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堺市長記者会見 令和2年6月18日

更新日:2022年7月26日

モニター掲示資料

市長

議会を終えて

 よろしくお願いいたします。
 まず本日ですが、案件としては2つ。
 本日、令和2年第2回の市議会が閉会いたしました。前回の議会に引き続きまして、議会の皆さんに多大なご協力を頂きまして、出席者を必要な理事者のみに限るであったり、質問時間の短縮等でスピーディーな議会運営をしていただいたと考えております。一方で、新型コロナウイルスの関連予算をはじめ、提案しました議案全て可決していただきました。今回、議会でも、やはり新型コロナウイルス感染症への対策が、メインのテーマとなっておりまして、引き続き、国の2次補正予算の支援策もありますので、議会の皆さんとしっかりと議論をしながら、市民の皆さんを守る施策を実行していきたいと考えております。

新型コロナウイルス感染症への対応について

 そして、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。第1波とも呼んでいいと思いますが、堺市におきましては5月14日以降、市民の感染者は発生しておりませんでしたが、一昨日、おひと方、陽性が判明しました。この間、お一人ということで、依然として落ち着いている状態と考えております。ただ、ワクチンも治療法も、まだ完成をしておりませんので、第2波がいつ来るかも分からないことから、今、堺市として、どのような行動を行っていくかについて、一定、取組方針を示しました。
 大きく分けて、方針としては3つです。まず、今の時期ですが、ウィズコロナ。もちろん、(新型)コロナウイルスを防ぎたいんですが、今の状況だと、(新型)コロナウイルスの感染防止を徹底しなくてはいけないという意味で感染拡大防止と、そして、同時に、経済の回復も行っていく。そしてその後、これもまだいつのことかも分かりませんが、アフターコロナという考え方をしまして、まず今、新型コロナウイルス感染症の脅威が去っていない状況でどういうことをすべきかということを、1、2、3で示しました。
 まず1つ目としましては、こちらは、もう今も行っていることにプラスアルファで、感染症の拡大防止をする。医療機関の検査体制、そして、医療体制を確実に整えておく。第1波のこの教訓、反省も踏まえて、第2波が訪れたときには、よりスムーズに市民の皆さんを守る体制を整えておく。
 そして、もう一つは、その兆候です。感染拡大の兆候を素早く察知するために、今回「堺シグナル」という1つの基準を考えました。その内容につきましては後ほど詳しく説明をいたします。
 そして、2つ目は、暮らしを支え、地域経済を守る。
 まず、第1波のときに外出自粛、そして、休業要請等で経済的にも困った方、不安・ストレスを抱えた方がたくさんいらっしゃると思いますので、そちらの備えを着実に行っていく。そして、国の二次補正予算、こちらも堺市へおそらく予算がつくことになると思いますので、さらに生活困窮、生活の再建、そして、事業再建に資する、さらに地域の経済の回復を行っていけるようにサポートしたいと考えております。
 そして3つ目、「堺スタイル」の浸透と新しいライフスタイル・ワークスタイルです。
 この間、新しい生活様式について、政府でも発表されております。堺市内で過ごされる方には、市民の方、そして市外から堺へ訪れる方がおられます。堺でこのように過ごしてほしいと、分かりやすくその内容を、感染予防の行動を示したものを提示させていただきたいと考えております。そして、今のこの感染防止というのは、まず大前提なんですが、その上で、これからこの新型コロナウイルス感染症が落ち着いて、アフターコロナに移っても、例えばデジタル化であったり、ICTの活用の流れ、オンラインの流れというのはこれから続いていくと考えておりますので、この機会に新しい生活様式「堺スタイル」を実践しながら、そして、新しい技術・サービスを取り入れて、堺から新しい行動が生まれるような動きを生み出していきたいと考えております。
 まず検査体制、そして、医療体制の確保についてお話をさせていただきます。
 PCRの検査可能数につきましては、4月28日に記者会見をさせていただいた段階では、堺市内において140を目標にするということをお伝えしております。もうその140は、実は達成しておりまして、今日現在で200検体を検査する体制が整っています。
 そして、当面の目標としては、大阪府全体で先般、3,500を目標とするとありましたので、堺市の人口で考えますと350。ここをまずは当面の目標としたいと考えております。ただ、この検体数というのは、これがゴールではありませんで、例えば唾液によるPCR検査、唾液による抗原検査等、新しい取組をどんどんと実施していく。堺においては唾液による検査を実施する体制はできておりますが、病院で検査をしますので、医療関係の皆さんのご協力をいただきながら、より負荷が少なく、確実に検査ができる体制を整えていきたいと考えております。
 そして、2つ目が医療体制の確保。こちらは堺市内で新型コロナウイルス感染症の入院患者を受け入れている病院、堺市立総合医療センター。今までもフレキシブルに病床数を確保するための取組を行っております。
 院内感染を防ぐための取組も徹底して行っておりまして、こちらも相談をしながら現状の取組に加えて、さらに第2波感染拡大が進んだときも、きちんと患者を受け入れられる病床数を確保するための取組、体制を行ってまいります。
 そして、3つ目、医療物資の確保。今日可決いただきました補正予算にて、それぞれ1カ月分の備蓄ができる、1カ月分の供給ができる予算をつけております。
 ただ、これまでは、それぞれ市内の新型コロナウイルス感染症の入院患者を受け入れる病院、そして、帰国者・接触者外来の皆さんの備蓄数を毎週お聞きして、そして、極端に不足しているところがあればそこにお渡しするという体制を行ってきました。
 今は一定落ち着いている状況でもありますから、まずは病院側で備蓄を進めていただく、入手を進めていただくのを前提としながら、もし感染拡大が起こったとしても、足りないところを堺市の備蓄から迅速にお渡しできるように、備蓄数を確保しておきたいと考えております。
 それを何か月分とするのかは、これから医療関係者、そして局内でも検討をしながら方針を示していきたいと考えております。
 次に、「堺シグナル」についてです。
 今第1波の流れを振り返りながら、どうすれば市民の皆さんに一刻も早く行動変容、今堺で広がっていますよということがお伝えできるかということをこの間考えてきました。大阪の広域におきましては、「大阪モデル」があります。「大阪モデル」の基準は今見直しをされていると聞いておりますが、大阪の広域に関しては、「大阪モデル」を基本とします。その「大阪モデル」の内容に沿って堺市も行動していく。一方でこれまで第1波では起こりませんでしたが、例えばお隣の大阪市では感染が落ち着いているのに、堺市内でどんどんと感染が増えているような状況が起こったらどうするか。そうすると「大阪モデル」より先に市民の皆さんに何か啓発・注意喚起を促すようなことも想定されます。
 その意味で、この「堺シグナル」を定めました。
 直近1週間の累積感染経路不明者数、この指標を1つとしています。
 これまでいろんな指標を庁内でも検討しまして、例えば陽性率、例えば陽性者数というものを検討しました。
 ただ、先ほどお話をしたとおり、検査数はこれからどんどんと増えていきます。今も増えています。
 そして、検査をしてもほとんど陽性の方が発見されていないと、この状況で陽性率等を指標にしてしまうと、すぐに何か警告を出さなくてはいけないということが考えられますのでこちらは感染経路不明者数を、経路が分かっている方についてはその濃厚接触者の方々全員検査対象として、一刻も早くその場で封じ込める。クラスターが発生したとしても、そこを抑え込む。
 そして、不安なのがこの感染経路不明者数。どこからその新型コロナに感染したか分からないという方だとなかなか手の打ちようがありません。もちろん濃厚接触者全員検査対象にして検査をしていただくんですが、それでも分からない方がいらっしゃる。これが、3人以上ということになりましたら、同時多発的に複数の箇所で不明者が出てきているということですから、要注意を行う。
 そして、これが7人以上となりましたら、これはもう感染が拡大していると言っても差し支えないということで、要警戒としております。
 この第1波の流れにおきましてどのような状況だったのかは、堺市におきましては、4月11日が感染者数のピークとなっております。11人が、堺市内で確認されています。大体その感染された方の結果が出るまでに、いつ感染したのか、推定感染日を確認しますと、大体12日から2週間ぐらいということで、3月の末、3月30日、31日あたりがそうなるんじゃないかと思います。
 一方で、感染経路不明者数がどうだったのかというと、3月25日の時点で3人確認されて、ここでこの基準に沿うと「要注意」、そして4月3日の時点で「要警戒」となります。
 数日の差になるかもしれませんが、もしこの基準を採用していれば3月25日の時点で、「要注意」で、市民の皆さん(感染経路)不明者が多く出ています、気をつけてくださいということを投げかけられたんじゃないかなと思います。この間は週末の外出自粛はされていました。ただ平日はそこまで厳しく要請はしておりませんでした。今回もその外出自粛というのを少し慎重にならなくてはいけないと考えているんですが、ただ早い段階で市民の皆さんに注意を促して気をつけていただきたいというためのこの指標です。
 そして、これからの対応のイメージです。
 この活動の抑制というところが(モニター掲示資料中)、緊急事態宣言が出たあたり。堺においてもピークとなったあたりを示しています。
 今ステージ1と、2人以下ですので、かなり落ち着いてきている。ただ経済活動を進めていくに従って、また増えることが想定されます。その場合、ステージ2のところに黒い丸がついていますが、そのまま放っておくと、どんどん拡大をしてしまう、また第2波が起きてしまう可能性がありますので、そこで適切に注意喚起を市民の皆さんに促しながら、感染防止の行動を徹底していただく。これを続けることで第2波が来るのをできるだけ遅く、できるだけ小さくということをめざしてまいります。
 広報活動、こちらでも今行っている、広報さかいやホームページでの周知に加えまして、防災無線や広報車の運用も行っていくということを考えております。
 「堺シグナル」というのは、「大阪モデル」が前提としながら、そして堺市内で局地的に感染が増えたときの運用を想定しております。
 ここは不要不急の外出を控えるということがありますが、では経済活動はどうするのか。こちらは、国の緊急事態宣言の枠組みがあって、そして、都道府県知事が権限を持って緊急事態措置をするということですから、こちらは大阪全体の取組に沿う、あくまでも堺市内では経済活動に関わらず、市民の皆さんへの注意喚起を行うという役割分担をしたいと考えております。
 そして2つ目の、暮らしを支え、地域経済を守るということで、本日2つの新しい取組をお伝えいたします。
 まずファイナンシャル・プランナーによる家計相談です。この間今特別定額給付金の支給を少しでも早くということで、職員も多く導入しながら必死に作業をしているところです。
 一方で、今国の政策ではお金をお渡しするというころですが、どうしても一時的にお金を渡したとしても、やはり苦しくなる。期間が長くなってしまうとしんどいという方が増えることは想定されます。
 今までの日本人のあり方というか、考え方を見ると、お金のことはなかなか子ども時代、学生時代に身につけることができなくて、社会人になって初めて初任給でお金を手にして、お金のことを知らないままに成長していく。そして、どう使うのが適切なのか分からないという方が多いように感じています。ですから、今回特に新型コロナウイルス感染症に関して、経済的に不安を抱えている方、もしくは困窮されている方が多いという現状を鑑みて、専門家のファイナンシャル・プランナーの皆さんにお力を借りまして、お金をお渡しするだけじゃなくて、そこに関してどのようにではお金を使っていくのか、どのように計画を立てて暮らしていくのか、生活を支えていくのかということで生活再建の支援をしたいと考えています。
 今回、これは政府の国の施策ですが、児童扶養手当の支給世帯の方を中心に、臨時給付金がございます。堺市においても、7月末から8月上旬にかけて給付をしたいと考えております。そのときに、同じ案内の資料に同封をしまして、対象となる方約9,000人を今予定しておりますが、その方たちにこの相談窓口があるよということをお伝えして、ぜひまずはひとり親家庭で、そして、低所得の方をお支えする。そして、この取組が功を奏しましたらひとり親に限らず多くの方、生活に困ってらっしゃる方を支えるための仕組みを構築したいと考えております。
 これまで、なかなか堺も財政が厳しくて、財政調整基金も底をついていましたので、皆さんにお金をお渡しするということはできなかったんですが、これからこの生活再建という意味で、一時的なお金ではなくて、長いこと支えられるそういう考え方からまずは身につけていただくための取組を行っていただきたいと考えています。
 そして、もう一つが保育料の減免対象の拡大です。
 今日可決をいただきました議案の中に約380万円未満(年収)の世帯の方、ゼロから2歳までの子どもについて、保育料を無償化するという議案を提出いたしました。
 ただ、その基準が、9月までだったら一昨年の所得、そして9月以降は昨年の所得ということになりますので、例えば今年に入って新型コロナウイルス感染症の影響で大きく所得が減った方というのは、今の無償化をしたとしても制度では救うことはできていませんでした。この間、まずは来年3月までの制度をつくるために議会に提出して、この間制度設計をしてまいりました。
 今回決定しましたのは、この8月から3月末という無償化の時期に合わせまして、昨年の年収がもし高かったとしても、そこから減額された方、収入が大きく下がった方については新しい枠組みで適用するというルールを設けています。
 具体的には、7月の申請の前の3カ月間4、5、6月の収入を見ていただいて、そこが大きく下がっている、基本的には(前年収入比が)3割以上ということですが、そうすると、新しいこの年収によって保育料というのは変わってきますので、新しい年収のところで見ていただけるようになるということです。そして、3カ月たっても減っている状況が変わらなければ、さらに再申請が可能ということです。収入がこの新型コロナウイルスの影響によって下がっている皆さんにも、この今の保育料の減免というのを実施したいと考えております。
 最後に「堺スタイル」の件です。3つとも「堺スタイル」に関係することですが、5月の記者会見でも「堺スタイル」というのをお伝えして、これから練っていきますというお話をしています。
 目的は、感染防止と地域の経済活動をめざしながら、第2波をできるだけ遅く、できるだけ小さくするということです。
 そして、方向性としては2つあります。まずは、新しい生活様式に代表される、感染防止のための日常を徹底していただく。そのために、分かりやすく市民の皆さんに周知をするというのが1つ。そして、もう1つは、これから長いこと感染症と対応していかなくてはいけないという状況に合わせて、ICT、デジタル、オンライン、新しい技術・サービスを活用しながら生活していくための提案をどんどん受け付けて、そして、市民の皆さんに窮屈ではなく、快適に感染防止を心掛けた日常を過ごしていただきたいと考えております。
 まずは最初の、「堺スタイル」の浸透です。
 これは市民だけを対象にするものではありません。例えば、百舌鳥古墳群に今はまだ観光で来られる方は少ないかもしれませんが、訪れたときに、どうやって堺で過ごしていただくか、堺で過ごすときの感染予防の注意事項と組み合わせて、そして、分かりやすく発信していく。このセットを各場面別につくっていただきたい。もちろん、堺の主催のイベントに関しては堺でやりますし、例えばお店であったり、仕事場に関しては、皆様それぞれおつくりいただけるような素材を用意いたします。
 今これはサンプルとして用意をしましたが、例えば、さかい利晶の杜をご利用の皆様に向けて、ピクトグラムを用意します。今は38種類用意をしています。
 この38種類をそれぞれの場面に合うところで組み合わせていただきまして、そして、その場に必要な行動を利用者の皆さんに呼びかける取組をしていきます。
 実際には6月22日からサービスを利用いただけることを想定しておりまして、ぜひその場面に応じて、どういうことを気をつけていただきたいかという、市民の皆さんに周知を図りながら感染予防、感染拡大防止を、堺市としてもサポートしていきたいと考えております。
 そして、新しい「堺スタイル」の感染予防を取り入れながら、新しい技術・サービスを使っていくという取組です。
 堺スタイル・ビジネス・コンテスト、「ものの始まりなんでも堺」という言葉、おそらく皆様は聞かれたことあるかもしれませんが、昔の堺、明治時代ですね、どんどんと新しい発明産業が生まれてきたという経緯があります。ぜひこのウィズコロナ、アフターコロナの時代においても、感染予防、どうしても新しい生活様式でこういうことは避けてくださいね、控えてくださいねとなると、窮屈になってしまいますが、そうではなくて、むしろ新しい技術・サービスを生かしながら、より快適に過ごしていただく、感染予防を心掛けていただくということで、今回事業者の皆さんから提案を受け付けたいと考えております。
 例として挙げておりますが、例えば今オンライン教育がありますが、それにより進んだ学習機会を多様化する行動であったり、例えば、コンサートとかイベントにおいて、サーモグラフィーでそれぞれ体温が分かって、注意が必要な方には呼びかけることができる、いろんな今はないサービスをここでぜひ挑戦していただいて、そして、優れた提案をいただいた方には、その実証実験をするための資金をお渡しして、ぜひ堺からこのウィズコロナ時代に新しい対応ができるような取組を広げていきたいと考えております。
 そして、市内の学校についてです。6月15日から通常授業が再開しています。今は保護者の皆さんに、健康観察カードというものをお渡しして、毎朝お子さんが学校に来られるときに検温をして、熱があったら休んでいただくという、健康チェックをしてもらっています。
 ただ、実際に学校に来る際にも何らか、その健康チェックができないかということで、サーモグラフィーを活用したいと考えています。
 堺市立の小学校は、それぞれ規模が全然違います。全児童数が100人を切る学校もあれば、1,200人を超える学校もあって、その児童数は様々ですので、対応も変えていきます。1,000人規模でしたら、一人一人非接触型の体温計というのは難しいので、まずはサーモグラフィー、スクリーンの前を子どもたちが通って、そして、熱が例えば37.何度ある子どもについては、個別に測定すると、基本的にはみんな流れていくような形だと思います。
 一方では、小規模校150人程度であれば個別の検温が可能だと思いますので、非接触型の体温計を用意しながら、ハンディで行います。このモデル実施をしながら、教職員の皆さんの負担もあると思いますから、その負担状況も考えながら、効果を検証し、効果が出るようであれば、このサーモグラフィーの活用を全校に拡大していきたいと考えております。
 今取組方針ということでいろいろお話をさせていただきました。今日、議会が終わりまして、また二次補正の検討がこれから始まります。状況は刻一刻と変わりますので、その状況に応じて適切な支援策、そして、取組を行っていきたいと考えています。
 めざすところは感染拡大防止と、地域経済の回復が、今のウィズコロナの時期の対応だと考えておりますので、ぜひいろんな事業者の皆さん、産官学連携で市民の皆さんを守る取組を行っていきたいと考えております。
 以上です。

質疑応答

(日本経済新聞)

 今のテーマとは直接関係ないんですが、出勤抑制についてお伺いします。
 今日のコロナ対策会議で総務局長が、今はステージ1なので出勤抑制2割なんだけれども6月22日で終了するというお話がありました。
 そうすると、そのウィズコロナとか「堺スタイル」とか市民には言っておきながら、堺市役所はもう出勤抑制の目標をおろしちゃうというのは、市民から見ると言行不一致のように見えるのではないかと思います。
 また、永藤市長のお考えとしても、時差出勤であるとかテレワークというのは、コロナの以前から取り組むべき働き方多様化の1つだったというご認識で、当然コロナが終息してもそれは取組続けるべきだという、そういうお考えだったと私は認識しているんですけれども、だとすれば市長のお考えとも、食い違っているように思うんですけれども、なぜ出勤目標2割というのをやめるということを了承なさったんでしょうか。

(市長)

 出勤抑制に関しましては、4月8日緊急事態宣言が発令されるときに2割としまして、そして1週間経って、大阪府の緊急事態措置で休業要請が発動されて、5割という取組を進めてきました。今回緊急事態宣言が解除されて、そして、外出自粛ということについても解除される、全国的な県外への移動というのもこれも解除されております。
 これは、自粛をしながら続けていくというよりも、新しい働き方に基づいて経済活動を再開させていく時期だと考えておりますので、これで一律に5割、もしくは2割というのは私はふさわしくないんじゃないかと考えております。
 ただ、堺市役所で働くときも、例えばマスクをつける、手洗いをする、距離を適度に保つということは徹底をいたしますし、またオンラインの取組も引き続き進めていきます。
 ですから、感染防止を意識しながら出勤をしていただく。一方で、テレワークと時差出勤、これは続けていきます。時差出勤は、10時半の出勤というのはほとんど活用されていなかったと聞いておりますので、8時から10時という枠になりますが、時差出勤は続けていく。そして、テレワークについても、どんどん積極的に活用したいと考えています。今まで庁外から庁内LANにつながる回線のライセンスが200しかなかったんですが、そこも増やしていきたい。ただ、第1波、これまでの時期のときには、テレワークで自宅で仕事をするにも、これまでのどういう仕事をじゃあ持って帰って、どういう仕事が庁内でなかったらいけないのかという線引きというのができていなかったんですね。ですから、今日、対策本部会議でも指示をしましたが、それぞれの業務内容で何ができて何ができないかということを、しっかりと整理をしながら、第2波が訪れたときにでも速やかに再び2割、5割抑制をしながら業務が継続できる体制にしていきたいという思いです。
 ですから、今の時期というのは2割というのは大前提というわけではなくて、むしろ、業務をきちんと遂行しながら、感染防止を心掛けていく時期だと考えています。

(日本経済新聞)

 すみません。時差出勤というのは出勤抑制にはカウントされないんだろうと思いますが、テレワークを進めていくという今のお話であれば、おのずから出勤抑制にもつながるんじゃないかなと思うんですが。

(市長)

 はい。

(日本経済新聞)

 そうすると、出勤2割は終了する。終了するというのは目標はないということになっちゃうと思うんですけれども、何でそうなっちゃうのかなと思うんですが。

(市長)

 明確な数字の目標というよりも、今テレワークに関しても、200回線についてはもちろん業務は同じようにできるわけですけれど、堺市の職員は、非正規の方も合わせて7,000人以上いらっしゃいますから、そうすると、ごく一部なんですね。そこを最大限活用するための方策というのを行っていく。4月から5月にかけてというのは、緊急事態宣言の真っただ中でしたから、5割の出勤抑制達成はしましたが、かなりどたばたで、業務に影響したと聞いています。みんな不安の中、職員の皆さんは頑張っていただいたんですが、ですからもう一度ここはしっかりと立ち止まって、今のこのテレワークの活用というのも考える。なので、ここでまた2割としてしまうと今何も検証ができないままに、もう一度また無理な出勤体制になりますので、テレワークの活用を進めながら、実際に行動するときには、今度は無理のない、きちんと業務の優先順位をつけながら、役所が機能する出勤抑制を実現したいと思っています。

(日本経済新聞)

 それともう一点、数字が200回線というのはいつまでにどのぐらいまでに増やすんですか。

(市長)

 この回線というのが非常に高くて、実は3月から4月にかけても、そういう調査をしました。
 200回線を、例えば数十を増やすのだったらある程度、数百万円でできるということなんですが、それをでは例えば1,000にするとなったら、もう桁が違ってくるんですね。
 ですから、今例えば、フル機能で全て庁内LANに接続できる、セキュリティがかなり堅い今のネットワーク体制ですから、そこにつなげる業務がではどれだけいるのか、そして、そこまでではなくてもふだんのネット環境でできるのはどれだけなのかと、なので、そのフルパッケージと、そうじゃないところの段階を分けながら体制を整えていきたいと思っていますので、そこも今ICTイノベーション推進室、そして、総務局で検討しています。

(日本経済新聞)

 ありがとうございました。

(毎日新聞)

 今のテレワークの件なんですけども、テレワークで通常のこの出勤して仕事を役所でするのと、業務効率というのはどうなんですかね。同じぐらいできているのかどうか、その辺りは何か調査されていますか。

(市長)

 これも、私がその都度ヒアリングをしている内容によりますが、同じ業務はできていなかったと考えています。
 ちょうど4月、5月という時期で、部署の異動があったり、新しく業務を学ぶことが多かったので、例えば、資料を読み込んだり、これまでの計画を策定したりというところについては、ペーパーベースでできるものが多かったと聞いています。ですが、この状況がずっと続くと、なかなかクリエイティブなオンライン会議であったり、いろいろと中のデータベースを用いて行う仕事というのは実現できなかったと思っていますので、業務効率という面では、そのままではいっていないと考えています。

(毎日新聞)

 改善策というか、具体的にあるんですか。

(市長)

 今回この反省点というのはまとめていますので、テレワークでどういうことを行って、今回も例えば庁内LANにつながずとも、情報公開はしていますので、ネット上でも堺の資料と、予算の資料とか、決算書って見られますので、そういうことの内容に基づいてできる業務は何なのかというところで、その反省も踏まえてテレワークの取組を進めたいと思っております。

(毎日新聞)

 ありがとうございました。

(朝日新聞)

 幾つか伺います。
 まず、テレワークの関連で言うと、先般発表がありましたが、テレワーク中の職員さんが万引きをされたという、残念な事案がありまして、そのあたりの仕事をどうするかということとともに、服務規律と言いますか、実際どのような勤務形態をとられておられるかとか、なかなか見えないわけですね、それで、その辺も含めた改善策は何かあるんでしょうか。

(市長)

 職務中の万引きがありましたが、かなり悩ましいなと思っています。
 テレワーク中でしたけれど、ではそれが例えば休暇を取られて年休を取られた日に、ではそういうことが起きないかと言えば、おそらくそういうことが発生し得たんじゃないかと。テレワークのときの、例えば上司が部下に対するチェックをどうするかということで、私もテレビ等で見ますとLINEで何度も何度もチェックをしたりという報道もありましたが、そこに関しては実際に今まで家にいて仕事をするという環境が行政ではほとんどありませんでしたから、そこでどういうふうにすれば効率が上がるのかということを見る必要がありますし、一方でその働いた時間というよりも、成果を見るような方法も必要だと思うんですね。また、職務専念義務というのがあって、家にいても、ここからここは張りついていなければいけないというのがあります。
 一方でこれから育休を推進していったり、子育てをしながら働ける環境にしようと思えば、小さな子どもが泣いて、そういうときに専念義務があるからと言って職務から離れないでは困りますから、今回のこの第1波のどたばたの経験も踏まえながら、これからコロナが終わってもテレワークをどうするのが適切なのか、どうすれば成果が上がるのかということは検討したいと思っています。
 それで、民間企業の例で言いますと、日本電産さんだったかと思いますが、テレワークをすることで効率が上がったという企業も見聞きしているんですね。そういうところの経験というのは、ぜひお聞きして、どうすれば職員のモチベーションを上げながら成果を反映できるかというのは調査をしていきたいと思っています。

(朝日新聞)

 別の話ですけど、先ほど第2波への備えで医療体制の確保で、市立総合医療センターの病床を確保していくという話がありましたが、これは具体的にずっとその病床を空けているということなのか、確保というのはどういうふうにしてやってらっしゃるのか、空き病床をずっと持っておくわけにもいかないと思うんですよね、これ今どういう状態で、今後どう変えていくのかという、もうちょっと具体的に教えていただけますか。

(市長)

 まず、入院の病床数につきましては、大阪府広域で管理をしています。
 堺でも最初7床でした。中等症以上の方が、そのときは軽症も入院されていらっしゃいましたが、途中から軽症の方は、ホテルもしくは自宅ということになりました。
 それで、この間市総合の皆さんの関係者とも意見交換をしてきたんですが、その7床から、具体的な数字は申し上げることはできませんが、そのフロアであったり、その階を分けたりしながら増やしてきたんですね。それで、今はその増えた状態のままひとまずは大阪府の要請もあっておいています。ただ、今大阪府内においてもかなり落ち着いている状態で、その府内の入院患者を受け入れる病院にそのままおいておくというのが、かなり医療現場も逼迫しますから、おそらく近い段階でもう少し緩まるんじゃないかと思います。そうすると、緊急事態宣言の中で広げた枠というのをこれから狭めていきます。
 それで、この7床から広げてきた経験がありますので、堺市立総合医療センターの方にお話を聞くと、最初は確かに確保するというのはかなり苦労して、ただ次行うときには、よりスムーズに広げることができるんじゃないかということをお聞きをしています。

(朝日新聞)

 それで、必要な病床確保というのはどういうことなんですか、具体的に。

(市長)

 今、実際に何床というところまで全てお聞きはしているんですが、実は、緊急事態宣言中であってもまだ空きがあった状況なんですね。
 ここまでは空けられますということに対して、実際に使用はされなかったということです。それで、今回大阪府でこれから病床数の目安もまた出てくるのかと思いますが、その内容で、ではここまではできないか。例えば十三の市民病院をコロナ専用病院にしたところもありますが、堺ではそれは考えていませんでした。三次救急という広域の機能を担うこともありますので、ここについては今まで、今回の第1波ではそこの病床数は使わなかったけれども、これからではどういうふうにあけられるかというシミュレーションを市総合ともしていきたいと思っています。

(朝日新聞)

 今確保して空けている病床を別の患者さんに一時的に使っていただきながら、また2波がきそうというときには、速やかに移っていただくとか、そういうイメージですかね。

(市長)

 速やかに移っていただきながら、今マックスで確保した以上に対応が迫られるとき、第1波より、大きい波というのは、あってはならないと思っていますので、低くしたいんですけれども、万が一そうしたときにも、これまで確保したよりもさらにできないかというシミュレーションですね。

(朝日新聞)

 分かりました。
 また、全然別件です。今回の議会で、質問の中で、職員と一部の議員さんが賭けマージャンしておられる、賭けとは言っていないかもしれないですが、マージャンをしておられた、緊急事態宣言中にというご指摘がありました。一部そんな議論も市長の目の前で行われたと思うんですけれども、この件について市長はどのようにお考えですが。

(市長)

 そうですね、あの議会では5月3日という日付まで出ていました。5月3日というと、緊急事態宣言の真っ最中でして、私ももちろん職員もですが、市民の皆さんに対して外出自粛を訴えていたんですよね。ゴールデンウィーク中という本当に皆さん外出したい時期にもかかわらず自粛を要請していたという時期です。そこで、職員も関わっていたという、それが真実なのか、どうなのかというのは実はまだ分かっておりません。ただ本当にその職員が関わっていたとしたら、これは大きな問題だと思いますし、職員はやはり市民の皆様の手本にならなくてはいけない、模範となる行動をしなくてはいけませんので、残念だと思います。
 ただ、今職員に対して聴き取りをしていますが、みな否定をしているという状況です。

(朝日新聞)

 複数回聴き取りをしているよという話も、議会の方でも出ていたかと思うんですが、今後議会の方でもう少し詰められるということですけれども、議員さんについては、市長の任命権者としては、今のところ何か手だてがあるのか、これ以上どうしようもないのかというあたりはどうなんでしょう。

(市長)

 そうですね、5月3日の行動に対しても、各本人に聴き取りをしているんですが、何度聞いても、そこはもうそれぞれきちんと過ごしていたと、マージャンはしていないということですので、今の状態ではこれ以上は少し難しいのかなと思っています。

(読売新聞)

 先ほどのテレワークのところで、民間企業を参考にしていくということなんですけれど、その職務専念義務との絡みが公務員ってあると思うんですけれど、民間はそもそも競争環境にあるので、成果で評価される部分が大きいと思うんですね。だからテレワークって馴染むと思うんですけれど、そもそも官の場合は、競争環境にないから緩んでしまって、怠惰にならないようにということで、職務専念義務が厳格に規定されていると思うんですね。たばことかでも、中抜けとかちょっとでもしたら処分されるのは、そういう理由からきていると思うんですけれども、要は民間でやっていることというのが、そもそも官にそのまま馴染むとはちょっと思えないんですけども、その点どのように考えていますか。

(市長)

 もちろん民間で行っていることを、全て行政に適用するというわけではありません。あくまでも参考にさせていただく。民間企業も今回初めてテレワークを本格実施した企業は多いと思います。その中でうまくいったところもありますし、そうでないところもあったと思いますので、いろんなその経験を集めながら、判断をしていきたい。そして、他の自治体でも今回テレワークをやっているところも多くあると思いますので、他の自治体ともどういうところがよくて、問題があったか、ということを意見交換していきたいと思います。
 職務専念義務についてですが、行政の働き方というのを見直す必要があるじゃないかと思っているんですね。なので、今まで公の仕事と民間の仕事ってあったんですが、やはり成果を出す。成果は何かというと、市民の皆さんの生活を支えたり、堺の魅力のアップであったり、もちろんそれは延いては、税収増ということになるんですが、きちんと成果を出すための仕事ぶりとは何なのかというのを考えるいいきっかけだったんじゃないかなと思います。ですから、テレワークの今回の取組というのは、いろんな社会全体で共有され得る部分だと思いますので、どこを適用できて、ここはちょっと難しいなというところもまとめて、次に生かしたいと思っています。

(毎日新聞)

 1つ前の質問に戻るんですけれども、いわゆる賭けマージャン疑惑みたいなお話で、今のような状況では何度聞いてもしていないと言っているから、仕方がないかなということをおっしゃって、これは、今のままの状況では、その職員らの何らかの処分という経緯はつながらないという意味でおっしゃったんでしょうか。

(市長)

 この後、議員総会も予定されていると聞いていますから、進行は見たいんですが、これがもし、実際にマージャンをしていないということであれば、ではなぜこの話になったかというと、一人の職員が作り話をしたというふうに言われているんですね。もし、マージャンをしていたんであれば、作り話でなかったですし、していなかったのであれば作り話です。これだけ議員の皆さんも巻き込んで大きな騒動になっていますので、もしそれが作り話であったのであれば、その該当の職員に対しては、何らかの厳しい対応をせざるを得ないかなと思っています。

(毎日新聞)

 それは、結果はまだ見えていないんですけれども、懲戒処分ということもあり得るんでしょうか。

(市長)

 その段階はありますが、こういう事例のときは処分の規定がありますので、そこにのっとった対応になるかと思います。

(毎日新聞)

 ありがとうございました。

(日本経済新聞)

 企業や事業者の金融支援についてお伺いします。これまで、支援保証料の肩代わりですとか、あるいは、休業支援金を府と折半するとかということをやってこられたと思うんですが、これからさらに追加での金融支援、あるいは、資金繰り支援というのはお考えでしょうか、また、その事業者の資金需要というものをどう捉えておられるでしょうか。

(市長)

 ここも商工会議所さんはじめ、皆さんともお話をしているんですが、大阪府の無利子・無担保であるとか、いろいろと仕組みが早く充実したということもありまして、この堺の融資制度をどのように改善したらよいですかとお聞きをしていますが、今のところはこれをどう変えるということでもないのかなと考えています。ただ、今実施していますから、それは9月まで継続して行っていくという状況です。
 一方で、資金需要に対して、もし国の制度、府の制度が全然回っていなくて、これは市が支えるべきだということであれば、これは至急に体制を整えたいと思います。今この地域経済を支えるということで一番重要なことをそれぞれの業種別に聴き取りをしています。私も直接団体の方とお話を聞いて、どういう損害があって、ここは苦労したとか、こういうところをサポートしてほしいというお話を聞いています。国のほうでも、「Go Toキャンペーン」の話が出ています。実施時期はいつになるか分からないんですが、そういう取組と合わせて、市独自の支援としても相乗効果を生み出すように、地域経済の活性化をめざして取り組んでいきたいと思っています。

(産経新聞)

 野球の代替大会に関してなんですけれども、確かいつかの会見でも市長が何か協力できないかということをおっしゃっていたと思うんですが、その後何か具体的に、今場所は決まっていますけど、日程であるとか、どういう高校が集まってくるのかとか、その辺は決まっていたりするんでしょうか。

(市長)

 高野連さんの主催で、硬式の高校野球と軟式の高校野球。こちらは、くら寿司スタジアム堺で行うことが決定しています。
 堺として打診をしたのは、日程がかなりタイトで、軟式だったら8月1日から15日、硬式でも10日までとなっていましたので、例えば、その10日までの枠を超えても、雨が降ったらもう少し使用していただけるようにとか、今まで決まっている枠だけじゃなくても柔軟に対応できるということを、こちらからお伝えしています。
 やはり、主催者側の事業ですので、どういうことをされたいかに沿って、極力、堺市としてもその内容を実現できるように取組を進めています。

(産経新聞)

 ありがとうございます。

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