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堺市長記者会見 令和4年2月4日

更新日:2022年2月14日

市長

 (司会)

 なお、本日は新型コロナウイルス感染症に関する説明の後、一旦質疑応答の時間を設けさせていただき、その他の案件につきましては、その後ご説明させていただきます。

新型コロナウイルス感染症

 まず、新型コロナウイルス感染症の状況からお伝えをします。
 カレンダーを見ていただいて、今年に入ってからぐぐっと急速・急激に伸びてきて、先週に比べると、今週は1倍、もしくは1コンマ数倍ということで、増加の率を見ると、幾分緩やかにはなってきています。一方で、昨日も1,417人の新規陽性者ということで、過去最多となっています。大変感染者、新たに判明する方が多いので全く気を抜くことはできない。ここからさらに感染の増加率が伸びていったときの対応の想定を今していますが、保健所とも先ほど打ち合わせをしておりましたが、市としても全力で新型コロナに立ち向かっていくという覚悟で臨んでおります。
 こちら、感染経路不明者ですが、現在濃厚接触者の追跡というのは行っておりません。実際に各施設――病院、学校から、もしくは高齢者施設から申告をいただくという形になっておりまして、今、私たちが行っていることは、陽性が判明した方の重症化リスクを見極めて確実に入院調整をしていく、そして重症化リスクが高い人にファーストタッチを早く行っていくということに注力をしている状況です。
 現在の堺シグナル、傾向としましては、一時期、大阪府の全体の10万人あたりの人口あたりの平均よりも堺市が上回っているという日が続いていました。堺独自の特徴があるのかなというのは懸念していたんですが、昨日報道で、大阪市の入力漏れがあったということがございまして、昨日、その一部が反映をされた状況によりますと、大阪府、また少し堺市よりも多くなっておりますが、ほぼ大阪府と堺市の状況、大阪府内の状況と堺市の感染状況は変わっていないと認識をしています。そして、直近1週間の新規陽性者の年齢構成の割合、20代以下の方が大変多いというところには変わりありませんが、特に11歳以下の学校での広がりというところを懸念しています。一方で、今、65歳以上の方に関しては、全体の11%と、ワクチンの効果もおそらく高いと思いますが、まだ比較的少ない率ではありますが、過去2回の会見、2回前の会見のときは65歳以上の方が8%でした。そして前回1月25日の会見のときには9%、今11%とじわじわと増えてきている状況です。
 そして、陽性率も今、非常に高い状況となっています。第5波のときには15%というところが一番高いところだったんですが、今は濃厚接触者に関して全員検査というのが行えていません。ですので行政検査として、感染の確率が高い方、お医者さんが必要だと判断した方に対して検査をしている。そして、大阪府が実施している無料検査があります。こちらの内容も、陽性と判明した方はお医者さんを通じて発生届が届くんですけど、その無料検査の分の総数というのは含まれておりませんので、その検査数自体は含まれていないため、より陽性率が高くなっているという傾向があります。ただそれを除いたとしても、おそらく30%以上は今あるかと思いますので、かなり感染が膨らんでいるという状況と考えています。
 そして、重症者数の推移につきましては、現在、重症となっている方が堺市民の方でお一人という状況です。
 自宅療養の方が昨日現在で8,605人の市民の方が自宅療養となっておられます。今、保健所から、特に65歳以上の方、そして妊娠されている方、基礎疾患のある方など重症化リスクが高いとされる方々に迅速にファーストタッチを行って、そして健康観察を行う。重症化される人を少なくする、一人も出さないという思いで今取り組んでおります。
 この呼びかけの文章は、前回の対策本部会議のときに発信したものですが、昨日、一昨日ですかね、スーパーコンピューター「富岳」のオミクロン株の広がりを検証した報道もありました。マスクをしていても50センチ以内の会話だとリスクが高くなるという情報も出ていまして、まさにそのオミクロン株の感染力の高さが表れていると思っています。これまで皆様も日常の中でマスクをつけていらっしゃって気をつけておられると思うんですが、より一層注意をしていただきながら、特に社会の場、昼間は今、社会経済が動いていますので、その場での感染を抑えて、家庭内に持ち帰ることをぜひ注意をしていただきたい。特に学校現場で広がる一つの要因というのは、今、堺市では学級の中で複数名感染が認められたら学級閉鎖、そして複数の学級だったら学年閉鎖、複数の学年だったら臨時休校ということにしておりますが、兄弟がいらっしゃるところに関しては、もう一家皆様が感染されている場合があります。その場合は家庭でも学年をまたがって感染されるということですので、臨時休校にもつながりやすいですし、また学校で感染が拡大してしまうということもあります。社会が全体として感染の強い意識を持ちながら対策を行っていく必要があると考えております。
 続いて、ワクチン接種についてです。堺市では国の基準よりも前倒しをして実施を続けておりますが、今、18歳以上の方約7%、そして65歳以上の方に関しては3回目接種を終えた方が15.1%となっております。一方で、これまでワクチン接種の接種券につきましては、高齢者の方は6カ月以上、そして65歳以下の方は2月から7カ月ということで行っておりました。それに従って順次発送をしておりました。ただ、今、その印刷であったり発送手続をしていただく事業者の方と相談をしておりまして、もう全て昨年いっぱいで接種された方につきましては、今月以内に全て発送してしまおうと、これが今、堺市における最短のスケジュール、こうすることによって、より重症化リスクが高い方であったり、これから今、7カ月ですけど、さらに6カ月、もしくは国の指針でそれ以下、海外では4カ月とか3カ月のところもあるみたいですから短くなることが想定されますので、対応できるように今月中には接種券を全てお配りしたい、配付したいと、こちらから送付をするので、実際に届く方は3月1日、2日になる方もいらっしゃるかもしれませんが、お送りをする予定にしております。そして併せて、さらなる前倒しをしたいと考えております。特に今、高齢者の方は接種をしておりまして、65歳以上の方、2回目接種から6カ月経過した方には順次進めております。今月からモデルナ製のワクチンを使った集団接種会場を設けております。2月7日まではもう全て埋まっておりまして、2月8日になると8割ぐらい、そして2月9日以降になるとかなり空きが多くなっています。高齢者の方はファイザー社製のワクチンを受けた方が多くいらっしゃって、今、個別の診療所でも順次接種を進めていますので、ここからモデルナ社製のワクチンが高齢者の方で埋まるという状況は考えにくいと見ています。ですので、モデルナ社製ワクチンを使った会場が空いているということであれば、ぜひ一刻も早く希望する方に受けていただきたいということで、こちらはモデルナ社製ワクチンを使った集団接種会場、地域会場限定ということになりますが、64歳以下で基礎疾患のある方、そして妊婦の方、特に感染した際に重症化リスクが高いとされている方につきましては、7カ月ではなく、もう6カ月を経過している方について、接種券が届きましたら予約をしていただいて、翌日から接種をしていただけるようにしようと考えております。実際には、2月7日、来週の月曜日にこの方たちにまず第一弾を発送します。そして次、翌週も毎週発送をしていきます。その中で重症化リスクが高いとされる方は6カ月を経過している場合、この集団接種会場では接種をしていただけるという方針にしたいと考えております。ただ、基礎疾患のある方、そして妊娠されている方は、皆様おそらく多くの方、ほとんどの方はお医者さんにかかられていると思います。それぞれのご自身の体の状況は違うかと思います。ですからまず、かかりつけのお医者さん、産婦人科医、クリニックのお医者さんに相談をしていただいて、その上でワクチン接種の判断をしていただきたいと考えております。
 そして続いて、住民税非課税世帯の皆様に対する支援、臨時給付金です。1月31日に堺市から確認書を郵送しております。そして、2月8日から住民税非課税世帯の皆様に1世帯あたり10万円の臨時給付金を支給したいと考えております。確認書が届いた世帯の皆様には内容を確認していただいて、こちらにご返送いただく。そして審査が終わりましたら、速やかに給付を行いたいと考えております。
 そして、昨年1月以降に収入が減少しました、こちら※2の家計急変世帯につきましては申請が必要となっておりますので、該当する方はぜひ申請をしていただきたいと考えております。申請手続につきましては、市のホームページをご覧いただくか、コールセンター、そして区役所に設置した手続支援窓口がございますので、そちらに問合せいただきたいと考えております。
 私からは、まずは一旦ここで区切りたいと思います。

質疑応答

(司会)

 それでは、ここまでの説明でご質問のある方は、社名をお名乗りいただいてよろしくお願いします。

(産経新聞)

 すみません、1点だけ。接種券の発送スケジュール、かなり前倒ししていくというお話なんですけども、1点気にかかるのは、例えば昨年の12月に受けた方は最大で3カ月ぐらい早く接種券を受け取ってしまうことになると思うんですけども、そうなると、例えば接種券が手元にあるのに予約が取れないということもあり得るでしょうし、逆に6カ月以上経過していないのに接種してしまったというところもあるんですが、こういったミスに関して防ぐための手だてとかというのはお考えなんでしょうか。

(市長)

 そこはコールセンター等で確認はしますし、Webサイトのところでもチェックはありますが、今の段階で国のルールも3月から7カ月というふうになっていますけど、そこも自治体だけがある場合には柔軟に対応可能となっています。なので、もちろんできる確認というのは行っていきますが、今回、接種券を発送する意味というのは、これまで昨年からずっと用意をしてきて、もともと8カ月でしたので、その準備で進めていました。ワクチンの状況も時期によって違うので、ワクチンの接種券と同時に案内も入れているんですね。案内もそのたびに変えて発送していますので、より近い時期のほうが本来はいいんじゃないかということで、定期的というか、段階的に発送するようにしていました。
 ただ一方で、今、国でも少しでも早くやったり、大阪府の集団接種会場、もう年齢制限を外して6カ月以上だと受けられるようにすると。今日のとか月曜の分はもう堺市は間に合わないんですが、ただそういうふうな対応がこれからも発生することが考えられます。そうしたときに、例えばもう国のほうで5カ月になったから、じゃあそのときにもう発送するというのはなかなかできないんですよね。それは接種券の準備――袋詰めであったり、発送のスケジュール、あと郵便局との調整もありますので、早く決めておく必要があります。ですから、ミスを防ぐチェック体制は可能な限りきちんとしながらも、周知をしていく、6カ月たった方受けてください、個別接種会場で受ける方も多いですから、そこはお医者さんを通じてきちんと確認してくださいということをお願いしながら、安全に接種をしていただきたいと考えています。

(産経新聞)

 前倒しの狙いとしては、やはりいろいろと3回目接種に関しては状況が刻々と変わっているところがありますので、市民の接種したい要望の妨げにならないように早めに配ったという認識でよろしいでしょうか。

(市長)

 そうですね。それと、重症化リスクが高い方、一定、高齢者、65歳以上の方につきましては、ある程度早く前倒しで行っていましたので、めどはついています。ですので、次は重症化リスクが高い方、本市の場合は、昨年6月から重症化リスクが高い方に優先して(接種を)行っているんですね。おおむねその方たちに日付どおりに接種券は届く形になりますが、一方でこの間、新たに妊婦の方、妊娠された方は感染した際の重症化リスクが増すということもありました。ですから、前回の優先枠であった基礎疾患を持っている方に加えて、妊婦の方にも受けていただく。そうすると時期もばらばらで受けた方がいらっしゃいますから、その方たちにも早くお届けしたいと。ただ6カ月というところの間隔は必要ですから、2回接種から6カ月たった方が速やかに受けられるように接種券を前倒しでお配りをしたいということです。

(産経新聞)

 ありがとうございました。

(司会)

 ほかにご質問はよろしいでしょうか。

(日本経済新聞)

 確か、堺市としては第6波が襲来して、一日1,000人までは対応できるように保健所の体制を構築すると。よって他部署からかなり、年度末ではあるんですけど、人を捻出して支援体制をつくるという話を伺ったと思うんですが、あっさり1,000人を超えている状況になっていると。あとファーストタッチに関しては、点数化して点数の高い方からという、事実上のトリアージのようなことをしていらっしゃいますけども、今の体制で1,000人超えの状況の中で、より一層保健所の体制を強化しなきゃいけないとお考えなのか、1,000人までの対応でどうにかこなしているのか。もう一つは、点数化によって対応することによって、ファーストタッチの遅れというのは出ているのか、出ていないのか。ここのところをお願いします。

(市長)

 まず、各局から応援をいただいて、保健所の体制強化というのは今も進めています。以前、対策本部会議のときに、1,000人まで対応できるようにということをお伝えしていましたが、それは新規の発生届が出た方全てに対してアプローチをしていくという前提の1,000人でした。その上で、マックスの職員を450人体制ということで見込んでいたんですが、ただ、今新規陽性者が1,400人を超えている状況、その前から、このまま1,000人を超えてさらにじゃあ2,000人、3,000人となったときに、マンパワーを増強することで対応できるのかということを内部でも検討したんですね。とてもじゃないですけど、今、みなし感染ということもありますし、例えば風邪の症状が出ていて、これはコロナじゃないかということをお医者さんが疑ったら、もうそれでコロナとみなされて陽性になってしまうということもありますので、そうすると、感染者、陽性者というのはこれからさらに増える可能性があります。ですので、その1,000人を超える前の段階で、ファーストタッチの基準を重症化リスクが高い方に絞ろうということを決定いたしました。その結果、65歳以上の方と重症化リスクが高い方、基礎疾患を持ってらっしゃる方、妊婦の方を中心に順次アプローチ、こちらから連絡をして確認をしています。ですので、かつて全員に連絡をするという前提で1,000人としていましたが、今は優先順位をしながら、そして大阪府の自宅療養SOSの窓口もありますので、そことも協力をしながら連絡をすることで、保健所の負担を減らしながらも、さらなる感染拡大に対応できるようにしています。ファーストタッチにつきましては、今確認をすると、大体2日以内ぐらいということです。ただ、また他部局からさらに応援を依頼している状況ですので、1日、2日以内には何とか連絡をして、そこから重症化する方を減らしたいという思いでいます。
 一方で、保健所とも現場の職員とも話をしていたんですけど、やっぱり今大変なのは、ファーストタッチであったり、健康観察をある程度絞りながら優先順位をつけるとしても、発生届は全員分出さなくちゃいけないんですね。なので、1日に1,400人出ると、毎日1,400人分の発生届を1枚1枚見て出さなくてはいけません。この事務作業に非常に負担がかかっている。これが今、先週の会見でもお伝えしましたが、2類か、5類かという話にもなってくるかと思うんですけど、そのあたりの保健所の負担ですね。本当はもう医療が必要な方に対して適切に対応したいと思いながらも、一方で、1日1,000件以上に対応する保健所の負担というのがありますので、今、現場の職員は非常に苦慮しながら行っていますが、国のルールですので、そこを満たしながらやっていく。ただ、いつまでたってもこの状況では、これ第6波がピークを迎えたとしても、次に対応できなくなりますので、本市としても今いっぱいいっぱいの中でやっている状況ですので、きちんと今のどうすればさらに保健所がこれから回っていくのかということも、さらに拡大したときも含めて適切な対応、国にも提言していきたいと考えています。

(日本経済新聞)

 確認ですが、そうすると今の保健所は1,000人のマックス、450人で今回っているのか、それともそれよりも増やしていらっしゃるのか。いかがですか。

(市長)

 今、どれぐらいですかね、人数としては。270人から450人の間で今調整していると考えていますが。

(担当)

 現在の保健所の体制につきましては、2月1日から370人体制で行っております。

(市長)

 さらに今応援を依頼しているというところです。

(日本経済新聞)

 ありがとうございます。

(司会)

 ほか、ご質問よろしいでしょうか。
 それでは、次の案件に移らせていただきます。

市長

令和4年度当初予算案の概要

 令和4年度当初予算案の概要について、お伝えします。
まず、予算規模としましては、おそらく私が就任してから初めてだと思いますが、前年よりも増えています。その内容というのは、さらに今感染拡大している中で、感染対策に関する経費でありましたり、先ほどの臨時給付金の予算もここに含まれていますので、そのようなことがあって一般会計で4,267億円と、昨年よりも規模が増加しております。
 主な歳入としましては、市税のうち個人市民税、法人市民税が増加をしている。そして臨時財政対策債の減少等変化がございます。
 一方で、歳出を見ますと、こちら先ほどお伝えした給付金でありましたり、社会情勢の変化もありますが、障害者の方の自立支援制度の給付金の増加等がございます。
 全体のところに関しては以上です。そしてまた後ほど、財政収支の見通しをお伝えしますので、そこでも少し詳しくお話したいと思います。
 そして、今回のこの予算案の内容についてですが、一言で表すと「堺の未来を創る」予算としております。財政危機宣言を発出している中で、大変厳しい財政状況ではありますが、その中で新型コロナウイルスの感染対策というところはもちろんこれまで以上に重点的に取り組みながら、さらに今の喫緊の課題、特に重点を置きたい「子どもの貧困」「貧困の連鎖」の解消というところと、ご高齢の方がこれからも健康で長生きをしていただける、そして未来に向けた挑戦、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進とカーボンニュートラルの実現に向けた取組というところを重点項目。たくさん、重点とする項目はあるんですが、特にこの4項目については新規拡充の施策を増やして、財政危機の中でもめりはりをつけながら対応していく内容になります。
 こちらから重点項目をお伝えしますが、時間の制約もございますので、概要についてお話をしますが、事業の詳細や、今回の会見でお伝えしなかった内容につきましては、担当課にお伝えをいただけたらと考えております。できればあと20分ぐらいでは終わりたいと思うんですが、ざっとお話をさせていただきたいと思います。
 まず、重点項目の1つ目、「子どもの貧困」「貧困の連鎖」の解消についてです。ここに関しては、特にひとり親世帯の自立支援、これはコロナ禍でも顕著になってきた課題です。このコロナ禍でも臨時交付金を活用しながら、さまざまひとり親世帯に対する支援を堺市として行ってきました。この下の3つに関しましては今年度も行ってきた内容です。学習支援でありましたり、フードバンク、パントリーと寄附食品を提供する、そして自立支援のためのファイナンシャルプランナーによります家計支援を行っていく。そこに加えまして、さらにSNSやAIを活用して就業支援を行う、そして子どもさんを預けられるようにする、就職支援のための補助を新たに実施する。一部補助を行っていくということです。
 そしてもう一つは、これはひとり親の皆様だけではありませんが、女性の就職応援プロジェクトということで、女性の求職者を的確に捉える。そして企業の皆様の意識改革の応援もしたいと考えております。今、ひとり親世帯で母子家庭と父子家庭がいらっしゃると思うんですけど、特に母子家庭の方、堺では約6割の方が貧困とされています。貧困率が約6割、一方で、父子家庭につきましては、その半分以下ということですので、やはり女性の活躍を支援したいと考えております。そのためにはやはり企業の皆様にも少し頑張っていただかなくてはいけません。企業の皆様がこの就職をしたいと、非正規じゃなくて正規で働きたいという方に対してご理解をいただく、そして柔軟な雇い方をしていただくことで企業の皆様の安定した雇用にもつながりますし、求職も増やすことができる、そして就職も応援することができるということで、ぜひ応援をしたいと考えております。
 そして続きまして、健康長寿の実現についてです。こちらにつきましては、これからの人生100年時代を見据えまして、各年代の課題に応じた高齢者の健康長寿の施策、どのようなものがあるかということを庁内で取りまとめをいたしました。ほかにも今さまざま行っている施策はありますが、今回、新規拡充としまして4つ挙げております。
 健康習慣を改善していただく取組でありましたり、こちらはデジタルディバイド、高齢者の方がなかなかスマホやタブレット、デジタル機器になかなか対応ができないんじゃないかと、これからどんどん情報発信をより的確に、迅速にお伝えしたいという思いがありますので、広くスマホ、デジタル機器を活用していただけるように、市としても取組を進めていく。
 また、社会参加を促進していただく意味で、さかい利晶の杜の観覧料を無料にしたり、また体育館のトレーニング施設の初回講習料を無料化することによって、ご高齢の皆様が外に出て、外で社会参加していただくということがございます。
 そして、健康リスクが高い方に関しては、医療職による相談・指導をすることで支援を実施するというところで、堺市としてもこれだけではございませんで、さまざま事業がございます。これから人生100年時代の中で、年を召されても健康で長生きできるように注力をしていきたいと考えております。

 そして3つ目のデジタルトランスフォーメーション、まさに今、DX、ICTの活用というのは待ったなしだと考えております。また後ほど、組織のところでも詳しくお伝えさせていただきます。
 特に今回、大阪府と連携をいたしまして、都市OSを導入します。大阪府から声がけがありました。ぜひこのDXの取組、ICTの取組を積極的に進めている堺市と組みたいんだというお話を頂いて、共に手がけていくことになりました。この都市OSというのは、大阪府で共通したデータ基盤の中で、それを活用することによってデータに基づいた効果的な施策を実行していくという取組です。また後ほどお話をします。
 DXというのは行政だけではございません。行政の中のDX、ICT活用もそうですけど、行政、隗より始めよ、で行っていくことによって、民間企業にもぜひ広げていきたい。DX支援センター、コンサルティングができる要員をそこに配置しまして、中小企業にも広げていく、デジタル人材を育成する事業者さんにも支援をするということを行っていきたいと考えています。
 また、今、上下水道局ではさまざまICTを活用した取組を行っていますが、来年度も、例えば、水道管路にセンサーを設置して漏水を早期発見する、オンライン手続ができるようにするなど、さまざま新しい取組、DXに向けた取組を行っていきたいと考えています。
 そして、モデル実施としまして、堺区におきまして、窓口のキャッシュレス決済の導入をしたいと考えております。
 そして、カーボンニュートラルにつきましては、先ほどの都市OSを活用した仕組み、特に今回、まずは環境に関する取組をしたいと考えております。特に環境行動、CO2削減であったり、ごみの減量化につきましては、個人の気持ちの問題、行動の問題が多いと思います。ナッジというのは肘でつつく行為だということで、デジタルを活用しながら効果的な取組を行っていく。そのために都市OSを活用してまいります。
 そして、SMIプロジェクトとも関連してですが、この堺の中心部におきまして、脱炭素を都市一帯として行っていくための可能性調査を実施いたします。
 また、家庭向けスマートエネルギー機器導入に関しましては、これは拡充としてEV、FCV、水素自動車、電気自動車を導入する方に関しましては、費用の一部を補助したいと考えております。
 SMIにつきましては、美原までの美原ラインですね、SMI美原ラインの実証実験でありましたり、都心部でのモビリティを活用するための実証実験を行いたいと考えております。
 感染症対策につきましては、これはもう今行っていることのさらに強化ということです。追加接種の実施でありましたり、こちらも医療・検査・相談体制の確保ということで、昨年よりもおそらく多い額になっているかと思いますが、確実に感染症対策を行ってまいります。
 そして、「堺市基本計画2025」、これは今、市政の大方針の計画となりますが、そのKPI目標達成に向けた取組を行ってまいります。
 今年、千利休生誕500年、三好長慶生誕500年と、この会見でもご指摘いただいていますが、さまざまな茶の湯文化でありましたり、堺の歴史を発信するための取組を行っていく。
 また、去年から続けておりますが、昨年度の取組をさらに前に進めていくための伝統産業のブランド化、そしてオープンファクトリー、事業者の皆様が見学できるような施設を整備していく。
 サイクルシティの推進、自転車に安心して乗れるというのはもちろんそうなんですけど、やはり堺には歴史がございます。仁徳天皇陵古墳の築造時代からの鉄の鋳造技術が今の自転車にもつながっていると、さまざまな歴史・文化を活用しながら発信をしていくという取組を行ってまいります。
 本市独自の取組として、今、3人目のお子さん以降の保育料を無償化しておりますし、年収380万円未満相当世帯の方には、第2子の保育料も無償化をしておりますが、今年も続けて行っていきます。
 そして、読解力に注目した学力向上の取組、今、学力向上の取組を進めていますが、そもそも教科書を正しく読めていないんじゃないか、もしくはテストの問題文を読めていないんじゃないかということなどさまざま指摘があります。私自身も研究されている先生の方とお話をしたんですが、やはりそこをきっちりと内容を把握する、文字を見て文章を理解するところから注力する必要があるんじゃないかということで、今回、モデル校において調査・分析を行ってまいります。
 そして今、中百舌鳥エリアでさまざまな取組を行っていますイノベーション創出の取組もさらにパワーアップをして進めていくという内容です。
 深井駅の周辺地域活性化事業につきましては、中区で唯一の駅であります深井駅の近くに水賀池公園という大きなため池のある公園がございます。こちらを活用するために、民間活力を導入しながら、さまざま商業施設等を誘致したいという取組を今回新たに行ってまいります。こちらは中区役所が中心となる、本市でも画期的な取組でございます。
 そして、男女共同参画推進につきましては、今年、堺市役所と民間事業者の皆様が連携して、「SAKAI Women’s Active Meeting」という取組を行ってまいりました。意見交換をしてこれからどうやっていこうかという取組をしましたが、それをさらに深掘りをして行っていくために、女性就労に関する課題解決に向けた事業を行っていく。堺市役所としても女性活躍、管理職、役職者の登用を進めながら、そして経営層の意識も変えていく、民間事業者の皆様にもはっきりと意識をしていただいて、女性も男性も活躍できる社会にしていくということを行ってまいります。
 また併せて、現在、生理用品の配布を含めて、そこからさらに相談窓口につなげながら、経済的な困難等を抱える女性の支援を行っていますが、こちらもSNS、メール等での相談も含めて行っていきたいと考えております。
 そして、校区自治会の推進補助金につきましては、これまで堺市内の自治連合会の皆様に対して補助金がさまざまありました。それが非常に細分化していて、この補助金はまだ使えるけれども、こちらはいっぱいになってしまった。もしくはその細分化された補助金ごとに申請が必要なので、大変な手間がかかっているという状況がございました。私自身も各校区の代表の皆様と意見交換をさせていただいて、今回、抜本的に見直しをしまして、大枠の中で、例えば防犯カメラであったり、防犯灯、防災に対する取組、さまざまな内容に使っていただける制度にしました。また窓口も一本化して、事務作業、申請手続に時間がかからないようにしたいということで、今回組み替えをしております。
 これは、私が就任してから毎年お伝えしているゼロ予算事業です。こちらは大規模な内容ではありませんが、デジタルディバイドの解消であったり、企業の皆様と協力をしたり、職員がスマホ・タブレット等の活用をサポートする、また障害理解の啓発でありましたり、企業の女性活躍推進セミナーに関しましては、市内事業所の皆様と協力をしながら、堺市が推し進める施策を共に行ってまいります。
 また、ペーパーレスへの取組に関しましても、デジタル化、データを市ホームページで公開するという取組、これは小売商業地図というのがありますが、今までは紙で提示していたのをホームページで公開する。
 また、今、マンホールカードを作成しておりますが、デザイン性のあるマンホールを巡っていただくことによって、下水道事業の理解を深めながら、そして周遊することで健康増進もしていただきたいというところを、予算をつけずにゼロ予算で行いたいと考えております。

今後の財政収支の見通し

 そして、財政収支の見通しについてです。先日、財政危機脱却プラン(案)を皆様にお示ししています。そのことによりまして、今年度予算でも効果が出ているものもありますし、これからの見通しに関しましても、約13億円から38億円の改善が見られる。そして市税等の増加による収支改善、ここで大きいのは固定資産税がさまざま民有地の開発が進んだりしまして、特に固定資産税が増えている部分もあります。こちらによりまして、大幅に収支が改善しています。
 これまでお示ししていたグラフを更新したものがこちらです。昨年お示しをしたもの、脱却プラン(案)の中でもお示しをしたのはこの点線の部分です。こちらがこれまでの毎年40~50億円程度の収支不足が出ているというものでした。
 今回、財政危機脱却プラン(案)、そしてこれからの将来推計を見たときに、大幅に改善をしておりまして、この実線のところがこれからの見通しになります。令和12年度で今の目標は収支均衡なのでゼロが目標ですが、まだマイナス5億円、6億円となっておりますので、ぜひ収支均衡に向けてさらに取組を進めていきたいと考えております。
 そして、市債残高につきましては、これも私が就任する前までは右肩上がりでした。就任してからさまざまな施設に関しても中断、中止でありましたり、見直しを行ってきました。そしてこれから行う事業につきましても、総量管理、本当にそれが要るのかどうか、市でやるべきなのかどうなのかということも含めて取組をしております。それによりまして、これから市債残高はどんどん減っていく見込み、当初の昨年公表したものよりもさらに財政危機脱却プラン(案)の内容も含めて、市債残高が減っていく見込みとなっております。
 そして、基金残高の見通しにつきましては、こちらは前回公表して、令和12年度には基金が尽きてしまうと、そうすると予算が組めなくなってしまうというところから、財政危機宣言の一つの大きな要因でもあったんですが、今回、財政危機脱却プラン(案)を実施することによって、基金は一定担保できると、令和13年度まで418億円、400億円前半ぐらいで推移をすると見ております。
 前回、記者さんからも指摘いただきましたが、基金につきましても、今まではまとめて財源調整可能な基金ということでお伝えしていましたが、この中に財政調整基金と、そしてそれ以外の活用できる基金、その他の特定目的基金、例えば公共施設の整備にしか使えなかったり、もしくは泉北丘陵、限定の地域があるものにつきましては、何でも活用できるというわけでありませんので、ここは色分けをして示しております。
 基金につきましては、さらに市民の皆様に分かりやすくお伝えするために、どういうふうな色分けをしてメッセージを伝えていったらいいかということは今庁内でも検討をしております。
 ここまでが財政収支の見通しです。

令和4年度組織改正

 最後のパートです。組織改正についてです。大きく分けて、体制の強化とそして区役所の機能強化です。
 まず、DXの推進です。これは何としても進めたいという強い思いがございます。DXを進めていくためには、これまでICTイノベーション推進室というものを私が就任してから立ち上げましてこれまで着実に進めてきましたが、やはりデジタルトランスフォーメーション、デジタルを使って改革をしていく、変革をしていこうと思えば、これはトップの旗振りが欠かせないだろうということで、私自身が最高デジタルトランスフォーメーション責任者CDXOに就任しまして、強力に庁内のDXを進めていきたいと考えております。おそらく、政令市ではこういうふうなポジションを置いているところはありませんし、ほかの自治体でも見られなかったですね。企業では富士通さんが確かそういうふうなポストがあったかと思います。私自身がDXに力を入れて行っていく姿勢を示したいと考えております。併せてDX企画担当課長と、そしてシステム活用担当課長に再編する。
 そして、産業振興局におきましては、商工労働部を産業戦略部、今回、今、堺産業戦略を策定していますので、作業中ですので、産業戦略部として、そして組織内を大幅に再編しております。皆様のところに組織図もありますでしょうか。こちらも今の産業振興局のメンバーをフル活用し、より取組を強化していくために組織の内容をがらっと変えて、堺の産業を引っ張っていく組織にしたいと考えています。
 SMIプロジェクトの推進につきましては、再生という文字が堺市は多かったんですけど、再生、また再びその形にするというよりも、これからは新しい未来を創っていかなくてはいけないということで、都心未来創造部に改称しながら、そしてこれまで交通部にあった東西交通の担当課長をSMIプロジェクト推進担当課長として、この都心未来創造部に置くようにしております。そして、市街地整備の推進するため区画整理担当課長を新設しておりましたり、環境先進都市をめざして、これまでの名称をカーボンニュートラル推進部としております。こちらも政令市でカーボンニュートラルと名前がついた組織は、今の時点ではない、堺市が初めてではないかと考えております。よりカーボンニュートラルの実現に向けた姿勢を強く示していくという組織です。
 そして今回、新型コロナでさまざまな課題がございました。保健所の機能、そしてどういうふうな組織であれば機能するのか、また健康部の中の組織につきましても、再編をすることでよりアフターコロナを見据えて効果的に行っていきたいと考えております。
 総合防災センターは4月に美原に開設しますので、それに向けて部署を新設しております。
 教育委員会事務局につきましては、現在、小中一貫教育をさらに推し進めようと、新たな学校のあり方を検討しております。総合教育会議でも一番の課題となっておりますが、その制度設計を行うため、学校改革推進室を新設しました。
 そして小中一貫したカリキュラムをより推進させるため、学校指導課を教育課程課に改称します。
 また、生徒指導体制を強化するため、生徒指導課から業務の一部を学校総務課に移管し、学校総務課を学校保健体育課に改称します。
 そして最後の部分です。各区役所にも組織を設置しております。堺区役所は区域の防災に備えるために、堺区は人口が集まってくること、また高齢者のひとり暮らしが多いという地域の特性もありますので、防災推進室を設置して取組を行っていく。そして中区につきましては、先ほどお伝えした水賀池公園の機能強化、民間活力の導入を行うための組織を中区役所に設置いたします。
 これまで毎年組織の見直しを行っていますが、さらに今の市政の方向性、姿勢を示して効果的に機能する組織にしたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(司会)

 それではご質問のある方は、社名をお名乗りいただいてよろしくお願いいたします。

(朝日新聞)

 前回お願いした基金を見やすく出してもらうのをやっていただいてありがとうございます。
 その上でちょっとお聞きするんですが、去年、財政危機宣言を出されて、基金がこれだけの期間でどんどん目減りしていって枯渇するんだという話だったのが、1年たって見たら、全く別のものになっていて、先ほど、財政危機脱却プランを実施することで基金を担保できたというおっしゃりようもされていたんですが、もちろんその部分も当然含んでの話とは理解はしているんですが、正直、400億円以上積み上がったものというのは、財政の担当者に聞くと一定は理解する、税収を低く、コロナの影響も過大に見過ぎていた部分とか、基金を執行残で積み上げた部分とか、あるいは個別の売却収入が予定される部分とか、いろいろ複合的に組み合わさってこういう形になっているのも理解しているんですけども、一つ素朴に疑問に思ったのが、市長が今までの前の市長のときは毎年出していなくて、自分のときはこの収支見通しを出して、財政を透明化しているということでおっしゃられているこの収支見通しを個別に洗っていくと、毎年度の集計があまりにも違い過ぎてて、個別の分野、例えば普通建設事業費の推移とか公債費の推移とか、何でこうも違うのかと。もちろん長期的に大きく変化していくという、後ろに行ったらずれ込んでいって大きな差が出るというのは当然分かるんですけども、収支見通しを出されて直近の最初の一、二年だけを見ても、竹山市政の時代の収支見通しと比べて、ちょっと精度があまりにも悪いんじゃないかと。その竹山市政の時代は人件費とか、あるいは扶助費とか、扶助費は今の見通しもそんなに変わっていませんけども、その手のものは10億、20億という違いで済んでいるものが、今はまだ決算が出ていないので決算ベースでの比較ではないから、単純には比較はできないんですけども、当初予算との発表されたものとの比較を見ても、ちょっと数字があまりにも違い過ぎているような気がして。結局そこも含めて、大幅に状況が変わってくる要因の一つになっているんじゃないかなと思うんですが、市長としては、この収支見通しの在り方、精度の上げ方及び収支見通しの中で、前回から何が変わったのかというところをきちんと説明すると書いてありながら、例えば、大阪狭山市からのこの人件費の移動とか、消防の移動とか、私が見落としただけかもしれませんけども、普通の市民としてチェックしていて、何で人件費がここでこれだけ上がっているんだろうとか、よく見ていると分からないことが多々出てきて、正直頭がこんがらがってくるんですが、収支見通しを出されること自体はとても大事なことだと思いますし、ただ精度があまりよくない、きちんとその点についても触れてはあって、「相当の幅を持ってみる必要がある」というただし書きもあるんですが、そうは言っても、それを基に議論をずっとこれまでされてきて、私もそれを聞いて、ああ基金がなくなるんだなと思って記事も書いてきて、ちょっと読者に違った印象を与えてしまったんじゃないかなと悔いるところもあるんですけども、今後の収支見通しの在り方というか、精度の上げ方及び見せ方についてどのようにお考えなのか、まずその点を教えてください。

(市長)

 まずは、財政収支見通しについては恣意的な部分というのは一切ありません。そしてどのような推計をしているかというところも、項目もお示ししています。ですからその項目について毎年出していくと、ある年はじゃあこれを全く外して、ある年は入れるとなったら、それこそまさに恣意的になりますが、そうではなくて、同じ条件の下、出していくのが財政収支見通しですので、その結果、今回のような内容になったということです。
 じゃあなぜ基金が昨年お示しをしたときよりも今回違うのか、見通しも異なっているのかというところですけど、一つは、コロナ禍の影響というのは多分にあると考えています。特にこの2年間につきましては、臨時交付金が堺市にも多分に入ってくる分がありました。その結果、例えば予算としてつけていたけれども、これはコロナ対策として財源の付け替えが可能であったり、コロナ禍で実施しなくなった事業がさまざまありますので、その分で、本来取り崩すべきだった基金を取り崩さずに済んだものというのが多くあります。ですからそこがまずはベースとして基金を使わずに済んだものというのがかなりあります。
 そこに加えて、今回の脱却プラン(案)の内容というのは、新たに、今で33億円ですけど、その分を積み増したということですので、それが将来的に基金の目減りを減らしたと、それが毎年30~40億円減っていけば、いつかはその300億の基金も尽きるわけですから、それがまずは基金が当初よりも減らなかったということと、そして毎年30億円ほど積み増したということで、基金が何とか保てるようになったということなので、出し方としては特に大きな問題というのは私はないと思っていますし、今でも、これはプランですから、このプランが実施できなかったら基金というのはやはりいずれ尽きるわけですよね。なので、きちんとこのプランに挙げた内容、プラン(案)に書かれた内容を遂行していくことが大事だと思っていますし、その中には例えば、建設の中でも、いろんな要因ってあると思うんですよね。10年間の中で、増えるものも減るものもあると思いますから、それを今分かっている範囲で適切に反映をしながら、毎年財政収支見通しを出していくのが誠実な在り方じゃないかなと考えています。
 あともう一つ、大阪狭山市の分につきましては、消防事務の受託をしています。その分として大阪狭山市から負担金を払ってもらっており、一方で、人件費として出す分もありますので、それによって堺市がもうけているとか、損しているといったことではございません。きちんとその分のかかった費用というのはその分を頂いているという形になりますので、それ自身は大きく収支見通しには影響していないかなと考えています。

(朝日新聞)

 ありがとうございます。それで、改めて財政危機宣言を去年出されたものを読み直してみたんですけども、この書かれていること、私がそういうふうに読んじゃっただけかもしれないんですけども、前の市長がきちんと収支見通しを改定せずに、その間に市独自の住民サービスを拡充し、新しい公共施設を次々に整備してきたと。何か前任者に非があるようにどうしてもこの文章から私は読めてしまったんですけども、この市独自の市民サービスというのはがん検診の無償化とか、その手のことを差しておられるんだろうと思うんですが、今回の予算でもそれは計上されているわけで、別に身の丈に合っていないからこれはやめるべきだと思えばやめられる話でしょうけども、政策的に意義があって多分続けておられるんだろうと思うんです。
 人件費についても、竹山市政の時代は要員管理方針という2割削減という目標に向かって着実に削り込んでいって、その分で扶助費の急増をある程度吸収していた面があったんだと思うんですが、正直、大阪狭山市の分を除いたとしても、人件費はちょっと増える傾向にあるように見られて、去年の8月の会見のときに、人件費の見直しというか、そこら辺の要員計画の見直しについてもお聞きしたんですけども、今もってまだきちんとは示されていない状況だと思います。そうなったときに、今の人件費を増やすというのも、市長の今の政策的な判断で必要性があって配置されていることだろうと思うので、前の市長は前の市長で、今の市長は今の市長で、それぞれ政策判断があってのいろいろな話だと思うんですが、何が言いたいのかといいますと、あまりこの誰が悪かったとか、何かこの人を支えていたこの人たち、あなたたちにも責任があるとか、あまりそういうことを、私がそう聞こえただけかもしれませんけども、言ってしまうと、行財政運営って連綿と続いていくものですから、政治家としての側面と行政のトップとしての側面がおありですから、いろいろ難しい面があるとは思うんですが、やっぱりそこはフラットに、市長になられた以上は飲み込んで、こういう状況なので、みんなオール堺で協力して行財政改革を進めていきましょうというのを普通に呼びかければよかっただけじゃないかなと思うんですが、これを見ると、何か大上段にいろいろ振りかぶり過ぎた、力が入り過ぎている感があって、話が去年の8月の脱却プラン以降、議会のやり取りを見ていても、何だかちょっとかみ合っていないというか、変な方向にエネルギーが使われているように、よそから来た人間としては感じられてしまうので、そこら辺について、市長は今までの議論の進め方というか、そこら辺をどう振り返られますでしょうか。

(市長)

 やはり市の発信というのは重要だなというのが大きくあります。私自身も堺市民ですから、これまで堺市の広報というのは表向いては財政は健全ということをアピールしてきたわけですよね。実際の平成28年の財政収支見通しでも、これからは黒字になるんだというところがありました。そうすると、市民の皆様は堺の財政はいいんだと、じゃあこれもやってくれ、これもやってくれという話が出てきますが、実際には私が就任して中の状況を見ると全くそういうことはないんですよね。なので、多分議会の皆様も堺は大丈夫だと、健全だというふうに思っている方が大半だったと思うんですけど、やはりそこは正しくお伝えしなくてはいけません。そこを堺は実は健全じゃないんだよと、基金だって今減少傾向で、これからなくなるんだよというときに、じゃあ何でそうなったのというところの原因が必要だと思っています。ですからここは、やはり市として誠実に発表していく、見込みを出していくということの必要性ですので、何でじゃあ健全と言っていたのが永藤市政になったらいきなり財政危機なのかというところの説明は要ると思っています。なのでここは市民の皆様にお伝えするためにも、そういうふうな書き方というのは私は必要だったと思っています。ただ、これからはやはり収支均衡が見通せるとなったときには、これから未来を向いていかなくてはいけませんので、いつまでたっても誰が悪いという話ではないかなと思っています。
 今までの、私が不誠実と申し上げているものは、やはり毎年3億円、4億円の黒字が見込めるという収支不足だったんですけど、そこで前市長が予定していた内容――例えば、保育料の2子無償化でありましたり、今実施していて私も続けているんですけど、18歳以下の子どもの医療費ワンコイン、こちらも合計すると約12億円ぐらいかかるんですけど、それを実施するだけでも収支不足になることは分かっていたんですよね。さらにさまざま建設物を造るとそれも市債ではありますけど、毎年返していかなくてはいけないので、その状況がご本人のときに収支不足に大幅に陥るのが分かっていたのに、それを示さないというのは一つ問題があったんじゃないかなと思っています。なのでそこはやはりこれまでの変わってきた原因というのをきちんとお示しをすることが必要だと思っています。
 もう一つ、人件費についてです。これは前市政だけではありませんで、その前の市政からもおそらく継続方針だったかと思いますが、かなり大幅に人数を減らしてきたんですね。一方で、私が市長に就任したときに、もう人が減り過ぎて回りませんと、ここの業務は本当に苦しいですという声がありました。じゃあそこからさらに職員数を減らすことがいいのかどうかと考えたときに、私自身はそこからさらに減少するという方向は今は執っておりません。ただ、仕事のやり方が本当に今がベストなのかどうか、それはペーパーレスとかデジタル化も進めてですけど、打合せの仕方であったり、庁内の決裁の仕方とか、そういうことも含めて、効率化をしていかなくてはいけません。ですので、これからの人件費に関しましては、残業代、時間外を10%減らすであるとか、より効率化をしていくということもありますし、ポストにつきましても少しスリムにしています。例えばこれまでいろんなポストがあって、本当にじゃあこれ今要るのかどうかというのもありましたけど、そこは本当に必要なポストを残すようにしていますので、きちんと職員がやりがいを持って働けるように、特にコロナ禍は職員には申し訳ないなと思っているんですが、かなり頑張ってくれている職員が多いので、これからも削減、削減というよりも、きちんと職員の皆さんの能力を生かしながら、市民の皆様を支えていける役所にしていきたいと考えています。

(朝日新聞)

 ありがとうございます。私から最後に1点なんですけども、何でこんなに細かくいろいろ収支見通しを計算してみたのかと申しますと、前任の北九州市、人口90万人ちょっとで、大体大きさとしては似たようなもんですけども、と比較しても、そんなに悪いように正直見受けなかったというのが1点目と、北九州市はどんどんどんどん基金を食いつぶしていっている状況があって、人口も減っていて、多分、堺市の将来像みたいなところが、10年後、20年後の堺市の姿を見てきた感じがするので、そこからすると、今の堺市が取り組まれて先んじて手を打とうとされていることは十分理解もしていますし、大事なことだと理解もしています。その一方で、今回のこの予算で収支見通しを出し直されて、基金がなくなると言っていたものが、もうなくならない、当面なくならないと、目減りはしていくにしても、ある程度のところで歩留まりが見込めるという状況で、以前総務省の方にも聞いたことがあるんですけど、大体100万人ぐらいの自治体の基金のめやすとしては、300億、400億、400億ぐらいあったら取りあえず大丈夫と、北九州はそれを大幅に割り込んでいたので、黄色信号がついていたという話ではあったんですが、そこからすると、堺の今回の収支見通しからしたら、財政危機宣言というのは引き締めるために必要だとおっしゃるかもしれないんですが、去年と全く状況は変わってきているわけで、そこら辺の市長のお考えというか、取扱いはどうされるのかというのをちょっとお聞きしたいなと思いました。

(市長)

 今の基金の内容につきましては、実際には財政調整基金と、有事に活用できる基金とそうではない基金というのがあります。ですので、多分その300~400億円が妥当というのは有事に活用できる基金という意味で出しているんじゃないかなと思います。その上で、じゃあ財政健全というのは一体何なのかというところが、おそらく、私もなかなかもどかしい思いで議会と対峙しているんですけど、議会の皆様は、これまでずっと健全だということで議論していましたので、なかなか皆様危機だというのは言いにくいかもしれませんけど、これまで例えば夕張市みたいに、もう市債が返せなくなって、デフォルト状態に陥るということになればまさに危機だと思いますし、もう自治体破綻になってしまいますけど、堺の場合は借金は返せる状況だったんですよね。一方で、このままの収支不足を続けていくと、基金が尽きてしまう。基金が尽きると、今行っている住民サービスを、例えば40億円分もう削らなくてはいけないと、これは危ないでしょうということだったんですよね。ですので、この状態を正しく認識していただいて、議会の皆様もそれぞれ要望されてこられます。例えば、給食代を無料にしてくれとか、子ども医療費もワンコインじゃなくて無料にしてくれというのもあります。私もできるんだったらしたいですが、それをすると一気に基金が底をついてしまいます。ですから今の状況を正しくお伝えして、そして議会でも認識をしてもらう。借金を返せたとしても、基金がゼロになったら駄目でしょうというところは、今回まさに財政危機宣言の一番の趣旨でした。
 ですので、今回、基金自体はある程度改革に成果というか、財政危機脱却プランのまだ案の段階ですけど見通しは立っています。ただ、実際にはじゃあそれでまだあと数億円足りませんけど、収支均衡になったとしても、まだできていない事業があります。これは前市政の下の施策でしたけど、保育料の2子無償化、毎年8億円かかります。例えばそういうものを実施しようと思えば、また基金を取り崩す生活が始まってしまうんですよね。なので、まずはきちんと収支均衡を見据えながら、そして新たな施策を実施できるようにするところまで持っていく必要があると考えています。今回、予算を発表させていただきましたけど、大変苦慮しながら、各局には事業の見直しとか抜本的な内容見直しも含めながらさらにその上で重点項目として力を入れていく項目の新規拡充もしていますので、令和4年度はその内容で行って、そして目標としては、来年度、来年のこの機会でもう一度財政収支の見通しを出しますので、そこの内容を見て、財政危機宣言のこれからの存続の可否を私自身も判断したいと考えています。

(日本経済新聞)

 日経ですが、ちょっと長くなっていますがいろいろお聞きしたいことがあるので。
 まずCDXOについてですけれども、確かに富士通さんが19年の4月に社長がやるよと言って、社長ご自身が10月に兼務なさったとありますけども、翌年20年4月に他社から担当する人間を引っ張ってきて執行役員に置いているんですね。このCDXOについて、一つはこれはもう堺市の一つの機能として条例を制定されるお考えなのかどうか。もう一つは、実行者として富士通のように外からその実行担当者を呼んでくるお考えがあるのかどうか。この2点をよろしくお願いします。

(市長)

 まず、CDXOを誰が担うべきかということですが、私自身はやはりトップがやるべきじゃないかなと思っています。私自身も市長としてさまざま市政のマネジメントをしながら、さらに新たなポジションとなると負担もあるわけですけど、やはり全庁をまとめ上げて、さらに同じ方向性を提示しようと思えば、やはりCDXOというのは、私はトップがやるべきだと考えています。富士通さんの場合は、それは会社によるかもしれませんけど、例えばその方向性、大きな方向性を打ち出して、そこで一定ご自身の役目は終えられて、外部からということもあったかもしれませんけど、私自身はトップに立ってやるべきだという発想、そして私が以前ITのシステム業界にいたということもあります。6年間ですけど、実際に情報通信の世界に携わっていましたので、もし私が市長でなくなれば、後任の方がまたCDXOを市長としてやるかどうかというのはその方の判断になるかと思いますが、少なくとも私としては、市長が務めるべきだと考えています。条例には定められていましたかね、規則としてあったと思うんですが。

(担当)

 条例とまではいかないんですけど、堺市ICT戦略推進本部規程というのがございまして、その中で規定させていただく予定でございます。

(日本経済新聞)

 それは議会の承認事項なんですか。

(担当)

 いえ、違います。

(日本経済新聞)

 私の理解だと、民間企業と省庁の一番の違いは、どんな方であれ肩書は全てその根拠になる紙があると思っているんですけども、今回そのCDXOになられることに関しては、議会の承認を得ずに庁内だけの紙でどうにかそういうものをつくるという理解でよろしいわけですね。

(市長)

 対外的な姿勢ということがあります。庁内でのDXというのはもちろん進めていくんですが、堺市全体としてそういう意気込みでやっていくんだということを、これから民間企業の皆様とも、今もお話をしていますが、さらに強く打ち出していくために、私自身がCDXOとして話をしていく。その姿勢の表れだと考えていただけたらと思います。

(日本経済新聞)

 分かりました。この件はこの件として、来年度予算の当初予算に関して、税収が過去最大になるというお話で、前年度、令和3年度の比較というのをいくつか数字を頂いているんですが、そもそも令和3年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きいと見て、かなり絞った数字をつくられたと伺っているんですね。ですので、まずその令和3年度の税収、決算ベースでは当初予算を上回るような状況にあるのかどうか、まずそれをお聞きします。

(市長)

 詳しく、担当者答えられますかね。

(担当)

 税制課でございます。令和3年度の決算見込みが、令和3年度の当初予算を上回るというご質問でよろしいですか。

(日本経済新聞)

 令和3年度の、結局、最終的な税収は令和3年度の当初予算、1,460億を上回るんですかという。

(担当)

 一応今の令和3年度の見込みでは、令和3年度の当初予算は上回ります。
 以上です。

(日本経済新聞)

 ということは、令和3年からいくら増えたと、当初予算からいくら増えたというよりは、その前の令和2年と比較すべきだと思うんですが、令和2年と比較したときに、令和2年、もしくは令和元年と平成31年度の当初予算と比べると、結局伸びたのは固定資産税だという理解でよろしいんでしょうか。

(市長)

 一つは、予算をつけるときに、これぐらいの見込みだろうと思ってつけたところがかなり安全な数字というか、見込んだものがそれほどは下がらなかったというところは一つはあります。
 一方で、固定資産税につきましては、これまでの推移と比べると、今そのときよりもかなり増えていると、令和元年度と比較したら20億円ぐらい増えている感じだと思うんですけど、なのでその分の増した分というのは大きいと思っています。
 個人市民税と法人市民税につきましては、コロナ禍でかなり変動の幅が大きいと考えているんですね。業種にもよっています。コロナ禍でかなり法人の皆様が苦しい思いをされている、大変だろうというところが令和2年度、3年度当初あったと思うんですが、実際には例えば製造業の方も業種によっては最高益を出していたりということがありますので、そこはかなり変動数が大きい中で組み立てていかなくてはいけませんので、おそらくこの令和3年度、4年度についても、結果的にはこうだったというのは変動幅は大きくなるんじゃないかなと考えています。

(日本経済新聞)

 先ほどの法人市民税に関しては、宿泊、飲食といったコロナ禍の影響が大きかった業種の方は大変だったんだろうけれども、主要産業である製造業は堅調に推移していたということでよろしいんでしょうか。

(市長)

 製造業の中でもそれぞれ部門がありますので、業種がありますので、一概には言えませんが、比較的そこの収益が乗った、売り上げが伸びた企業もあると認識をしています。

(日本経済新聞)

 それが落ち込みがそんなに大きくなかった要因であると。

(市長)

 要因の一つだと考えています。

(日本経済新聞)

 あと固定資産税なんですけども、先ほど市内の開発が進んだから伸びたという理解でよろしいんでしょうか。

(市長)

 私自身は、過去の経緯というのもありますので、令和元年度のときから、職員の報告であった中ではそう見ていますが、補足があればお願いできますか。

(担当)

 固定資産税の伸びでございますけれども、基本的には家屋の新増築で堅調に伸びているという中で、その中で大型の分譲マンションであったり、大規模商業施設が一つの要因になっているというところでございます。

(日本経済新聞)

 ざっくりと言って、この予算から見ると、それほど新型コロナウイルスの影響が収入には出なかったという言い方はできるんでしょうか。税収に対して。

(市長)

 予算を組んだ時点ではそう出ています。そう考えています。

(日本経済新聞)

 それはやっぱり堺市の産業、皆さん、市民の方たちが働いていらっしゃるところが比較的コロナに対して強いところが多かったという。

(市長)

 これも要因分析はいろいろある中の一つにすぎませんけど、おっしゃったように、やはり堺の産業は製造業の占める割合が大きくございますので、製造業が踏ん張られたということが要因の一つとしてはあるのかなと思っています。

(司会)

 ほか、ご質問はよろしいでしょうか。

(読売新聞)

 さっきあった基金の話のところで1点なんですけども、今後、財政危機脱却プランに基づいていろいろ積み上げていくという基本的な方向性について、特に財政調整基金なんかというのは、今のコロナ禍のような有事のときに取り崩す性質のものなので、本来の方向、今現状、市長のお話を聞いていると、今後もこのペースで積み上げていくという方針を示されているんですけども、今のような時期に使わずに財政調整基金というのをまだ今後とも積み上げていくという、そこを使わずにまだ積み上げていくという考え方なのは一体どういった理由からかというのを教えていただけますか。

(市長)

 いや、積み上げていくわけではございませんで、財政調整基金の額というのは堺財務戦略という中で一定示したんですね。以前、令和2年度の予算を組んだ時点ではゼロでしたので、そこは一定必要だろうと。コロナが発生して基金の組み替えをしました。財政調整基金以外の組み替えを行って、それを実際に基金を使って、例えば水道料金の減免とか、そういうことも行ってきましたが、一方で今、臨時交付金に関してはかなり、数十億円単位の規模で入ってきますので、もちろん市民の皆様に、例えば一人数万円配るとかいうことであれば、それこそ数百億円規模のお金が必要ですが、一定の住民の皆様を支えるポイントポイントでの支援については、それで賄えているのかなと考えています。
 今後もし、例えば国の手当てがなくて、堺市独自でどんどん出していかなくてはいけないというときには、もちろんこの基金を取り崩して行っていきますので、そこが全国で今それぞれ、例えば感染対策に関しても、ワクチンに関しても、国の交付金で行っていますので、そこのバランスだと思っています。今のところはそれを使いながらコロナ禍を乗り切っていると、コロナ禍に対応しているという考えです。

(読売新聞)

 財政収支見通しについてなんですけど、この財政危機脱却プランを完遂しても、やっぱりまだ財源不足というのが起きるという見通しになっているんですけど、ここはどうやって埋めていくお考えなのでしょうか。

(市長)

 今回、財政危機脱却プラン(案)にまだ載せていない候補はあります。ただ、やはり今回、さまざま脱却プラン(案)の中でも議会でも議論が分かれた内容もありますが、さらにこれから、例えば堺市だけじゃなくて、ほかの団体と交渉していかなくてはいけなかったり、もしくはもう少し長い間かける必要があったり、そういうものが今、候補としてはありますので、今の財政危機脱却プラン(案)に基づいた内容をさらに進めながら、今33億円という数字を出していますけど、さらにそれの積み上げを図りながら、新たに改革できるところ、極力住民サービスを低下させずに、こちらの努力であったり知恵を絞りながら、上積みできる部分を考えていきたいと思っています。

(読売新聞)

 まだ財政危機脱却プランを改定される余地があるということをお示しされているのでしょうか。

(市長)

 今、案の状況ですから、これからまだ改定する余地はあると考えています。

(読売新聞)

 分かりました。ありがとうございます。

(司会)

 ほか、ご質問はよろしいでしょうか。

(日本経済新聞)

 脱却プランに関してなんですけども、先ほど朝日さんが質問されていましたけど、当初、去年の8月にいろいろご説明いただいた数字からはかなり改善していると、それが一つの結果であろうということは評価できると思うんですが、来年度予算でこれ以上市民サービスの削減につながる脱却プランの実施が必要、それでも必要だとお考えでしょうか。

(市長)

 何を住民サービスの低下につながるかということですけど。

(日本経済新聞)

 例えば、いただいた課題の中で泉北高速鉄道通学費負担軽減事業の廃止と。これは通学定期を持っていらっしゃる方に対しては直接的な負担増になるでしょうし、いろんな手数料の見直しとかってありますよね。こういったものも、額が小さいものを積み上げなければ脱却プランができないということは十二分に承知はしておりますが、特定の目に見える方への負担というのを求めなければならないほどの危機なのかどうかということに関して、いま一度見直すことが許される数字ではないかと、私は見ているんですけど、それについてはいかがでしょうか。

(市長)

 財政危機脱却プラン(案)の内容を実施したとして今の財政収支の見込みなので、それができなかったらこの内容というのは実現できません。それはおっしゃったみたいなさまざまな事業の積み上げなんですよね。一方でこれを削って、これは置いておくとなれば、それはもう見直しをされた対象者の方にとっては納得できるものではありません。なので今回の財政危機脱却プランというのは額の多寡にかかわらず、今のこの時代の流れであったり、必要と考えたものを今ここに挙げていますので、事業の適正化を図るものですので、今回の令和4年度に挙げている事業というのは、この脱却プランを反映したものが多く含まれています。泉北高速鉄道の通学定期に関しましても、一部の住民の皆様に対する支援策というよりも、子育て施策と考えたならば、より堺市全体に関してどうやって行うべきかという検討が必要だと思うんですね。ですので、これから堺もどんどん人口の流入を促していきたいと思っていますので、その意味では、制度の適正化という意味では、今回の財政危機脱却プラン(案)の内容というのは、私は全て必要な内容だと考えています。

(日本経済新聞)

 251億円という令和5年度の基金の残高の見通しが、462億円になりましたと。200億円近く上乗せされたにもかかわらず、そういったものを削減しなければこれが実現しないというのは、私から見るとかなり詭弁に聞こえますし、堺市の方たち皆さんを見直すのであればという理由で負担を増やすというのは、これもまた一つちょっと納得がいきにくい部分があるんですけれども、市長としてはプランで挙げたものは、市民サービスの削減も含めて、全て実現する必要があるというお考えには変わらないということですね。

(市長)

 あるべき政策とは何かというところに行き着くんじゃないかと思っています。例えば、堺に潤沢なお金があったとしても、見直すべき制度というのはあると思うんですね。よりブラッシュアップをしていく、時代に適合したものに変えていくというのは常に考えていかなくてはいけないと思っています。なので、一度行った政策は絶対に見直さないと、どんどん政策を増やしていくんだということでは、私はそれは健全な行政運営とは思えませんので、きちんと今の時代に合ったように変えていく、そのための大きな見直しというのが財政危機脱却プラン(案)だと思っていますので、この内容については進めるべきだと考えています。

(日本経済新聞)

 分かりました。

(産経新聞)

 当初予算案のことで一言いただきたいなと思いまして、今回、重点施策として大きく4つ挙げられていますけれども、説明の中にもありましたが、「堺の未来を創る」と掲げられていますが、こうした政策を通じてどういった堺市にしていきたいかという思いの部分と、あと先ほどから質問が立て続いていますが、財政危機を脱却していくために健全化を図りながらという中で、先ほどの説明の中でも、めり張りをつけたとおっしゃっていましたけども、そこのバランスをどのように取ったのかという部分を教えてください。

(市長)

 私も市長に就任してから2年半がたちますが、この間何を思っているのかというと、畑を耕しているような状態が結構続いてきたなと思っているんです。今までの土壌――例えば財政収支見通しもそうですけど、各種の計画であったり、これからどうやって前に進んでいくかの前に、まずは今目の前のやらなければいけない課題が山積していた。その中で就任半年からコロナ禍に突入して、最重要課題が新型コロナの対応に今もなっています。その中で特に顕著になった――例えば子どもの貧困、ひとり親世帯への支援でありましたり、ご高齢の方もなかなかコミュニケーションであったり外出ができなかったということもありますので、顕在化した課題に着実に対応をしながら、一方で財政危機宣言も出していますので、そうすると市民の皆様は、健全って聞いてたけど堺は財政が厳しいんじゃないのと暗い気分にもなる。これは私も想定していましたし、ただずっとこの堺が暗い気分でいるわけにはいきません。なのできちんとその将来像、堺はどういうことをめざしていて、将来にきちんと希望が持てる事業を行っていく必要があると考えています。
 ですので、今回の重点施策を4つ挙げていますけど、喫緊の課題に対応しながらコロナ対策をきちんと行っていく。さらに、DXと脱炭素、カーボンニュートラルという、これからの都市ブランドとして堺の姿勢を示していく、ここに注力するための予算と考えています。

(産経新聞)

 ありがとうございます。

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