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堺市長記者会見 令和3年11月17日

更新日:2021年11月24日

市長

 11月は児童虐待防止推進月間ですので、本日もオレンジジャンパーを着用して会見を行いたいと思います。
 本日は新型コロナウイルス感染症の市内の状況と、ワクチン接種3回目の情報が今いろいろと入ってきておりますので本市の予定について、そして南区を中心としたリモートワーク拠点の整備推進、また環濠エリアの新たな魅力創出についてお伝えをいたします。

新型コロナウイルス感染症

 まず、現在の状況です。この1週間の新規陽性者は、1週間合わせて14人という状況でございます。比較的今落ち着いている状況が続いています。母数がかなり少なくなっておりますので、年齢のグラフは少しばらつきがありますが、ただ傾向としては大きくは変わっていないと認識をしております。今の推移ですね、青が新規陽性者の日々の陽性者確認数、そしてオレンジ色の線が感染経路不明率、一時期8割を超える高い率がありましたが母数が少ない中でも、今は3割弱というところで感染が確認されている中でも濃厚接触者にあたる方が多い。ある程度捕捉もできているという状況でございます。
 現在の状況です。昨日とそして一昨日ともに新規陽性者ゼロという日が続いておりますもう一か月以上にわたって人口82万人って大きな都市ではありますが、一桁の新規陽性者が続いておりまして、今のところはまだ感染再拡大の兆候は見られていないと認識をしています。
 陽性率です。こちらも第4波と第5波の合間よりもさらに少なく、今昨日時点で0.52という数字でした。こちら行政検査になりますので、お医者さんでありましたり保健所が検査が必要だと判断をされた方のうち0.5%ということで、検査しておくべきだという中でも200人に1人の陽性率ということで、かなり低い状況であると考えております。
 現在、市民の方の重症者はおられません。そして入院・宿泊・自宅療養者数。8人の方が今まだ入院中ということでございますので、早期のご快復をお祈りしております。
 今ご覧いただきましたように、市民の皆様、そして市内事業者の皆様の本当に多大なご協力のおかげで感染状況は今も落ち着いている状況です。これからさらにさまざまな制限の緩和をしていきたいと私も考えておりますので、引き続き市民の皆様、事業者の皆さん感染対策に気をつけていただいて日常生活を過ごしてほしいと考えております。ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、ワクチン接種についてお伝えをいたします。
 まず現在の状況です。12歳以上の現在接種対象となっております全対象者2回目も80%を超えております。VRS登録のデータから抽出をしておりますので、実際にはもう少し高い値かと思いますが、1回目の数字、先週発表して、先週の水曜日の時点では82.3%でしたので、1週間で0.2%の増加、大体このワクチン接種の率としては、2回接種は最初のワクチン接種の実施では82.5%、83%ぐらいに落ち着くんじゃないかと考えております。年齢別につきましても50歳以上の方は約9割、そして29歳以下の方も7割近く接種をされております。今も1回目の接種、まだ受付もしておりまして、次は11月22日受付開始になっているかと思いますが、まだ1回目の接種も受けていただくことはできますので、ぜひご希望の方はこの機会にお申込みいただきたいと思います。
 そして、3回目接種についてです。一昨日11月15日に、国の分科会で追加接種、3回目の接種についての審議が行われて、内容が決定したと確認をしております。対象はここにありますように18歳以上で2回接種後、おおむね8カ月以上を経過した方というところで、昨晩本市にも正式な通知がございました。そして使用するワクチンはファイザー社製のワクチン、本市におきましては12月1日から接種開始をいたします。そして、接種時期が到来した対象者の方に順次接種券を発送いたします。
 まずは医療従事者の方、これは大阪府で実施をされておりますが、今回3回目の実施に関しましては、市町村が運営も行ってまいります。基本的にはそれぞれ勤めていらっしゃる医療機関で接種をすることになるかと思います。明日から接種券の発送を始めたいと考えておりまして、今対象となっている皆様には11月22日までには到着をする見込みとなっております。

 リモートワーク拠点の整備推進

 次に、リモートワーク拠点の整備推進についてお伝えをいたします。これもコロナ禍、そしてアフターコロナを見据えた新しい取組です。
 今年から策定をして開始をしております市政運営の大方針であります「堺市基本計画2025」、こちらの重点戦略の一つとして泉北ニュータウンの新たな価値の創造ということで、今高齢化率が非常に高い35%を超える高齢化率の泉北ニュータウンですが、これから若い世代の皆さんにどんどん泉北ニュータウンで活躍していただきたいという思いで39歳以下の人口割合を2025年の目標値、推定よりも上げるということを目標にしております。そして、その意味でもやはり多様な働き方ができることが必要だということで、この泉北ニュータウン地域におきましては、今年度SENBOKU New Designという新しい計画を掲げてスマートシティをはじめとする課題解決の仕組みを積極的に導入しております。本日この取組の一つでもありますリモートワーク。働き方は、今までどおりの都心部に出かけて行って働くということでなくて、お住まいの近くで職住近接・職住一致という形で働くことが選択肢となるような取組をご紹介いたします。
 昨年度は南区役所におきましても、テレワークオフィスを区役所内に設けました。そして今年度はさらにリモートワーク拠点の整備を進めるために、民間事業者によります南区域での拠点整備に対して、初期費用の一部を補助する泉北リモートワーク拠点整備推進補助金の公募を今年8月から開始をいたしました。そして、その結果、ビジネスタイプが1件、コミュニティタイプが2件合計3件を採択いたしました。それぞれの内容についてお伝えをさせていただきたいと思います。
 まずビジネスタイプにつきましては、南海電気鉄道株式会社が泉ケ丘駅前の自社のテナントにLieffice(リーフィス)IZUMIGAOKAという拠点整備をされます。スマートフォン、ICカードを用いてスマートロックによる無人の入退室管理の導入でありましたり、防音性に優れた個人ブースの設置が特徴です。こちらの利用料は有料となっております。コミュニティタイプの1件目は株式会社大倉が運営をいたします大蓮公園のエリア内のカフェにあります。Design Ohasu Days(デザイン オオハス デイズ)のリニューアルとして実施をいたします。こちらは公園内のリモートワーク拠点としまして、Wi-Fi機能の強化や個人ブースを設置いたします。来年2月のオープン予定で利用料は無料でお使いいただけます。そして、コミュニティタイプのもう一件、こちらは株式会社愛のケア工房はるかさんが開設をします、槇塚台近隣センターの空きテナントを活用するものです。例えば、学生の皆さんがオンライン授業を受けたり、地域住民の皆さんが交流できる拠点として「槇塚台まち・ひと・しごと創造ステーションHARUKA」を整備いたします。近隣センターというのはご存じのとおり、泉北ニュータウンがオープンする50年以上前になりますが、そのときの地域のコアな場所として整備されたことがありますので、ぜひ現代においても地域コミュニティの拠点となることを期待しております。こちらは、来年3月にオープン予定としておりまして利用は有料となっております。
 今回新たに3件リモートオフィス、リモートワークの拠点がオープンすることになります。市としてもぜひ南区の皆様であったり、南区で働かれる皆さんですね、リモートワーク拠点を活用していただけるように市としても積極的に紹介をしていただきたいと思いますし、ぜひウィズコロナ・アフターコロナも見据えながら、住民の皆様が職住近接一体の快適な暮らしができるように取組を進めていきたいと考えております。

環濠エリアの新たな魅力創出

 案件の最後は、環濠エリアの新たな魅力創出についてです。こちらも基本計画2025の中で重点戦略の一つ、環濠エリア、堺旧港の魅力の創出、中世「黄金の日日」と大河ドラマもありましたが、その歴史が色濃く残る環濠エリア、ぜひ皆さんに体験していただいて堺の歴史の奥深さを感じていただきたいという思いで、コロナが発生する前の来訪者数よりも倍増させるという、かなりアグレッシブな目標を掲げております。そのためには今の環濠エリアの魅力をどんどんと発信をしていただきたいという思いで、こちらもウィズコロナを見据えた取組として行ってまいります。Light for the Future――未来への光というテーマにしまして、12月4日から1月15日までの期間におきまして南海本線堺駅前からザビエル公園までの間に、かつて環濠を形成していた内川、今も流れておりますが、そちらをイルミネーションで装飾をしたいと考えております。コンセプトとしましては、まだまだ安心できない状況でありますがコロナ禍を乗り越えて、未来につながるメッセージというところを念頭に置きながらブルーを基調としたイルミネーションでコロナ収束への祈り、医療従事者への感謝の気持ちを込めて、さらに先ほどお伝えした「黄金の日日」を彷彿とさせる金色、ゴールドの輝きで未来の希望を表現したいと考えております。
 合わせて、毎年開催をしておりますが、堺イルミネーションとしましても、12月1日から1月15日までの間に大小路筋を、こちらもライトアップをしたいと考えております。またこの期間におきましては、環濠エリアでの新たな魅力の創出をコンセプトとしまして期間限定のイベントも実施したいと考えております。当日は環濠クルーズ、NPO法人で実施されておりますが夜に運営をしていただきまして、環濠ナイトクルーズを運航しましてイルミネーションの光に包まれながら歴史ある環濠をゆっくりと巡るクルーズ船で非日常を味わっていただきたいと考えております。合わせてこちらが環濠の様子ですね。(写真を掲示)そして、ナイトマルシェという文字がありますが、こちらはザビエル公園のエリアを舞台としまして、例えば中国料理の名店・丹甫さん、そして南海グリル、あなご料理の松井泉さん、お茶のつぼ市製茶本舗さんなど、堺を代表するようなお店のテイクアウトメニューを提供したいと考えております。また、ふとん太鼓や伝統工芸品であります注染の日傘などをライトアップする光のモニュメントを開催したいと考えております。今年は11月、本来であれば10月、11月というのはさまざまな祭りやイベントが多い時期ではあるんですが、まだ感染者数が見通せないっていうことで、準備期間もありませんでしたので、堺まつりを初め、さまざまなイベント行事が中止になっております。大変、市民の皆様も毎年楽しみにしていらっしゃるんですが、それらがほとんど中止になってしまいましたので、今回感染対策を徹底した中で、ぜひ堺まつりを楽しみにしていらっしゃった皆さんにも、真冬のこの時期に皆さんに堺の魅力を感じていただきたいと考えております。あわせて、屋外でのこの取組になりますので、密を防ぎながら周りの周辺にも堺駅前を中心として店舗、飲食店とございますので皆様に人の流れも期待しているところでございます。
 そして、もう一つこれも同じ時期12月4日、5日、こちらも普段、春と秋に文化財の特別公開を実施しておりました。今回、この特別公開の少し時期をずらしまして12月の4日、5日に行います。テーマとしては「環濠と貿易都市 堺を知ろう」というテーマでございまして、中世に活躍した茶の湯でありましたり、国際貿易都市として栄えた堺を感じられるスポットを中心としまして、旧堺燈台の内部や開口神社の茶室「無礙庵(むげあん)」の期間限定での公開など、合わせて特別な企画も用意をしております。こちらがそれぞれの写真ですね、今お話をした写真です。(写真を掲示)
 代替行事であったり、イベントの実施を行います。イルミネーションも行いますが、やはりこの第5波が一定落ち着いた状態が続いてるとはいえ、第6波が、いつ感染再拡大が起こるとも限りません。ですから細心の注意を図りながらも、感染拡大防止と堺の魅力発信、これからのアフターコロナを見据えた挑戦をしていきたいと考えております。
 こちらに書いていますとおり、私たちも感染対策の徹底をしながら皆さんをお迎えしたいと考えております。12月最初の週末、市民の皆様、堺市以外から来られる皆様にも堺の環濠を体感していただきたいと考えております。私からは以上です。

質疑応答

(NHK)

 ワクチンについてなんですけれども、今回、国は6カ月の前倒しというのも出してきまして、ただ、それは自治体の判断でということですけれども、堺市として今現状6カ月になると5月に打った方が12月とか1月も入ってくるということになりますけど、そのあたりいかがですか。

(市長)

 一昨日、6カ月もという話がありまして、正直驚きました。これまでの厚生労働省の通知でも「8カ月」という数字が出ていましたので、それに従って着実に準備を重ねてまいりました。もちろん、ワクチン接種は本市行政だけではできませんので、医療機関の皆さんでありましたり、実際に接種をお願いする医師会の皆さんともこれまで協議を重ねてきたんですが、突然「6カ月でも」ということ、しかも自治体の判断っていう、ある意味丸投げみたいな形で示されたので、もちろん6カ月で自治体の判断ということであれば、さまざま、おそらく自治体でも実施するところがあれば、そこをわざわざ8カ月待つという選択肢は取りにくくなりますので、大慌てというか急いで、報道が出てから私たちは6カ月でできないかという検討をしております。ただ昨日の夜に、厚労省から通知が届いた内容によりますと、そこには6カ月という数字は実は書いてないんですね。その通知には原則8カ月とありますので、一体この2日間の騒動は何だったのかなと。実際にワクチン接種をするのは基礎自治体でもありますから、もう少し国がしっかりとした発信をしていただきたいなと考えております。
 その中で、これは今でも生きてるかどうか分かりませんが、自治体の判断の条件として、例えばクラスターであったり、地域の感染拡大の状況を見据えて、考慮してとありましたが、例えば大阪においては国内でも最も感染が多いエリア――これは、大都市を掲げていますからやむを得ない部分ではあるんですが、そうすると堺市としても状況が許すのであれば早く接種をしたい。特に、感染をした際の重症化、死亡リスクが高い、高齢者の方々にはより早く接種をしていただきたいという思いがあります。ただ一方で、昨日おそらく、大臣だったと思いますが、「ワクチンの供給はそれに間に合うかどうか分からない」と発言されたと思うんですね。とすると自治体の判断で、例えば大阪府は、感染拡大が起こる懸念が多い、もしくは拡大したときのスピードが早いからワクチン接種をもう6カ月でやるんだと自治体が示しても、国からのワクチン供給がなければ、ここが確実に担保されなければ、接種券は送っても実際には接種もできないし、ワクチンも医療現場にないということでは全く機能しません。ですから、ここはどういう基準で手を挙げるのか、そして手を挙げたところについては確実にそのワクチンが供給されるのかということとセットでの発言であるべきだと思っています。昨日の夜の通知では、原則8カ月ということでしたから、私たちはその状況に応じて臨機応変に動けるように準備はしております。特に、先ほど伝えたような、より高齢者の方々、5月1日から私たちも接種をいち早く開始をしておりましたので、8カ月、6カ月も経過をする方もそろそろ出てこられますので、もし可能ということであればぜひやりたいと思ってますが、今のところあまりにも情報がまだ不透明ですので準備はしながら、まずは先ほどお伝えをしたような8カ月以上経過した方というところの二段構え、こちらをベースとしながら臨機応変に対応できるように、こちらは医療機関であったり医師会の皆様とも話をしながら、迅速に接種できるように進めていきたいと考えています。

(NHK)

 先ほどの話でもありましたけども、今ベースとした計画では、まずは12月1日からは医療従事者という話でしたけれども、一般の市民の人についてはいつ頃接種券を送って、いつから接種開始なのかというのと、あと接種場所で集団接種会場が医療機関ということになっていますが、これはある程度市民の方がたくさん打つとなったときに今のような地域会場とか、もう一度大規模接種会場を開設するのか、その辺りはいかがですか。

(市長)

 こちらもモデルナの扱いがまだ不透明な部分があります。例えば、自衛隊が実施した大規模接種会場、大阪府が実施した大規模接種会場があります。堺市でも金岡公園で設けておりましたが、それらを引き受けるとなると、やはり今までどおりの、今金岡公園はスポーツで活用されていますので、またそこを閉鎖するのは難しくなります。ですので、地域会場を設ける予定はありますが、ファイザー社製のワクチンと、そしてモデルナ社製のワクチンをきちんと分けながら、堺市以外でこれまで打たれた方も受ける可能性がありますので、その方を受けるために今のところ、地域会場は設けるとしてもモデルナ社製のワクチンを今の時点では検討しております。一方で、これまでもご協力をいただいておりまして、個別接種の医療機関で実施をされたところと、そして集団接種会場でも比較的規模の大きな病院にはご協力いただいておりまして、そこを今、市内医療機関9か所として記載をしております。時期としましては、まず12月は医療従事者の皆さんを中心に開始をしまして、そして12月に発送する接種券は高齢者の皆様に向けて発信をしたいと考えております。ただ、その段階もワクチンの供給量というのがまだ具体的には示されていないと考えておりますので、その中でも、例えばいきなり65歳以上の方とか75歳以上の方にしてしまうと、また全国で起こったような混乱につながりかねませんので、その辺りも極力混乱なくスムーズに接種していただけるように、しかも、より重症化リスク、死亡されるリスクが高い方々から円滑に打っていただきたいという思いで今最終調整をしております。

(司会)

 ほか、ご質問よろしいでしょうか。

(日本経済新聞)

 今の話なんですけど、12月1日から3回目の接種は基本的に医療従事者の方ということですけども、これはもう2回目の接種を受けたことを確認できた方に発送するということでよろしいでしょうか。

(市長)

 そうですね、そのとおりです。

(日本経済新聞)

 おおむね8カ月ありますけど、今8カ月を前提として6カ月の対応はこれからということなんですけども、おおむねというのはどの程度の幅を持ってらっしゃるんでしょうか。

(市長)

 8カ月以降だと考えています。おおむねとしているのは、おそらく国が一昨日の発表というか、分科会でしたかね、内容は。6カ月でも自治体の判断でちょっと曖昧な発言がありましたので、なのでそこで原則とか、おおむねとあるんですが、私たちも「原則」が何を指すのかはっきり伝わっておりません。ですので、おおむね8カ月としておりますが、基本的には発送するのも8カ月を経過した方を中心に接種を行っていきたいと今のところは考えております。

(日本経済新聞)

 分かりました。
 あともう一つ、先ほどNHKさんも聞いていましたけども、集団接種会場について、今はまだ堺市の市役所の中にとか、公の設備で置いてらっしゃるところもあると思うんですが、そこは3回目のためにも開放されていくんでしょうか。

(市長)

 今のところは、今、ファイザー社製のワクチンで地域会場を運営しておりますが、そこは1回目、2回目の方々を対象とする用途で使っておりますので、一定それが皆さん今でも1週間で0.2%ぐらいの伸びですから、落ち着けばそこは順次閉じていく、本来の用途に返していくということになるかと思いますが、ただ先ほどお伝えしたようなモデルナ社製の兼ね合いがありますので、認可の動向、まだ認可されてないんですよね。動向も見据えながら臨機応変に対応できるようには準備をしてきておきたいと考えております。

(朝日新聞)

 ちょっと話が変わるんですけど、先ほど環濠の話のときに、「黄金の日日」ということも何回もおっしゃっておられて、ただ私も正直「黄金の日日」っていつの大河ドラマだったのか記憶もないような昔の大河ドラマで、認知している人も少ないんじゃないかなと思うんですけども、そうなったときに、この環濠エリアを盛り上げていくのに、私がNHKさんのドラマのことをいうのも恐縮なんですけど、新しい大河ドラマの誘致みたいなことに堺市として取り組んでいかれるようなお考えは今のところあるんでしょうか。

(市長)

 過去に千利休を大河ドラマにできないかなという動きはしていました。ただ大河ドラマもかなり誘致合戦が人気のようでして、実はそれ自身は実らなかったという経緯がございます。「黄金の日日」、おっしゃったように私が2歳のときでして、1978年なんですね。今の大河ドラマという名称がついた第1弾だったようでして、私も堺に越して来たのは8歳のときですので既になかったんですけど、ただ、今の堺の人生の先輩方の話をお聞きすると、「黄金の日日」の堺っていうのを思ってらっしゃるんですよね。すごく愛着が強いですし、よく会話の中でも出てきます。
 一方で、若い方々は「黄金の日日」という大河ドラマ自体はご覧になられたことがなくても、今BSで再放送してるんですかね、今年は。ただ、そこに紐づいたような――例えば千利休に代表される茶の湯、鉄砲の歴史、そこから紐づく堺の刃物、さまざまな伝統産業がありますのでぜひストーリーとしてつなげていきたいと思っていますし、堺自体が大河ドラマの舞台にならなくても、昨年の「麒麟がくる」のように、やはり戦国時代っていうのは私たち日本人にとってもすごくダイナミックに激動の時代、ロマンがあるような内容が多く出てきますので、そのときにおそらく「堺」は必ずと言っていいほど出てくると思うんですね。なので今まだ環濠の取組っていうのはまだまだ甘いと思っています。ですから、今着実に環濠内で魅力発掘であったり魅力発信を行いながら、また堺の名前がさまざまな時代、ドラマだったり、映画の中で出てきたときに、きちんとそこで体感していただけるような準備をしたいと考えています。

(朝日新聞)

 市長の口から千利休という話も出たんですけど、私も先日、千利休じゃなく三好長慶の大河ドラマを誘致しようという、大東市長の大阪放送局へのお願いというかご挨拶に同行したんですが、NHK側から同行取材を断られたんで、終わった後もぶら下がりであったんですけども、大東市長はじめ、大阪のかなりのエリア及び近畿の広範囲において、三好長慶は支配していたエリアが広いので、2025年の大阪万博の話につなげて関係者としては誘致したいというようなお話でした。NHK側からいろいろな要望があるんで、そんな簡単にはいかないよって釘を刺されたみたいですけども、三好長慶自体は堺に直接関係ないかと思うのですが、ただ、これまでの大河の流れを見ても、「炎立つ」や、あるいは「葵~徳川三代」のように、親子、あるいは祖父母も含めて2代、3代と合わせ技で大河ドラマを構成するっていうことも脚本をうまくやれば可能な話であって、三好長慶を描く上でその父である元長を描けば、堺に権力基盤を築いたということで堺の環濠エリアにも注目が集まるんじゃないかなと、個人的に思いました。そういう点からすると、堺市長として、ほかの大東市長とか、ほかのエリアの市長がやってることではあるのかもしれないんですが、一緒になってやっていくっていうことも一つ、手としてあるんじゃないかなと思ったんですが、この点について市長はどのようにお考えでしょうか。

(市長)

 まず、三好長慶に関しては堺に対してご縁がある方だと思っています。歴史の話なので事実かどうか不明ですが、千利休が結婚された相手は三好長慶の妹という話も聞いておりまして、さらに堺幕府の話もありますが、そのときは三好元長だったんですね。だったり、ここにあります南宗寺も三好長慶が建設した寺社ということですから、三好一族というところでは関係が大変深いのかなと。今の三好一族の大河ドラマに関しては堺市も連携はしてますね。

(事務局)

 (うなずく)

(市長)

 おそらく話をしながら進めているかと思います。ただ、三好元長自体が堺を中心にというよりも、やはり摂津であったり河内もそうなんですかね、大阪府域が広かったものですから堺も連携しながら進めておりますし、楠木正成であったりさまざま室町時代から安土・桃山時代にかけて活躍した武将の方々、この泉州・河内一帯でも広く活躍されてますので、ぜひいろんなチャンスをものにしながら、堺も積極的に関わっていきたいと思っています。

(司会)

 ほか、ご質問よろしいでしょうか。

(日本経済新聞)

 リモートワークの支援のところなんですけども、泉佐野で南海さんがやられるということではあるんですが、同じようなことを堺市でもやろうとしてらっしゃるんですが、そちらに対しては泉北ではないから補助の対象にならないという理解でよろしいでしょうか。

(市長)

 泉佐野の事例とは。

(日本経済新聞)

 ごめんなさい、泉佐野ではなかった。泉北ですね、ごめんなさい。泉ケ丘駅です。泉ケ丘駅で補助をされるというのがありましたけども、全く同じ取組を堺駅でもやるんですけども、そこが補助の対象にならないのは堺だからだという理解でよろしいでしょうか。泉北ではないという。

(市長)

 担当者から説明します。

(事務局)

 泉北ニュータウンを含む南区につきましては、我々「堺スマートシティ戦略」という戦略をつくっているんですが、この中でいわゆる先行地域、重点地域として位置づけておりまして、いわゆる南区っていいますと職住近接という形で住む方はかなり多いんですが、逆に働く場所がなかなかないというような、いろいろな地域課題があります。そういった中で、こういった新型コロナを踏まえた新しい生活様式の中で、やはり働く場所をつくりたいという、まちづくり含めたエリアの概念の中で、まず泉北でリモートワークという働く場所をつくってワークスタイルを変えてきたいという思いから、今回事業を進めているというところでございます。

(日本経済新聞)

 環濠の件なんですけども、市長は今の状況で十分リピーターを呼べるほどの魅力があるというお考えなんでしょうか。

(市長)

 素材はありますが、今のままでは弱いと思っています。環濠は4辺のうちまた二つの辺が残っておりまして、これまで三度の戦災や大空襲とありましたので、実際には今現存しているものというと、多くありません。しかし、土を掘ればそこからはいまだに茶器が出てくる、当時の楽茶碗であったり、織部好みの茶碗が出てくることもあります。今から堺市内の都心部を全部掘り返すわけにはいきませんけど、非常にロマンがある場所だと思っています。これまではやはり何を、例えば観光客の皆さんに来てもらうときに、どういう施設を作ろうかであるとか、箱を作ってきてもらうということが多かったと思うんですが、これからは精神性であったり、これまでの空気を感じていただくということが非常に大事なんじゃないかなと思っています。もう既に1600年(1615年の)、大坂夏の陣が中世の繁栄の歴史の最後だったとように感じますが、そのときの街並みは再現できませんが、ただ今も残っている茶の湯の文化であったり、今度、鉄砲鍛冶屋敷が令和5年度にオープンをしますが、そのようなつながり、もしくはザビエル公園、こちらも日比屋了慶のお住まいにフランシスコ・ザビエルが宿泊をしていたということがあります。伝統産業会館も今年、去年とリニューアルをしておりますので、今さまざまなスポットをつなぎ合わせることで、やはり歴史のストーリーを感じていただく、この環濠というエリアが今よりは少し狭いエリアではありましたが、日本一栄えたと、金銀が集まる先進的な地域であったということを考えると、ストーリーをつなげることで、特に歴史に関心のある皆様には、私は堺という場所は、訪れて大いに楽しんでいただくことはできると思っています。なので、これまでの取組が十分であったとは思っておりませんが、今さまざまこの環濠内のスポットをつなげながら周遊することで歴史を感じていただきたいという取組を行っております。
 今回、ゴルゴ13の周遊謎解きのイベントを行っておりますが、そういう意味でも、ただフェニーチェ堺だけではなくて5つのスポットをつなぎ合わせることで、やはりその歴史のつながりを感じていただきたいという思いがあります。大仙公園エリアと環濠エリアを密接につながった、両方とも日本の精神性を感じられるエリアだと思っていますので、ぜひみなさんに共感をしていただきながら、堺の魅力発信をしていきたいと思っています。

(日本経済新聞)

 先ほど朝日さんがNHKのことを話したからではないですけども、「週刊朝日」に連載されていた「街道をゆく」で、ちょうど50年前に司馬遼太郎が堺を歩いて、「堺の人たちは歴史を捨ててしまった」という表現をしてたというのが覚えてるんですけども、当時はちょうど高度経済成長が終わった頃で、泉北の工業団地が今一番多分新しい設備で動いていたころでモクモクと煙が出てる頃だと、あの頃にコンクリートで埋め尽くしてしまったんではないかという指摘も堺に関してはあるんですけども、市長の話を伺ってると、戦国の話は出てくる、それから古墳の話は出てくるんですが、昭和の近代化によって失われた部分をどういうふうに取り戻してくるのかっていうところがなかなか見えてこないんですけど、それについてはどういう取組をされているんでしょうか。

(市長)

 特に、明治時代以降につきましては、海を舞台とした盛り上がりがあったと認識をしています。例えば大浜公園でありました、当時関西一のアーバンリゾートとされていまして水族館、潮湯、少女歌劇団、海水浴場こちら浜寺までつながっていたと思いますが、さまざまな、それらの魅力というのは中世だけじゃなくて近代でもありました。ただおっしゃるとおり、高度成長時代、日本経済に貢献したと思いますが、それらの美しい砂浜というのは失われてしまいました。この日曜日に、大阪港湾局と連携をしながら舟運の実験を行いました。堺市から大阪市、大阪港までつなぐツアーを行ったんですが、やはり市民の皆さんにとっても海っていうのはあまり身近じゃなくて、そういえば、海があったなぐらいの感じだと思うんですけど、やはりその中世の歴史も含めて、海というのは堺の栄枯盛衰を見てきた場所だと思っていますので、そのような大浜の盛り上がりも含めてベイエリアの活性化、こちらも極力財政難の中ですので、行政の質を増やすというよりも民間の企業の皆さんにご協力をいただきながら、現代の魅力発信をしていきたいと思っています。
 先ほど、司馬遼太郎さんの「街道をゆく」の話がありましたが、私も拝見をしました。特に竹内街道であったり、五街道を堺は通っておりますが、本当に堺に思い入れがある方は多くいらっしゃって、多くの方、今もお元気でいらっしゃる方もいらっしゃいますが、皆さん、口をそろえて「もったいない」と、堺の歴史が活かされてないということをおっしゃっているんですね。それを市長としても皆さんの思いというのも受け止めておりますので、ぜひ、特に今発信をしたいのは、まずは世界遺産でした。世界遺産 百舌鳥・古市古墳群でしたが登録をされて、今徐々に人も戻りつつあると思いますので、環濠エリア、これまでなかなか発信ができなかった環濠エリアを盛り上げて、そしてベイエリアであったり、現代の堺、これからの堺を体感できるような、総合的な発信ができたら過去から現在、そして未来につながるような取組ができるんじゃないかと思っております。

(朝日新聞)

 環濠での体験ということで一つ思ったんですけども、さかい利晶の杜でしたっけ、あそこで呈茶体験っていうのができるようになってたのが今ずっと休止になってるんですけど、先ほど、来年千利休生誕500年でこれからいろいろやっていかれるんだと思うんですけど、手っ取り早く堺らしさというか堺っぽさを体験できるのってお茶じゃないかなと思うんですが、狭い庭の茶室で濃茶を回し飲みというんだったらちょっとこの時期どうかなと思いますけども、ある程度席間を空けて、呈茶で薄茶をそれぞれ一服飲むぐらいにおいては、もう再開してもいいような時期じゃないかなとも思うんですけども、これからいろいろその環濠でやっていかれる上で、そこら辺の堺らしさの体験っていう意味での、呈茶の再開というのはどのようにお考えなんでしょうか。

(市長)

 これからぜひ行っていきたいと思っています。濃茶とかで回し飲みをする部分はやはり感染対策は厳しいと思いますが、ただ、今行ってるような呈茶というのは指定管理者さんが感染対策を徹底されているので、今停止してる状況ですが、時期を見計らって行っていただければと思っております。会食も徐々に緩和されつつありますので、ぜひそのようなお茶を感じることもやっていただきたいと思いますし、一方で本来の茶の湯というと、2畳の茶室で密室空間でというところですけど、それまで突き詰めてしまうとなかなかハードルが高くなりますので、お茶と向き合う、それも精神性ですね、そういうところを感じていただこうと思えば、待庵のような本格的な茶室でなくてももっと気軽に体験していただけると思いますし、例えば大仙公園の芝生みたいなところでも、野点であれば感染対策を行いながらも実施できることになりますので、いろんな可能性を試しながらぜひ茶室、本格的なお茶もそうですし、よりハードルを低くしながら気軽に茶の湯の、今の文化を感じていただけるような場面もつくっていけたらと考えています。

(日本経済新聞)

 すみません、感染対策と全く関係ないですけど一つ思い出したんですけど、たしか、市長は職員の方たちには会食をするなという禁令を出していたと思うんですけども、これの禁令はまだ続いてらっしゃるんでしょうか。

(市長)

 10月27日だったかと思いますが、対策本部会議におきまして、しないようにというか禁止ではないんですけど、しないということをお伝えしていたんですけど、それは緩めております。ただし、やはり市民の皆さんに大阪府全体としても呼びかけておりますので、府民の皆さんよりも少し厳しい条件にはしております。例えばテーブル4人で、例えばテーブル分かれて10になるような場っていうのは避けて欲しいので、会食するにしても4人以内ですし、マスク会食であったりゴールドステッカーの認証店にしてもらう、2時間以内というところを厳しく設けながら、また、例えば組織の中でも4人同じグループで行ってしまうとその部門が止まってしまいますので、そこら辺もきちんと部署で責任を持ちながら、必要であれば会食をするようにというのは伝えております。

(司会)

 ほか、ご質問ございませんでしょうか。

(NHK)

 観光のところで一つ思い出したんですけども、大仙公園の気球っていうのは、あれは結局どうなったのか。たしか、秋ぐらいには始まるんじゃないかみたいな話がありましたけど、スケジュールが遅れてると思うんですが、遅れてる原因は何で、結局いつになったら開始するんですか。

(市長)

 会見でもお伝えしていたのは秋ぐらいで、11月にしたいなと、もう11月入ってますので、事実をお伝えしますと遅れています。その遅れた理由としては、気球自身の製造がイギリス製でした。イギリスで製造するものですので、感染の拡大によってイギリスでもロックダウンがありまして、工場に出勤できない。なので、一つはイギリスの気球の製造が遅れたと。もう一つは、現地の、技術者の方が日本で製造してないものですから、イギリスの方がこちらに来られて確認をするという工程があるんですけど、そちらもビジネス目的であっても渡航制限がされておりました。ようやく11月から緩和されたと思いますが、ようやく来られることになりましたので、今もう土台であったり、大仙公園の整備というのは11月でできるように進めておりますが、ただ実際に気球の運搬に関しましても、実は運搬船も今、物資の輸送というのが海外から滞っている。物価の高騰もそうですし、人員を確保できない点もさまざまな要因があって遅れてはいるんですが、年内は難しいと思いますが、年明けの、できるだけ早い時期に真冬の一番寒い時期もどうかということもありますが、徐々にでも始めていけるようにしたいと思っております。ようやく、この日本でも海外との行き来であったり人流も戻りつつありますので、今まで少し遅れましたけど早急に実施をしたいと思っていますし、また大体、例えばこれが1月ぐらいとか2月ぐらいとか、ある程度の開始時期が明確に分かりましたら、きちんと報道提供させていただきたいと思っておりますので、市民の皆様、もしくは観光客の皆様はいつになるんだと待っていたかもしれませんが、楽しみにお待ちいただきたいと思います。

(NHK)

 コロナの影響というと多分、なかなか思いもよらない影響とかもあったと思うんですけども、スケジュールが遅れることによって例えばかかる予算や経費が膨らんでいくとか、そういったことってあるんですか。

(市長)

 工事の内容自体は変わっておりませんし、事業者の皆さんも選定をしております。そして開始からまずは試行実施で1年ということですので、そこに関しては特に大きな影響はないと考えております。

(司会)

 ほか、ご質問よろしいでしょうか。

(朝日新聞)

 今の気球の話なんですけど、熱気球は飛ばしたことあるけどガス気球についてなかなかそういう経験がない事業者さんで、そういうところの訓練というか、経験値を積むっていうところにも時間がかかってるように聞いたんですけども、ガス気球ってこれまであまりなじみがない分野のもので、安全っていう面がとても大事だろうと思うんですけども、ちょっと前に兵庫のほうで安全基準がちょっと曖昧な、遊園地の床が抜け落ちたみたいな話もありましたけど、そこら辺の市としてきちんと安全に運行して、安心して乗ってもらうための基準なり、そういう乗る人に対して「ここまで、うちはやってますよ」っていうアピールできるような、安全面の施策というのは何か考えておられるんでしょうか。

(市長)

 気球というと空を飛ぶ、しかも今回100メーターぐらい上まで上がりますから、絶対に事故があってはいけないという強い決意で臨んでおります。日本においては、ガス気球が中心であったと思うんですが、ヘリウムガスについては日本では実施エリアはあったんでしょうかね。現在はありませんので、海外で行ってる事例であったり注意すべきところというのはもう徹底的に調べながら、そしてトレーニングにしても、早く実施をしたいから前倒しで行うというわけでなくて、きっちりとその手順は省略することなく確実に行っていきたいと考えております。
 ヘリウムガスに関しましても、熱気球で事故があったということもいくつか報告があったと思うんですが、ヘリウムガスについては例えば引火であったり、そのような危険というのはかなり、かなりというか、そういう事故というのは多分、私自身は把握していないですし、危険性もかなり低いと聞いております。
 ですから、もう今さまざま海外の行ってる事例も参考にしながら、そして製造する事業者とも、民間事業者の方をきちっと詰めてもらいながら、事故を絶対に起こさないという形で行っていきたいと考えておりますし、市民の皆さんにも安全に乗っていただけるように注力したいと思います。

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