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堺市長記者会見 令和3年10月26日

更新日:2021年11月2日

市長

 まず、新型コロナウイルス感染症とワクチン接種の状況、そして、環濠エリア・堺旧港エリアでの新たな取組について発表したいと思います。

新型コロナウイルス感染症

 まず、堺シグナル・モニタリング感染状況の今のご報告です。
 今、日々の新規陽性者で一桁の状況が続いておりまして、大阪府全体よりは若干、堺市の10万人あたりの感染者数は少ない状況ではありますが、大体もう下限ぐらいまで下がってきているのかなという印象にあります。
 これは、今年5月から現在に至るまでの感染状況でして、第4波と第5波の間、かなり感染が落ち着いている時期がありましたが、現状は感染者数が1人という日も多く見られていまして、第4波と第5波の間よりもさらに少ない状況になっています。
 一方で感染経路不明者数、このオレンジ色のグラフがぐぐっと伸びていますのは、今そもそもの絶対数が少ない状況でして、例えば新規陽性者が1人であって、しかも、その方が感染経路不明ということになると100%ですので、感染経路がかなり少ない中でも感染経路不明の方がいらっしゃるために上がっているという状況です。今、徐々にさまざまな制限が緩和されつつありますので、今後もう少し増えてくるように懸念をしていますが、その際に感染経路不明率が上がったまま高止まりをするのか、もしくは感染経路が分かっている方が多いのかということを注視して見守っています。
 こちらが昨日現在のこの1カ月間のカレンダーを示したものです。4週間のカレンダーです。このオレンジ色のところが前週に比べて上がった前週比、増えたというところでありますが、いずれも前週も一桁のところが多くて、一時的にそこで感染が前週よりも増えるとこのオレンジ色になりますが、全体としては続いているわけではありませんで、この10月9日から毎日新規陽性者が一桁という日が続いております。堺市の場合は人口が82万人以上という人口規模の大きな都市ですので、なかなかゼロという日は見られませんが、市民の皆様の多大なご協力のおかげで、今感染状況は抑えられていると考えてます。
 こちらが陽性率の推移です。こちらも6月、7月よりもさらに低くて、今は昨日時点では0.79%ということでしたので、陽性率1%も下回っていると。100件検査しても、お1人も新規陽性は見つかっていないという状況です。
 そして、重症者数の推移です。第4波でぐぐっと増え、54人の方が重症者でおられましたが、第5波はワクチンの効果もありまして、重症者の方が比較的少ない状況でした。現在、6人の方が重症となっておられます。一日も早いご快復を願っております。
 そして、重症者の方も含めた入院・宿泊・自宅療養者数の推移です。こちらにつきましては、今いずれも第5波ぐぐっと、特に自宅療養者が伸びた後今は落ち着いておりまして、入院されている方は16人の方がいらっしゃいます。こちらは、先ほどお伝えした6人の重症者の方を含みます。そして、自宅療養の方が14人。宿泊療養の方が12人という状況になっています。
 今お伝えしたように、かなり今の感染状況も落ち着いているという状況ではございます。昨日から新聞・テレビ等でも報道があったように、大阪府において、飲食店の皆様に多大なご協力をいただいておりました営業時間の短縮、もう解除されて、飲食店も徐々に利用が戻りつつあるという状況です。
 堺市内におきましては、10月31日まで市民の皆様に、啓発であったり呼びかけを行っておりました。明日対策本部会議を開催いたしまして、11月1日以降の市の独自呼びかけでありましたり、対応について協議をする予定にしております。人出も増えていると聞いておりまして、感染が落ち着きつつあり、ようやく少し回復感がある中ではありますが、引き続き感染対策注意をしながら、再拡大を少しでも遅らせられるように、その波を抑えられるようにご協力をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 そして、ワクチン接種の状況に移りたいと思います。本日の朝9時時点の情報です。12歳以上の全対象者は80.7%の方が1回目を終えられて、2回目も75.2%の方が終えられています。もともと10月中に8割の方が接種完了見込みとお伝えをしていました。今80.7%まで達していまして、接種率は大体週に1.2%ぐらい今でも増えつつあります。ただ、その伸びというのは鈍化をしていますので、おそらく12歳以上の全対象者は80%台前半ぐらいで落ち着くんじゃないかと考えています。一方で2回目は今まだ進んでいまして、接種率は週に二、三%伸びています。接種回数はVRSの登録データより抽出をしていますが、医療機関の皆様から予診票を送っていただいて、それを堺市で5RSに登録するまでが大体1週間ぐらいのタイムラグがありますので、おそらく10月末の時点では2回目接種を終えた方の接種率は、約8割の方ということでおおむね当初の見込みどおりと考えています。
 そして、年齢別のワクチン接種状況です。もう75歳以上の方は99.4%、ほぼ100%近い方が接種をされていて、特に30歳から39歳、これまで長く待っていただいた皆様も7割の方が1回目接種を終えられる。ファイザー社製の場合1回目接種を終えられるということは3週間後に2回目接種を受けられますから、大体7割ぐらいの方が受けていらっしゃる。そして、12歳から29歳、29歳以下の方も62.3%と6割を超えています。現在もさまざまな理由があって接種をまだ受けられていない方がおられると思いますので、11月以降の接種予約も受け付けています。個別接種会場は今もうおそらく11月以降は受付を停止していると思いますが、堺市におきましては、集団接種会場(地域会場)4か所・集団接種会場(医療機関)にてワクチン接種を引き続き続けたいと考えていますので、まだ接種されていない方、若い方もそうですし、ご高齢の方であってもいろんな事情があって受けていらっしゃらない方、まだ堺市内で接種していただけますので、この機会にご希望の方はお願いいたします。
 そして、3回目接種、追加接種ですね。こちらまだ国から情報というのが限られていまして、不透明なことが多いんですが、ただ、私も今各区を回っていますが、お話をお聞きをすると、「3回目接種どうなんだ。」と、「準備できているのか。」というお声も聞かせていただくことが多くありますので、今の堺市の状況についてお伝えをしたいと思います。こちらは10月20日に厚生労働省から事務連絡があった内容を引用しているものです。堺市としましては、今準備を着実に進めています。11月中旬には接種券を発送ができる。今日がもう10月26日ですので、あと二、三週間後には発送できる準備を進めていますが、ただ、実は国からまだ発送していいよという連絡がありません。接種対象者の範囲も、実はまだ確定をしていません。3回目接種を実施するということは発表されていて、そして、その接種券の様式であったり、大体のスケジュール感など、こういうことで行ってねということは聞いてはいるんですが、ただ、発送を開始する時期については国から改めてお示しをするということですので、私たちとしましては国からの通知を待って、通知があり次第直ちに準備、その作業にかかれるようにしたいと考えています。対象者としましては、まずは、医療従事者の方から始まりまして、その後先行的に接種をいたしました65歳以上の方を想定しております。本市におきましては、大体6月ぐらいが接種のピーク、一番多い時期となりましたので、そこから8カ月後を想定しますと、来年の1月後半から、2月、3月ぐらいまでが最も接種対象者が多くなる時期だと考えていまして、その体制も含めて、今庁内で着実に実施ができるように検討をしています。
 ひとまず、私からはここまででご質問を一旦受け付けたいと思います。

(司会)

 ここまでの部分でご質問のある方は社名をお名乗りいただいて、よろしくお願いいたします。
 ご質問ございませんでしょうか、よろしいでしょうか。
 それでは、次の案件に移らせていただきます。

 環濠・堺旧港エリアでの社会実験

 続きまして、こちらは都市魅力の創出に向けた取組です。環濠エリアと堺旧港エリアの新たな取組について発表させていただきたいと思います。
 先週か先々週かお伝えしたと思いますが、「堺市基本計画2025」、堺市の市政運営の大方針として、今年4月から基本計画を策定しまして、2025年までの目標を掲げて、こちらに向けて全職員が一丸となって進んでいく。市民の皆様にもご理解をいただきながら、さまざまな取組を行っている内容です。
 そして、その重点戦略が5つありまして、その一番最初に、やはり堺の持つ歴史文化を最大限活用しようと、活かしていこうということで、こちらを重点戦略の冒頭に掲げています。そして、その中に環濠エリア・堺旧港の魅力の創出とありまして、今回はその内容に沿った取組になっています。目標数値としましては、2019年度環濠エリア、堺東と堺駅の間の部分が環濠エリアと呼んでいるんですが、また後で地図を見ていただきます。こちらへの来訪者数が新型コロナが発生する前で、世界遺産に登録された年ですので、かなり人が増えたと思うんです。そのときの182万人から、実はコロナの影響でぐっと減っていましたが、2025年にはここからさらに約倍増近くまで300万人を目標としたい。かなり高い目標を掲げています。ぜひ、この環濠エリア、もう歴史が詰まった魅力的な場所でありますので、市民の皆様にもう一度再認識をしていただきながら、外から来られる方もぜひ環濠エリアで過ごしていただきたいというところで、目標を掲げています。
 環濠エリアというところの少し説明させていただきたいんですが、もともと堺市は海から発展した都市でした。16世紀、1500年代には「黄金の日日」という大河ドラマが以前ありまして、国際貿易都市として日本一とも言われるほど栄えた都市でした。昨年の大河ドラマ「麒麟がくる」でも鉄砲の製造であったり、さまざま戦国時代の武将たちの関連になぞらわせて堺がたびたび登場していまして、当時、街を守るために環濠、この輪っかになる堀というところで、環濠が張り巡らされました。その環濠が実は、今これ江戸時代の地図なんですけど、この地図よりもさらに一回り小さい環濠が当時はあったんですが、それを新たに江戸時代に整備され直されまして、今の町並みも、この環濠の面影を残しております。ここは阪神高速堺線が通っておりまして、そして、ここは今道路になっていますが、ここは内川、土居川というところで、川も今もございまして、まさにこの地域が、堺がこれまで発展した面影を残す場所でもありまして、また茶の湯や伝統産業ですね。今も刃物、線香などの会社が多くありますので、歴史文化が息づいている。まさにその当時の日本の精神性をあらわした地域だと考えています。
 そして、この環濠エリアは、ここは大小路の交差点で堺市役所がここら辺になるんですが、東西の道が大小路筋、そして、南北が大道筋、こちらは現在もあります。阪堺電車が通っているのが大道筋です。今回は、この大道筋を舞台にしながら、また、海から発展した場所でありますので、この堺旧港、これは江戸時代に吉川俵右衞門さんという方が整備をした場所でありますが堺旧港というこの2つの場所を舞台にしまして、堺の歴史を感じていただける取組を行っていきたいというのが大きな方向性です。
 まず、環濠エリアに関しましては、今、車通りもありまして、人が動くというよりも移動するような意味合いが強いんですが、こちらをぜひ安全・快適でウォーカブル、人が歩く空間にしたいと考えております。環濠とGOをなぞらえ、“環GO”Forward、前に進む。「“環GO”Forward2021」と題しまして、この環濠エリアで皆さんいろいろ、これまでなかった価値観をぜひ知っていただきたいなと、例えば、自転車の通行実験でありましたり、次世代モビリティを導入する。また、さまざまキッチンカー等を導入しまして、このエリアで過ごしていただきたいなという取組でございます。11月12日と13日の二日間を予定しています。
 そして、この場所では、この大道筋かなり広い道路で、皆さん通られたら分かると思うんですけど、この大道筋の端は少し道路が細くなっていまして、この環濠内の部分が広い道路であるにもかかわらず交通量に比べてかなり広い道幅になっています。ですから、そのこれからの大道筋の活用を考えた中で、例えばこの道路部分に自転車専用レーンを設けて、今は歩道に自転車レーンがあって走れるようになっていますが、自転車専用レーンを設ける。そして、次世代モビリティが走れる空間を設けることで、より歩道空間を安心して歩いていただくことができるようにしたいと考えています。
 そして、このスペースでは、次世代モビリティの乗車体験もしたいと考えています。伝統産業会館であったり、大小路エリアを周遊できるようにしたいと思っていまして、今回さまざまな企業の皆さんにご協力をいただいています。電動車椅子ですね、こちら電動車椅子でありましたり、例えばキックボード、また、さまざまな目的の電動モビリティがありますので、こちらをぜひ皆さんに乗車体験をしていただきたいと考えています。
 今年の3月にも市役所前の広場で「次世代モビリティ大集合!in堺」というイベントを行いました。次世代モビリティと一言に言いましても、今これ一例挙げただけでこれだけ種類があるんですが、例えば体が不自由な方であったり、高齢者の方、また、子育て世代の方々、その立場に応じてさまざまな活用ができます。これまでは自動車に乗るか乗らないかであったら、自転車というのがある程度形が限られていたかと思うんですが、次世代モビリティはまさにその用途に応じてさまざまな種類がありますので、ぜひこの機会に次世代モビリティを身近な物として感じていただきたいと思っています。
 そして、併せて今回の取組で新たに生まれた歩道空間を活用しまして、キッチンカーやオープンテラスを配置したいと考えています。歩いても楽しんでいただける空間を創出をしまして、新たな可能性をぜひ皆さんに見出していただきたい。
 そして、同時に環濠エリアを周遊しながら、オープンファクトリーですね、こちらには和菓子、線香、こちらは昆布ですね。そして、刃物、さまざまな実際の会社がございます。工場の現場がございますので見学をしていただいたり、体験をしていただく、また、昆布の手すき見学も今回できるということですので、伝統産業の現場をこの機会に巡っていただきたいと思います。3か所以上の訪問で、堺の名産が当たるプレゼントもしていまして、こののぼりを掲げたところを目印にしていただきたいと思います。
 そしてもう一つは、堺旧港エリアのご紹介です。
 こちらの取組に関しましては、もともと堺の海という、もうずっと海から発展した街でありましたので、海とは切っても切れない関係にありますが、なかなかこれまでの堺市は海がある空間を活用できておりませんでした。私も時々行くんですが、夕日が見える、西日が見える本当に美しい場所であるにもかかわらず、あまり人がいなくて本当にもったいないなと思っておりました。
 ですから、今回社会実験を行いますが、ぜひこの海の魅力というのを、市民の皆様にも市外の皆様にも感じていただきたいというところで、これまでの海を、Switching Portですね。価値観を変えるという意味も込めまして、乙姫の休日、乙姫像という、昔水族館のモチーフとして設置されていたレプリカがありますが、乙姫の休日と題しまして、この社会実験を行いたいと考えております。
 具体的には、こちらもキッチンカーを配置したり、人工芝を敷きまして、さまざまそこでにぎわいを感じていただける空間にしたい。また、こちらでも次世代モビリティの乗車実験や、また水上アクティビティも体験していただきたいと考えております。期間は、11月12日から15日です。
 イメージの図がありますが、堺旧港の北側の護岸に、例えばベンチでありましたり、人工芝を設置しまして、レクリエーションの場としましたり、またキッチンカーによる販売も行いたいと考えております。
 そして、水上アクティビティです。こちらは今、水上自転車の絵がありますが、今よくあります、サップという新たなスポーツもはやっていますので、サップや水上自転車の乗車体験も行いたいと考えております。
 今回、実証実験で堺旧港の可能性、海が見える空間の可能性というのをぜひ実感していただきたいという思いがあります。併せて、その環濠の取組と併せて行うというのは、やはり歴史ある環濠と堺の海は切っても切り離せないと。
 これまでは、堺の観光地、名所というと、それのスポットだけ訪れて、周遊することが多くありませんでした。ですから、世界遺産、百舌鳥・古市古墳群、大仙公園エリアと、そしてこの環濠エリア、また海と、周遊していただくことで、堺で長い時間を過ごしていただいて、ぜひ堺で宿泊もしていただきながら、アフターコロナの取組につなげてきたいという思いです。
 この期間中ですが、先週発表させていただきました「ゴルゴ13」の展示や謎解きイベントも市内で行っておりますので、ぜひ併せて、この11月、感染対策を徹底して私たちもお迎えをいたしますので、ウィズコロナの中ではありますが、皆様にもマスク着用等、気をつけていただきながら、ぜひこの堺の名所を巡っていただきたいと思います。
 最後に、今回都市魅力に関する取組をお伝えしています。今のこの堺というのは、財政危機を宣言しておりまして、正直言うと稼ぐ力がございません。実際に必要となるお金を、自分たちの自らの収入では賄い切れていないという状況があります。
 財政力指数も0.81と、かなり低い状況にあります。これから住民サービスを支える意味では、もう行政が行っている事業を切り詰めていったり、事業を削減するというだけでは限界があります。ですから、これから私たちは稼ぐ力をつけなくてはいけないということを喫緊の課題にしております。
 都市が魅力的になることで、そこを、その魅力ある都市が、人も企業も引きつけることになります。そこに人が来れば、地域経済の活性化にもつながりますし、企業の誘致にもなります。企業が来れば、固定資産税の増加であったり、雇用の創出にもつながるということで、財政危機の本市だからこそ、さまざまな取組を行いながら税収増につなげていきたい。そして、その取組を行政が税金を使って、多額の費用を投じて行うのでなくて、民間企業の皆さんに活躍をしていただきながら、民間企業も収益を上げながら都市魅力の創出につながる取組を、これからも積極的に手がけていきたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(産経新聞)

 今回の社会実験について、2点聞かせてください。
 形としては、大道筋の車線の多い道路を活用して、これ、一つ車線を潰すような形をイメージすればいいんですかね。街のにぎわいとともに、自転車であるとか、次世代モビリティの通る姿を描いていくということだと思うんですけども、この社会実験を通して、今後この道について、車線を減らしてこういった空間にしていくことが目標なのか、それとも歩行者天国のように期間を限定した形で、毎週日曜日はこういう空間にしますよとしていくのが目標なのか、どちらの姿が目標になっているのかをまず聞かせてください。
 もう一点は、次世代モビリティの乗車体験とありますが、この自転車に関しては自転車産業が堺に根づいてるということもあるかと思うんですけども、この次世代モビリティをPRしていく狙いについて、この2点を教えてください。

(市長)

 まず、この社会実験の行き先ですが、大道筋の有効活用というのが一つ大きな目標としてあります。今回、警察署にもご協力をいただきながら進めていくんですが、道路空間というのは一度つくってしまうと、道路の活用というのは非常にハードルが高いんです。ですから、今回社会実験を行うことで、道路2車線、この600メートルの区間ですが、閉鎖をしても渋滞等、通行に支障がないということをまずは確認したいということが一つです。
 そして、先日SMIプロジェクトということで、新しい堺・モビリティ・イノベーション、都心ラインを発表させていただきましたが、そこはこの大小路筋と大道筋、両方に関わるものです。その大きなコンセプトとしまして、これまでの車社会から、人中心の空間を掲げております。ですから今回も、例えば大道筋の交通量です。2車線、ここを閉じることによってどういう影響があるのかということと、ここが人が歩くようになれば、今沿道はそれほど店が多いという状況ではありません。そこが行き来が増えれば店舗の活用も進むかと思いますので、ぜひこのメインストリートであります大小路、こちらに利晶の杜があったり、伝統産業会館という、市が手がける場所もありますので、ここを行き来することによって、この大道筋の活用を考えていきたいと思っております。
 そしてもう1つは、すみません。

(産経新聞)

 次世代モビリティを推進されている理由は。

(市長)

 こちらの理由、大きなものは、やはり脱炭素ということ、カーボンニュートラルが大きなものとしてあります。
 これまで、やはり自動車社会でありましたので、特にガソリン車が多い状況でして、大量のCO2を出しながら、そして渋滞も起こしながら進めておりましたが、そもそも私も以前車に乗っておりましたが、1人で運転するのに、果たして4~5人乗りの乗用車が必要なのかどうなのかというところをあまり考えずに、車がもうそれしか選択肢がないから選んでいたという状況もあるかと思います。
 一方で、じゃあ短距離であれば、例えばキックボードであったり、こちらは自転車にもなるし、電動のスクーターみたいになるという両用ではあるんですが、もう少しいろんな選択肢があってもいいんじゃないかということで、自動車社会からの転換、これは今自動車各社もガソリン車からEVへの転換が進んでいるかと思いますが、その自動車自体も、より小さなスケール、目的に合った形で提供することで脱炭素の動きを進めていけるんじゃないのか。そして、その車両自体も全て「電動」とついておりまして、もちろん自転車もこれからどんどん推していきたいと思っています。自転車自身はもちろん手動ですので、足ですが、自分でこいで進みますので、そもそも電動ですらないんですが、このような、例えば体が不自由な方であっても、電動車椅子でありましたり、電動モビリティを活用することによって、今のガソリン中心の車社会からの転換を図りたいということを目標にしております。

(産経新聞)

 私が浅学なので確認なんですけど、例えばこの次世代モビリティに関して、例えば堺の自転車関連の技術が活かされてる部分があるとか、そういった面もあるんじゃないかなと、ちょっと想像して質問した部分もあるんですが、それはいかがでしょうか。

(市長)

 今、この中で堺の企業が関わっている会社はありますか。担当者、分かりますか。

(担当)

 申し訳ございません。そこら辺、確認させていただき、本日中にまた回答させていただけたらと思います。

(市長)

 この中には含まれておりませんが、今、自転車タクシーも運行しておりまして、コロナ禍なので休止していましたが、そちらは堺の製造所で作って、しかも部品はシマノさんのものです。自転車タクシーなので人力ですが、電動アシストになっております。堺の技術を使えるものがあれば積極的に導入していきたいと考えています。

(産経新聞)

 ありがとうございます。

(朝日新聞)

 先ほど車道は、車道を止めたとしても渋滞が起きないかという確認の意味合いがあるとおっしゃっておられて、コロナがあって、温めておいたのになかなか実施できなかったんだろうなという側面は感じるところはあるんですが、もう1個のこの水辺のイベントなんですが、私ももう寒くてコート出してしまったこの時期にやっても、ちょっと肌寒い、見ててちょっと寒々しい感じもするので、これ、春先なり夏なりにもう一回仕切り直してやったほうがよさそうな気もするんですが、こちらをやる、実験をする狙いというのを改めて教えてください。

(市長)

 11月の中旬ですから、私自身は非常にいい時期だなと思っています。10月後半に入って、私も以前半袖で会見してた頃から、急にスーツの上着まで引っ張り出してきて今会見してますので、この10月は非常に気候が下がりましたので、そう思われるかもしれませんが、おそらく通常の11月は本当に過ごしやすい時期だと思うんですよね。気温もそれほど低くならず、ですから11月のこの時期に実施したというのは、実はおっしゃったとおりで、新型コロナ感染症の影響というのはあります。
 10月31日までは市民の皆さん、ワクチン接種が佳境ということで、それまでに8割接種を終えたいという目標がありましたから、実はこのイベントは10月にやりたいと思っていました。ただ、10月でまだワクチン接種が途中の状況で始めてしまうと、感染再拡大につながりかねないということで1カ月延期をしまして、この時期であればもう8割以上の方が2回接種を終えられてるので、感染対策は徹底しますが、比較的実施しやすいだろうと思っています。
 実際に、とはいいながら、両方とも屋外のイベントですので、雨が降らなかったり、気温がぐっと冷え込むようなことがないことを祈っておりますが、もしそうであっても、これからも秋の11月というのはやはりイベントシーズンでもありますので、今回実証実験になりますので、経験を踏まえながらこれからの活用をしていきたいと考えています。

(朝日新聞)

 狙いとしては、今もう一個の車道を止めて渋滞が起きないかってあれでしたけど、こっちのほうはどういう狙いなんですか。

(市長)

 こちらは、海辺の空間を活かすことができるのかどうか。これまで実はこの、旧港の写真が。この段々ですね。きれいに整備されております。この堺旧港の海側の部分というのは大阪府の管轄ですので、ここをきれいに整備されたんですが、私は家が近所なのでよく歩いて散歩するんですけど、あまり人は歩いていません。犬の散歩されていたり、ジョギングされる方はいるんですけど、本当にもったいないんですよね。きれいに整備されたにもかかわらず、もったいない。
 その中で、今大阪府、大阪市と連携をしながら、大阪広域ベイエリアまちづくり会議というものを実施しておりまして、その中の重要ポイントとして、この堺旧港エリアが選ばれています。ここは大阪府も強力にプッシュをしながら、これまで大阪府としても大阪の水辺空間の活用で、大阪市内に限っていたんですよね。視点がそこにどうしても行ってしまって、南港であったり、天保山のあたりの水辺空間が多かったと思います。
 今は万博が行われますので、夢洲も注目されていますが、そこを南エリアにも持ってくるというところで、これまでなかなか大阪府とこの水辺空間の活用で連携できていなかったんですが、非常に大きな取組だと考えています。
 ですから、堺市で発表をしますが、大阪府とも連携しながら、そしてこの部分は堺市の市有地もありますが、大阪府の府有地もあるんですよね。大阪府の府有地を活用して、ここで例えばキッチンカーであったり、臨時店舗も今回設置されるように聞いていますが、予定をしていますが、そこで人がにぎわう空間ができたならば、今後その府有地を活用して新たな商業ベースも採算が取れることが見込めますので、ぜひ今回のイベントで多くの方、お越しいただきながら、この辺ですかね、府有地は。ですので、まずは可能性を探りたいと。そして、この結果を大阪府とも共有をしながら進めていきたい。
 今度、万博が2025年に開催されますが、今大阪府と話をしていますのは、できれば水上の航路をつなげたいねと話をしています。万博会場になります夢洲から、この堺まで船で行けたらいいよねという話もしておりまして、そうするとますます、まさにポート、港としての活用ができることになりますので、これからの活用をめざして、まずは第一歩、注目されるエリアにしたいというところで、実証実験を行います。

(朝日新聞)

 大変よく分かりました。
 もう1点お聞きしたいのが、目標値としてKPIで来訪者数300万人という、ちょっと現状からすると大分高めの数値を上げてらっしゃるんですけども、おそらくこれ、宿泊じゃなくて日帰りの入込客数だろうと思うんですが、堺の一つ課題として、私もそんなに長く住んでるわけじゃないので、半年住んでみての感覚ですけど、大阪が近いので、どうしても宿泊となると大阪、難波とかにホテルに予約して、堺はちょっと寄って、夜、食事は大阪市内で食べようかなという人が多いんじゃないかなという印象を持ってます。
 やはり、人を呼んでお金を落としてもらうには泊まってもらうのが一番というのがどの街も課題だろうと思うんですけども、この300万人というKPIの数値は数値として、今後どういう形でそういうお金を落としてもらう仕組みというのをつくっていかれようとしているのか。万博に向けての市長のお考えというのをお聞きできたらと思います。

(市長)

 ありがとうございます。大変重要な視点のご質問だと思います。
 おっしゃるとおりで、堺に来られる多くの方は宿泊しません。そもそも、堺に来られる方というのは、特に世界遺産に登録されるまでは多くありませんでした。
 大阪へのインバウンドは、新型コロナが発生するまでかなり伸びておりましたが、堺の宿泊者数というのはそれほど伸びていなかったんですね。
 私も10年ぐらい大阪市に住んでいましたけど、大阪市に住んでいると、堺に来る用事というのはないんですよね。もう、大阪市内で全て事足りてしまいますから。
 とすると、大阪市と同じ方向性をめざしたり、大阪市をライバル視しても、そこは何も得られるものはなくて、むしろ堺にしかないものを打ち出していかなくてはいけません。その意味では、世界遺産、百舌鳥・古市古墳群というのは強力な、もちろん保全が目的ではありますが、魅力発信としても有効だと考えています。
 一方で、百舌鳥・古市古墳群、仁徳天皇陵古墳だけをご覧になっても、その後すぐにJRに乗って、天王寺に行ってしまう。堺でそれで一泊しようかということにはなりません。ですから、今おそらくコロナが落ち着いて、これから世界遺産を訪れる方も多いと思いますが、その機会にぜひ周遊をしていただきたい。今年3月にビジターセンターをオープンいたしまして、百舌鳥古墳群のビジターセンターの8K映像をご覧になられたと思いますが、そこには第一部は古墳群の空からの眺め、第二部は堺の伝統産業とのつながりというものをそこでお伝えしているんです。もともとの古墳時代の鉄の鍛造技術が刀の製造につながり、鉄砲につながり、今は刃物の生産ということで、歴史というのが1600年を超えてつながっておりますので、そこから環濠エリアに来ていただく。そして、環濠エリアから海辺を見ていただく、もしくは環濠エリアの線香の製造体験であったり、刃物の研ぎ体験、さまざまな体験をしていただくことで、宿泊していただく方を増やすというのが、本当に私たちが今やりたいことです。
 このスポットが増えることで、1泊、2泊していこうかという方が増えると考えているんです。特に堺には魚市場のように、深夜にオープンして明け方に満員になるような店もあります。そうするともう泊まらざるを得ないですから、さまざまなスポットを巡っていただくことで1泊でも2泊でもしていただきたい。そうすると、晩ご飯も昼ご飯も堺で食べていただけますので、地域の活性化につながります。
 特にコロナ禍では、宿泊業界は壊滅的なダメージを受けていると思っています。飲食の皆さんもようやく時短が解除されましたが、今まだまだ厳しい状況というのは、私も飲食店の経営者から聞いております。
 ですから、今回ウィズコロナからアフターコロナに向かう中でさまざまな実証実験をしながら、今後早急に、今までぐっと我慢してきたものを回復できるような、これまでよりもさらに向上できるような、この2年間を決して無駄な期間としないように、行政としても強力に支援をしていきたいと考えております。
 もちろん事業者主体になりますので、行政がそこにどんどん税金を出してということではありませんが、さまざまな面で、例えば規制緩和であったり、警察などの各団体との調整等、行政がパワーを発揮できるところは多くあると思いますので、ここは堺市内の行政も事業者も力を合わせて盛り上げていきたいと考えています。

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