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堺市長記者会見 令和3年7月6日

更新日:2021年7月12日

モニター掲示資料

市長

 本日、2点、新型コロナウイルス感染症、そしてワクチン接種の状況と今後の方針について。そして新しい技術、先進技術を活用した泉北ニュータウンでの取組についてご紹介をさせていただきます。

新型コロナウイルス感染症

 まず、新型コロナウイルス感染症からお伝えします。
 本市の今の状況を見ますと、この青いところが日々の新規市民の陽性者、そして、オレンジ色の線が、これが感染経路不明者数です。青い線、新規の陽性者数は日々一桁から10人というところを推移しておりまして、下げ止まり感はあるんですが、増加傾向ではありません。一方でこの感染経路不明者数、新規の陽性者の中で実際に感染経路が分からない、どこから感染したか追えないという方の数は今、若干増えつつあります。少し嫌な傾向だなと感じております。
 10万人当たりの新規陽性者数、大阪府、大阪市、堺市と比べたものです。こちらを見ますと、堺市、点線が分かりにくいですけど、大阪市がよりちょっと如実に出ているんですかね、陽性者数が上昇傾向にある。大阪府と堺市は変わりませんが、今下げ止まり、そして、これから拡大、急拡大をさせないために要注意の状況だと考えております。
 こちら、陽性率の推移です。高齢者施設の集中的な検査を除いています。こちらは1%前後ということで、低い数字を保っています。
 堺シグナルのモニタリング指標としまして、感染経路の不明者数は今徐々に増えている状況にあります。そして年代別、先月6月の後半22日から、医療機関関連のクラスターが本市で発生しておりますので、60歳以上の方が比較的多い状況が続いていましたが、今は10%台ということで、高齢者の方が少なくなっております。
 先ほどの数字をグラフに表したところでして、60歳以上の方、点線のところですが、先週40%を超えておりましたが、現在は10%台、20%弱ということになっています。
 そして、重症者数の推移です。赤い線が重症者の方が今どれだけいらっしゃるかというところです。今日現在で4人の方が今も重症となっておられます。一日も早いご回復を願っております。重症者数のほうは、今増加傾向にはございません。恐らく高齢者の方のワクチン接種も進んでいるということで、重症化を一定抑えることができているんじゃないかと認識をしています。
 今の本市の状況ですが、ここで1つ市民の皆さんにお伝えしたいこと、それは、熱中症にご注意してくださいということです。今もかなりむし暑い状況が続いていますよね。私も仕事中ずっとマスクをしているんですけど、マスクをしていますと、やはり蒸れて湿度が高い中で、顔もほてってくると、少し気分が悪くなるようなこともあります。昨年の傾向を見ますと、多くのコロナ禍でイベントが中止になったり、また、行事、クラブ活動の自粛期間が長くあったんですが、実は4月から9月末日の救急搬送の数というのは一昨年に比べて増加していました。熱中症と診断されて救急搬送された方が486人いらっしゃって、一昨年よりも53人増えたという状況です。
 そして、なぜ屋外であったり様々なイベントが中止になったにもかかわらず熱中症が多いかということですが、熱中症の救急搬送の約6割は、実は屋内で起こっていると。ふつう救急搬送であったり熱中症というと、屋外で日光に当たって発生すると思われがちかもしれませんが、実際には屋内で発生する例が大変多いという状況です。ですから、屋内にいたとしても、こまめな水分補給をぜひ意識をしていただきたいと思います。
 そして、熱中症による搬送の約半数は65歳以上の高齢者の方です。ぜひ水分補給、そして、こちらは、「暑さとウイルスに負けない体をつくろう」ということで、栄養をしっかり取ってくださいねと、そして、最後は熱中症というよりも、この夏を迎えるに当たっての注意事項になりますが、エアコンをつける間でも空気、換気が悪くなりますので、定期的に換気をして、これから間もなく梅雨明けじゃないかと思うんですが、梅雨明け、そして、真夏を迎えるに当たっても感染対策と、そして、熱中症予防、注意をして過ごしていただきたいと思います。

 続きまして、ワクチン接種に移ります。
 本日の最新データです。先週から、VRS、実際に国のシステムに登録してあるデータを抽出しております。本日の正午現在、高齢者の方の接種率は1回目70.2%と70%を超えております。2回目接種された方32.8%、そして、12歳以上の全ての対象者、1回目の方25.3%の方がこれまでに接種を終えられているという状況です。
 そして、今大変苦慮しておりますワクチンの供給スケジュールの情報がこちらです。先週、会見をしましたときに、第9クール、ここの7月17日予定とありますが、7月の中旬に供給される量が、その前の週の4割減るというお話をさせていただきました。大変厳しいというお話をしましたが、先週の金曜日に第10クールの数が発表されまして、これ10と10-2とありますが、2段階に分けてですが、2段階合わせて5万4,990回ですので、第8クールに比べると6割少ない数しか供給されないことになります。そして、第11クール、これは今調整中で、恐らく8月の上旬か中旬ぐらいに供給されるものだと思いますが、これは今は未定です。まだ示されておりません。ですから、もう7月に入ってぐぐっとワクチン供給が6割減少なくなって、しかも8月の見通しが全く立たないと、8月の情報も示されていない。恐らく皆さんも取材される中で、どこどこの市が予約をキャンセルしたとか、新規の受付を停止したというお話があります。これも当初はVRSの入力が遅いとか早いとかありましたけど、もうそういう話ではありません。日本全国ワクチンの供給が絞られている。どこも厳しい状況になっていると思います。ここまで堺市も順調にワクチン接種を進めてきましたが、この厳しい状況を受けて、見直さざるを得ません。そこで、今日はこれからの方向性、方針についてお示しをしたいと思います。
 供給減する分をどう賄っていくかということです。6月21日、一番多い週で6万4,000回のワクチン接種を堺市は行ってまいりました。それが、ワクチンが大幅に減ったということで、今後3万8,000回、これはあくまでも今の供給量に基づくものですので、これからさらにこの数が少なくなっていくことが予想されます。まずは、4割減をしますが、恐らくこれにとどまるものではなくて、さらにワクチンは少なくなっていくと考えています。まずは、6万4,000回から3万8,000回に減少するために、個別接種会場、それぞれの地域の診療所、約330か所の診療所の皆さんにご協力をいただいて接種をしていますが、まずは2万6,000回に減少の協力をお願いします。そして、集団接種会場におきましては2万3,000回今行っているものを、1万2,000回まで半減します。集団接種会場につきましては、これまで拡充してきましたが、2会場閉鎖します。アゴーラリージェンシーホテルにも協力をいただいて行ってきましたが、そちらと、矯正研修所、これは法務省の管轄ですかね、閉鎖をいたします。そして、その他の7会場においても接種数を削減する。
 堺市も必死になってこれまでワクチン接種拡大に向けて動いてきたんですが、ここにきて急ブレーキをせざるを得ない状況になっております。
 ただ、その中でも堺市の方針としましては、一人でも多く一日も早くワクチン接種を進めていくという方向性は変わりありません。ほかの関西の政令市が予約キャンセルしたり、1回目の接種をもう予約を停止すると決めた状況があるにもかかわらず、堺市が止めないのはなぜかと。昨日も、新しい50歳から64歳の方に枠を拡大して予約受付をしております。もう今報道の皆さん「ワクチンが足りない、供給不足」とありますので、恐らくワクチンがこれから少なくなるという焦りもあると思いますが、もう昨日1日で集団接種会場の予約は定員に達しました。個別接種会場はそれぞれの診療所で受け付けておりますので、まだ、空いているところがあるかと思います。ただ、この個別接種会場においても供給数はこれから絞られていきますので、減少するかと思います。枠を広げながら、さらに今集団接種会場は少なくしていくんですが、ただ一方で夜間接種会場も設置をします。これから65歳以下の方、特に現役世代、仕事に出られている方も多いと思いますので、その方に対しまして、日中の時間帯だけではなくて、この午後の時間帯、夜7時50分まで開ける枠を開放しまして、そして、働いている方でも夕方から夜間にかけて受けていただける状況を行ってまいります。
 このようなことが可能になる理由を先ほど言いかけたんですけど、堺市ではこれまでワクチンの供給量というものをかなり慎重に見ていました。担当とももうずっと昨日も一昨日も会議続きだったんですけど、これまでワクチン供給が変動すると、例えば12万9,000回あるけれども、これがずっと続くわけじゃないと、恐らく減るだろうという見込みの下で計画を立てて、しかもその枠も多いところでは、例えば8月や9月の枠も開放して予約を受け付けているところがあると思うんですが、堺市はそれは行っていませんでした。集団接種会場も7月の中旬までしか開放していませんでして、今回の枠でも8月1日までと。なので比較的ワクチンの供給減に対応する体制が整っていたと考えています。そして、ワクチンの供給量ですが、これまで増やす段階でも最悪のケースがどれぐらいなのかと想定しながら行ってきました。今回最悪のケースになってしまったんですけど、この5万4,990回というのが47箱分なんですね。この47箱分になっても止めずに運用できる体制、予約している方をキャンセルにせずにすむ接種体制、そして、1回目接種の方が2回目を確実に受けていただける、1回目接種して2回目がないということがないような体制を検討しながら組んできましたので、堺市としてかなり厳しい状況になっておりますが、それでもワクチン接種を止めることなく続けていくことができると、量はもちろんかなり減りますが、続けていくことができるという状況です。
 ただ、これからさらにこのワクチン供給が少なくなる、もしかしたら、例えば12クールでゼロになるようなことがあれば、これはとても回りませんので、国としてそのようなことはないと信じていますが、そうなったとしても市民の皆さんを守れる、ワクチン接種を、ブレーキを踏むところは必要かもしれませんが、混乱なく進めていけるようにしたいと考えております。
 そして、今の目標についてお話をします。
 これ先週もお出しした円グラフです。重症事例、これまでの堺市内における新型コロナウイルス感染症陽性者の重症事例203事例のうち、赤いところ囲ってあるところが50歳以上です。重症になった方の91%が50歳以上。そして、新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられた方の99%の方が50歳以上です。ワクチン接種の目的は重症化、そして、お亡くなりになる方を減らすことという意味から、今回堺市では50歳以上の希望する市民に8月末までに接種をしていただくことを新たな目標として掲げたいと考えています。
 最初に目標に掲げた高齢者の方、65歳以上の方、7月末までというのはこれはもう達成はできると考えています。個別接種、かかりつけ医の皆さんの接種等によって8月にずれ込む方はいらっしゃるかもしれませんが、多くの希望する方の接種は、ご高齢者の方7月中には終えていただけるだろうと、そして、全体のスケジュール、希望する全ての方に10月末までに接種を完了させられるとありましたが、今のこのワクチン供給数では相当困難だと考えています。これがどこかで回復すればいいんですが、今の状況では、努めますが、10月末までに何とかしたいと考えておりますが、かなり厳しい状況と考えています。
 一方で50歳以上の方に関しましては、重症化、そして、感染した場合の亡くなる死亡のリスクも高いということで、もう50歳以上の方に何としてもワクチン接種を早く受けていただきたい。中には庁内でもいろいろと議論があったんですけど、まだワクチンの量は50歳以上の方の分が全員そろわない状況だと、公平性のために待ったほうがいいんじゃないかという意見もありました。ただ、ワクチンがあるのに、それを全部そろうまで待つというよりも、早く打てる人からどんどん打っていただきたい。そうすると、50歳以上の方の重症化、そして、死亡される方が1人でも少なくなることにつながりますので、まずこの50歳以上の方、亡くなる方の99%の方が50歳以上ですから、何とか市民の皆さんの命、健康を救いたいという思いで8月末までに接種をしていただく、量自体はぎりぎり2回接種をしていただける量はあります。ただ、今これだけ集団接種会場も、個別接種会場も絞りながらですので、完全に最適化できるかどうか見通しが立てません。ですので、少なくとも1回目は希望する方全ての方に8月末までに打っていただきたいですし、恐らく希望される方で多くの方は、2回目の接種も終えていただけるものと考えております。堺市としては、8月末までに50歳以上の方に接種をしていただく、それをまず第一の目標に行っていきたいと考えております。
 ここまでで、新型コロナウイルス感染症とワクチン接種についてです。

質疑応答

(産経新聞)

 ワクチンの関係でいくつか確認させてください。まず、新しい目標として50歳以上の希望する市民を8月末までに接種とありますが、これは2回接種完了を意味するんですか。それとも1回目を打って、2回目まで移れる状況を整えるという意味ですか。どちらでしょうか。

(市長)

 思いとしては、2回接種という思いがあります。ただ、一方で7月末までに高齢者2回接種完了と伝えていましたのは、もう接種体制があって、しかも集団接種会場も個別接種会場もそれができる見込みが十分に立っているということがあったんですね。ただ、今の状況では、ワクチン数は8月末までに2回接種できる分はあるだろうと、ただ、ぎりぎりしかありませんので、そうすると個別接種会場と集団接種会場、大規模接種会場のベストミックスが保てなければ、もう完全に8月末までに終えることは難しいと考えておりますので、私たちのめざすところは8月末までに2回接種を終えていただく、ただ、今の状況ワクチン供給が不透明と、そして、これから大幅に体制の見直しをしていかなくてはいけないという荒波の中ですから、希望としてはそうなんですけど、実際には少なくとも1回接種は終えていただきたいというところで、今回の目標を立てております。

(産経新聞)

 分かりました。ワクチンの接種回数の減少や会場の閉鎖ですけれども、今回集団接種会場、堺区に関しては1つだったのが3つにしていたという背景もあるかと思うんですけど、なぜこの2会場を閉鎖することになったんでしょうか。

(市長)

 やはり、閉鎖する中でも、各区に1会場はないと、それぞれ皆さんは足を運びにくい。堺も狭いようで広い7つの区がありますから、例えば美原区と堺区であったら相当な距離があります。その中で堺区は会場を拡大してまいりましたので3会場ありました。そのうちの2会場、アゴーラ、矯正研修所を閉じまして、そして今回、堺市役所の会場につきましては、夜間接種も行うことにしております。そして、堺東という一番の繁華街にありますので、この上ですが、多くの方が利用していただきたいという意味で2会場閉鎖、そして、この堺市役所の会場を残すという判断をしました。

(産経新聞)

 分かりました。もう少し聞きたいんですけども、考え方としては全部残して全部の回数を減らすという方法としてはあったかと思います。一応、閉鎖という手段を選んだ理由というのは、実際減らす部分もあるんですけれども、閉鎖という手段を選んだ理由はありますか。

(市長)

 減らしながら閉鎖と両方行っていきます。これも庁内で議論をしたんです。浅く広く行うのがいいのか、それとも会場の規模が見込めるのであれば、ある一定回数を保ったほうがいいのかということがありますが、やはり広がれば広がるほどオペレーションであったり、ワクチン供給、配送の問題もありますのである程度集約できるのであればしたほうがいいだろうと。今、一つの区に1か所ずつありますが、これも今後のワクチン供給によっては読めません。ですので、今現時点での判断では各区1か所を縮小しながら残すということですが、今後は十分に変動の余地があるということです。
 そして国は「在庫がある」というふうに話していました。1億回分配って4,400万回分しかVRSに登録されていないのだから在庫あるはずだろうと、どこにあるのか示していただきたいと思いますが堺市にはありません。そもそも供給しているのは国ですから、きちんと供給した側で把握していただいて、それによってもし在庫があるのであれば、これ市町村同士の話し合いは絶対できないと思います。どこも今ワクチン供給に苦しい中で、「じゃあ、うちあるから隣の市にあげるよ」ということが果たして現実的なのかどうなのか。これは基礎自治体同士では、例えば堺市からお隣の大阪市さんであったり、お隣の和泉市さんであったり、そういうところに「直接、ワクチン分けてくれ」というのは、しかも堺市今、多分ほかの自治体よりも若干進んでいるかと思いますので、より進めるためにほかの自治体のワクチンまでくれというのは難しいと思います。ですので、これからワクチン供給、流用的になっていくと思いますが、今の堺市の状況をきちんと踏まえながら個別接種会場、集団接種会場の割り振りと、そして接種回数を見極めていきたいと考えています。

(産経新聞)

 最後に2点、金岡公園の大規模接種会場に関しての影響はいかがなのかというのと、あと国の方、ファイザー製のワクチンの供給遅れと言ったほうがいいのですか、どういう説明で遅れたり供給量が減っているという説明なのでしょうか。

(市長)

 大規模接種会場につきましては、今のところは予定どおり、予定どおり供給されないと2回目の接種の分までありませんから、今1日1,000回を接種していますので、1カ月後もその1,000回が毎日届くというのが前提ですが、今のところはモデルナ社製のワクチンを使う大規模接種会場については予定どおりと聞いておりますし、今後もこれがもし変更があれば大問題ですので、ここは死守をしていただきたいと考えております。
 そしてワクチン供給の遅れ、遅れではないと思うのですが、これは把握ミスではないかと考えています。今ファイザー社製とモデルナ社製のワクチンを合わせて、国民の分2億4,400万回分ですから全国民分があるというふうに話していますが、一方で、ファイザー社製だけでは足りませんで、それを職域接種に広げたんですよね。そうすると、今まで高齢者を先に接種していただくのだ、基礎疾患の方だ、従事者の方だとしてきたのに、いきなり年齢制限も枠も取っ払って行うと、国の考えていた優先順位というのは何なのだと。私たちは多くの市民の命を救う、一人でも健康を守るという意味で今回50歳以上、まずは行っていくという判断をしましたが、国として果たしてその判断が正しかったのかどうなのか、その渡し方ですよね。当初は希望があったら希望量渡している自治体もあったと聞いています。途中からVRSに応じて供給量を考えていく、でも、そのもともとVRSを入力が早かったらその分ワクチンを増やすという約束はなかったんですよね。途中から後付けでそういうことが決まってました。
 ですので、国も今ワクチン供給、これだけの大事業ですから混乱されるところはあるかもしれませんが、今その責務は自治体が負っていますので、しっかりと判断をしていただいて何を優先すべきなのか、そして実情を踏まえていただいて、自治体のワクチン接種が滞らないように努めていただきたいと思います。

(NHK)

 国が7月末までに高齢者の2回接種という中で、堺市は医師を確保したり、接種会場を増やしたりとやっていて、次はワクチンがないというのは、なかなか怒るところも多々あるかと思うのですが、やはり7月末までに高齢者の2回接種というのが、そもそも難しくなってきたのか、そのあたり、市長はいかがですか。

(市長)

 堺市の予定として難しいかどうかですか。そこはできると思っています。なぜなら、7月末までに接種を予定していて、今の予定だと高齢者の8割の方が7月の中旬の週までに2回目の接種を終えていただける見込みです。ですから、大多数の方が接種を終えていただけるということで、高齢者の方への目標設定自体は問題がありません。
 一方で、今一番問題になっているのは、堺市も一番早いとは言いませんが早い部類だと思いますが、ほかの多くの早かった自治体で、次の64歳以下の方の接種を進めているんです。例えば西村大臣が、「いや、私たちは7月中に高齢者の方の2回供給をちゃんとやるんだ」と話してますけども、もうそこじゃないんですよね。話は高齢者の接種は皆さん7月末ということを、国がどんどん推していって、堺市ももともとそういう予定でしたから今回達成できますが、ただ、私たちの関心は、高齢者の方は早く受けていただいて、そして受けてない方もこれからでも受けていただけるような体制を整えながら、次は64歳以下にどんどん進めていく、そうすると64歳以下の分のワクチンがない。ですので、多くの自治体で今予約をキャンセルしたり、新規の受付を停止しているんです。その問題認識を国がしっかりと持っていただかなくていけません。高齢者2回分送るからいいんだでなくて、高齢者の皆さんはもう予定がたっているんです、堺市も含めて。次の64歳以下の方に接種をしていただくために見通しと供給を確保していただく、在庫がどこかにあるというのだったら、その在庫をきちっと把握していただく、そして交渉してもらう。これは供給元の責任だと考えていますので、国が1日100万回やるんだ、7月末までに高齢者やるんだということであれば、それに沿うように自治体も、これは堺市だけじゃありません。全力で職員も本当に毎日残業しながら土日も出勤してまでやってますから、国も責務を果たしていただきたいと思います。

(NHK)

 あと個別接種会場で、週ですか4万1,000回から2万6,000回に8月から段階的に見直すということですけれども、診療所、かかりつけ医などでは8月も予約が埋まっているところも多々あるかと思うのですが、この段階的見直しというのは、2回目の方に打ってもらうのは当然だと思うんですけども、もう予約が入っている人に関しては、例えばキャンセルをしてもらうとか、何か具体的に医師会を通じての要望はあるのでしょうか。

(市長)

 これも堺市はかなり慎重に行っていまして、個別接種会場についてはその先の1カ月分までしか要望を聞いておりませんし、それ以降は予約をまだ待ってほしいというお話をしていました。
 今回、この前のページ、こちら7月5日に受け付けた枠というのは、7月19日から8月1日までの枠なんですけど、これは集団接種会場だけじゃなく、個別の接種会場にも8月1日以降の予約はまだ受け付けないでほしいというお願いをしています。もしかしたら、そのかかりつけ医の方とか、その先まで、もしかしたら受けてらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、市としては医師会を通じて、そして医師会に加入していない診療所の皆様にも8月1日までの予約にしてくださいとお願いをしておりますので、この分であれば供給量が沿っていく中でも2回目の確保はできると考えています。

(NHK)

 なので確認ですが、堺市の場合は今回供給源になっていても、いわゆる予約のキャンセルは生まれない、予約枠を減らしていく措置になるということですか。

(市長)

 私たちはそう考えています。実際に堺市でもずっとシミュレーション、細かいシミュレーションを立てながら進んできましたので、大丈夫だとは思っていましたが、やはり先週の金曜日に、各自治体に供給量が明らかになってから停止するところがかなり多く出てきましたので本当に大丈夫かというのも、この週末も、昨日も膝を突き合わせ協議をしていましたが、現在予約のキャンセル、そして新規の受付停止は今のところ必要はないという判断です。

(NHK)

 最後に1点の確認で、この内訳のところの集団接種会場で2万3,000から1万2,000とありますが、これは大規模接種会場はモデルナを使っているので、金岡公園については1日1,000人というは特に変わりはないということでしょうか。

(市長)

 はい、そうです。

(朝日新聞)

 先ほど50歳以上の希望する市民に8月末までに接種を終えたいという、新しい目標が示されたんですけども、以前、この場で10月末までに全市民の接種を終えたいという目標を同じように示されたと思うのですが、ワクチンの供給量が減ってきている状況の中で、その目標はまだ堅持される、できるのか、その辺はどうなのでしょうか。

(市長)

 堅持したいと考えています。ワクチンの接種率にもよると思っているんです。多くの自治体でその接種率をどれだけに持って、しかもその接種率を何パーセント超えたら達成したかは各自治体の判断に分かれるかと思っています。
 当初堺市では、全市民の70%が接種を希望するだろうという見込みを立てていましたが、実際には、今もう65歳以上の方の恐らく9割近くの方が、実数としては接種を終えられているのではないかと考えています。ですので、当初立てた70%よりもかなり高い数字でいるんです。
 一方で、各報道機関の皆さんのアンケートによりますと若い方の接種が、まだ様子見をしたいであるとか、積極的に接種をしたいという方がそこまで多くないということがありますので、恐らく高齢者の方よりも接種率は低くなってくると思っています。
 ですから、その接種率を考えながら今シミュレーションを立てていますが、今の供給スケジュール、このまま今2週間に47箱という最低ラインの供給量がこれからも続けば、10月の末、もしくは11月の初旬ぐらいには2回接種を終えられる分の供給量はあると、供給量は確保できるのではないかと考えておりますので、今の現状では10月末、希望する方の2回接種という目標はおろさずに掲げておきたいと思います。

(朝日新聞)

 そうしたら現状の供給量で足りているという理解でいいのですか。

(市長)

 トータルで見たときに、ただ供給がかなり後になりますので、実際にもし6月の先ほどの表、6月の供給量で12万9,000回です。この6月の12万9,000回の供給がずっと続けば、恐らく9月中ぐらいに希望する方、7割ぐらいの方の2回接種は終わってたんじゃないかなと思っています。堺市はその波も含めて10月末にしていたのですが、一方で、この一番少ない状況が続けば供給されるのが、恐らく10月末とか10月の初旬ですから、実際に接種できる、それこそベストミックスで完全に一致したら10月末に終えられる可能性はありますが、その接種の日もこれから、多分国も様々自治体と調整しながらであったり、在庫がどこにあるかを確認しながら進めていく、そうしていただきたいのですが、可能性がありますから、そうするとワクチンの供給自体が遅くなる可能性があります。そうすると11月、12月に入るというのは十分に想定されます。

(朝日新聞)

 多分これ視聴している市民の方も毎週毎週いらっしゃると思うのですけども、多分庁内で共有されている今後のシミュレーションなりの詳細なデータという共通基盤があれば、このやり取りを聞いてても何となくイメージしやすいんですけど、毎週毎週供給量が減って憤ってるとか、状況が変わるごとに発信するものが違って、その割に目標は達成できるというと、何となく違和感が生じてしまうところも正直あるので、何かそこら辺のデータは特に出したところで混乱を生じるものでもない、むしろ市民ベースで理解を進める上では、共通基盤として出したほうが、この議論については話が早く進むような気がするんですけども、機会を見てそこら辺また事務方の負担になってもあれだと思うので、お手隙のタイミングで出していただいたらと思います。

(市長)

 まず供給量は変動していますので、それに臨機応変に対応するというところで、立てた予定というものを内部で見ながら行っています。その結果、先ほど目標をおろす、おろさないがありましたが、おろす段階ではないけれども、恐らくこれは十分達成できるだろうというところから、これは達成できないかもしれない、ただ目標として掲げるというところのかなりの差がありますので、そこは達成できなくなるのが濃厚であればおろしますが、そこは掲げておきたいと思います。
 一方で、先ほどの市民に見えるようにというのはおっしゃるとおりです。今回のこの供給量、詳しい供給量というのも先週から示したんですが、やはり今どういう現状があるのかというのを分かりやすくお見せたしたほうが理解していただきやすいだろうということで、より市民の皆様の理解が得やすい、そして安心してもらえるような見せ方に努めていきたいと思います。

(日本経済新聞)

 繰り返しの質問になって恐縮ではあるんですけど、まず、そのワクチンの在庫というか、在庫という捉え方を明確にしたいんですけども、堺市としては来たワクチンはどんどん打っているのか、1回目打った方が2回目できるように2回目として保管しているのか、この部分の捉え方をお知らせいただきたくて。というのは2回目分を取っていることをもって在庫だと、それで1回目打てばいいじゃないかという考え方もないことはないわけで、その在庫という言葉があっちこっちで飛び交っているのですけども、そこを明確に、堺市としてはどうお考えなのか。例えば高齢者で1回目が16万人打ってて、2回目が7万6,000人だと、この差の分は2回目打たないといけないわけですから、それはどこかにしっかりと取ってあるのであれば、それは堺市としては在庫とは見てないというお考えなのか、そこのところをまずお願いします。

(市長)

 まず、今第1クールから第8クールまで供給がされました。この段階で、例えば第5クールで打った方、12万5,000人の方、ここのクールを使って打ったとしたら3週間後にも同じ量が供給されなくてはいけません、今の現状をお伝えしますと2回目の12万5,000回を確保しているわけでありません。ですから自転車操業です。次の供給が見込まれなければ、例えばもう12万5,000回供給しましたと、国もある程度そうならないように次であったり、その次ぐらいまで、今はその次が示されてませんけど、示してくれていたんです。ですから、供給量が少し減ろうとも、堺市の場合は特に1週間ごととか、2週間ごとでかなり枠を狭めながら予約してましたので、その2回目の量も比較的少なくて済んだんです。ですので、次の供給量が示されなければもちろん回りませんが、何とか2回目を全量確保しなくても一定は確保が要ります。直近の方の分は要りますから、その方の分は若干あります。でも、それは予約されている方の分なんですね。予約されている方の分を在庫と言ってしまうと、それはもう使うことが確定しているわけです。1回目をまだ打たれてない方の2回目だったらまだ調整がききますけど、1回目打った方の2回目というのは打たなければ健康に大きく影響しますので、これは絶対に使う必要があります。ですから、直近で打つ分というのは確保しています。確保するというか、その分を見込んで予約を取っています。そして個別の医療機関の皆さんにも多く供給をしていますが、この間、医師会を通じて実際どうなんですかということも把握しましたが、各医療機関でも同じ状況でして、在庫を確保しているというよりも直近で打つ分はあるけれども、次供給が、例えばゼロになってしまったときには回らないという状況ですので、堺市として在庫があるということは考えておりません。

(日本経済新聞)

 一定量2回目の分は取ってはあるけれども、それを在庫とは見ていないという。

(市長)

 一定量です。どれぐらいですか、感覚として。担当者、分かりますか。詳しい数字。

(担当)

 国からの配送があった翌週には医療機関に配送させていただいている段階ですので、ほとんど堺市でも在庫は抱えていない状態になっています。

(日本経済新聞)

 国が結局、河野長官が言っているんですけども、「在庫のある自治体には供給量を減らすんだ」という言い方をしている。その在庫というのはどう、市長としては捉えてらっしゃるのでしょうか。国の言う在庫に対する解釈を。

(市長)

 国としては純粋に、例えばワクチン1億回分供給しました。一方で、VRSの登録が4,400万回分でした。なので5,600万回分は在庫じゃないのということだと思っているんです。VRSにつきましては今堺市でも7割、70%を超えていますが、一方で入力代行をしている自治体というのは、やはり入力が遅れる傾向があります。医療機関の皆様の負担を減らすために役所で代行しているわけですが、その医療機関の皆さんから送っていただいて実際に入力する。以前も堺市は2週間の時差がありました。今は1週間以内に抑えていますのでかなり減ってきています。国は多分、そういう入力を代行することを想定していなかったのではないかと思うんですね。全てワクチンを接種したら、その場なり、その日中に全て登録できているものだと、もしかしたら今でも思っているかもしれないですけど、実際はそうじゃないんですよ。医療機関の皆さんにご協力いただくために、医療機関の皆さんの負担を下げるために役所で代行する。そうすると接種券を送っていただいて代行する作業が必要になりますから、なので実際には4,400万回分しかありませんが、例えば堺市、そして大阪市であったり、大都市であればそういうことをやっている自治体も多いと思いますから、そのVRSの入力までの時差というものも考慮しなければ、実際のそのワクチン供給、在庫が積み上がっているという表現されますが、そうではないという状況をきちんと把握していただきたいと思います。なので1億回と4,400万回分の、その差が果たしてどうなのかというところをきちんと詰めていただかないと、在庫はあるはずだからという臆測では自治体の業務は回りません。

(日本経済新聞)

 河野さんは8日時点、8日までの量を全部VRSに入れろと、その段階で在庫を把握するということを言っているようなんですけども、実際の業務を考えたときに、8日接種分が8日のVRSに堺市として反映することは事実上無理だということですね。

(市長)

 はい。

(日本経済新聞)

 そうすると、その差を在庫と言われても、それは違うと。

(市長)

 はい。医療機関の皆様に今1日接種した分の予診票、そしてそこに接種券のクーポン貼っていただいているんです。それを送っていただいています。その日に回収をしたとしても、その日中に打ち込まなければ実際には回りません。だからその8日に打った場合、8日中に入力しろともしおっしゃっているのであれば、それは現状を理解されてないのだと思います。
 ですので、実際に医療機関で私たちも最初は1週間に1回送ってくださいということをお願いしていたんです。1週間に1回送っていただいて、それを1週間かけて打ち込むという作業をしていたのですが、今は週に2回送ってくださいと言っています。それでもやっぱり医療機関の皆さんは診療も行っているのですよね。日々の診療を行いながらワクチン接種もしていただいています。その中で何日か分をまとめて郵送するというのも、やはり負担になるところもあるようです。ですから、どうしたら送っていただけるかと、どうすればやりやすいですかということを話をしていますので、それをじゃあ毎日その分を全て提出して打てというのは、少し乱暴な気がします。

(日本経済新聞)

 8日に取られたものを8日に入力したとしても、多分7日、8日に実際打った分は届いてないから分からないというのが現実の状況になるということですね。

(市長)

 はい。実際にはやはり送っていただいて入力するまでに手間がかかると思いますし、国からはVRSの入力する、例えば人を雇う費用も出すからと。そういう話ではなくて仕組みの話なんです。医療機関から送ってもらって、それを入力代行しているという仕組みがある以上は、しかもその仕組みというのを多くの自治体で採用しています。これがある限りはその日の入力というのは現実的にはできないと思います。

(日本経済新聞)

 一方で、職域接種が進んでいまして、堺市としては全て接種券を送ってらっしゃるので、職域が終わった方はその職場なり、その場所から接種券を添付したものが来ていると思うのですが、そういったデータというのは既に届いてはいらっしゃるのでしょうか。

(市長)

 職域接種はその会場で打っていただいてますね。

(担当)

 職域接種につきましては、基本的にはその会場で打っていただいたもの、そのデータをVRSに登録いただくというようなことになっています。

(日本経済新聞)

 今、手元にある12歳以上の対象者の接種率とかには、その職域から回ってきたものも入っているということでしょうか。

(市長)

 入っています。入っていますし、国と府でそれぞれ大規模接種会場を設けていますので、その堺市民の分もここには含まれています。

(日本経済新聞)

 その8月末までに50歳以上、これ接種は1回目ということですね。2回目終わるということではないですね。

(市長)

 2回目を終えたいと思っていますが、今の不安定な荒波の中では確約というのは難しいので、少なくとも1回接種ということで考えています。

(日本経済新聞)

 少なくとも1回ですね。そこには職域で終わられている方も入ってくるということで。

(市長)

 入っています。ただ、その職域を、私たちも堺市内でどの企業が行うかというのは情報把握に努めていますので、表も作っているんですけど、ただ堺市民の方が堺市内の企業で受けるとは限らないんですよね。大阪市内にたくさんの企業がありますから、大阪市内で受けられる方も多い。ですので、職域接種でどれだけの方が接種をされるかというのは非常に難しい、今把握をするように努めていますが、そこが読めないところが多いんです。なので、総数として日本の人口分のワクチン供給があったとしても、そのうちの何割かは職域接種が占めるわけですから、それがないと堺市民全員に打てるという確証を私たちは持てません。なので職域接種の分というのもつまびらかに示していただいて、自治体が計画を立てやすいようにしてほしいと考えています。

(日本経済新聞)

 実際には堺市に住民票があるけれども、大阪市の企業で働いていて単身赴任で北海道に行くとか、そういうケースは多々あるでしょうし、それらが最終的に堺市に帰ってきて反映できるのは、今日受けたから明日にVRSに載るということはあり得ないわけですから、そういう意味でもかなり国の言っているVRSベースというのは現実離れしているということでしょうか。

(市長)

 職域接種の場合は会場によっても異なると思います。その職域接種の会場によっては、その日のうちにタブレットで登録するとかもあるかもしれませんし、それも個別の医療機関と同じように、やはり1日分毎日登録するのは大変なので1週間まとめてということもありますから、ただ実際にはきちんと職域接種された分をVRSで登録されてないと、いつまでたっても市民がどれだけ打てたかというのは正確には反映されませんので、そこはお願いしたいと思います。

(日本経済新聞)

 最後に集団接種会場、NHKの方の確認なんですけども、2万3,000回から1万2,000回にとありますけども、この内1,000回は大規模接種会場でそのまま数字が推移すると。ファイザー製の場合は2万2,000回から1万1,000回になると、こういう理解でよろしいでしょうか。

(市長)

 大規模接種会場含めてです。1万2,000回のうちの7,000回は大規模接種会場ですから、集団接種会場は残り5,000回になるということです。

(日本経済新聞)

 あとモデルナ製なんですけども、国が言っていた量が実は確保できていなかったんじゃないかという話もあり、堺市に対しては大規模接種会場1,000回というのは、この先見直さなければならないような状況では、今はないという理解でよろしいでしょうか。

(市長)

 今はその見直しであったり供給量が減るということは示されてませんから、ここは逆に減ってしまうと大問題ですから、今大規模接種会場は毎日100%埋まっています。段階的に年齢を引下げながらやってきましたけど、昨日50歳以上の方に向けて開放しましたので、集団接種会場も、大規模接種会場も。ですので、さらに報道ベースでワクチンが足りなくなるのではないかという話もありますから、多くの方が昨日予約されて、今開放している分は全て、100%埋まっていますから、1カ月後もその数が来なければ2回目に重大な支障を及ぼしますので、そこは約束として果たしていただきたいと思います。

市長

 泉北アバタープロジェクト

 では、先進技術を活用した泉北ニュータウンでの取組をご紹介させていただきたいと思います。
 これまでも会見でお伝えしていますとおり、ただいま堺市でスマートシティの取組みを進めています。特に泉北ニュータウンでそれを実現したいと思っていまして、「SMART SENBOKU PROJECT」の取組みの一環として、今回高齢者の社会参画の促進を目的としまして、泉北ニュータウン地域でアバターを活用した実証プロジェクト「泉北アバタープロジェクト」を実施いたします。期間は7月6日から令和7年3月31日です。
 よく私も夜帰ってから深夜テレビを見たりするんですけど、アバターという言葉がよく出てくるようになりました。映画で以前「アバター」という映画がありまして、いつだったかなと思いますと2009年、今から12年前らしいんですけど、その頃あまりぴんとこなかったイメージがあるんですけど、今アバターという言葉はいろいろ報道であったり、新しい取組みの中でも紹介されるようになってきました。
 この取組みを行ったきっかけですが、ここに書いてあります大阪大学の石黒教授、そして西尾教授、そして本市ですね。連携した取組ということになります。3月にオンライン開催でシンポジウムを行いました。泉北スマートシティ構想に関するシンポジウムでして、そこで石黒教授と私、直接アバターに関するやり取りもさせていただきました。高齢化が進む泉北ニュータウンで、ぜひアバターを活用した取組みをしたいというお話をさせていただきまして、そして実際にこの実証につながりました。
 どういうことを行うのかということです。そもそもアバターを使うことでどうなるか。アバターというと、人以外の模擬的なもの、例えば、ここでいうとロボホンというロボットがありますけど、を通じて会話をするような内容。最初、石黒教授にアバターじゃなくてもオンライン会議で顔を見ながら話したら足りるのではないかと、お話をさせていただいたんですね。アバターが何が違うかというと、例えば、人間というのはもう見た目で判断します。思い込みというのがあります。例えば、高齢者の方だったら、高齢者と思い込んでお話をしますし、障害を持った方だと障害者の方、そして若い、そして年を取った、男、女、様々な見た目で判断しますが、アバターだとその先入観だったり思い込みというのがないと。ですから、よりフラットにコミュニケーションができるということがあります。その人の持った性質であったり、容姿という制約から解放されるというところでアバターの価値を石黒教授からお聞きしました。実際に、アバターを通じて話をすると高齢者の方でも違う話し方をしたり、違う接し方をしたりということはあるそうですので、本人の意識も変わりますし、例えば、認知症の方であったり自閉症の方においても人と直接話すときに、少し対応がしんどいときにもアバターを介するとコミュニケーションが取りやすいというお話も聞いております。
 今回、この堺市内の例えば、ビッグバンであるとか、南区役所など堺市内の施設でそれぞれの機能と役割に応じてアバターを活用して取組を、実証プロジェクトを行いたいと考えております。そして本日からこういうところで使えるんじゃないの、こういう機能に使えるんじゃないのという実証フィールドであったり、内容の募集もしたいと考えております。実際にこれを通じてですが、まずは高齢者の方がコミュニケーションをしたり、新しいアバターを使ったスマートシティの取組に活用していただく。高齢者が社会参画をよりしやすいようにしていただく。そして、こちらの石黒教授は、2025年大阪・関西万博のプロデューサーでもいらっしゃいます。ですからこの実証の成果を踏まえて、2025年の万博の会場で、様々なアバター活用の実証もしたいとおっしゃっていますので、堺市としてもここで先進的な取組みを行うことで住民の皆さんのより豊かな暮らしを実現するとともに、大阪の発展、万博の成功にもつなげていきたいなという思いです。
 これからも新しい技術、サービスを積極的に活用しながら取組みを行っていきたいと考えています。今回の取組みですが、大阪大学にとっては自治体と組んでこのような大規模なアバター実証をするのは初めてということですし、また自治体としても堺市が今回行いますが、ニュータウンの課題解決に向けて人型のアバターを活用して実証を行うというのは全国的にも初めてというふうに認識をしております。

質疑応答

(日本経済新聞)

 このプロジェクトそのものというか、4月以降、市長会見に出ていると新型コロナと泉北のプロジェクトの話がほとんどではないかと思うんですが、この泉北でかなりいろいろやってらっしゃるんですが、旗振り役というか、どこの部署がこれ全体を把握していることになるんでしょうか。

(市長)

 市長公室の担当部署がありますので、泉北ニューデザイン推進室と、そして市長公室の先進事業担当、民間活力導入担当というところが行っております。そして、このプロジェクト自体は大阪府としてもスマートシティの取組を進めていまして、大阪府とも協力をしながら今回のスマート泉北プロジェクトを行っています。

(日本経済新聞)

 大阪大学としては初めてだということなんですけど、各大学がいろいろやってらっしゃる中で、堺市としてはこういったプロジェクトの結果を各大学は各大学でそれぞれにやってる、もっと言えば各先生が自分の研究の成果としてまとめていくんでしょうけども、堺としてこれいつまでに全体をまとめて、どうこうという取りまとめの方針はおありなのか。それとも、それぞれにそれぞれがそれぞれの成果をそれぞれに発表して終わりになるのか、どちらでしょうか。

(市長)

 はい、今行っていく中でもおっしゃったように様々な取組を進めていますので、それぞれの成果がどう結びついていくのかというのを考えながら行っています。スマートシティの中には、例えば、モビリティであったり、ヘルスケアであったり分野が異なります。今回のところは例えば、コミュニケーションであったり、ヘルスケアにつながると思うんですけど、その中のプロジェクトを検証しながら進めていきますし、それは大学にとっても成果になると思いますし、私たちにとっても例えば、高齢者のコミュニケーションというのは特にコロナ禍では損なわれがちですので、そういうところでも大きな成果を発揮すると思っています。
 以前の行政というのは私も府議会議員でしたけど、どうしても実証したり、民間と協力したら何かこれを発表したところがゴールになってしまって、その後の成果がどうつながっているか見えにくいということが多かったように思っています。ですから、今私が担当に話をしていますのは、こういうふうな実証プロジェクトであったり取組みを行ったら必ず、その数値として、実際それが効果があったのか、どうなのか。もしあれば、泉北ニュータウンだけじゃなくて横に広げていけばいいですし。もし効果が出なかったのであれば、違う取組みが必要になりますから、その効果検証はきっちりと行っていきたいと思っています。今回は、かなり長期間で設定をされていますので、その都度、実際にそのイベントを行ったり、例えば、子ども向けのクイズであったりビックバン、これも子ども向けですが、高齢者の方向けの取組みであったり様々対象者も違うと思いますので、しっかりと効果検証をしながら進めていきたいと考えています。

(読売新聞)

 今日の発表外のことになるんですけども、昨日、市の児童相談所が2歳の男児の両親との面会が認められなかった問題について、検証結果を公表されました。長時間、面会を制限する明確な理由はなかったというような検証結果でした。市長として、これについて受け止めをお願いします。

(市長)

 この間、私自身も担当者とお話をして、振り返りを行ってきました。やはり、一時保護をすると、虐待を最初に疑われて一時保護するときの決断であったり、その後の対応というのは、必ずスムーズにいくものではないと思うんですよね。その中で、例えば、保護者の方とのコミュニケーションであったり、考え方が平行線になったときの対応の仕方であったり、そういうところは、子ども相談所もそのときはこうするべきだという信念に基づいて行っているとは思うのですが、ただ昨日の検証でもあったとおり、努力すべき点というのは大いにあったのではないかというふうに考えています。

(読売新聞)

 その上で、保護者に対して、おっしゃるようにコミュニケーションの問題をおっしゃいましたけれども、今回の件に対して市としてきちんと検証結果、それから検証結果を受けての対応について、保護者に対して市として説明をしたりとか、あるいは謝罪したりとかされる予定はあるんでしょうか。

(市長)

 まず今回のこの一時保護自体は必要な措置だったという報告でした。そして面会については、よりよい進め方があったのではないかという指摘がありました。なぜ面会ができないかというとですね、これ一般的な例ですけど、例えば、保護者の方が面会をされたときに子どもをそのまま連れて帰ろうとする例もあるようです。そういうときに、きちんと一時保護の役割を果たせないとなったときには面会を制限することがある。ですので、今回ちょっとプライベートに関する、プライバシーのことがありますので様々なやり取りをつまびらかにすることはできませんが、児童相談所の判断の中で進めてきました。
 例えば、面会においても直接面会だけではなくて、子どもの写真を見せることはできなかったのかであるとか、例えば、オンラインはどうだったのかとか。そういうことについては、私たちもより努力をする必要があると思っていますので、そういうところについて至らなければこれはもう「すみませんでした」ということは必要かもしれません。ただ、実際の一時保護であったり、たとえコミュニケーションをより努力をしたとしても、果たしてじゃあこの実際の面会(制限)期間というのが短縮できたのかどうか、というところも難しい問題です。これは人と人との問題ですので、実際にやはり私たちは子どもを守るという使命に基づいて行動していますから、その確証が得られなければなかなか次の進展は難しい。
 ですから今回に関しては、例えば、写真を見せたり、そういうところについてはもっとできたのではないかと、そういうところは反省すべきところもありますが、今回のこの検証の結果を踏まえて、市としてはよりよい対応になるように。これからも一時保護の事例というのは出てきます。ですので、そのときにきちんとした、より保護者の方とのコミュニケーションを改善できるように対応していく、それが市の責務だと考えています。

(読売新聞)

 結局、この件に関して当該の保護者に対して、この検証結果を踏まえて、改善点であるとか、あるいはこれまでの経緯について何か謝罪したりとかいうことの予定というのはありますでしょうか。

(市長)

 謝罪というのは、何に対してというのはあるんですか。いかがですか。

(読売新聞)

 おっしゃっていた検証結果にあるように長時間制限する明確な理由はなかったということについて、説明をしたりとか謝罪したりとかするようなことというのはあるんでしょうか。

(市長)

 コミュニケーションの方法で、例えば、なかなか保護者さん側と子ども相談所の少し捉え方が違ったり、難しいところというのはあったと聞いていますが、ではそれでコミュニケーション、今回指摘はありますが、指摘する努めは、努力はしなきゃいけないと思いますが、ではそれはできれば全てうまく回ったのかと。それについて謝罪なのかというところは少し違うのかなと思っています。今回については虐待の有無ではなくて、あくまでも一時保護から面会であったり、その後の対応について検証部会で求めたものですので、その中でより努力すべきところがあるという判断です。

(産経新聞)

 児相のお話になったので、加えてお伺いしたかったんですけども、このケースだけではなくて、逆に虐待死が起こったケースもあるんですが、よくずっと課題として言われているのが保護者に対して支援する存在であるべきと、子どもを引き離して敵対ではないですけども、子どもを引き離す存在としての両方の側面を児相が役割として持たなきゃいけないというのが逆に虐待死の場合、寄り添おうとして逆に対処が甘くなって不幸な結果を招くと。今回のケースは何でしょう、寄り添うべきだったのに突き放しにかかってしまったと、今出ている情報からはそういう印象を持っているんですけれども。ある種、児童相談所の機能自体は国が決めることですので、なかなか難しいところがあるんですけれども、児相を抱える一自治体の首長としてどのような機能が必要じゃないかなとお考えでしょうか。

(市長)

 今回の件というのは、私自身も難しいなと思っているところはあります。やはり、子ども相談所の使命としては、子どもの命を守るというところがまず第一であるべきだと考えています。なぜ一時保護したかというと、やはり子どもに危険が及ぶ可能性があるというところで子どもを救う意味で一時保護を行いました。ここがもし甘くなってしまうと、それこそおっしゃったみたいに重大事故につながったり、最悪なケース、死亡ということもありますから市としてはこれは何としても抑えなくてはいけません。一方で、やはり今回の、昨日の報告でもあったように保護者さん側からすると、やはり子どもと会いたい。子どもがどうしているかというところの心情というのも理解できます。ですから、今回の子ども相談所としては、やはり子どもにまだ安全が確保できない、その確証がないということであれば、なかなか面会であったり、お返ししますということは難しいかもしれませんが、ただ保護者の方の会いたいと、子どもの顔を見たいというところをもし、もう少し添えていたならばコミュニケーションにしても平行線だったとしても、その打開策をどうするかというところを真剣に突き詰めて考えられたのではないかなというふうに思っています。
 ですので、今回まず動いた行動というのは私自身も必要だったと思っていますが、その後のコミュニケーションというのは今回の対応というのもしっかりと内部でも検証していますが、より適切な対応になるように努める必要があるというふうに考えています。

(産経新聞)

 児童相談所、子ども相談所の機能として、こういった側面が必要じゃないかなと思う、要は分けてない理由なんかも何となくは、理由としては分かるんですけれども、最終目標としては子どもの安全、命を守っていくという意味で、そのための行動なんで一時保護の引き離す行動も、親を支援するという行動も目的が一緒なので同じ方、同じチームでやるというのは理解はできるんですけども、ある種、保護者側から見ると警察と弁護士が同じ人がやってるみたいな感じに見えてしまう面もあるかと思うので、そこをうまく回していく必要ってどうお考えでしょうか。

(市長)

 今回、外部の意見をお聞きして、このような報告書を求めました。一方で、今、国では第三者の視点であったり、様々な違う方向から一時保護を考えるべきではないかという議論も行われています。一時保護に係る対応が難しいなと思うのは、やはり私たちが子どもの命を守るということで動きますが、職員もやはり悩む部分というのは大いにあるんですよね。必ず、多くの場合で一時保護した場合には保護者の方と何らかの軋轢が生まれます。ですので、その場合にじゃあ自分たちの、もちろん子どもたちを守るために迷わず動くということは必要なんですが、やはりその後の対応というところについては何らかの判断をする場面というのも必要じゃないかと。それが国で今、その後の対応を協議しています。今回、堺市では検証部会で議論を行いましたが、今、国が行っていて、おそらく今年度中にはその結論というのが出るのではないかと思っていますが、国の法律であったりルールの中でどのような仕組みがあれば、実際に子ども相談所が行動ができるかどうか。そして、保護者の方もきちんと納得をしていただいた上で協議を進めていくことができるかということを今ある、私たちのやり方というのが常にベストと信じ込むわけにいきませんので、きちんと改善をしながら、よりよい制度にしていきたいというふうに考えています。

(関西テレビ)

 面会制限に理由なしとされているということは、これは面会制限が違法だったということになるかと思うんですが、この点、市長として何かご両親に対して具体的に対応されていないことをお聞かせいただけませんでしょうか。

(市長)

 違法という認識なんでしょうか。

(関西テレビ)

 はい。

(市長)

 面会をするべきだということだと思うんですよね。面会をさせないべきではないと。そういう面からすると、今回、面会制限の期間が長くなってしまった。もう少し早い段階で何らかの対応ができたのではないかという判断はあったかと。判断というか試みはできたかと思います。例えば、お伝えしたように写真であったり、オンラインだったり。そういう直接面会でないところの努力というのはあったのではないかなと思っています。
 一方で、やはりなぜ面会を懸念したのかというところについては、やはり子どもを守るというところがあります。一般的な例として、親御さんが子どもを連れて帰ろうとしたりです。そういうところはやはり面会に懸念があるという判断があったということですので、そういう場合にはやはり面会制限。これは法律違反というわけではなくて面会を制限する、面会を今はちょっと待ってということは、私は対応としてはあるべきじゃないかというふうに考えています。

(司会)

 担当者、先ほどの違法ということについては、違法なんでしょうか。それだけ補足をお願いできますか。

(担当)

 違法という認識はございません。面会制限と言いましても、保護者の方に説明をさせていただいて、その理由についてご納得いただけるような理由がお示しできなかったというようなご指摘はいただいておりますけれども、そこのところが違法というような認識ではございません。

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