堺市長記者会見 令和6年6月14日
更新日:2024年6月20日
市長
よろしくお願いします。それでは早速始めたいと思います。
議会を終えて
まず、先ほど、本日の午前中に令和6年第2回堺市議会定例会が閉会をしました。今回の議会においては、定額減税調整給付金や住民税非課税世帯等臨時特別給付金などの補正予算をはじめ、提出した議案につきまして、全て可決同意をいただきました。給付金は国の経済対策に関する対応でありまして、堺市としても準備を進め、可能な限り迅速に給付を開始したいと考えております。
フェニーチェ堺 開館5周年を迎えるにあたって
続きまして、案件としまして今年10月に開館から5周年を迎える「フェニーチェ堺」について、令和元年のグランドオープンから現在に至るまでの経過、そして今後についてご紹介します。
前からお伝えをしています市政運営の大方針「堺市基本計画2025」、こちらの重点戦略の施策に「文化芸術の振興」、そして「国際交流の強化」を掲げて積極的に取組を進めています。
こちらがフェニーチェ堺の内部の様子ですが、2,000人の大ホールを持った府内最大規模の優れた音響施設をもつ府内公立文化施設でありまして、これまでは首都圏で中心に行われていましたオペラやバレエ、また海外のオーケストラ・ポップスなどの公演も行われて、全国から堺に来ていただく機会を提供しております。
こちらが、開館から現在までの利用者数と稼働率の推移を示したグラフです。開館した最初の年度につきましては、約3カ月で60公演実施をいたしまして、半年間で約20万人が来場をされました。そしてその後、令和2年以降、コロナの影響が本格化いたしまして、世界的な流行ということもありまして臨時休館、また利用制限を行ったために利用者数そして稼働率はぐっと減って伸び悩む状況が続いていました。令和4年度以降は新型コロナによる利用制限の緩和等によりまして、利用者数・施設稼働率とも回復傾向にありまして、令和5年度については35万人を超える方にご来場いただきました。コロナ禍の影響を大きく受けたものの、感染対策を徹底しながら事業を継続的に行うことによって、市内の文化芸術活動をとめないということに注力をいたしました。
コロナ禍での取組を少しご紹介させていただきたいと思います。まず、発表機会が失われた学生団体の皆様、本来であればコロナがなければ練習であったり発表の機会を持たれていた、それがなくなってしまった市内の学生や文化団体の皆様の活動を応援することを目的として、「堺市文化芸術サポートプロジェクト」を立ち上げて、利用料金の無料や、また半額といたしました。利用者からは活動再開に向けてモチベーションが高まったという声を多くいただいております。また、コロナ禍で減少した文化芸術の舞台の鑑賞機会の提供を目的としまして、「堺市文化芸術鑑賞応援プロジェクト」も立ち上げまして、市民の方を対象に低価格で文化芸術に触れる機会を提供いたしました。
さらにこちら、「Dance Power in フェニーチェ堺」、多くの皆さんが大ホールの舞台の上で集まって写真を撮っておられますが、発表機会がなくなった高校生を対象として、登美丘高校のバブリーダンスの振付師akaneさんと「Dance Power in フェニーチェ堺」を企画しました。大きなステージの上でプロの照明を浴びながら踊った高校生からは、かけがえのない体験をすることができて感動したという声も多くいただいております。
そして開館5年目を迎える今年は、より充実感を味わうことができて、これまでフェニーチェ堺にまだ足を運んでない方を新たにお迎えすることをコンセプトとして様々な事業を予定しています。手短に4点お伝えしたいと思います。
1点目は、名門オーケストラ、ハンガリー・ブダペスト交響楽団の公演です。この公演では、18歳以下の子どもの方々100人を無料で招待をいたします。
そして2点目、マリオネットで有名なチェコ共和国の人形劇です。言葉が分からなくても親子で異文化に触れて楽しむことができる作品です。堺市では、チェコを代表するアールヌーボーの代表的画家、アルフォンス・ミュシャの作品の世界的なコレクションを有しておりまして、JRの堺市駅前にあります堺アルフォンス・ミュシャ館で展示も行っております。また、そのことをきっかけとしまして、在堺チェコ共和国名誉領事館も置かれておりますので、ぜひ今回作品をご覧いただいて、チェコと堺市のつながりを知っていただければと考えております。
3点目は、参加された方と一緒に開館5周年を祝うフェニーチェ堺「第九」コンサートです。市民の皆様などから出演者を募集しまして、市内の文化芸術団体であります大阪交響楽団の演奏で、堺シティオペラから選出していただいたソリストと一緒に合唱する公演です。
そして4点目ですが、こちらは関西初の音楽プロジェクトとしまして、世代やキャリアの垣根を越えて、100人を超えるチェリストがステージ上で一斉に演奏する100チェロ・コンサート「チェロよ、歌え!」です。堺市が内外にフェニーチェ堺の魅力を発信する5周年を締めくくるにふさわしいイベントといたしまして、壮大なサウンドをぜひ劇場でお楽しみいただければと思います。
続いて、フェニーチェ堺に隣接をしておりますレストランのリニューアルオープンについて、ご紹介をいたします。
来月の7月13日ですが、「SACAY TERRACE SALTO(サカイ テラス サルト)」がオープンをします。地産地消を意識した料理やピザ職人が薪窯で焼き上げる本格ナポリピザの提供をコンセプトとしたイタリアンレストランです。
「SACAY TERRACE SALTO(サカイ テラス サルト)」という名前ですが、「堺を照らす」という意味で、「SALTO(サルト)」はイタリア語で飛ぶ、ジャンプの意味をしておりますので、堺を照らして飛躍するという事業者の意気込みが感じられた名前だと考えております。
そして、既に報道でも一部取り上げていただいておりましたが、この出店される株式会社バルニバービさんは、一昨日6月12日に堺旧港に隣接した場所においても、海を眺めながら飲食できる「青いナポリ ウミソバ」というレストランをオープンされております。
今回、事業者の皆様からは、翁橋公園を活用したマルシェの実施をはじめ、フェニーチェ堺だけでなく堺東駅周辺の活性化にも取り組んでいただけることと考えております。ぜひ、フェニーチェ堺にお越しの際は、公演を鑑賞した余韻を「SACAY TERRACE SALTO(サカイ テラス サルト)」で、おいしい料理と一緒に感じていただければと考えております。
最後のページですが、今年開館5周年を迎えるフェニーチェ堺では、先ほどご紹介した公演以外にも魅力的な公演を用意していまして、今後も市民の皆様に質の高い文化芸術を鑑賞していただきたいと思います。また、多くの皆様に実際に鑑賞していただいて、ご自身も文化芸術に携わっていただくことによって、堺の文化芸術のさらなる普及をめざしたいと考えております。ぜひ皆さん、まだフェニーチェ堺をご利用されたことがない方、足を運んでいただければと考えております。
私からは以上です。
質疑応答
(司会)
それでは、ただいまから質疑に移ります。挙手の上、社名を告げていただき、ご質問のほうをよろしくお願いをいたします。
それでは、ご質問いかがでしょうか。
共同通信さん、どうぞ。
(共同通信)
共同通信丹伊田と申します。よろしくお願いします。
フェニーチェ堺についてお伺いします。
最新の令和6年度の稼働率なり利用者数がもし分かりましたら教えていただきたいのと、今年度の見込みの人数とかが分かりましたら、昨年、令和5年を超えそうなのかとか分かりましたらお伺いしたいです。
もう1点、第九のコンサートですけれども、こちらは子どもが対象なのかとか、堺市民であればどなたでもオーディションに参加できるのかなど分かりましたらお願いいたします。
(市長)
まず、フェニーチェ堺の状況です。
令和6年度はまだ始まったばかりですので、今回、令和5年度の情報をお伝えしていますが、フェニーチェ堺も大ホール・小ホールをはじめ様々な会議室等を備えていまして、それによっても稼働率は違いますが、例えば大ホール、一番大きなこの2,000席のホールですが、令和元年度の稼働率は72%でした。そしてコロナが発生した、流行し始めた令和2年度は約45%、そして令和5年度に関しては78.9%まで回復をしております。
一方で、比較的利用率がまだ少ないと思われる文化交流室がありますが、こちらは70%台前半ということでありますので、ぜひ今後も大ホール、またスタジオ等をどんどん活用していただきながら、稼働率がまだ余裕がある文化交流室等も使っていただきたいと考えております。
そして担当者、第九について、詳しい応募の条件等ありましたらお願いします。
(担当課)
文化観光局でございます。
条件といたしましては、練習の機会が複数回設けられておりまして、経験とかは問わないのですが、指定された練習に必ず参加できる方というような条件がございます。あとは基本的には年齢は18歳以上ということで、その2つが参加条件になってございます。
それと別に初級コース・上級コースと分けて、また合唱経験者であるとか第九の経験者であるとか、そうした少し細かな条件もございますので、現在ホームページとかにも掲載されております。チラシもございますので、詳細につきましては後ほどご回答させていただきます。
(共同通信)
ありがとうございます。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
毎日放送さん、どうぞ。
(毎日放送)
MBS山本と申します。
発表案件外で恐れ入ります。堺市のふるさと納税についてお伺いいたします。
一部報道でもありましたが、ふるさと納税における返礼品、シャープの「AQUOS」が将来的になくなると一部報道がありました。こちらは市の全体寄附額の2割以上を担う主力返礼品だと思いますけれども、こちらを失ってしまうことについて、まず市長の受け止めと、あと、この本件が堺市の財政や住民サービスにどのように影響を及ぼすのかについて教えてください。
(市長)
まず、特にこの近年、シャープの液晶テレビについては、ふるさと納税の人気返礼品でありましたので、今は在庫がまだあるということですが、近い将来に返礼品からなくなってしまう可能性があるということについては残念に思っています。
一方で、この堺市のふるさと納税の取組というのは近年強化をしておりまして、私が就任したときは年間で約4,000万円でした。それが今、令和5年度で約15億円強と、30倍以上の大幅な増加となっております。その中の一部がシャープさんの液晶テレビということでした。この間、もともと4,000万円しかなかったところから15億円以上まで伸びていますので、様々な取組をしながら、シャープさんだけではなくて、いろんな企業の皆さんの魅力的な返礼品というものをご協力いただいてきました。ですので堺市としては、この今15.5億円という計算が出てますが、その寄附金を頂いた中でも、まだやはり堺市は市民の皆さん80万人以上おられますので、外に出ていくほうが多いです。ですので、このふるさと納税の制度が続く以上は、やはり、ここで堺市が、そこで大儲けをする、そのためになりふり構わずやるということではなくて、ただやはり税収が減ってしまうというのは財政的にも厳しい状況がありますので、そういう意味では今回のシャープさんの返礼品に関しては残念ではありますけど、まだまだきちんと収支のバランスが取れるぐらいまでは少なくとも注力して行いたいと思いますし、そのことによって多くの日本中の皆さんが堺市の魅力に気づいていただけることにもつながりますので、ふるさと納税頑張りたいと思っています。
(毎日放送)
ありがとうございます。
何かこのことが直接的に住民サービスに大きく影響が及ぼすような懸念はありますでしょうか。
(市長)
市の財政というのは4,000億円以上の規模が一般会計だけでもありまして、その中で総合的に判断しながら施策を行っていますので、特に今回このふるさと納税の1品目というかその一社の影響で、ふるさと納税が厳しくなることによって、市民サービス等に影響はないと考えています。
(毎日放送)
ありがとうございます。
もう1点ですが、今後新たな返礼品を何か用意するとか、あとは今後の戦略について、今の時点で、もし決まっていることがあれば教えてください。
(市長)
この間行ってきたのは、やはり堺の魅力に気づいていただくということが重要かなと思っています。ふるさと納税に関しては、様々メディアの皆さんも報道されているとおり、例えばその返礼品競争であったり、地元産品としてふさわしいのかどうかとか、また総務省の締めつけが少し厳しくなってるんじゃないか、いろんな視点があるかと思っています。堺市としては政令指定都市として、ふるさと納税でどんどん流出をしてしまうということではいけませんが、やはりきちんとしたふるさと納税の取組を行う上で、やはり堺の魅力を発信する。そのためにもシマノさんでありましたりシャープさんであったり、堺の企業の皆さんにも、この間、近年ご協力をいただいて返礼品の選定を行っている。また堺刃物でありましたり食品、また堺キッチンという新しい伝統産業のブランドもありますが、そういうところも今人気商品になっていますので、引き続き企業の皆さんと連携しながら、それを手にしていただくことによって、堺の魅力が多くの方に伝わるような取組をさらに強めたいと思っています。
(毎日放送)
ありがとうございます。
一部、観光地が中心だと思いますが、その地に足を運んでもらって、その場で消費してもらえるようなクーポンなどを返礼品として用意する自治体さんもあると思いますが、そういった体験型だったりクーポンとかに力を入れていくような見通しはありますでしょうか。
(市長)
今、体験型も行っていますし、また旅行のクーポンもいくつかの事業者の皆さんと協力して行っています。一方で、さらにその体験型を増やすことによって、ふるさと納税の寄附をきっかけに堺に足を運んでいただいて、例えば伝統産業であるとか、堺にも本拠地を構えるプロスポーツチームがありますので、そういうところと連携をさせていただきながら、堺にお越しいただいて、また1泊でも2泊でもしていただいて、さらにお金を使ってもらう。そうすると堺の事業者の皆様、また商店の皆様も経済が回りますので、ぜひ今おっしゃっていただいたような体験型を増やしたいと思います。
(毎日放送)
ありがとうございます。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
日本経済新聞社さん、どうぞ。
(日本経済新聞)
日経の髙佐です。
今回の議会の最中に、シャープの堺工場閉鎖ということとともに、データセンターとして建屋を使うという発表がありましたけれども、データセンターに使うということは関連産業の人たちの納入先がなくなるということですし、また工場そのものも従業員が大幅に減るという意味では、堺市にとっては雇用の場が失われる、もしくは関連産業の取引先がなくなるという影響があると思いますが、これについて、どういう施策を取ろうとお考えでしょうか。
(市長)
まず、シャープさんの新たな展開については、私たちも今情報収集をしているところです。そして報道の皆さんの状況、例えば最初はKDDIさんと協議をしている。その後ソフトバンクさんと協議をしているということもありました。そしてその内容というのはまだ不確かだと思っています。ただ、9月にシャープディスプレイプロダクトの工場を閉鎖するということは方針としては決まっているという認識をしております。
今内部においても、例えばどういうふうな影響が生じるのか。例えば市税に関わる問題であるとか、今後の進め方として、どう行うべきなのかというのも内部で取りまとめを行っております。これまで長く液晶パネルの工場として稼働していたところがデータセンターになるという方向性があると思っていますので、そのことによって、例えばこれからもそこに存続をしていただいて、注目される地域になることで堺にとっても大きな効果があると思っていますし、雇用がどれだけ生まれるかというのは、その規模にもよりますし、また今協議をされている事業者の皆さんとの内容にもよると思いますので注視をしたいと思っていますが、ぜひ今回新たな展開、シャープさんにとっても大きなチャレンジだと考えていますので、堺市としても連携を深めながら、堺市内の産業にもいい影響が出るように、私たちも協力しながら進めたいと思います。
(日本経済新聞)
それに関連してですけども、恐らくものづくりをしなくなるということは、いわゆる協力企業からの納入がなくなるということですので、恐らくものの流れは止まるだろうと。それによって職を失う方もいらっしゃるかもしれないですけども、一方で堺をはじめ、この地域の金属加工をはじめとした中小企業の人たちは人材が足りないと、人が欲しいという声もある。そういうところでシャープさんのああいう決断をきっかけに出てくるであろう方たちを、そういう形で職を保障するように行政がある程度マッチングを含めて動く必要があるのではないかと思いますけども、それについてはいかがでしょうか。
(市長)
今シャープさんでも雇用されていた方々の働く先であったり、今後の対応について、中で進められているというお話を聞いております。ですので必要に応じて私たちも協力させていただきたいと思いますし、またもし堺市内で働きたいと求めているという方がいらっしゃったら、堺市が関連する団体、例えば堺商工会議所さんをはじめ様々協力関係がございますので、ご要望に応じて私たちも協力して取り組みたいと思います。
(日本経済新聞)
ありがとうございました。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
読売テレビさん、よろしくお願いします。
(読売テレビ)
読売テレビの的井です。
定額減税の納税通知書のミスの件で質問ですけれども、一部の市民に誤った住民税を通知していたということですが、この件について、市長はどのように受け止められておられますでしょうか。
(市長)
税額の通知というのは極めて重要ですし、堺市に関わる、特に住民税等、その税額に誤りがあると市政の信頼にもつながりますので、あってはならないことだと考えております。今回まずは早急に改善をすると。徴収税額であったり、その返金で、そういうところではないと認識をしておりますが、ただ、今後同じようなことを起こさないために、堺市としても力を尽くしたいと考えています。
(読売テレビ)
今回のミスが起きた理由であったり再発防止について、何かお考えがあれば教えてください。
(市長)
まず理由については、今回一つきっかけとなったのは国の定額減税の変更に伴うことだと認識をしています。ただシステムの変更というのは、様々な面で法改正だったり、その制度が変わることによって生じるものですので、やはり確認を徹底しなくてはならない。今回私も報告を受けている中で、20パターン程度を想定しながら確認を行ったということですが、果たしてそのパターンで本当によかったのだろうか。そして今回システム会社のパッケージソフトを使っているので、そのシステム的な課題というのもあると思いますが、ただやはり導入しているのは堺市ですから、堺市の責任としてもきちんとシステム会社と協議をしながら齟齬がないようにしないと、結局市民の皆様が今回みたいな損害というか負担を、実際に来た通知書(の内容)が間違えているという負担にもつながりますので、堺市としては徹底を図っていきたいと思っています。
(読売テレビ)
ちなみに今回のミスは、今、定額減税によるものということでしたが、定額減税制度によって住民税に関するシステム改修などというのは、かなりややこしいものになっていたのでしょうか。現場の負担とかが、かなり大きかったという認識なのでしょうか。
(市長)
まず、システムに関しては先ほどお伝えしたとおり、事業者の方のパッケージソフトですので、そこは変更に伴う負担というよりも、もちろん確認作業であるとか正確な内容をつくらなくてはいけないというところは重い責任を伴います。一方で、その定額減税に関しては、恐らく今後さらに様々に慎重な対応が求められると考えています。住民税が把握をできて、そしてその後、今回住民税と所得税に関して影響する。さらにそれぞれに減税と給付というパターンがあります。そして民間(事業者)の皆さんにも大きな負担が生じているし、民間の事業者の皆さんが引き切れなかったもの(減税額分)は行政で(調整し)給付をするという仕組みですから、この辺りは大変複雑です。堺市でも、そのために体制を設けています。職員がそこについて行うことになりました。ですので、今回のそのミスというのは堺市として起こしてはならないという強い使命感で臨んでいくということは、確実に行いたいと思っています。今後も慎重に、本当にこれでいいんだろうかと。特に複雑な仕組みですから漏れがないかというところを徹底しなくてはならない、強い意識で臨んでいきたいと思っています。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
読売新聞さん、どうぞ。
(読売新聞)
読売新聞の松本です。
私も案件外なのですが、5月31日に中百舌鳥駅周辺活性化基本方針の発表があったかと思います。改めて、この方針のポイントを市長からお伺いしたいのと、これまでもこの会見の場で中百舌鳥駅にかける思いをお伺いする場面がありましたが、改めてこの場所を活性化する意義、目的をお伺いできますでしょうか。
(市長)
まず一つポイントとしましては、やはり中百舌鳥駅前の活性化、そして中百舌鳥駅前だけではなくて、中百舌鳥の広いエリアに関して、ぜひ都市魅力の向上を図りたいというところで、就任後、様々協議を重ね、私も現地に足を運びながら方針の策定に向けて取り組んできました。
中百舌鳥という地域は、これまで様々副都心計画であったり新都心であったり構想が立ち上がったことがあって、大手デパートの進出が噂された。噂というか、予定された時期もあったかと認識をしています。ただ実らずに今の状況が続いておりますが、一方でOsaka Metoro御堂筋線の終点であって、南海電気鉄道、泉北高速鉄道が乗り入れている。また大阪市内をつなぐ、ときはま線という重要な道路もあります。そしてさらに大阪公立大学中百舌鳥キャンパス、これからも特に理系の中心的な存在として、その役割を発揮する。また堺商工会議所、産業振興センター、S-Cubeはじめ産業支援機関が集まっていると。この立地を活かさない手はないと。逆に言うと今までがもったいなかったということもあります。一朝一夕に進むものではありませんので、私も就任後、特に力を入れて取り組んで、コンソーシアム設立等を行って皆様で協議をして方向性を定めて、今回あくまでも方向性ということなので、出したパースがそのまま実現するわけではもちろんございません。ただし、この中百舌鳥エリア、駅前を含めて、大阪公立大学との連携、また北側の地域、堺商工会議所さんであったりOsaka Metroさんの社屋もありますので、様々な事業者の皆さんと連携しながら、この中百舌鳥エリアの活性化をめざしたいと考えています。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
産経新聞さん、どうぞ。
(産経新聞)
産経新聞の木津です。よろしくお願いいたします。
フェニーチェ堺の件ですけれども、5年前にできるにあたっては、ここにも書かれてありますように、トップレベルの設備ということで非常に費用もかかるという面において、なかなか賛否があったというふうな記憶もしていますけれども、現状、より本音といいますか、よりシビアなところで、うまいことこのフェニーチェ堺が今投資に見合った働きといいますか、活躍をされているのかという点について、もうちょっと頑張ってほしいのか、それとも今でも結構思ったよりはよくやっているのか。そういったつくった当初の議論も踏まえて、少し振り返りのほうをお願いできたらと思います。よろしくお願いいたします。
(市長)
まず、問いに対する答えとしては、もっと頑張らなくてはいけないと思っています。今回このフェニーチェ堺を建設するにあたっては、150億円以上の建設費がかかっております。そして今堺市としては指定管理料として4億5,000万円だったと認識をしていますが、多額の費用を毎年運営に払っています。今回このフェニーチェ堺は今多くの方に利用していただいて、これからも使っていただきたいと。市長として、ぜひこのフェニーチェ堺を盛り上げたいという思いでお伝えをしていますが、ただ、では今の現状でいいのかというと、やはり多額の建設費、これは市民の皆さんの税金も多く含まれておりますので、最大限有効に活用しなくてはならないと。その内容としては、例えば文化芸術、このホールだけでとどまるのではなくて、これは一つこの場で、先ほどの海外の有名なオーケストラであったりオペラの公演等、これまでなかなか難しかったことも行えることによって求心力が高まっているというのはあるかと思います。ただ一部の来場者の方だけではなくて、多くの方にその価値を知っていただきたいし、堺市内の子どもたちにとっても、いつかフェニーチェ堺で公演をしたいと、演奏をしたいと思ってもらえるような憧れるホールにならなくてはいけない。しかも堺だけではなくて南大阪で最大級のホールですから、ぜひ堺市外からも多く活用してもらうことによって、このフェニーチェ堺を盛り上げてもらいたいと思っています。
さらに、このフェニーチェ堺の場所です。以前は旧市民会館の建て替えのときには、場所はどこがいいかという議論もありました。堺東駅の再開発と併せて駅前の場所にするという話もありましたが、経緯があって、これはもう私が就任する前の話ですが、この場所で完成をしたと。少し堺東駅と距離が離れています。もちろん徒歩で行けますが、その間歩いていただくのであれば、ぜひ堺東駅から、このフェニーチェ堺まで、質の高い演奏であったり公演を行いますので、舞台に行くときはやっぱり高揚感であるとかわくわくした気分で行っていただきたいですし、帰りもその余韻に浸って、ぜひ帰路に着いていただきたいというところから、周りの商店街であるとか店舗の皆さん、商店の皆さんと連携しながら、よりこの堺東駅からフェニーチェ堺までの間を盛り上げようじゃないかと。そういうところも今回指定管理者にも私たちから求めているところですので、今回5周年を迎えたというのは一つの区切りではありますが、まだまだ頑張らなくてはいけないという強い思いで臨みたいと考えています。
(産経新聞)
ありがとうございます。
(司会)
それでは、ほかにご質問いかがでしょうか。
日本経済新聞社さん、どうぞ。
(日本経済新聞)
日経の髙佐です。
今日はメインのテーマはフェニーチェで、今、読売さんの質問では中百舌鳥の活性化もするんだと。堺の中心をどうするんだといって、この80万都市に3つの拠点を抱えてどうしようかとなっているのが堺市の状況だとすると、ちょっと焦点がぼやけているのではないかなと。特に中百舌鳥に関しては、来年度2025年度には南海電鉄が泉北高速鉄道を吸収合併するということは、なおのこと中百舌鳥駅は南海にとっては通過駅になるんじゃないかと。今、泉北高速は各駅停車を中百舌鳥で停めてますけれども、停める必要がなくなるということですから、中百舌鳥に力を入れる意味合いというのが、南海さんとどういうふうに話をしてらっしゃるのかなという点と、フェニーチェに力を入れるのであれば堺東の駅前もどうにかして、あそこに人の流れをつくるような、そういう対策も必要じゃないかと思いますけれども、その話はまだ出てきてないと。それから環濠エリアを活性化するんだという話は前から伺ってますけれども、ちょっと焦点が絞りにくいというか、欲張り過ぎてるような気がするのですけども、市長としては、この3点、中百舌鳥・堺東・堺の中で、まずどこに力を入れなければいけないとお考えでしょうか。特に堺東に関しては、2040年に高架化しますし、そういう点では中百舌鳥か堺東かという選択か、南海高野線の沿線ということで出てくるかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
(市長)
まず、焦点は絞れています。ぶれていることはありません。2020年に発表した「堺グランドデザイン2040」を見ていただいてますか。そのときに、その内容として、堺市がこれまでなかなか活かし切れてなかった拠点、ポイントを職員と一緒に案を練って協議をしながら、これからの方向性を定めました。それに伴って、今この堺というのは拠点3つだけじゃないんです。今進めているところは、例えば深井駅、水賀池周辺であったり、また堺のベイエリアであったり、泉北ニュータウン地域であったり、様々なところで今プロジェクトを同時進行しています。これは決して焦点がぼやけるということではなくて、今まで活かし切れてなかったところを活かすというのは喫緊の課題だと思っています。まさにこの堺の浮沈がかかっていると。なので、どこが先だと、どこをやるんだということではなくて、活かし切れてなかったところを同時に進めている。その中には、もう全てこの堺市の本庁がやるのではなくて、区役所が中心となって進めている部分もありますので、様々な職員の力、また堺市の力、事業者の皆さんももちろん多大なご協力をいただきながら進めることによって、この堺が浮上しなくてはならないと強い使命感と思いを持って、今取り組んでおります。
そして、この堺東周辺についても、昨年5月に「堺都心未来創造ビジョン」を策定しています。様々グランドデザインというのは、こういう方向性で行こうということをお示ししましたが、それを今度はビジョンであったり方針という形に落とし込んで、その間にも様々協議をさせていただいております。今回の先ほどご質問いただいた中百舌鳥駅周辺に関しても同様です。そして、堺市だけがやるんだと言ってもできませんので、この間、私自身も先頭に立ちながら、事業者の皆さんと協議を重ねています。南海電気鉄道さんに関しましても包括連携協定を締結いたしまして、中百舌鳥についても今年度からコンソーシアムに南海電気鉄道さんも加わっていただいております。事業者の皆さんと強力に連携しながら、今堺の埋もれた魅力・可能性を引き出すという取組を全庁一丸となって行っておりますので、ぜひこれからも注目をしていただきたいと思います。
このページの作成担当
