堺市長記者会見 令和6年10月29日
更新日:2024年11月8日
市長
よろしくお願いします。
本日、会見でお伝えする項目は2点、1点は堺キッチン、そしてもう一点はオレンジ&パープルリボンキャンペーンです。
sakai kitchen〈堺キッチン〉
会見でいつもお伝えをしています堺市政の運営の大方針であります堺市基本計画2025、この中で重点戦略の施策として、伝統産業のブランド力向上による活性化を掲げて、今取組の強化をこれまで以上にしております。
その中で堺キッチンという取組を行っていまして、堺の上質で優れた伝統の技をより多くの方に知っていただきたいという思いから、「道具を愛することは暮らしを愛すること」をコンセプトとしまして、一昨年にこのブランドを立ち上げております。令和4年2月からということですね。
この堺キッチンの内容ですが、堺の伝統産品である刃物、そして注染・和晒、線香、そしてその魅力を引き立ててともに輝く逸品を認定対象商品として、愛着を持って長く使い続けていただけるアイテムを選定して、商品の付加価値を高める取組を行っております。
これまでの取組としましては、令和3年度に商品開発や既存商品の改良の支援から始まりまして、自社ブランド商品の開発を後押しするようなところまで毎年、改良を重ねて行っております。令和3年度から5年度の3年間で計26商品を認定しまして、様々な機会を通じてプロモーションも行っております。
例えば、東京でのプロモーションの様子、またフランス、梅田の蔦屋書店、ルクアにある場所だと思いますが、そちらでも展示を行ったりしております。また、ウェブサイトでの発信であったり、インフルエンサーの方にご協力をいただきまして、伝統産業に馴染みがない世代の方にもPRを取り組んでおります。
そして、一部の商品につきましては、ふるさと納税の返礼品にも採用しておりまして、人気をいただいております。
これらの取組を踏まえて、今日お伝えするのは今年度の認定商品です。刃物が3点、そして注染・和晒が2点、伝統産品の魅力を引き立てともに輝く逸品が1点、計6点を堺キッチンセレクションに認定しました。
本日は、この商品から2点を説明いたします。1点目は、上段中央の「HADO」とブランド名がついた刃物です。こちらパッケージでの紹介になりますが、こちら見ていただくと、持ち手のところがウォルナットという上質の木材を使用しておりまして、料理好きの方からプロの料理人の方まで幅広くおすすめできます。またパッケージにつきましても、世界各国で活躍するデザイナーの方とのコラボで生まれたもので、おしゃれで親しみやすいデザインとなっております。
今日この会見の場では、刃物ですのでお伝えすることはできないんですが、実際に私も手に取ってみましたが、非常に美しくて、切れ味がいいのはもちろんなんですが、持っているだけでとても魅力的で、料理が楽しくなるということがございます。私も普段料理もするんですが、堺の刃物を使用しておりまして、刃物自体がものすごくシンプルでありながらも見た目も美しい、そして切れ味のよさはもちろんで、とてもよく切れるものですから料理も楽しくできる、そして切れ味がいいということは、素材を傷めずに、素材の味を活かして、本質を活かして食材を調理できるということで、その料理の味も大変おいしいと。ぜひ堺刃物をまだ活用されていない市民の皆さん、堺の刃物は市民の皆さんのほとんどの方がご存じだと思うんですが、実際に堺の刃物を意識して使っているかというと、まだそうでない方もいらっしゃると思いますので、堺の刃物を使ってみていただきたいと思いますし、ぜひ今回、堺キッチンにおいても刃物コレクションを皆さんにお示しをしておりますので、これまでの認定商品等も含めて、ぜひこの機会にご活用いただきたいと思います。
そして2点目は、お香立てですね。「KON-KOU」と名前がつきましたお香立て、2点お示しをさせていただきたいと思います。こちら、この右のものですね、堺の金属加工の技術とデザインを活かしまして、これすごくずっしりと重みがあるお香立てです。こちらは、車の部品の金型を加工するメーカーが新たにお香立ての分野に参入をされて、新しい分野に切り開いていただいております。
そして、これもその一品なんですが、こちらもお香立てですね。実はこれ、それぞれが回るんですよね。なので、1つの造形の中でも、軸を通して回りながら、しかもここにお香が立つという形で、非常に優れたデザインで、なかなか置いたままで写真は撮りにくいと思うんですけど、これまで堺の線香というのは伝統産業で、今も多く製造されているんですが、線香本体に注目をしたものが多くございました。『ゴルゴ13』とコラボした線香であったり、もしくは大河ドラマとコラボレーションしたりということもございました。
今回、この線香の魅力を高める作品につきましては、お香立てとして開発をしていただいて、堺の伝統産業とともに、皆さんに愛用していただきたいという思いがございます。堺の物づくりの力も皆さんに感じていただけるかと思いますので、こちらもぜひ堺のすばらしい線香と一緒に、お香立てを楽しんでいただきたいと思います。
ほかにも、例えばこの注染の扇子、注染というと浴衣であったり、手ぬぐい、また今はハンカチとか、いろいろなところでも活用されておりますが、今回は扇子として注染を使っております。こちらも仰ぐととても涼しく、風もいい感じで体験できますので、ぜひ使ってみていただきたいと思います。
こちらの手ぬぐいも、注染裏表、本当はそのまま注いで染めるという技術ですので裏と表が同じなんですけど、こちらはあえて(ロール捺染の両面染めにより)裏と表を違うデザインにするという技術も行っておりますので、ぜひ皆さん、これまでも愛用していただいている堺の伝統産業、新しい切り口でブランド化を図る取組も皆さんに体験していただきたいと思います。
そして、プロモーションについてです。先ほどもご紹介させていただいたこちら、東京の代官山の蔦屋書店で、11月15日から28日まで展示販売をいたしますし、期間中の土曜日、日曜日には、刃物の事業者の方による実演や、認定事業者からの商品説明も行います。大阪では、12月14日、梅田に新しくオープンしましたKITTE大阪で販売をする予定にしております。
また来年1月からは、堺の伝統産業であったり、堺産品を扱う堺伝匠館の堺キッチン特設コーナーにて販売をいたします。オンラインでも購入いただくことができます。
そして、今後商品の製作過程や作り手を紹介する動画の公開や、大阪・関西万博会場での展示も予定をしております。様々な機会を通じて、堺の上質かつ優れた伝統の技でつくられた品々の魅力を感じていただきたいと思います。
続いて、伝統産業に関するデータを少しお示しさせていただきたいと思います。堺の伝統産品、または堺産品を扱う堺伝匠館、今言及をさせていただきましたが、堺の伝統産業のPR拠点としても活躍をしている場でして、刃物、注染・和晒、線香など伝統産品の販売、また伝統的な技術を体感できる実演、体験イベントなどを行う施設です。
こちらのグラフが堺伝匠館の過去10年間の売上額と来館者数の推移です。これまでも堺伝統産業会館として存在していた施設ではあるんですが、何とか伝統産業を盛り上げたいという思いで愛称も公募いたしまして、堺伝匠館としております。コロナ禍、インバウンドであったり、観光客の方、なかなか外出がしにくいという時期もありまして、落ち込んだ時期もございました。以前は、年間の売上額が1億円ぐらいで推移をしていたんですが、コロナが落ち着き始めて、この額というのも実は昨年度、1億8,200万円強と過去最高を大幅に上回っております。この間、リニューアルしたり、刃物ミュージアムを設けたりしております。多くの方がこの伝匠館をご利用いただいているということです。
特にインバウンドのお客様はまだ元通りとはいきませんが、それでも過去最高を大幅に上回っているのは、特に海外から来られるお客様が、高額の刃物をお買い求めいただく方が増えているとお聞きをしております。今令和5年度までですが、令和6年度に関しても毎月、同月前年比を上回る推移を見せておりまして、令和5年度から比べても1.3倍の伸びと報告を受けております。
堺が誇る伝統産業の魅力を堺伝匠館、そして民間事業者の皆様と連携しながら効果的に発信をして、堺の皆さんはもちろんですが、堺市外の皆さんにも実際に使っていただき、そして魅力を発信してもらうということで、さらなる売上げの拡大につなげたいと。ひいては、堺の魅力発信につなげたいと考えております。
オレンジ&パープルリボンキャンペーン
続きまして、もう一点の案件、オレンジ&パープルリボンキャンペーンに関してです。堺市では、11月1日からの児童虐待防止推進月間と、12日からの女性に対する暴力をなくす運動を合わせて、オレンジ&パープルリボンキャンペーンとして、毎年一体的に啓発を行っております。
今日私が着ているこのオレンジのジャンパーもその一環でして、大阪府では、全ての首長がこのオレンジ色のジャンパーを着て児童虐待の防止を呼びかけております。堺はそこに女性に対する暴力をなくす運動も兼ね合わせまして、オレンジ&パープルのバッチも着用して啓発を行っています。
特にこの期間で広めたい内容、これまでも毎年お伝えしている内容ではありますが、児童虐待に関しては24時間365日つながる児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いち・はや・く)」があります。もしお近くで泣き叫ぶお子さんの声、日常的に聞こえると、これはおかしいぞということがあれば、ためらわずに連絡をしていただきたいと思います。
そしてDVに関しましても、こちらも24時間365日つながる「#8008(はれれば)」があります。配偶者からの暴力に悩んでいる方、またはどこに相談すればいいか分からないという方、遠慮なくご利用いただきたいと思います。
そして、キャンペーンの効果をさらにより高める取組として、日本製鉄堺ブレイザーズと連携して啓発も行います。11月2日、3日、大浜だいしんアリーナで開催されるホームゲームで、コーチやスタッフの方々がキャンペーンのロゴマークが入ったワッペンをつけて、場内アナウンスやチラシにより、来場者の皆様に呼びかけを行っていただきます。
また堺市役所では、本館エントランスでタペストリーの掲出を行ったり、またパネル展示を実施いたします。こちら、堺の名所でもあります旧堺燈台、日本最古の現存する木造洋式燈台もライトアップをいたします。大阪公立大学様にもご協力いただいて、場所をお借りしまして、パネル展を実施する。こちらは学園祭ですね、白鷺祭だと思いますが、パネル展示を行う予定にしております。
児童虐待や女性に対する暴力は、心身に重大な影響を与え、著しく人権を侵害する行為です。それらを許さない社会の実現のために問題意識を広めて、多くの方が重要性を共感していただけるように、堺市としても取組をさらに進めてまいります。
私からは以上です。
質疑応答
(司会)
それでは、ただいまから質疑に移ります。挙手の上、社名を告げていただき、ご質問のほうをよろしくお願いいたします。
ご質問のほうはいかがでしょうか。
(日刊工業新聞社)
日刊工業新聞の冨井です。
堺キッチンに関してお聞きしますが、万博でも展示するというようなお話がありましたけど、これどのような形でPRしていくかというのと、繰り返しになりますけど、万博を通じてどのように海外を含めて展開していくかという、そのビジョンみたいなものをお聞かせいただければと思います。
(市長)
万博においては、今検討しながら、そして先日閉会した堺市議会でも、その催事に関する補正予算が可決をされました。そして、これから事業者とともにどういう打ち出しをしていくかということがありますが、来年に3回、それぞれの期間に応じて、堺市で行うもの、もしくは大阪府と協力しながら行うもの等を予定しております。その中で、堺の産業の魅力を発信するということも予定をしておりまして、その中で伝統産業の魅力もお伝えできればと思っております。今、商工会議所さんでありましたり、また産業振興センターS-Cube、産業支援機関の皆様とも私も直接協議をしておりまして、万博の機会というのは単なる一過性のイベントではなくて、それをめざして堺の事業者の皆さんも関わりを持っていただきたいですし、また万博会場での周知であったり、また万博に来られた方が堺にお越しいただいて、オープンファクトリーの取組であったり、堺の産業を体感していただく、そして万博が終わった後も、万博という経験を生かしながら次につなげていけるような取組を行っていきたいと思っております。
また、今協議している事項もありますので、万博での取組を改めてお示しをさせていただきたいと思います。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
(時事通信社)
時事通信の及川です。よろしくお願いします。
発表案件のことではないんですけれども、首長さんの意見として、27日投開票がされた衆院選のことについて、何点か伺いたいと思います。今回の衆院選は、自民党が大敗して自由民主党、公明党が過半数割れとなりましたけれども、今回の衆院選への受け止めをまず伺いたいと思います。お願いします。
(市長)
今は公務の会見ですので、市長としてという発言でよろしいですかね。今回は、やはり大きな問題となったのが政治と裏金と言われるところだったと思います。今の政権がどうなのかというところを国民の皆さんに判断をしていただくと。その中で、相対的に立憲民主党さんであったり、もしくは国民民主党さんみたいな大幅に議席を伸ばしたところもありますし、なかなか振るわなかったと、厳しい状況にある政党もあると認識をしております。
今回、やはり報道の皆さんも多く取り上げていらっしゃるように、自由民主党、公明党で今の与党が過半数割れをしたというところが非常に重要だと考えています。これまでは、例えば議案であったり予算を通すときに、自民党・公明党さんだけで話を進めることができたのが、これがもう過半数ないということは賛成を得られませんので、その協力関係をこれからどうつくっていくか。一昨日のことで、私も報道を見る限りは、まだ政権側も対応を検討中だと思いますので、首長としてもこれからの国政の状況を見守りたいと思います。
ただ、やはり私が特に国政に求めることは、地方と国との連携を密にしてもらいたいということですね。今も定額減税で引き切れなかった方の給付を堺市が行っていたり、例えば選挙前に、ある政党さんが低所得の方に10万円給付をするということも掲げていらっしゃいましたが、ただそれを国で決めたとしても、実施するのは恐らく自治体なんですよね。ですので、国が決めた、国がそのままマイナンバーカード等を使って、銀行と紐づけをそのままやっていただけるんだったら自治体に負担はかかりませんが、これまで国が実施する施策の多くは、自治体に対して膨大な業務、または負担が発生するものでした。そのあたりも国と日頃から連携体制を密にしながら協力ができていれば、自治体も突発的なことで負担を増さなくても済むと思いますで、そのあたり、今の政権もそうですし、今後、国と地方の連携を重視していただける国政を担っていただきたいと思います。
(時事通信社)
ありがとうございます。あともう一点、首長さんとして伺いたいんですけど、今回、報道各社の出口調査の結果などを見ていると、今ちょっとお話もあったんですが、若年層や無党派層からの国民民主とか令和への支持というのが増えたというのが見受けられると思うんですが、一方で参政党とか日本保守党とか新しいところが存在感を見せるような選挙でもあったと思うんですけど、こうした今までになかった新しい動きについては、市民とかがどういうふうに動いているのかなというふうに受け止めていらっしゃるでしょうか、お願いします。
(市長)
政党側としては、発信したい内容というのはたくさんあると思っています。私たちの政党はこういうことを考えていて、細かい政策、こういうことをしますよとありますが、一方で、例えば堺市民の皆さん、国民の皆さんが思っていらっしゃることは、例えば一言で言うとどういうことがしたいのと、分かりやすく伝えられるような政党、政治家を求めているのかなというふうにも、少し肌感覚として、私が初めて政治家になった2011年と今とは、少し変わってきているのかなという印象を受けています。
さきの東京都知事選挙でも、新人ながら大きな得票数を得た方もいらっしゃいました。そして例えば今回の国民民主党さんの発信でも、分かりやすくそれを伝える。決して若い方に今はやっているようなタイパが私は全ていいとは思いませんが、ただやはり政党、政治家側も、こういうことをしたいんだと分かりやすくシンプルに伝えることが重要かなと思いますので、今回投票率は、ただそうは言っても下がっていますので、分かりやすくシンプルに伝えながら、また投票の重要性をお伝えして、今50%台の投票率を若い方にも行っていただくことによって、60%、70%ということも見えてくるかと思いますので、そのあたりは行政としても工夫をしなくてはいけないかなと思っています。
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