり今までの路線を、例えば新しい路線を引くことによって、どういうふうな改善が見込まれるのか、もしくは効果的な運行ができるのかということもあります。そして泉北ニュータウン地域においては、これも南海電鉄さんと連携をしながら、AIオンデマンドバスを今実証実験しておりまして、こちらも、これまでの路線バスではなくて、事前に予約をして、より目的地に近いところに送ってもらえるという新しい仕組みですので、改めて堺市内での公共交通、より効果的な運行、市民の皆様の利便性に資する取組として展開したいと考えております。

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