このページの先頭です

本文ここから

堺市長記者会見 令和7年1月21日

更新日:2025年1月29日

市長

 よろしくお願いします。

公民連携による女性活躍推進の取組

 本日は公民連携による女性活躍の取組をご紹介したいと思います。
 毎回お伝えをしている市政運営の大方針、堺市基本計画2025。その中で重点戦略の施策としまして、女性活躍・働く意欲がある多様な人材の活躍を掲げ、堺市として力を注いで取り組んでいます。
 目標とする指標は女性の就業率で、年々上昇しておりまして、昨年度で54.6%となっております。
 これまでの取組をご紹介します。まず1点目、さかい「働コミ」Company登録制度。こちらは令和4年10月に開始しました。女性の積極的な採用や管理職への登用など、女性にとって働きやすい職場をめざして取り組む市内企業を登録し、ホームページで広く情報を発信しています。この名称は、働く職場環境を改善するには、そこで働く人たちのコミュニケーションが重要との思いで、「働く」と「コミュニケーション」を合わせて「働コミ」としています。さかい「働コミ」Companyには、現在42の企業が登録しています。
 次に、さかいJOBステーション事業です。さかいJOBステーションは、堺市が運営する就労支援施設でございまして、若い世代や職を求めている女性などへ様々なサポートを行っています。堺で働きたい方と人材確保に苦戦する市内企業のマッチングや、離職した方を対象に再就職講座などを実施しています。
 これらの取組によりまして、以前は男性に採用が限られていた職種で女性を積極的に採用するなど、好事例も生まれており令和5年度は1,037人の女性が就職されています。これは前年度と比べて約200人増えているという状況です。
 堺市の行政におきましても、女性を含む全ての職員が働きやすい職場環境の充実に努めています。こちらのグラフは管理職、そして、それぞれ部門のトップである局長級、そしてその継ぐ立場である部長級の、平成30年から直近令和6年度までの女性比率を示しています。
 私が市長に就任したのが令和元年度でして、このときは局長級、トップの役職は30人以上局長級がいる中で女性は1人でした。3%ほどという状況。そして部長級も6%ほどでした。
 この状況に市長に就任して大変危機感を覚えまして、このままで果たして本当に市政運営として女性の意見が反映されて、市民の皆さんの住民サービスを適切に行えるんだろうかということがありました。
 そこから毎年努力を重ねてまいりまして、令和6年度におきましては、局長級、トップの役職は25%、そして部長級も28%まで上昇しているという状況です。
 女性の視点や考えを、市の施策に漏れなく反映することによって、住民サービスの向上や、さらに安心して暮らしやすい堺であるように力を注ぎたいと考えています。
 次に、堺市と民間の企業が連携した新たな取組を3点お伝えいたします。
 1点目は、堺商工会議所、日本政策金融公庫と連携して開催する「女性活躍推進・企業価値向上シンポジウム」です。2月6日に堺商工会議所にて開催いたします。
 女性活躍の推進には、企業としての方針決定や従業員の理解促進が重要です。今回のシンポジウムは経営者やリーダー層への意識向上を目的として開催します。女性が活躍することによる組織の活性化や相乗効果をお伝えする機会になればと考えております。
 このシンポジウムでは、ジェンダーギャップ解消に向けて、企業や多くの自治体で女性活躍の推進をサポートされている株式会社will Lab代表取締役の小安美和氏に、「人口減少時代の人材戦略」と題して、女性をはじめ、多様な人材が職場で活躍する意義や効果などに関する御講演をいただきます。
 また、市内の若手経営者の方々にもパネリストとして、女性活躍の取組事例を発表いただく予定です。多くの企業の皆様にご参加いただきたいと考えています。
 2点目、日本政策金融公庫のご協力で実施する、さかい「働コミ」Company登録企業への支援です。
 2月1日から登録企業が設備投資など融資を受ける際に、通常より低い特別利率が適用される制度です。
 金融面で実質的な支援を受けることによって、さかい「働コミ」Companyに新たに参画される市内企業が増えて、女性活躍の取組がさらに活発になる機会につなげたいと考えています。
 そして3点目、先週、報道提供でもお伝えさせていただきました、堺市とSOMPOひまわり生命保険株式会社が、女性の活躍推進に関する連携協定を締結しました。その一環として出張セミナーを開催いたします。働く女性の健康課題や就業継続に向けた健康の支援、また、金融リテラシーの向上をテーマとしています。
 企業の皆様、企業の様々な立場の方に働く女性の健康課題への理解が進み、安心して働くことができる職場環境の充実につなげていただきたいと考えています。
 また、資産形成や活用に関する金融知識、こちらも生きるために大変重要なことですので、学んでいただければと考えております。
 企業が新たなサービスや製品、仕組みなどイノベーションを生み出すためには、多様な視点が重要で、とりわけ女性の活躍が欠かすことができません。堺市は民間企業や団体の皆様と連携しながら、女性活躍推進に向けて積極的に行動していますが、今回の公民連携の取組をはじめ、市内企業の皆様に女性がさらに活躍できる環境を整えていただいて、全ての方にとって、堺がより魅力的な都市であるように力を合わせて行動したいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(司会)

 それでは、ただいまから質疑に移ります。挙手の上、社名を告げていただき、ご質問のほうよろしくお願いします。
 それでは、日刊工業新聞社さん、どうぞ。

(日刊工業新聞社)

 すみません。日刊工業新聞の冨井です。
 本日提供された資料にもありますけど、日本政策金融公庫さんと女性活躍推進に係る連携で融資を受けられる。融資に関するお話だと思うんですけど、今までさかい「働コミ」コミCompanyの登録制度で、このようなことは実施していたんでしょうか。こういった日本政策金融公庫さんとその融資を融通するみたいなお話というのは、今までにもあったんでしょうか。

(市長)

 これまで特に日本政策金融公庫様との間で、このような特別な利率で受けられるという制度はなくて、今回が初めてと考えています。

(日刊工業新聞社)

 この狙いといいますか、これを組んだ狙いというのはどういったところにありますか。

(市長)

 やはり市内の企業の皆様、様々な事情がおありかと思いますが、堺市内の企業の皆様が女性活躍推進、意欲があって、また、能力がある女性の方が働きたいと思っていただけるときに、活躍できる場を広げていくことは欠かせないと考えております。
 そのためには、やはり企業の経営者、また、企業そのものの意識と行動も重要と考えておりまして、企業にとっては、やはり特別な利率で融資を受けられるというのが大きなインセンティブにもなりますので、ぜひこの制度を活用しながら、女性活躍推進をさらに広げていきたいと考えています。

(日刊工業新聞社)

 ありがとうございます。

(司会)

 それでは、他にご質問、いかがでしょうか。
 時事通信社さん、どうぞ。

(時事通信社)

 時事通信の及川です。お願いします。
 女性活躍の現状についてのご認識を伺います。基本計画に沿っていろいろ取組されて効果も出てきてるのかと思いますけれども、管理職の比率とか、男女間での賃金格差とか、勤続年数の低さとか、よく今も課題が指摘されますけれども、市長はその女性活躍の課題について、今どういうことがあるとお考えでしょうか。

(市長)

 まず、根本的なところとしては、これまでの日本社会における男性と女性の働き方の差異というのが大きく今も影響していると考えています。
 今年はちょうど昭和の時代から100年というところですが、まだまだ、その昭和型、平成、令和ではなくて、女性は家で家庭を守り、そして男性は働くものという意識というのが完全には抜け切れていないのかなと。そのために、例えば女性が活躍したいと思ったときにも、このポストはこれまで男性が行ってきたからとか、この職種は男性が向いてるからというところで、実際に意欲がある女性が、しかも、その職務を遂行できる女性も活躍しにくい状況にあったかと思います。今、徐々にそういう意識も変わりつつあると思いますが、まだ、そのあたりが女性活躍というところにおいては十分ではないのかなと考えています。
 そして、やはりライフサイクルの中で男性、女性、やはり性差がございます。例えば、結婚して妊娠、出産という状況のときに、就職をしても、例えば妊娠、出産ときにはどうしても仕事を休まなくてはいけないときもあります。そして、一旦職場から離れたときに、また復帰をするときに、じゃあ、元の職が、もしくは、その立場であったり、働く環境が担保されていなかったり、そのブランクによって社会復帰しにくかったりという状況もございます。そのあたりは社会全体としてカバーをしなければいけない。今の制度をきちんと見直さなくてはいけないですし、働く環境にしなくてはいけないと考えています。
 そして、もう一点は、やはり意識的な問題です。例えば、これまでの男性が一家の大黒柱と言われて働いて、女性は家庭を守るという風潮があったところから、例えば女性の中でも、本当は能力も、意欲もすごく高い女性がたくさんいると思うんです。男性よりもむしろ能力が高い女性が多くいらっしゃるにも関わらず、いや、自分はやはりこういうところで活躍するのはどうなのかと。例えば、今回管理職、堺市としても力を入れておりますが、私も直接面談したり、話をするときに、いや、自分にできるかどうか不安です、心配ですと。これまでロールモデルがなかなかいなかったというところがあります。
 ですので、今、局長級でも25%に達しておりますが、実際にやれると、頑張っているというところをロールモデルを示すことによって、堺市としてもその姿勢を示したいと思いますし、市内の企業の皆さんにも、役所が取り組むことによって、自分たちの会社もやってみようと思うことにつながればと考えております。

(時事通信社)

 ありがとうございます。

(司会)

 それでは、他にご質問いかがでしょうか。
 日本経済新聞社さん、どうぞ。

(日本経済新聞社)

 日経の高橋です。
 今の質問に絡めて、まず、比率が上がってるんですけども、本来は、令和8年に30%、多分これ無理だと思うんです。その中で今おっしゃった、今の制度を見直させていかなきゃいけないというところが、具体的にどんなことをおっしゃってるのか。民間企業ですと、逆にその女性が結婚とか、出産とかあるんで、逆に男性より早くチャンスを与えるという民間企業も出てきてると思うんですけども、そこまで踏み込むことを想定してるのかというのが一つと、あともう一つトランプの今日の演説もありましたけども、今後、そのクオータ制について、その逆差別じゃないかみたいな言質が、言論が、結構日本でも出てくると思うんですけれども、改めて永藤さんとして、なぜクオータ制が必要なのかというところをおっしゃっていただければと思います。

(市長)

 おっしゃっていただいたように、今、令和元年の時点では13%台だった管理職、女性管理職の比率が、今、21.5%まで上昇しておりまして、これは政令指定都市の中でも上位ですが、一方で、やはりこれは国も全体的な方向性として30%というところをめざす。堺市もやはりそこを則って目標を掲げておりますが、現実問題として30%は極めて困難だと認識しております。ですので、これは都市間の競争でも堺市も頑張らなくてはならないんですが、政令市の中でもトップに位置するような女性活躍をこれからも進めていきたい、管理職への登用を進めていきたいというのは、一つの内部的な目標としては掲げております。
 そして、そのための仕組み。一つは、係長級試験というのがありまして、昇進をするときに試験を受けて、そしてその試験で合格すれば、実際に職に就くんですが、ただ、そのときに例えば出産を考えている。子育てをする。そういうところでは少し期間的な猶予を設けて、何年か後で実際の昇任を受けるということも可能になるように見直しました。
 ですので、それぞれのライフステージであったり、自分が望むことによって、その働く環境も変えることができる組織の在り方にしています。
 そしてもう一点、なぜこれまで進まなかったのか。私は危機感を覚えたのかというと、これまで概ね、局長級、部長級というのはあんまり変わらなかったんです。この管理職の比率も10%前半で推移していました。管理職にその職を任せようと思えば、やはり、例えばその課長級の下には課長補佐がいて、そして課長に上がるために経験を積まなくてはなりません。それが組織としてなかなか進んでいなかったという状況があります。ですから、今これだけ管理職が増えてきた。局長級が増えてきたというのは、その下の部長級が育ってきた。部長級が増えたということは、その課長級が育ってきたというサイクルもございます。
 ですので、入庁した職員が20代から先のキャリアをめざして、もしくは自分の人生も考えた中で行動をしていくことができる。そして堺市役所としてもきちんと、そのキャリアを、ステップを踏んでもらいながら、将来の課長、部長、局長をめざすような人材を輩出されていると。今、大分土台が整ってきているところです。急に、いきなり30%となると、やはり難しいという現実はありますが、やはり人口の半分を男性と女性が占めているということもありますので、ぜひ、その市民の皆さんの声や、もしくはその意見が反映されるためにも、女性活躍の推進というのは、これからも堺市として進めていきたいと考えています。

(日本経済新聞社)

 クオータ制が必要だってことを改めてお考えがあれば。

(市長)

 今、例えばジェンダーギャップ指数という国際的な指標があるときに、なかなか政治、経済において日本の女性活躍が遅れてるんじゃないかということが報道でも伝わりますし、私も意識しています。
 一方で、このクオータ制というノルマを課すことが果たして望ましいのか、どうなのか。例えば意欲があって自分がやりたいと、そして、もちろんその組織としては、課長級には課長級の責任がありますし、また、それぞれの役職に応じた責任もありますから、きちんと業務を遂行してもらわなければ、この役所の組織は回りませんし、市民の皆さんの生活を支えることもできません。そういう面で今、私も人事にもちろん関わっておりますが、その中ではきちんと男性、女性にかかわらず、きちんとその職種、職務を遂行できる人材を任用して、その役についてもらっています。
 ですので、例えばクオータ制として、令和7年度で30%にするんだということであれば、もちろんその30%を満たすだけの女性職員はいますが、これまでのこのステップであったり、今までの職での経験ということを踏まえて、きちんと役所として市民生活を守るということがありますので、段階的に進めていっているという状況です。
 ですので、今、積極的に進めておりますが、やはり、その職に応じてきちんとその能力も身につけてもらいながら、女性活躍の推進を行っていくということが、今の方向性です。

このページの作成担当

市長公室 広報戦略部 広報課

電話番号:072-228-7402

ファクス:072-228-8101

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所本館5階

このページの作成担当にメールを送る
本文ここまで