堺市長記者会見 令和6年7月23日
更新日:2024年7月29日
市長
よろしくお願いします。
本日は2件、堺東エリアの市街地整備に向けた基本的な考え方と、堺大魚夜市の開催についてお伝えします。
堺東エリアの市街地整備に向けた基本的な考え方
まず、堺東エリアの市街地整備に向けた基本的な考え方です。
毎回ご紹介させていただいている市政運営の大方針「堺市基本計画2025」です。その中の重点戦略の施策として、「人が集う魅力的な都心エリアの形成と新たな交通システムの確立」ということを掲げて、取組を進めています。
堺市では、昨年5月に南海高野線の連続立体交差、高架化ですね、踏切がなくなって電車が上に上がると、大きな事業を見据えて、堺東駅や堺駅周辺など堺の都心部の将来像を示す「堺都心未来創造ビジョン」を策定いたしまして、その中で堺東エリアの将来像につきましては、商業や行政機能など、今も集積をしておりますが、それらの特性を活かして、多様な目的の人々が集い、広場や道路等の公共空間を活かして交流と滞在を促す、そして歩きたくなるウォーカブルな空間をめざしています。
こちらのパースだったり絵が都心未来創造ビジョンに描かれた内容です。ホームページでも既に公開をしておりますので、ぜひ皆様もご一読いただきたいと思います。
そしてこのビジョンの実現に向けまして、こちらも会見でお伝えさせていただきました、昨年7月に都市開発のノウハウを持つ民間アドバイザーを公募いたしまして、そして10月に東急不動産を代表とするグループに決定しました。
アドバイザーからの助言や提案を参考に検討を重ねまして、今回、堺東駅周辺整備の基本的な考え方として、多様な主体が参画しやすく、実現可能性の高い市街地整備とする方向性を取りまとめました。
具体的な内容についてご説明したいと思います。こちら、ちょっと色分けしていないので見にくいかもしれませんが、こちら堺東駅、今私たちがいるところです。そして、この堺東駅、大小路筋があって、こちらが堺駅、大阪湾が広がっているという感じです。
この堺東駅周辺の地域、約40万平方メートル、区分を分けております。色分けをしているところがそれでして、堺東駅街区、そして堺東駅街区(駅前広場等)、そして大小路筋、そしてフェニーチェ堺周辺、行政街区の西側、そして瓦町公園周辺、そして駅北口ストリートゾーンという8つに区分しています。
堺東駅街区ゾーンについては、様々な目的で来られた方が集う拠点としての機能充実でありましたり、ロータリーなど交通機能のさらなる充実、改善を図ります。
また、商店街ゾーンや、その周辺に位置する堺東駅北口ストリートゾーンと瓦町公園周辺ゾーンでは、商業機能などの導入などによって人の流れをつくり出すことを示しています。
皆様も堺東駅周辺を歩かれることがあると思うんですが、一番人が賑わうのは、やはり中心となる堺東駅、そしてこの商店街の中でも堺東に近いエリアというのは人が多いんですが、そこから西側に行くに従って、人の流れや滞留が少なくなるということが大きな課題です。
このエリア全体の活性化に向けて、まずは駐車場や老朽化した施設などが多い瓦町公園周辺ゾーン、こちらですね、阪神高速がここに通っておりますが、ほど近い瓦町公園周辺ゾーンや、行政街区西側ゾーン、駅北口ストリートゾーン、この3つのゾーンを先行的に整備を進めたいと考えています。
今お示しした3つのゾーンを先行的に取り組むことによりまして、新たな人の流れや賑わいの効果を商店街ゾーンやほかの地域にも波及させて、堺東駅エリア全体のアップデートにつながると考えています。駅を中心として、駅に近い地域、人通りの多いところからその周り、この3つのゾーンの活性化を図ることによって、堺東エリア全体がにぎわうということをめざしております。
先行する3つのゾーンの詳細をお伝えします。
まず、瓦町公園周辺ゾーンです。このゾーンは、「賑わいとまちなかの暮らしが共存する地域交流の場へ」ということをめざしておりまして、瓦町公園や隣接する土地を一体的に整備しまして、堺東駅から商店街を中心に人の流れをつくります。
これは小さく堺東駅と書いてありますが、先ほどの地図で見ると、これが瓦町公園周辺ゾーン、ここに堺東駅がありまして、高島屋さんの入り口がある。信号機があるんですけど、ここからのこの流れ、それほど人通りが多い道路ではありませんが、ここに大きな商業施設等を設けることによって、ここまで流れをつくる、堺東駅から瓦町公園を行き来する流れをつくるという趣旨です。
具体的には、買い物ができる施設でありましたり、カフェなど商業機能、そして人の交流や憩いの広場、また環境先進型の住宅等、多様な都市機能を導入したいと考えています。
次に、行政街区西側ゾーンです。この地域です。大小路に面した阪神高速と交わるところの手前側、これが行政街区の西側ゾーンです。
こちらは、堺のメインストリートである大小路筋に面しているというポテンシャルを最大限に活かした広域的な交流拠点をめざしています。
複数の公共用地を一体的に整備をしまして、商業やサービス、ホテルなどの都市機能の導入やオープンスペースを設けることによって、堺東駅から行政街区西側ゾーンを通って、堺の歴史ある中世の面影が漂う環濠エリア、また堺駅までの大小路をぜひ歩いて行き来をしていただきたいと。そのためにも非常に重要な場所だと考えています。
そして、3つ目の駅北口ストリートゾーンです。こちらは「歩いて楽しいウォーカブルで魅力的なストリート」をめざしています。
こちら駐車場等が今あまり活用がされておらず、所々で活用されているんですが、より土地活用を促すというところからも、一体的に土地を整備することによって、魅力的な店舗が並ぶ歩いて楽しいストリートとして、堺東駅から瓦町公園周辺ゾーンをつなげたいと。
先ほど、瓦町公園を整備することによって堺東駅から人の流れをつくりたいということをお伝えしましたが、まさにその道がこの堺東駅北口ストリートゾーン、単なる道路があるというだけじゃなくて、道路も歩いて楽しい、実際に買い物等、また飲食等をしていただけるような場所にしたいと。今よりもさらに魅力的な場所にしたいと考えています。
そして、今後の進め方についてです。先ほどご紹介しました3つのゾーンは、地権者の方も多くおられまして、地域の方々のご協力が欠かすことができません。勉強会などを開催しまして、皆様のご意向を把握するなど、丁寧に議論を進めたいと考えております。
そして、3つのゾーンの先行的な整備に向けた取組を進めることによって、2030年にはなにわ筋線という空の玄関口と海の玄関口をつなぐような、陸の玄関口をつなぐような大きな事業もありますので、2030年頃には瓦町公園周辺ゾーンで様々な都市機能を導入することをまずはめざしています。
そして、そのほかのゾーンにつきましても、関係者との協議などを通じて検討を進めたいと考えております。
そして、2040年頃を目途としまして、まずは先ほどお伝えした3つのゾーンを先行的な取組による効果を波及をさせて、堺東駅エリア全体、民間からの投資を呼び込む好循環を生み出してビジョンを実現したいと考えております。
今日お示ししたこの基本的な考え方を基としまして、堺東がさらに魅力的なエリアとなるように公民連携で取組を進めてまいります。
堺大魚夜市の開催
続きまして、堺大魚夜市の開催です。
毎年多くの方にご来場いただいている、多くの方、市民の皆様が楽しみにされていらっしゃる堺の夏の風物詩、堺大魚夜市です。鎌倉時代に始まったとされておりまして、700年の歴史があると言われております。
これまでは7月31日を開催としていましたが、今年は7月27日に開催されます。飲食ブースやキッチンカーなどが出店しまして、19時からはメインイベントである魚セリ、こちらが昨年度の様子ですね。大変活気があって、熱気にあふれているという場所です。どなたでも新鮮な魚介類を交渉することで安くしていただけることもございますので、ぜひセリ台で、一般の方も魚セリを楽しんでいただきたいと考えています。
そして、特設ステージにおいては、住吉大社による神事や住吉踊の披露、野外音楽ライブや堺観光コンシェルジュによる観光PRなどを行います。時間は15時から21時半です。
そして、大浜公園の北側にある堺旧港ですね、堺旧港では5年ぶりとなる打ち上げ花火も実施されます。時間は20時20分から30分程度、音楽に合わせた仕掛け花火による多彩な演出が楽しめます。堺旧港での観覧はチケットの購入が必要ですので、堺大魚夜市のホームページでご覧いただきたいと考えております。50メーターぐらいまで打ち上がるというふうに聞いておりますので、恐らく魚セリがあるようなところからでも花火をご覧いただくことができると思いますが、より間近でご覧いただきたいと思います。また、音楽は旧港の中の近いところでないと届くのは難しいと思いますので、ぜひ間近で見たいと思われる方はチケットをご購入いただければと思います。
そして、当日は大魚夜市に関連して様々なイベントが実施されます。大浜だいしんアリーナ、新しい大浜体育館におきましては、堺工科高校の生徒の皆さんによる子供向け工作体験が開催されます。
また、大浜公園内には1850年に発生した安政南海地震に関する石碑がありまして、令和元年には国土地理院の自然災害伝承碑に登録された擁護璽があります。こちらがその擁護璽の表、裏ですね。碑文には、地震と津波の恐ろしさでありましたり、災害への対応の様子が刻まれていまして、当日は危機管理室の職員がPRブースを設けて、擁護璽の紹介やハザードマップの配布などの防災啓発を行います。
最後に、堺大魚夜市と環濠エリアを楽しめるデジタルスタンプラリーについてご紹介します。
当日11時から19時の間で指定された5か所全てを巡っていただくと、打ち上げ花火ペアチケットなどが当たる抽選に参加することができます。
ぜひ堺大魚夜市、私も若いときから楽しみにしておりましたし、多くの皆さん、この堺大魚夜市、これまで7月31日でしたけど、今年は土曜日ということで、より多くの方が参加しやすい日程も設定されておりますので、お越しいただきたいと思いますし、堺市民の皆さん以外でも大歓迎ですので、ぜひこの機会に堺大魚夜市をご覧いただきたいと思いますし、また併せて堺の観光もお楽しみいただき、夏の充実した1日を過ごしていただければと考えております。
私からは以上です。
質疑応答
(司会)
それでは、ただいまから質疑に移ります。挙手の上、社名を告げていただき、ご質問のほうをよろしくお願いします。ご質問ございますでしょうか。
日刊工業新聞さん、どうぞ。
(日刊工業新聞)
日刊工業新聞の冨井です。堺東エリアの整備のことに関して、大体の基本的な方向性というのが今回決まったということですけれども、具体的に例えば早いものでどれぐらいから着工が始まるだとか、あと最終的に全部の整備が何年ぐらいまでに終わるというのを考えているのか、そこら辺のスケジュール感を教えていただけますでしょうか。
(市長)
まず、今回アドバイザーの皆様にご協力をいただきながら、基本的な考え方をお示しをさせていただきました。そしてその中で、まず堺市が保有する公園でもありますが、堺市の瓦町公園を中心とした瓦町公園ゾーンを中心として進めまして、今は2024年ですので、ここから地元の皆さん、地権者の皆さんとも協議をしながら方向性を確定して、事業者の公募等を行うという段取りになるかと思いますが、おおむね2030年頃を目途としまして、まずは先行する瓦町公園ゾーンを整備をしたい。
そしてその後、昨年5月にお示しをしました堺都心未来創造ビジョンは、2040年の堺都心部の将来像を示すものですので、その実現のための考え方ということで、2040年頃、おおむねですが、このときまでに今お示ししたような3つのゾーンを始めて、堺東エリア全体の活性化をめざしたいと考えています。
(日刊工業新聞)
確認ですけど、最終的な完成は2050年までというか、2040年頃に全部完成するということでいいんですかね。
(市長)
2040年としているのは、1つ大きな意味があるのは、堺東駅の連続立体交差なんですね。これが今おおむね2040年頃とされておりまして、そうすると堺東駅自体が上に上がりますので、今踏切がありますが、その空間の活用だったり、駅前広場の更新も含めて大きく変わります。この堺東駅の中心地ですね、今市役所はここです、そして堺東駅ロータリーがありますが、過去の事情もお詳しい方はご存知だと思いますが、かつて再開発の予定があって、しかもそれが中止になってしまったという状況でもあります。今この3つの先行するゾーンには入っておりませんが、商店街、すごく親しみやすくて味のある商店、立ち飲み屋さん街もあるんですが、一方で50年以上、建設から経つような建物も多くありまして、密集していますので、これからの防災の面でも手だてが必要だと。ただ、このエリアも大変地権者が多くて、1つの物件でも土地所有、建物所有、また物件を使ってらっしゃる方が異なるという事例も多々ありますので、ぜひこの2040年、堺東駅が大きく変わるというところを目途としながら、エリア全体を更新させたいと考えています。
一方で、まず着実に進めていくというところから、今堺東駅の手前のところで滞留している多くの方が、そこから西にはなかなかお越しいただけないというところで、瓦町公園の再整備を先行して行いまして、そして、その間も協議を地権者の皆様、また商店街をはじめ関係の皆様と協議をしながら動かすことによって、2040年の実現をめざしたいというところです。
(日刊工業新聞)
すいません、ちょっと整理させてもらっていいですか。最終的には2040年頃なんですけど、先行して行うのは瓦町公園の近くの整備、それは2030年頃までに完了させるという理解でいいですか。
(市長)
はい、そうしたいと考えています。
(日刊工業新聞)
早ければ、そこら辺の着工といいますか整備を、今年公募をかけるとか、そういうイメージでいいんですが。そこから二、三年先に着工が始まるとか、そういうイメージでいいんですが。
(市長)
今、大体具体的なスケジュール感があったら、担当者から説明いたします。
(司会)
担当局、お願いします。
(担当)
担当でございます。瓦町公園のこれからの取組の進め方ということのご質問かと思います。
先ほど申しましたように、地権者等が多くございます。これから今日お示しさせていただいている考え方をもって、地権者の方等に意向確認といいましょうか、機運醸成を図っていく必要がございます。それに時間を要しますので、丁寧な説明を重ねていきたいと考えておりますので、それから手続き等、様々な手法、事業手法等を合意いただいて進めていくという手続を進めていきますが、目標としましては、今申しましたように2030年頃を目途に取り組んでいきたいというふうに考えております。
(日刊工業新聞)
私がお聞きしたのは、その30年のゴールは分かったんですけれども、その間に募集したりだとか着工が始まったりだとか、どれぐらい建設期間がかかるかというのは、大体それぞれマイルストーンがあるのかなと思うんですけど、そこに関してはまだ決まっていない状態なんですか。
(担当)
仰るとおりでして、まずご意向の確認、どのような施設等の建て方、我々の思いもありますが、地権者の方の思いを一にして計画を組み上げていくというところがございますので、そこら辺のマイルストーンというところは、まだ明確にお示しできていないというところでございます。
(日刊工業新聞)
分かりました。ありがとうございます。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
日本経済新聞社さん、どうぞ。
(日本経済新聞)
日経の髙佐でございます。2030年頃ということは、今日刊工さんがお聞きになっていましたけども、バックキャスティングしていけば、今年か来年中には事業者を決めて、二、三年後には設計を決めて着工しないと間に合わないという意味では、かなり厳しいんじゃないのかなというのが日刊工さんの質問の背景にあったんだと思いますけれども、まずは2040年に、堺東駅の乗降者数とかありますけれども、これをどれぐらいにしたいという数字の目標なんでしょうか。
(市長)
最初にお示しをした内容で、堺市基本計画の中で、今これは堺駅を足した数ですが、目標値を定めています。今堺東駅の乗降客数は毎年毎年下がっている状況です。そしてコロナ禍でがくんと低下をして、まだコロナ禍で落ち込んだ分が戻っていないという状況です。ですので、この4万5,000人というのは、減少傾向を食い止めて回復させないといけないということですから、まずはここの回復を見込むというところが始まりだと思います。
(日本経済新聞)
直近の数字で幾つをというのを把握していらっしゃるんでしょうか。
(市長)
2021年度で今3万3,000人ですね。それが今お示しできる中では最新ということですね。(※2022年度で39,326人/日)
(日本経済新聞)
1万人以上落ち込んで、そこから1万2,000人回復するというのは、正直、絵に描いた餅ではないかなと思いますけれども、30年に3万3,000人をかなり戻さないと投資効果が期待できないということがあるんですが、まず瓦町に関して、事業費と言うんですかね、どれぐらいの規模の事業になると、今それもはじいてらっしゃるんでしょうか。
(市長)
施設の内容にもよるかと思いますが、そこもアドバイザーの皆さんと話をしながら、当初の時点では市費で更新をする場合であるとか、民間事業者の皆さんに堺市が土地を貸して行っていただく場合とか、様々なケースがあるかと思いますが、いずれにしましても、その土地を活用して投資をしていただく、そして堺市が何かしら資金的なものを出す、もしくは免除するにしても何年で元を取れるかというところを計算をして実施しますので、きちんと堺市の計画を練った上で進めるということです。
(日本経済新聞)
市有地があるということですか。市有地は売却されるんですか、それとも基本的に市が所有したまま定借で貸すのか、どちらのほうでいくんでしょう。
(市長)
今両方の選択肢があると思いますが、具体的な内容というのは、考えはありますか。
(司会)
それでは、担当局お願いします。
(担当)
担当局でございます。今のご質問、今の3ゾーンで市有地等あるのかというところでございますが、あまり多くはないんですが。
(市長)
瓦町公園の市有地を売却するのか、定期借地で行うのかというところです。
(担当)
それにつきましても、地権者様とこの案をもって。
(日本経済新聞)
地権者というか、市の持っている土地は。
(担当)
失礼しました。ご質問にお答えさせていただきます。このエリアを一体的に整備するとなりますと、我々も1つの地権者といいましょうか、ということになりますので、その手法であれば、地権者として一緒にこれを議論させていただくということなので、これからそれについても議論させていただくということで進めていきます。
(日本経済新聞)
繰り返しますが、具体的なことは何も決まってないし、これから絵を書いていくということなんでしょうが、1点ですね、タイミング的にあまりよくないなと思うのは、これから多分土地の値段は上がっていって、三大都市圏からだんだん広がっていくとなると、土地買収にかかるコストが相当かかってくると。一方で、人口が確実に増えるとは言い難い地域で、それだけの投資をするのかというと、事業性の見通しとしては、今いただいているこの絵だけだと、食べれないお餅かなという印象が強いんですが、市長がこれは実現するんだと、実現できるんだと思われる核心的な部分というのはどこにあるんでしょうか。
(市長)
実際に今回、民間アドバイザーの皆さんを公募で募集をしてアイディアを出してもらったというのは、一定の実現性があるというところです。行政だけが考えてやったんだったらまさに絵に描いた餅になる可能性もありますが、民間事業者の皆さんから「こういうことが今考えられるんじゃないか」とか「こういうところのポテンシャルはある」ということで、今の絵を書いてもらっています。
ただ、これを実現するためには、やはり現実的なフォローをして、例えば物価であったり、土地の価格、そういうところを見据えながらこの整備を進めていきますので、しっかりと協議をしながら行っていきたいと思います。ぜひ実現したいと、私の強い思いもあります。
(日本経済新聞)
一方で、中百舌鳥はいつ実現する予定なんでしたっけ。
(市長)
中百舌鳥の駅前整備も先日お伝えさせていただきましたが、これもまず今の事業の整備ですね、事業者の募集をさせていただきますが、その内容によっても何年かかるというのはありますが、ただ公募をして、その内容が固まりましたら早急に進めてもらいたいと思っています。
(日本経済新聞)
市としては何年、要するに公募をかけるときにいつまでにしてほしいというのを渡されると思うんですけども、いつでもいいからやってくんないという公募はあり得ないと思うので。
(市長)
実際にその時期も含めて公募のときにお示しする形になるかと思っていますが、もちろん早く、例えば2030年の前半とか、思いとしてはあまりにも長過ぎないようにしてもらいたいというのはありますが、やはりこれも事業者さんの公募意欲であったり、実現可能性にもよりますので、しっかりとお話をした中で、現在のところで公募要項を定めたいと思っています。
(日本経済新聞)
そうすると、30年半ばだとした場合には、堺東の再開発と全く時期が重なるわけですよね。そうすると、わずか電車で5分しか離れてないところで、それほど大きな民間投資が必要な再開発をするということは、両方とも成り立つというのは、それは都市が成長している場合のみの話であって、今堺市の勢いといいますか、この間シャープさんがですね、この件も追って質問したいと思いますけれども、500人従業員を早期退職すると。それに伴って、前からお伺いしていますけれども、関連の事業者さん、ディスプレイを生産する上での関連の事業者さんも仕事がなくなっていくだろうと。そこの雇用者というか、従業者の穴埋めをどうしていくのか。今見えてない中で、同じ時期に、わずか5分しか離れていない駅の間で同じような大規模な再開発をするんだというのは、共倒れのリスクのほうがはるかに高いのではないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
(市長)
それは、もちろん共倒れ前提でやるわけではございませんで、事業者の皆さんもそこに採算があるから、そこに投資する価値があるから応募されることになりますから、しっかりとそのあたりを見定めて進めていきたいと思っています。
今、堺の状況、なぜ堺東に関しても整備を行うのかというところは、今まで堺市内の様々な拠点が活かし切れていないと、堺のポテンシャルが発揮できていないというところが大きな課題でした。ですので、先日お伝えした中百舌鳥駅周辺も、そしてこの堺東駅、特に堺東駅は官庁街であって経済の中心、商業の中心でもありますから、今のこの停滞というか、なかなかポテンシャルを発揮できていない状況を何とか打破しなければいけないというところで、今民間業者の皆さんと協力をしながら進めていますので、しっかりと共倒れにならないように、私たちも魅力的なこれからのビジョンも打ち出しながら、共有しながら進めたいと考えています。
(日本経済新聞)
あと堺東に関しては、まず2040年、高野線が高架化されるということは、駅舎が大改築があってしかるべきだろうと。今、高島屋さんは外壁をいろいろお化粧なさっていますけども、建て替えもあるであろうと。それとの連携といいますか、ペデストリアンデッキを走らせるというのもイメージとしてはあってもおかしくないと思うんですが、ここには表れてないんですけども、高野線が高架化されて、堺東駅が刷新されるということは、どこまで盛り込んで今回の計画はしてらっしゃるんでしょうか。
(市長)
もちろん念頭に置いています。堺都心未来創造ビジョンをぜひご覧いただきたいと思いますが、堺東駅周辺の絵姿、それはあくまでイメージのパースですが、お示しをしています。そして堺東駅周辺は、駅であったり、鉄道を走らせている南海電鉄さんの関係もありますので、しっかり協議できる体制は整っていますので、包括連携協定も結んでおりますから、事業者の皆さんと協力をしながら実現可能性を探って、そして効果的な整備をしたいと考えています。
(日本経済新聞)
今回、瓦町を先にやるということは、堺東駅がどうなるのかというのを見据えてというか、見守りながら進めるためにまず瓦町からだという、そういう捉え方でよろしいんでしょうか。
(市長)
今のエリアは並行して進めます。ですから、これから2040年と言っても、そこの工事の完了予定が2040年なんですが、それまでの間に、やはり5年、10年と工事の期間はかかりますから、しかるべき段階においてきちんと計画を立てながら行わなくてはいけません。
もう今、南海さんとも話を様々な場所でさせていただいておりますが、瓦町公園だけをやるというわけではなくて、それぞれの地域において活性化を見据えて、商店街の皆さんともそうですし、話をしながら、まず先行して手掛けるのが瓦町公園ということです。
(日本経済新聞)
南海高野線の高架化と歩調を合わせて全体を活性化していくんだという概念だということですね。
(市長)
仰るとおりです。8つのゾーンがそれぞれ独立していて、ばらばらにならないような、統一感を持ってこのエリアで進めていくということです。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
NHKさん、どうぞ。
(NHK)
NHKの髙橋です。例えばなんですけど、瓦町公園周辺ゾーンの地権者の方というのはどのくらいいらっしゃるんですか。
(市長)
具体的な人数は。
(司会)
担当者、お願いします。
(担当)
担当でございます。約20人ほどの地権者がおられます。
(NHK)
基本的には、その方たちが持っている土地を市が借りるなり買うなりの交渉を進めて、大きな建物を建てましょうよという話をこれからしていくということでいいんですかね。
(市長)
それでは、担当者お願いします。
(担当局)
担当でございます。例えば、事業手法として再開発事業というものがございます。これについては、地権者の方自身が組合等を立ち上げてここをよくしていくという形で、地権者が組合等を立ち上げて取組を進めるという形になりますので、市が買収していくとか、そういった形ではございません。
(NHK)
あと行政街区西側ゾーンで言うと、国の建物だったり、市の建物もありますけど、あと郵便局も、交渉相手が少なくて話を進めやすいのかなと思うんですけど、例えばホテルとおっしゃっていましたけど、国とか郵便局の建物の所有者の人たちも話をしながら、何か大きなホテルとかここにできたらいいなという話なんですかね。
(市長)
実際に民間アドバイザーからの提案では、宿泊機能という提案もありました。そして、仰るとおりこの角のところに郵便局がありますから、このあたりに保有してらっしゃる各機関、団体の皆様とも話を進めながら、ご理解いただくということです。
(NHK)
国とか郵便局との話し合いは今は完全にゼロで、これから進めるということなんですか。
(市長)
このような話は、これまでもゼロではありません。このエリアの活用ということで話もしてきました。ただ、細かい内容まではこの場でお伝えすることはできませんが、活用を考えているということはお伝えはしております。
(NHK)
分かりました。ありがとうございます。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、日本経済新聞社さん、どうぞ。
(日本経済新聞)
すいません、別件でお伺いしたいんですが、先ほどちょっとお伺いしましたけれども、シャープさんが500人希望退職を募るということで、人が減って、今シャープがディスプレイの生産をやめることによる雇用への影響というのは、堺市としてはどういうふうに捉えていらっしゃるんでしょうか。
(市長)
今働いていらっしゃる方、様々な受け皿でありましたり、またシャープさんも他の企業とも話をしながらということも報道等でもお聞きをしておりますが、今働いてらっしゃる方が再就職ということになると違う場所を見つけなくてはならないということですので、シャープとしてもきちんと対応していただきたいというふうに考えております。
(日本経済新聞)
あと、先ほど申し上げたように生産をやめるということによって、いろいろな資材の供給等で影響が出てくる事業者が出てくると思うんですけども、それについては堺市としては、結局あそこが生産をやめることによって、どれぐらい雇用が失われる可能性があるというふうに見てらっしゃるのか、全体でその波及効果も含めてです。
(市長)
堺市内で部品の供給であるとか、その生産というのは大部分を、様々なところということで、これは産業振興局とのお話なんですが、そんな甚大な影響ということではないというふうには認識をしております。
そして今回、ディスプレイパネルの工場も撤退ということですが、新しくデータセンターの話もあります。新しい産業もそこで創出される可能性というのは大いにありますので、今例えば堺商工会議所さん等とも話もしておりますが、ぜひ1つの機会というふうに捉えて、堺で民間の事業者の皆さん、特に中小企業の皆さんが非常に多いので、連携しながら新しい産業というとこでも工夫できないかという話もしています。
(日本経済新聞)
500人の方がシャープで職が失われるというのは、お気の毒である一方、500人のシャープで働いていた人たちが市場に出てくるということで、堺をはじめこの地域の中小企業の方は、人が足りないと、もう少し人がいれば生産拡大できるのにという企業さんが非常に多いというのを私もいろいろ聞いているんですけども、そこへの橋渡しみたいなところで、堺市が一枚間に入って企業の紹介をするとか、そういった働きをするというのは今お考えでしょうか。
(市長)
以前も、シャープさんから例えば要望があったり、受け皿の打診等があれば協力したいということをお伝えしたかと思いますが、改めて、例えば堺市の外郭団体であります産業振興センターであったり、また商工会議所さん、またさかいJOBステーション等でそういうふうな連携ができないかどうか、改めて確認したいと思います。
(日本経済新聞)
分かりました。ありがとうございます。
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