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堺市長記者会見 令和6年6月25日

更新日:2024年7月1日

市長

よろしくお願いします。では早速始めたいと思います。

「百舌鳥・古市古墳群」世界遺産登録5周年について

 本日の案件は今年7月6日で世界遺産登録から5周年を迎える。世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」についてです。
 堺市の市政運営の大方針「堺市基本計画2025」において、重点戦略の施策としまして、世界遺産、百舌鳥・古市古墳群の継承と魅力の創出を掲げまして、この間取組を進めております。
 まず、世界遺産の登録までの経緯を簡単にお伝えしたいと思います。
 世界遺産に登録された古墳の多くは1600年以上、大変長い歴史の中で現代にも受け継がれている貴重な資産です。その間、古墳群を現代にも保全・継承するために、さまざまな多くの方々の思いがございました。
 左の写真は昭和43年のいたすけ古墳の清掃の様子です。写真の上部にはこちら橋が架かっていますが、こちらは宅地開発で住宅を建てるために、古墳の土を取り除くような橋が架けられたところですが、昭和30年代開発行為によって、消滅の危機にさらされたこのいたすけ古墳が、地域の皆様の運動によって守られたという経緯がございます。また当時、古墳から出土した埴輪は、現在、市の文化財保護のシンボルにもなっています。
 このような清掃活動は現代にも受け継がれておりまして、右の写真、こちらは昨年の様子ですが、「仁徳陵をまもり隊」、こちらは仁徳天皇陵古墳の周辺ですが、こちらでも多くの地域の皆様が、清掃活動を実施しておられます。
 そして、この貴重な百舌鳥古墳群を含め、羽曳野市、藤井寺市にまたがる古市古墳群と合わせて、百舌鳥・古市古墳群を次の世代にも確実に引き継ぎたいという思いから、堺市として市民の皆様と連携しながら、世界遺産登録に向けた行動を進めてまいりました。
 平成23年5月には世界文化遺産登録推進本部会議を設置いたしました。こちらは大阪府、堺市、羽曳野市、藤井寺市で構成し、学術的な調査や研究、国内外への情報発信など機運醸成に取り組み、平成30年の1月、国からユネスコに推薦書が提出されました。
 そして、令和元年の7月6日、アゼルバイジャン共和国で開催されたユネスコ世界遺産委員会にて、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されました。私も現地の世界遺産委員会に出席をしておりまして、その登録の瞬間を現場で、現地で体験することができました。市内でも、こちら「フェニーチェ堺」ですが、パブリックビューイングが開催されまして、多分ここに写っています。この写真では見えないですが、私と当時の商工会議所の会頭とが並んで、堺市とオンラインでつなぐことで皆さんと一緒にお祝いをしたということを、今も記憶に残っております。
 ただし、この世界遺産登録が決してゴールというわけではなくて、その価値と魅力をより多くの方に広げることによって、これからも貴重な百舌鳥・古市古墳群、世界遺産を守らなくてはならないということ、改めて認識を強く持ちまして、この間もその思いをもって取組を進めています。
 では、世界遺産登録後の、これまでの取組についてお伝えいたします。
 堺に訪れる皆さんに、世界遺産の価値と魅力を発信する施設として、令和3年3月に百舌鳥古墳群ビジターセンターを開設いたしました。8K映像、8Kの空撮映像、迫力ある映像がご覧いただけるシアター、こちらは空撮映像ですので、古墳群の雄大さと堺の歴史、文化、市街地の中に広がる貴重な古墳群を見ていただくことができます。また、効果的な展示等も行いまして、開設から先月までの間で、約26万人の方が来館されております。
 また、堺市博物館におきましても、古代のコーナーをリニューアルしまして、展示面積を拡大しました。仁徳天皇陵古墳で発見された石棺の再現をはじめとして、馬形埴輪、また古墳の築造方法を解説したパネルなどを分かりやすく展示しておりまして、古墳群に興味を持っていただいた皆様に、より知識と理解を深めていただくことにつながっていると認識しております。
 そして、またさらに多くの方に関心を持ってもらって、興味を持たれた方に、さらに理解を深めていただきたいということで、講座や講演会も開催しております。特別公開におきましては、普段は入れない古墳に登るイベントを開催いたしましたり、多くの古墳を身近に感じるような企画も行って、市民の皆様に広く世界遺産、百舌鳥・古市古墳群を感じていただきたいと取り組んでおります。
 次に、世界遺産登録後の保全に関する取組です。古墳群を次の世代に引き継ぐためには、保全活動も欠かすことができません。こちら2つの古墳の様子が出ておりますが、古墳に生えている高い木や竹が倒れると古墳を傷つける恐れがございます。以前、平成30年だったと思いますが、堺市にも大変大きな台風が上陸、近くを通るということがありまして、そのときには古墳に生えている木が倒れて、古墳を傷つけてしまったということもございます。その意味からも効果的に伐採をする。古墳を傷つける恐れがある樹木等に関しては整備を行うということも行っております。その結果、高い木が整備されることによって、古墳の形が見えやすくなって、近隣や電車の乗客の方々からも古墳があることを認識されて、より理解を広める効果にもつながったと考えています。
 そしてもう一つは水環境の改善です。多くの古墳は濠がございますが、その古墳の濠においては、例えば一部の古墳にて、こちら特定外来生物とありますが、オオバナミズキンバイという繁殖力が強くて、また、排水設備等に影響を及ぼす水草が増えています。これらの古墳の保全を目的として、宮内庁と協力しまして駆除作業も行ってまいりましたが、さらに、これから回数と範囲を広げて光を遮り繁殖力を弱めるシートの設置等強化いたします。また、濠の水の循環も大事な要素と考えております。今年度は御廟山古墳に新たに給水用の井戸を設置いたしまして、循環を促す予定です。これらの除草と水環境を促す取組で、濠の水環境の改善を強化したいと考えております。
 次に、価値と魅力の発信についてです。全国に古墳は約16万基あるとされております。その中で百舌鳥・古市古墳群に登録されているのは45件、49基の古墳群ということで、全国の古墳群を代表して、古墳文化を伝える必要があるというところから発信にも強化して取り組んでおります。堺の古墳だけではなく、全国の古墳と、古墳を有する自治体とも連携しながら、この間、取組を進めてきました。
 毎回、この会見でも皆さんにお伝えしていますが、令和2年度にはおおさか古墳サミット、3年度には関西古墳サミット、4年度には全国古墳サミット、毎年規模、範囲を拡大しまして、そして令和5年度、今年の1月だとまだ記憶に新しいと思いますが、「G7大阪・堺貿易大臣会合」が開催されたことを記念しまして、海外の古墳と百舌鳥・古市古墳群を比較するような、古墳サミットを開催いたしました。
 そして、令和6年度、今年度ですが、世界遺産登録5周年を記念した古墳サミットの準備を進めております。この秋開催予定ですので、また日時等決定しましたら、この会見でお伝えをさせていただきたいと思います。
 続きまして、7月6日、7日、世界遺産登録5周年を記念したイベントを開催いたします。あべのハルカス近鉄本店におきまして、大阪府、堺市、羽曳野市、藤井寺市で構成する世界遺産保存活用会議が実施する記念イベントです。
 この記念イベント大阪市内の百貨店で行うことによって、あまりこれまで古墳に関心がなかった若い方々、また、より幅広い世代の方々にお伝えしたいと、意義や価値を、また魅力を発信できる機会と期待しております。
 ステージや名産品の販売のほか、例えば古墳に詳しいお笑い芸人の「笑い飯」さんでありましたり、NHK番組「おーい!はに丸」の「はに丸」と「ひんべえ」をゲストにお迎えいたします。そしてハニワ部長をはじめ、各自治体のキャラクターも集合して、登録5周年を盛り上げたいと考えております。
 名産品の販売におきましては、古墳グッズの「紙カフェ」さんでありましたり、はにわぷりんを製造している会社、株式会社Pasah様、宝泉菓子舗様、つぼ市製茶本舗さん等にご出店いただく予定にしております。
 また、当日会場では古墳時代の鏡や土器をモチーフとしたパズルや古墳レゴブロックの展示、古代衣装の体験等を行います。
 本物の土器や埴輪に触れるコーナーでありましたり、世界遺産登録に携わった職員の裏話が聞ける座談会もございまして、親子で楽しめるイベントが満載ですので、ぜひ百舌鳥古墳群のさらなる興味、そして気軽に理解をしていただきたいと思いますので、多くの方に訪れていただきたいと思います。
 次に、堺市博物館におきましても企画展を開催いたします。「ハニワ大解剖-埴輪の謎を解き明かせ!-」というテーマで開催いたします。百舌鳥古墳群から出土した埴輪の紹介や、宮内庁をはじめ大阪府立近つ飛鳥博物館など、関係各機関から貴重な資料をお借りして、一堂に展示いたします。
 期間は7月6日、まさに世界遺産登録された日から9月1日まで、そのうちの7月6日、7日は5周年を、世界遺産登録5周年を記念しまして無料でご覧をいただくことができます。
 こちらも小中学生の皆さんが興味を持てるような、楽しみながら学べる展示を予定しております。夏休みの自由研究にもぴったりかと思いますので、多くの方にご来館いただきたいと思います。
 そして最後です。世界遺産に登録される前からというか、1600年以上の歴史がある百舌鳥古墳群ですので、地域の皆様にとっては、また、市民の皆さんにとってもあって馴染みが深い当たり前の光景だと思います。
 ただ一方で、世界遺産委員会でも多くの国の委員の皆様が発言されたように、これだけ都市化が進んだ大阪、また、人口が密集している地域において、古墳群が今も存在するというのは、非常に貴重なことだということです。
 私たちは世界遺産に登録されて5年を迎えましたが、さらに多くの方に、今、この日本、そして大阪堺に現存する古墳群の魅力や価値を多くの方に知っていただいて、私たちの世代だけではなくて、次の世代も、また、その先もこの古墳群をつながなくてはいけないと考えております。
 私も新聞等毎日拝見をしておりますが、皆様の社でも多く古墳の話題を扱っていただいている様子を拝見しまして、とても心強く思っております。さまざまな切り口から古墳を特集していただいておりますので、私たちも、行政としてもしっかりと世界遺産に登録された古墳を、これからも守っていく責任を果たしたいと考えております。
 引き続き市民の皆様、そして市外の皆様にも多く百舌鳥・古市古墳群の魅力と価値を発信できるように努めてまいります。
 私からは以上です。

質疑応答

(司会)

 それでは、ただいまから質疑に移らせていただきます。挙手の上、社名を告げていただき、ご質問のほうをよろしくお願いいたします。
 それではご質問いかがでしょうか。
 日刊工業新聞さん、どうぞ。

(日刊工業新聞)

 日刊工業新聞の冨井です。
 古墳の件で、今、世界遺産になってから5周年ということで、その保全をしないといけない、保全のお話がありましたけれども、そこで今までも保全活動というのは、その5年前、以降、前もやってたと思うんですけども、その世界遺産になってから何か特に課題といいますか、特に世界遺産になってからこういうことが難しいなとか、それは宮内庁の管轄でしたっけ、なのでそういう難しさってのもあると思うんですけど、その保全活動だとか、この取組を続けていく課題みたいなところがあれば教えてください。

(市長)

 まず、世界遺産に登録されたということは、これは地元自治体もそうですが、国を挙げて、この貴重な遺産を守っていくという意思の表れでもあります。ですので、どのように保全するかということも踏まえて、世界遺産委員会に登録を申請しているわけです。
 宮内庁の管轄は主には天皇陵古墳です。天皇陵古墳については、宮内庁と特に連携を密にしながら、近年、これはこれまでももちろん保全活動を行ってきましたが、近年の課題としては、やはり天候等がゲリラ豪雨はじめ、風水害がより多くなっている。一時的な線状降水帯であったり、雨が強くなってくることによって保全、古墳の例えば墳丘、山になっていますので、そういうところの保全が少し難しくなっている。例えば仁徳天皇陵古墳においても、その墳丘が少し崩れかかっているであるとか、そういうところも宮内庁さんと一緒に調査、研究をすると、そういうところが見えてまいります。ですので、これまで1600年守り続けられてきたとしながらも、今、天候というのも、今の地球環境というのは変わりつつありますので、そういうところにも対応しながら、これは堺市だけでできないことも多くございますので、協力しながらこれから守っていくところが必要かと思います。

(日刊工業新聞)

 追加でお聞きしていいですか。何か木を切ったというお話がありましたけれども、お墓といいますか、そういった保全しているものを伐採するとか、手を加えるってことの考え方というのは、それは仕方がないということなのか、それは別に普通にやってもいいということなのか。そこら辺のお考え、考え方はどうでしょうか。

(市長)

 適切に守るために必要だと認識をしていますが、担当局補足があればお願いしたいと思います。

(担当課)

 先ほど市長申し上げたとおり、平成30年、台風21号、世界遺産登録前に台風の被害に遭ったことがございます。そのときに古墳に生えておる木が倒れまして、そして地面の下に本来埋まっている。例えば埴輪であったりとか、古墳の根と一緒に起き上がったりとか、そういう事例が僅かですがございました。そういった古墳を保全するために、古墳を傷めることのないように、自然に生えている木でございますので、それが成長して大きくなっております。また、古墳の周りには住宅もたくさんございます。そういった環境を鑑みまして、古墳を保全するために木を伐採するということは必要だと考えております。

(日刊工業新聞)

 分かりました。ありがとうございます。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 日本経済新聞社さん、どうぞ。

(日本経済新聞社)

 日経の髙佐です。
 今回は世界遺産登録5周年ということで、世界遺産に登録された古墳群を中心に、その所在地というのですか、自治体と組んでやってらっしゃるということなんですが、万博でも当然こういったこと、その堺の古墳に絡めたイベントなり、何なりというのをお考えでしょうか。

(市長)

 万博会場における催しであったり、堺の発信については、今、堺市と堺商工会議所、また観光コンベンション協会等をはじめとする今プロジェクトチームで協議を行っております。ぜひ、堺市の歴史ある。歴史があるから現在、未来があるわけですので、万博会場に来られた方々にも、堺の魅力を広く発信する意味でも、貴重な世界遺産だと認識しておりますので、効果的な周知ができるように努めたいと考えております。

(日本経済新聞)

 泉州、たしか貝塚がインフラ、公共インフラの維持整備で泉州の12市町と連携してるお話をしましたけれども、この古墳も、たしか岬町に淡輪ニサンザイ古墳があるように、この地域古墳が点在しているという意味では堺とか、この世界遺産の対象地域だけではなくて、畿内として泉州地域をこれでもまとめて、こんなところにこんな遺跡があるんだよということを伝えると、それによって今、日刊工業さんもおっしゃってましたけども、その保全という意味で、世界遺産に登録されたから保全するのか。それとも歴史がある日本の、これまでの歴史がある。そして世界にも誇るような巨大古墳、遺跡が残っているから保存すべきなのかという、より広い議論を巻き起こす上でも、これ畿内の、畿内というか、泉州の各市町と、この古墳のアピールということでも万博で連携すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

(市長)

 ありがとうございます。貴重なご意見だと思います。
 そもそもおおさか古墳サミット、関西古墳サミット、全国サミットと、これは堺の世界遺産だけを見れば、私たちの街にはこういう古墳群があるんだということをPRすれば足りるかもしれませんが、そうではなくて、大阪全体にもおっしゃったような広い地域、北から南まで古墳がございますので、きちんと発信をする。また、全国の古墳の、16万基ある古墳、あるとされる古墳の代表としても発信をしたいというところで行ってまいりました。
 今、まだ実際の万博会場における発信方法等は検討しているところですが、ぜひ、その古墳文化の発信というところでは、決して堺だけというよりも、まずはやはり百舌鳥・古市古墳群のうちの、百舌鳥古墳群があるのは堺市ですから、もちろんそこは堺市というところの発信もあるかと思いますが、ぜひ、日本の古墳文化も多くの方に知っていただけるように努めたいと思います。

(日本経済新聞)

 ありがとうございます。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 時事通信さん、どうぞ

(時事通信)

 時事通信の及川です。お願いします。
 発表項目とは少し離れるんですけれども、堺市としては、いろんな古墳や関連施設にもっと外国人観光客も含めて多くの人に来てもらいたいというところだと思うんですけれども、世界遺産を巡っては、姫路城について姫路市が外国人観光客の入場料を高く設定するということを検討しているようです。大阪府でも外国人観光客から徴収金を集めることを議論していますし、飲食店など民間でも二重価格という導入が、動きが出てきています。オーバーツーリズムだったり保全とか、清掃という目的もあるようなんですけれども、この外国人観光客を対象に、別料金を設定する動きについて賛否あるようですけれども、市長はどのようなお考えをお持ちでしょうか。お願いします。

(市長)

 観光に来られる方、外国の方と、国内もしくは住民の方と価格を分ける。もしくは入場料を徴収するということについては、これは日本だけではなくて、おそらく世界の、世界遺産登録されている地域においても実際に行われている取組だと考えています。おっしゃったようなオーバーツーリズムであったり、その資産の保全というところに関しては、やはり多くのお金がかかることが想定されますので、その中で姫路城の価格を変えるということについては一つの判断なのかなと思っています。
 堺市においても、多くの施設は、特に市営の施設に関してはかなり安価な価格で提供しております。堺市博物館だったら今200円(一般区分)です。私も時々訪れていますが見応えがあって勉強になる。参考になるようなものもたくさんございますが、例えば、これは外国の方だけなのか、それとも市外の方なのかというところはありますが、今後、市民の皆様にはやはり郷土の誇りであるとか、地元への関心をさらに高めていただくということから、安価な価格をできるだけ継続しながら、一方で、観光等で来られる方々に関しては、さらにその観光の魅力発信というところでもご協力をいただくために、価格を別に設けるということは今後選択肢としてあり得るのかなと考えています。今、具体的に何をどうするという話では、今のところはまだ決定しておりません。

(時事通信)

 ありがとうございます。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 読売新聞さん、どうぞ。

(読売新聞)

 読売新聞の川口です。
 気球事業の現状について教えていただけたらと思います。

(市長)

 今、事業者の方と堺市の間で協議、調整を続けておりまして、その動向について確認をしていて、その状況も私に報告入ってきております。まだ、今の段階で実施に向けて目処がついたということは確認しておりませんが、鋭意実施に向けて努力されているという状況を確認しておりますので、堺市としても事業者の皆様、今のご意向等をお聞きしながら、そんなPR等一緒にできるところ、また協力できることがあれば努めたいと考えています。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 日本経済新聞社さん、どうぞ。

(日本経済新聞)

 今日のテーマとは外れますけれども、今、堺泉北港でカーボンニュートラルの取組をしていると、各社がいろいろアイデアは出しているんですけども、かなり絵に描いた餅的な部分があるというか、特にCO2を回収してどうするかという部分では、誰がその費用を負担するのかと、炭素税とかってありますけれども、そういう中で、例えばですけども、堺市があの地域で発生したCO2を一旦購入して、そしてそのCO2を利用する業者に対して売却をすると、1回中に入ることによってCO2の流通は図れるような、そんな役割を果たそうという、これは構想でしかないですけれども、国がそういった法制度をつくるのを待つのではなく、条例を立てて予算を割いて、そういうCO2の回収、その先に貯留があるのか、それとも利用があるのか、それは事業者によりますけれども、それを手助けするような、そういう制度的な仲立ちをするお考えはおありでしょうか。

(市長)

 ご指摘のように、今、特に堺のベイエリア、臨海地域において、企業の皆さんが脱炭素に関する取組を積極的に行われております。堺市も地元市ですのでお話聞きながら協議をして、投資条例等を設定して話し合いを、協議しております。
 その中で地元市としてどういうことができるだろうかというところを、私から産業振興局、また所管局にも指示をしておりまして、例えば、今のCO2の話だけではないんですが、例えばSAF、持続可能な航空燃料であるSAFの工場は今建設が進められておりますので、ただ一方で、廃食油の回収に関しては大きな課題があると。では、今の国の法律であるとか、ルールからしてどういうところで堺市と協力できるのかという内部でも確認を進めております。
 今おっしゃったようなCO2の貯蔵であったり、また再利用というところも大きな課題だと認識しておりますので、地元市として可能なことがありましたら、堺市としても2050年カーボンニュートラルということを掲げておりますので、ぜひ、企業の皆さんと協議させていただきながら効果的と考える取組、一歩でも前へ進めるようにしたいと思います。

(日本経済新聞)

 よく市長はこういうことに取り組むときに、そのお金は市から出さずに民間の活力をという話がありますけれども、ある程度何らかの補助金ではなくて、何らかの費用負担をするというのも、こういった施策を後押しする上では非常に重要なことだと思うんですけども、危機宣言を出したこともありますし、そういう意味では前に向けた、そういった財政負担も含めて取り組んでいかれる。これは構想というか、姿勢の話なので具体的に来年度予算の話じゃないんですけれども、お考えはあるのでしょうか。

(市長)

 まず、脱炭素に限ったことではありませんが、歳出に関しては慎重に検討すべきだと考えています。そして、今も例えば、先ほどお伝えした投資促進条例に関しては歳出ということではなくて、税収、税に関する優遇措置等を設けながら、企業の皆さんが投資いただく意欲を持っていただこうとする取組もしております。この補助金であったり、歳出というのは一つの手段だと思っておりますので、企業の皆様がこの堺で活躍がしやすい、さらにチャレンジがしやすいと思ってもらうためにどうしたらいいかということを考えながら、そして特に効果的で、堺市で新しいイノベーションが次々生まれる。また、先進的なチャレンジができるということであれば、決して市からの歳出というものを否定するわけではございませんが、まずは、やはりそれを何のためにやるのかと、どうやってやるのかというところを、きちんとお話し合いをさせていただきたいと思います。

(日本経済新聞)

 ありがとうございます。

(司会)

 それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、ご質問がないようですので、これにて市長記者会見を終了させていただきます。

(市長)

 ありがとうございました。

このページの作成担当

市長公室 広報戦略部 広報課

電話番号:072-228-7402

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