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堺市長記者会見 令和4年10月25日

更新日:2022年10月31日

市長

 よろしくお願いします。
 本日お伝えする内容は、新型コロナウイルス感染症とワクチン接種について、そして堺市農業祭の開催、こちらは地産地消の推進も併せてお伝えさせていただきます。

新型コロナウイルス感染症

 まず、毎週お伝えをしている、この1カ月のカレンダーです。前週同曜日比を表しておりまして、前週の同じ曜日よりも多い日がオレンジ、少ない日が白。
 このもう1カ月間丸々、全数届出の見直しが行われた後になっていますので、おおむね比較できる数字になっているかと思います。この数字を見ると、ほぼこの1カ月間、同じような傾向をたどっている。日によっては上がったり下がったり、増えたり減ったりということはありますが、おおむね同じような推移を示しているのではないかと考えています。
 半年間の新規陽性者数の推移です。第7波のピークがこちらで、第6波はこの辺にあったんですが、長い間、一日平均の市民の方の陽性者が200~300人という日が続いておりました。
 そして、今またここで300人ぐらいと、200~300人ということですので、また波の谷間の時期に入っているのかなと考えております。
 堺独自の指標としてお伝えしている、堺シグナル・モニタリングについて。こちら、先週の数字とほぼ変わりはありません。人口10万人あたりとして見たときの大阪府全体と堺市を比較すると、堺市のほうが少し、1割強多くなっておりますが、傾向としては変わりません。
 また、直近1週間の新規陽性者の年齢構成の割合も、ほぼ変わりはないという状況です。大きな変化は見られません。
 陽性率、オレンジの折れ線グラフです。こちらは、昨日時点、1週間平均で24%となっています。
 重症者の方、今、堺市民の方で重症の方はおられません。そして入院の方、こちらもぐぐっと下がってから、今、少ない状況が続いておりますが、今も入院されている方が多くいらっしゃいますので、早期の快復をお祈りしております。
 今このように、上がったり下がったりを繰り返している状況ではありますが、行事やイベント、3年ぶりに開催をされておりまして、10月15日、16日の堺まつり、そしてこの週末に中区区民フェスタっていうのが、区の行事なんですが、私自身もお伺いをしましたが、ものすごい多くの人でにぎわっていました。
 マスクを皆さんつけていらっしゃって、基本的な感染対策を徹底されている様子は見受けられましたが、やはり人が多くなる、そうするとその前後で食事だったり、お話をする機会も多いかと思います。
 また、10月後半に入っていますが、11月にかけても多くイベント、行事が開催されますので、引き続き基本的な感染対策に気をつけていただいて、安全に過ごしていただきたいと思います。
 堺市としても感染状況を注視しながら、もし大きな変化があったときには、迅速に臨機応変に行動をしてまいります。
 続いてワクチン接種についてです。既に今は、データとしては3回目、4回目という数字を出しておりますが、初回接種と言われる1、2回目を終えられた方は、もう今、皆さんオミクロン株対応のワクチンを接種していただけます。
 ですので、まだパーセンテージは少ない状況ですが、これからこのオミクロン株対応ワクチンを接種された方が増えてくるものと考えております。
 今のところ、市内の集団接種会場は予約にまだ空きがある状況です。埋まって受けられないということはございませんので、オミクロン株対応ワクチン、ぜひ対象の方、早く受けていただいて、この先インフルエンザとの同時流行も懸念をされておりますので、ぜひご自身の安全、そしてご家族の方の安全も守っていただきたいと思います。
 そんな中、国の方針に変更がありました。これまで接種間隔は前回接種から5カ月以上と定められておりましたが、国の予防接種ワクチン分科会において、接種間隔の短縮が了承されて、10月21日、もう始まっております、から3回目接種以降は3カ月に短縮すると通知がありました。
 今の時点で12歳以上の方、3回目接種される方は、3カ月以上経過をすれば接種可能となります。
 そしてもう一つ、新たなお知らせとしては乳幼児の方へのワクチン接種を開始いたします。こちらは、今までワクチン接種は5歳以上ということになっておりましたが、新たに生後6カ月から4歳の方に対してワクチン接種を実施いたします。
 接種券につきましては、対象となる方に今月末、10月31日に発送をいたします。ファイザー社製のワクチンを使用し、合計で3回の接種を行います。
 初回を受けていただいた後、3週間後に2回目の接種、そして2回目から8週間後に3回目の接種を受けていただきます。
 現時点でこのワクチン接種、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種につきましては、特例臨時接種とされておりまして、実施期間が来年、令和5年の3月31日までとなっております。接種完了に必要な期間が11週間ということを踏まえますと、期間内に3回目接種を受けていただくためには、1回目接種は遅くとも来年1月15日までに接種を受ける必要がございますので、ぜひワクチン接種を希望される方、お早めの接種をご検討いただきたいと思います。
 接種場所につきましては、個別接種会場として医療機関20か所、そして集団接種会場も設けております。それぞれ日程も記載のとおりとなっておりまして、接種開始は、個別接種会場の場合は11月9日以降順次、そして集団接種会場は11月14日からとなっております。
 そして、これまで実施してきている小児用又は12歳以上の方へのワクチン接種ですが、1、2回目の接種につきましても、現在も引き続き実施をしておりますので、まだ接種をされていない、もしくは新たに接種対象となった方はお早めに接種をご検討いただきたいと思います。

堺市農業祭の開催

 続きまして、堺市農業祭の開催についてお伝えをいたします。
 毎回お伝えをしていますこの堺市基本計画2025、市政運営の大方針であります。この計画の中で、地産地消の推進を掲げております。
 そして、その指標、KPIとしまして、市内で採れた食材を食べていると答えた人の割合を、2019年度43%弱から、目標最終年度であります2025年度には55%まで引き上げたいと考えています。
 堺市の農業産出額、意外に思われる方もおられますが、実は大阪府内の市町村で第1位です。産出額、そして畜産においても1位ということで。ただ、この事実は堺市民でも実は知らない方も多くいらっしゃると思っています。私も堺区選出の府議会議員を務めておりましたが、大阪府の中で農業のことを調べると1位と出てくるんですが、市民の皆様が普段から、自分たちは農業がすごく活発なんだという認識で生活をしていらっしゃることはあまりないのかなと。
 ただ、採れた野菜をご自身で消費されている方も多くいらっしゃいますので、おそらく南区であったり、農業が盛んな地域においてはそういう認識はあるのかなと。
 これからはやはり地産地消、自らの地域で採れたものを自らの地域で消費していただくということが重要でありまして、それは堺に対する思いであったり、誇りを向上させること。また、脱炭素、カーボンニュートラルという面でも、移動の手間であったりコスト、あとは排気ガスであったり、そのような移動に関するさまざまな悪影響を防ぐことができますので、私たちとしても、今この農業に関しては地産地消、堺の農産物を積極的にアピールして、そして消費をしていただきたいという行動を進めております。
 そして堺市におきまして、農業に関する最も大きな行事が堺市農業祭です。堺三大まつりと言われる祭りがございまして、1つは10月10日に行われます堺市民オリンピック。そして10月16日、第3週の日曜日、その前日も前夜祭で行っておりますが、堺まつり。そして11月23日、勤労感謝の日に、JA堺市と堺市農業委員会との共同で行っているこの農業祭が堺三大まつりです。
 この三大まつり、新型コロナの影響で、昨年、一昨年と中止になっておりましたが、今年は3年ぶりに3つともそろって開催されます。
 この堺市農業祭については、秋の収穫を祝って、堺市の農業をより一層広く知っていただくために行っております。今回は、百舌鳥古墳群に近い大仙公園が会場ということもありまして、食に加えて歴史や文化も感じていただきたいという思いで、今回のテーマを「世界遺産で"めぐみ"をいただく」、堺のめぐみというブランドを堺市で設けていますので、「世界遺産で"めぐみ"をいただく」というテーマを設けております。
 ポスターとしましては、最近よくゴルゴ13が堺市のPRには出てまいりますが、堺にも深いご縁があるさいとう・たかをさん、お亡くなりになりましたが、さいとう・プロダクションの皆様とは今もお話をずっと続けておりまして、そして協力もいただいております。こちらも、さいとう・プロダクション様にご協力をいただいて、このようなインパクトのあるポスターを作成しております。
 農業祭の内容についてです。今回は、今までは1つの会場で、ここのとれとれ市を中心として、この辺りで開催をしていたんですが、今回は感染対策ということも含めまして、3会場で実施をいたします。
 JRの百舌鳥駅前に収塚会場、収塚古墳というのがここにありますが、収塚会場。そして、仁徳天皇陵古墳の近くにKITCHEN会場を設けております。また、このとれとれ会場を合わせまして、こちらでは農産物等の展示即売会を開催いたします。
 これらの会場を分散することによりまして、感染対策という面はもちろんですが、農業祭以外の目的でこのエリアを通りかかった人にも、堺の農産物に触れていただいたり、関心を持っていただいて、いろいろとこの大仙公園を周遊していただく機会につながるかと考えております。
 堺のめぐみを販売したり、またこれは堺市役所前でゴルゴBar、今回も堺まつりの期間も含めて開催しましたが、こちらも堺の農産物を使ったメニューが出品されると聞いております。
 また、キッチンカーも出店いたしますので、ぜひ実際に食して、訪れて、堺の魅力を感じていただきたいと考えております。
 そして最後です。この期間、農業祭の当日までの間、11月1日から農業祭の当日までの間、スタンプラリーを開催したいと考えております。農業祭に向けまして、市内や公園内の施設、そして当日の農業祭の周遊を促す目的で開催をいたします。
 周遊スポット、続々と、設定をしておりますが、大仙公園内の堺市博物館や百舌鳥古墳群ビジターセンター、また周辺の施設、そして周辺外としては伝統産業会館、愛称として堺伝匠館を名づけておりますが、こちらがもう予定をしております。また施設は随時追加されますので、ホームページでご紹介させていただきます。
 そして、周遊していただいて、スポットを3か所以上めぐっていただくと、先着300人の方に堺のめぐみをプレゼントするという企画です。
 なかなか堺市に住んでいても、堺の農業に触れる機会が少ない方々にも、農業祭やスタンプラリーを通じて、堺産の農産物、堺のめぐみの、魅力に気づいていただきまして、新たなファンになってもらえたらと考えております。私からは以上です。

質疑応答

(司会)

 それでは、ただいまから質疑に移ります。
 挙手の上、社名を告げていただきまして、ご質問のほうをよろしくお願いいたします。
 ご質問いかがでしょうか。

(日本経済新聞)

 明日、株式会社クボタがグローバル技術研究所の開所式を開きます。
 巨大な施設でして、堺市の雇用も多数生んでいくものと思うんですけれども、地域経済への影響についてご期待をお聞かせいただけますでしょうか。

(市長)

 私も明日開所式典、お伺いをする予定にしておりますが、堺市にとって大変重要な今回の拠点の開設だと考えております。
 今おっしゃられた雇用という面ももちろんですが、この施設は農業用機器等に関して先端技術をどんどん取り入れる研究をしていくという施設です。その中にはICTであったり、IoTの活用ということもありますので、こちら堺で、クボタ様が新しい技術を研究して、また世の中に生み出していくということに対して、堺市としても大きな期待をしております。基本計画の中でも、堺のめざす都市像として「未来を創るイノベーティブ都市」を掲げていますので、この堺からいろんな企業が挑戦をしていただいて、共に成長できる機会だと考えておりますので、ぜひいろいろと情報共有をしながら、クボタ様にもご活躍いただきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 ありがとうございます。もう1点お願いいたします。
 工場に勤務される方が堺市内に居住されるということもかなりあるというふうに伺っているんですけれども、例えばほかの地域に会社内で異動してしまったりだとか、あとは子育てを機に転居してしまうっていうこともあると思うんですね。
 今後、せっかく工場で勤務してくださった方の定住の促進についての現状の課題についてのご認識と、例えば今後何かその施策とか打ち出されるお考えございましたら、教えていただけますでしょうか。

(市長)

 今回の工場であったり、研究施設の開設に伴って、堺に移ってこられることは大歓迎です。
 堺市も人口82万人弱の都市ですので、さまざま住居であったり、集合住宅であったりございます。その中で、おそらく企業でさまざま福利厚生等もあって、ご紹介されるものと考えていますが、堺市にとっても今、人口の社会減が続いている状況ですので、ここは企業の皆様、特定の企業ということではなくて、堺にどうやったら移り住んでいただけるか、もしくは堺に住んでいる方々が、堺から違うところに出ていってしまうということを極力防ぐための施策を実施したいと考えておりまして、このことは来年度の予算編成方針にも、先日お伝えしましたが、記載をしております。
 ですから、また明日、クボタ様と私自身もお話をする機会がございますので、例えば、クボタ様というと大企業ですので、おそらくそういうところも充実されておられるのかなと思うんですが、もし困っておられることがありましたら、お話をお聞きして、堺市はどういうことができるか考えたいと思います。

(日本経済新聞)

 分かりました。ありがとうございます。

(司会)

 ほかにご質問いかがでしょうか。

(日本経済新聞)

 今の質問についてですけども、かつて堺の場合は、シャープが来たときに同じような期待をされたと思うんですが、必ずしも期待どおりにはいかなかったというのが今の現状だと思うんですけれども、今回クボタが来て、こういう可能性を開いてくれたと。
 シャープの失敗からどうやって、特に定住してもらうためにどんな施策が必要なのか。
 シャープでは何を失敗したと、今分析してらっしゃいますか。

(市長)

 シャープさんが、当初堺市が見込んでいた想定と若干ずれがあったということは認識をしています。
 ですが、私はシャープさんが堺市にお越しいただいたということは決して失敗ではないと考えています。今もさまざま挑戦をしていらっしゃいますし、またふるさと納税等でも大変ご協力をいただきながら、堺市と共に連携して進めております。
 企業の活動につきましては、やはり世の中の景気の流れであったり、状況の変化によってさまざま変化があると思われます。実際にシャープさんは大規模な工場を建設されて、本社もそこに移されてご活躍をいただいておりまして、もちろん当初の見込みとは違うところがあったかもしれませんが、ただ、これからも堺市で活躍していただけるものと期待をしております。
 併せて、今どんどん堺市に企業誘致を進めておりますので、今回のクボタさんの新たな拠点でありましたり、堺市でご活躍いただく企業、こちらについては、堺市と企業の皆さんとのサウンディングであったり、ヒアリングをしながら、どういう仕組みがあればよいかということを協議しながら、今の時代に合ったような、例えば投資促進条例でありましたり、優遇も行っております。その優遇というのはもちろん、雇用を生み出したり、結果的には大きな税収効果を生み出す、もしくはクボタ様のようにイノベーションを生み出していただいて、堺のブランド発信にもつながると考えておりますので、堺の成長のためにも、企業の皆さんと連携しながら進めていきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 それに関して、かつて東西交通でライトレールを引くという構想の中に、あそこまでレールを引っ張っていって、通勤の利便性を高めようという大きな絵があったように思うんですが、今回、市長が出してらっしゃるのは、あくまでも堺東と堺の間で、あそこまでの通勤に関してはあまりカバーをしていらっしゃらないと。多くの方があそこに住まれると、どうしても堺駅の混雑というのが出てくるとは思うんですけども、これについては今どういうふうにお考えでしょう。

(市長)

 以前のLRTの計画、もうついえてしまいましたが、当時も堺駅と堺東間をまず着手するという計画でした。そして、堺駅から堺浜まで、確かにそういうプランもあったと思いますが、ただ工事はかなり困難を極める、26号線を通るということもありますが、ですので、それが実際に実現できたかどうかというのは、堺、堺東からのLRTが開通したとしても私は不透明だったと考えています。
 今回、今SMIプロジェクト都心ラインを考えていますが、堺駅から堺浜まで引こうとなると、かなりこれが、例えばBRTだったり、もしくは自動運転という都心ラインの方法を採用させても難航するんじゃないかなと考えておりまして。とすると、今、堺駅と七道の駅の間には南海本線が通っていますので、その区間までも路線を引くというよりも、例えば七道駅から堺浜までの間にそういう交通ができないかどうか。これは行政がやるのかどうかというところはありますが、今の時点では、堺駅からのバス等で、流通だったり、工場の方が通勤されていらっしゃいますので、これからどんどん増えてくるということに関しては、じゃあどういうふうにその通勤手段を持たせていくのか、カバーしていくのかということが必要かと思っています。
 一方で、堺浜は、この堺浜の埋立てに関してもこれまで紆余曲折があって、今はシャープさんが入っていただいて、そしてサッカーのナショナルトレーニングセンターが設置されてということがあります。
 私はよりにぎわうような施設、場所にしたいと思っています。これは大阪府、大阪市とも共同で行っています広域のベイエリア、まちづくりということにも関わりまして、ビーチも実は人工のビーチですが、自然ふれあいビーチというものがありまして、ぜひ企業の皆様には活躍していただきながら、一方で、スポーツであったり、自然に親しんでいただく。そういうところで人がそこに集うと、必然的にそこに行くまでの何らかの交通手段というのが必要になりますから、全体として考えていきたいと思っています。

(日本経済新聞)

 ありがとうございます。

(司会)

 ほかにご質問いかがでしょうか。

(時事通信)

 細かい点なんですけれども、乳幼児のワクチン接種について、生後6カ月から4歳の全市民とあるんですけれども、対象何人程度なのかと、集団接種会場1か所っていうのは、乳幼児用に新たに設置されるものなのか、それとも既存のものを使われるのか、お願いします。

(市長)

 まず、対象者は約2万8,000人と予定をしています。
 そして集団接種会場の医療機関は今使っていただいているところ、実施されているところですね。
 補足があればお願いします。

(担当)

 担当です。集団接種会場につきましては、現在接種を行っていただいている医療機関でお願いするということになっております。以上です。

(市長)

 ただ、私自身も今2カ月ちょっとの子どもがいますが、おそらく皆さん、かかりつけの小児科医さんを持っていらっしゃる方が多いと思います。
 今回、その20か所という限られたところではありますが、個別接種会場を多く設けて、集団接種会場は1か所しか持っていないというのは、やはり普段から小児担当で、専門で行っていらっしゃる個別接種会場を利用していただきたい。これは堺市のワクチン接種全体の方向性でもありますが、やはり地域の個別接種会場で受けていただきたいという思いがございますので。今こういう形にしておりますが、またこれからどんどん例えば増えてくる、状況が変わるようであれば、医療機関の皆さんともご相談させていただきたいと考えています。

(司会)

 ご質問いかがですか。

(毎日新聞)

 児童自立支援施設に関する住民監査請求が出ていると思うんですけれども、これについてどう受け止めていらっしゃるか、お聞きしてもいいでしょうか。

(市長)

 2019年のことでして、私が就任した後にこれまでの市の方針を変えたということです。
 これ自身はやはり、もともと児童自立支援施設を望まれていた方がいらっしゃるということを私も理解をします。ですので、その方たちがやはりどうしても諦め切れないということもあって、今回そのような住民監査請求を出されたのかなと考えています。
 ただ一方で、堺市としては、今、大阪府の施設がございます。そちらを堺市として利用させていただいている状況ですが、この府の施設というのは全国的に見てもすばらしい施設です。それぞれの寮に寮長、寮母さんがいらっしゃって、家族の雰囲気で過ごすことができる。またノウハウも蓄積をされていて、大変優秀な施設、私もお伺いをしました。
 一方で、就任後に担当者から話を聞くと、一からこれをつくるということは大変な困難が伴うと。職員の育成を一から行うということもありますし、寮長、寮母というのはご夫婦ですので、ご夫婦でそこに関わっていただかなければいけない。修徳学院、大阪府の施設の場合は、それを全ての寮で行っていらっしゃるんです。ですから、堺市で職員が交代制で行うよりも、大阪府の施設のほうが望ましいということは前提にあります。
 ただ、私自身の考えとしてはありました。大阪府のほうが望ましいんじゃないかと。ただ、これまでの大阪府と堺市の話し合いの中で、それが難しいということで、堺市で建設計画が立ち上がったということです。
 実際に建設しようと思えば、その施設の建設だけでも35億円、そして実際の運営です。ランニングコストにも毎年5億5,000万円、費用がかかります。それを大阪府と協力することによって、大阪府に今回、今の100人の枠というところを、堺市の分も含めて120人に増やしていただくということで受け入れの条件になっていますので、その20人分の寮をつくる必要があると。そこに約3億円かかりますが、堺市だけでその施設を一からつくって、これから職員の育成も進めていくことに35億円かけてやるということに比べると3億円で今のすばらしく優秀な望ましい環境の中で子どもが過ごすことができるというのは、私は大いにメリットがあると考えています。
 そして、毎年の運営費用についても5億5,000万円、それが大阪府の施設に行くと、これは人数にもよります。実際にそこで受け入れていただく子どもの人数にもよりますが、それも2億円と今は見込んでおりますので、毎年の費用としても少なく済みます。
 そして、今回この児童自立支援施設を開設、例えば堺市でさせても、新たに地方交付税が渡されるわけではありません。今のこの地方交付税の中でやりくりをするということですから、そうすると、その5億5,000万円、今は毎年一定のお金をお支払いしていますが、その差額の分を堺の子どもたちのためにまた使えるということになりますから、総合的に判断をして、私は児童自立支援施設を堺で建設するのではなくて、今の大阪府の協力を得ながら行っていくことが望ましいという判断です。
 ただ今回、私たちのもちろん、きちんと説明をさせていただきますが。住民監査請求ということですので、実際にその内容の判断をしていただいて、どういうご意見が出るかということは受け止めたいと考えています。ご意見をお聞きしたいと思います。

(毎日新聞)

 請求としては、地方財政法に違反するのではないかということで、これはこれから監査されるとは思うんですけれども、市長としてはその点の受け止めはいかがでしょうか。

(市長)

 私自身はその批判には当たらないと考えています。
 もちろん、私たちも全く何も考えずに行ったわけではございません。この間、市に関わる弁護士の方々いらっしゃいます。複数名の弁護士の方にお話をお聞きして、問題がないかどうか、そして国にも確認をしました。国にも確認をして、それが問題があるとは言えないということも回答を得ていますので、それに基づいて、大阪府ともちろん協議をして、大阪府でも確認をしながら行っていますから、私はその内容についてはこのご意見には当たらないかなと考えています。

(毎日新聞)

 それと、請求人の中には里親会の会長さんもいらっしゃったと思うんですけれども、市長としては里親を推進されるということで、会見でもお話しされたことあると思うんですけれども、その点の矛盾というか、そのあたりについてはどうお考えでしょうか。

(市長)

 正直、残念に思っています。私自身はこの会見でもずっとお伝えしているとおり、子どもについては、子どもの貧困、貧困の連鎖の解消、そして里親の推進ということは力を入れて行っています。今も里親YEARとして1年間行っています。
 ですので、確かに堺市で児童自立支援施設をつくるという計画があったということは事実です。ですが、今の状況で、より私は望ましい方法、子どもたちにとっても望ましい方法を提示できていると考えています。ですので、計画の変更に関しては、いろんな皆さんのご意見があると思うんです。ですが、私たちは子どもたちにとって望ましい方法を考えていますので、もちろんいろいろご意見があって、その方のご意見を否定するわけではありませんが、私自身も真剣に子どもたちのことを考えて、今施策を行っているということはご理解いただきたいと思います。

(毎日新聞)

 実際に里親としてお子さんに関わっている方々としては、児童自立支援施設にかかわらず、子どもたちを支援してくれるところに市が予算をつけてくれないんじゃないかという不安もあると思うんですけれども、そういった点についてはいかがでしょうか。

(市長)

 児童自立支援施設に関しては、先ほどお伝えしたとおり見直すべきだと、その子どもたちがきちんと受け入れていただく環境を担保した上で行えるということですので、それ自身がそのまま子育て環境の低下につながるとは私は考えていません。
 一方でお伝えしているとおり、子どもたちへの支援であったり、この堺で健やかに育つための方策には労を惜しむつもりはございませんし、昨日の総合教育会議でも、報道等では政治介入ではないかという話もちょっと出ていたようですが、私自身はもちろんそこはきちんとルールを踏まえながら、堺の子どもたちが安心して健全に育つために力を尽くしたいと思っています。
 今、財政危機宣言の中ではありますが、昨今のこの財政状況、そして来年2月の財政収支見通しも踏まえながら、きちんとこの堺の子どもたちが安心して健全に成長できる、そのように、そして親御さんも安心して堺で子育てできる環境になるように努めていきたいと思います。

(毎日新聞)

 分かりました。ありがとうございます。

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