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堺市長記者会見 令和2年5月21日

更新日:2022年7月26日

モニター掲示資料

市長

新型コロナウイルス感染症への対応について

 お疲れさまです。よろしくお願いいたします。この間の新型コロナウイルスをめぐる対応、大きな動きがありました。まず先週、5月14日には大阪モデルの基準を達成したということで、この堺でも施設の一部再開を行ってまいりました。
 そして本日、政府で検討が行われると思うのですが、大阪府に出されている緊急事態宣言が解除される見込みとなっております。そして、おそらく本日の夜に大阪府の対策本部会議があります。堺市でもこれまでもシミュレーションを逐次行いながら堺の取り組みを行ってまいりましたが、面として考える意味でも大阪府の対策本部会議の方針を見据えて、明日中には堺の方針決定をしたいと考えております。刻一刻と状況は変わってまいりますが、市民の皆さんを守るということをこれまでどおり第一の目的と置きながら、迅速に対応していきたいと考えております。
 まず、この間の市内の発生状況をお伝えさせていただきます。
 昨日までの7日間、この堺市内では陽性者は出ておりません。市民の感染者は発生していないという状況です。入院状況も、今入院されている方は入院、宿泊施設、自宅療養の方を合わせて10人。退院の方も増えております。感染経路の不明者数も率としては、今ゼロが続いている状態ですので、1週間連続でもちろん出ておりません。そして陽性率に関しましても7日間の平均ですが、7日連続で出ておりませんので陽性率もゼロになっております。新規陽性者もゼロという数字です。
 これだけを見ると新型コロナウイルスが終息したんじゃないかと思われる方も多い。市民の皆さんもここで安心と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそうではありません。この1週間ゼロが続いていますが、これはゴールデンウイーク中に市民の皆様が外出を控えていただいたり、旅行を抑えていただいた、その成果が今ここに表れていると思います。ゴールデンウイーク後の緩みであったり、人出の増加というのも報告されておりますので、これは気の抜けない状態が続くと私たちも考えております。
 そしてこのゼロという数字、今日、大阪府の緊急事態宣言が緩和されて大阪府の方針としても措置を段階的に解除していくということであれば、これから経済活動、そして市民生活、社会生活というものもどんどんと人出が増えていく、交流が増えていくことが想定出来ます。全国ではまだ感染が出ている地域というのもありますから、これはこのままゼロがずっと続くというよりも、きっと近いうちにまた陽性者が市内でも発生するということを想定しています。ですから、今この状況で良かったねとこれで安心する、もちろんゼロは望ましいことなんですが、これで気を抜くことなく行政としては気を引き締めて、さらに気を引き締めて臨んでいきたいと考えております。
 今後の対応についてです。昨日、5月18日に堺市議会定例会が開会しまして、5月28日に補正予算を提出いたします。
 その内容としまして大きく2つに分かれておりまして、1つは感染拡大防止のための支援ということで、このうち堺市独自のものが約2億2,000万円ございます。そして市民生活の支援、金額が大きくなっているんですが、こちらは子育て世帯への臨時特別給付金、これは国費による制度ですがこちらが11億円分ありまして、ほかにも国費の分が多く含まれておりますので、実際堺市独自の施策としましては2,700万円余りということになっております。
 大きく分けまして、現状への対応とそして第2波への備えという2つで説明をさせていただきます。
 まず現状への対応ということで、苦しんでいらっしゃる、大変な思いをされている事業者の皆様であったり、もしくは感染が判明した方、もしくはその影響による対応ということで、堺市独自の対応策を今回3点お伝えいたします。
 まず在宅ケアの方々の継続支援体制の整備についてです。介護を受けている方がいらっしゃいます。もちろんその方が陽性判明した場合というのは、ホテルもしくは医療施設等で見ていただくんですが、要介護者でありますから介護をされている方もいらっしゃいます。要介護者の方に対して介護をされている方が、例えば陽性であったり、濃厚接触であった場合は、介護をする人がいなくなってしまうという状況が想定されます。実際に堺市のほうにも、自分がいつも障害者の方、高齢者の方を介護しているんだけれども、もし実際に私が感染したら誰が面倒を見るんだろうと不安の声が届いていると聞いておりました。
 ですから今回、いろいろ各関係機関と連絡調整をしながら、体制を構築いたします。在宅でケアが可能という場合は、ご家族の方がいらっしゃる、もしくは親戚の方等で介護出来る方がほかにいらっしゃったらいいのですが、そうではない場合は、例えば訪問介護であったり、訪問看護の方を利用する。そして(親戚など)ほかの方がされるにあたっても、慣れていなかったらなかなか難しいこともございますので、その場合は感染防止のコーディネーターが指導、助言を行います。
 そして(2)ですが在宅で介護を行えない場合、その場合は例えばホテル、こちらは既に市内のホテルと話はしておりますが、ホテルの部屋を借り上げてそこで介護をしていただく、もしくはショートステイの場所も貸していただきまして、そこで対応していただきたいと思います。今回予算としても860万円計上をしておりますが、この予算というのは実際にこういう場面が発生したときに必要になる経費ですので、まずはこの連携体制であったり、宿泊施設、そしてコーディネーターの方々の応援がいただけるということを確認するということを行いまして予算付けもして、今の時点ではいらっしゃらないと聞いておりますが、これからこういう場面が発生したときに迅速に対応出来る環境を整えておくということで、この在宅ケア継続支援体制ということを整備してまいります。
 次に事業者への支援、NPO法人への支援です。
 事業者への支援は休業要請の支援であったり、大阪府が今検討している中小事業者で要請の対象外になった方にも今検討されていると聞いております。
 堺市におきましてなかなか財政面の問題がありまして、独自で皆さんにお金をお渡しするということは難しかったんですが、その中でも特に社会福祉、障害者の方そして高齢者の方、本当に社会にとってはなくてはならない施設を運営されている方に対して何か出来ないかということで、このような事業を行うことを決定いたしました。通所サービスの事業者であったり、NPO法人は、今考えられている基準では50%売り上げが減った場合に支給がされるということですが、堺市内のそれぞれの事業者の方にお話を聞きますと50%までいかなくとも20%以上30%未満という方も非常に多いと聞いておりますので、50%というと半減ですが小規模な事業者にとっては3割4割減でもかなり厳しいと思いますので、そういうところに対して運営のサポートをすることを考えております。
 NPO法人につきましては、こちらはふるさと納税を活用した基金というのが既にこれまでもありまして、今その残高が240万円ございます。それを今この緊急事態に活用して出来ないかと、この基金はこれまで昨年は広報関係で支出があったと聞いていますが、それまでの6年間は使われておりませんので、こういうときにこそまさに使うべきだと考えまして、今回補正予算には計上はしておりませんが、その基金を使いまして特に保健、医療、福祉、子育てで活躍していただいて、このコロナ禍の中でも活躍していただいているNPO法人に対してこちらも1法人当たり5万から15万円、特にNPO法人の場合は事業所と比べまして財政的にも弱いところが多い、そして売り上げもそれほど多くはないけれども固定費等で減少するとかなり厳しいところがあると聞いておりますので、そこもサポートする意味で今回NPO法人の中でも特にこの分野、要件というのを定めて支援をしたいと考えております。
 続きまして、第2波への備えということで先週お伝えをしました、堺市立の小中学生に一人1台、6万4,000人に対してノートパソコンを配布したいと考えております。貸与したいと考えておりまして、この整備のための予算、今回補正予算で計上をしております。2月の補正予算で既に16億円強計上をしておりまして、今回は新たに端末のリース代そして保守の委託料としまして約5億8,000万円を計上しております。12月までに整備をしまして、もう既にオンラインアカウントの申請手続は進めておりますが、教育委員会には12月と言わず出来れば早い段階でどんどん進めてほしいということを私からも要望として伝えておりまして、12月には一人1台の端末が配備出来るという状況にもっていきたいと考えております。
 そしてもう一つ、第2波の備えとして、特に私が気にしていましたのはマスク等の物資の備蓄です。私が就任するときに今の備蓄状況を確認しました。マスクに関しては、堺市としては約20万枚を目標として整備をしておりました。以前、2009年に新型インフルエンザが発生したときに、その後に20万枚を目安に整備をしていこうという方針があったそうですが、ただ20万枚の目安、なぜ20万枚なのかという根拠は実は曖昧でした。ですので、今回20万枚という数字が実際に市民の皆さんに配ろうと思っても、堺市民の人口約83万人ですから一人1枚には全く至りませんで、ほかの市ではいろいろと個人の方にも配られたという例がありますが、堺ではそれまでの備蓄数では到底追いつかない。ですから、市民の皆さんにお配り出来ないのであれば、医療機関であったり、施設に対してお配りをするということを徹底して行ってまいりました。寄附はどんどんありがたくいただいているんですが、その分をどんどん施設に回して今はほとんど備蓄数としてはない状態です。この中でこれから大雨のシーズンを迎えます。台風もシーズンを迎えます。そうすると、例えば避難所であったり、対応する中でも新たなマスクの備蓄、使い捨てマスクというものが必要になる局面も出てくると思いますので、この機会に今マスクの供給量がどんどん増えている。アベノマスクの配布もありまして市場価格も下がっていますので、段階的にこれに対応することでマスクの備蓄数をまずは140万枚まで増やしたいと考えております。避難所に40万枚、そして高齢者等基礎疾患を持つ方など重篤化が懸念される方々に対して100万枚、まずは140万枚。そして今後どういうところによりあれば望ましいかということを考えまして、マスクの備蓄を増やすことを検討しています。
 そして併せて避難所における備蓄物資、こちらも今までの避難所の備蓄というのは感染症対策という面では行われてきませんでした。例えば消毒液はありませんし、マスクもありませんでした。そして段ボールの間仕切り等、そういうものも今回、今この新型コロナウイルスが完全に終息していない状況で、もし避難所に多くの市民の方が避難される状況が起こったときに何が必要かという視点でリストアップをしまして、そのための費用を計上しております。
 そして3つ目の職員、医療機関用の医療用物資。こちらも基本的には医療物資というのは医療機関。施設でまずは確保をしていただきたいという思いです。これは今までも変わりがありません。しかし、今回みたいな全国的、世界的な状況に陥るとなかなか医療機関でも物資の確保が難しい、そして確保してもどんどん次から次に消費をしていくという状況ですので市としてもこれまで医療機関向けに、例えばN95マスクや防護服、フェイスシールドの備蓄というのは行っていなかったんですが、最低1カ月分ぐらい市で、もし医療機関で備蓄しているものが尽きたときに市民の命を守るために必要な物資を提供するという面で、費用計上をしています。
 そして特別職の給与減額についてお伝えをさせていただきます。
 以前、この記者会見でもほかの自治体の首長で給与削減しているところがありますが、堺市はどうなんですかという質問もいただきました。私はどういう方向でお示しをしようかなというのを考えておりまして、ただこれまでも就任後30%減というのをずっと続けてきていますので、多分市民の皆さんと例えば意識を共有する、そして覚悟を示す、そういうところでお伝えが出来ないかなということを考えておりました。
 これまで緊急事態の宣言中に至るまでは、市民の皆さんにずっと外出の自粛をお願いしますと言い続けてきたのですが、これからの時期というのは今までよりも難しいかじ取りが想定をされます。自粛をずっとお願いをするともちろん事業者の皆さん大変だったり、子どもを持っていらっしゃる家庭はなかなか外に出られないとストレスもたまっていくのですが、これからの時期というのは自粛ではなくて社会生活を緩めながら経済活動も実践していく、両方のバランスをとっていくような時期に入ってきます。そうすると、かなり感染者が発生をした場合に、例えばどこまで感染者が増えたらまた厳しくする、そして第2波の拡大を第2波が起こったときにその波を極力抑える、もしくは第2波が来る時期を遅らせるというような長期間の中であっても随時その対策を臨機応変に練っていかなければならない。
 その覚悟と決意という意味で、今回まず私の報酬(給与)を30%だったところを15%乗せて45%にします。本来であれば政治家だけでいいかなと思っていました。私は自分から手を挙げて立候補して今市長になっていますので、身を切ることであったり、覚悟を示すというのは私だけでもいいかなと思ったのですが、副市長をはじめ特別職の皆さんから自分たちもやるんだということで申し出をいただいていますので、今回私だけではなくて副市長も15%(を上乗せして)カット、教育長、監査委員、上下水道管理者は今の局長級との給与の比較というのもありますので、それを加味してこのような水準で皆さんの協力を得て共に市民の皆さんを守る、この感染拡大を防ぐという覚悟をもって行政(運営)に当たっていくという決意を示すために給与減額を今回行うことにしました。
 最後ですが、今のこの時期を考えますと決して終息したわけではなく、これからコロナウイルスが完全に終息しない限りはうまく付き合っていく、この時間稼ぎの時期であると考えております。何のための時間稼ぎかというとワクチンが開発される、治療法が確立をする、そうするともし陽性者が出てもぐっと抑えられますし、ワクチンを打つことでその備えにもなります。ただ、今の時点ではワクチンの開発、実際に市民の皆さんが誰でも使えるワクチンの実用化にはまだめどがたっていないというように確認をしておりますので、その時期に備えるためには市民の皆さんが極力日々の生活で気を付けていただいて、そしてその感染拡大を防ぐ、第2波が来るのを遅らせる。第2波が来たとしても、その山を低くするということを行っていただかなくてはいけません。
 ですから、5月4日、政府が発表している新しい生活様式というシートをここに貼り付けていますが、まずは近日中に堺市役所の働き方、新しい働き方のスタイルというものをお示ししたいと思っております。緊急事態宣言中は、50%出勤抑制ということを掲げました。実際に5月15日の時点で、50%を超えて出勤抑制出来ていました。これから市民サービスもまた増えていくことになりますので、出勤抑制は緩めることになりますが、どういうふうになれば出勤抑制を緩めて堺市役所の職員はどういう働き方をするのかをまとめておりますので、近日中に発表する。
 そして市民の皆さんの生活様式についても、堺市民の皆さんに向けても堺スタイルという過ごし方を提唱したいと考えております。この堺スタイルがどういうものか、まずは職員の働き方はお示しできるのですが、本日政府の方針を確認して、そして大阪府の対策本部会議が行われますからその内容も加味した中で、堺市として明日中にどういう方針を行っていくかを確定して、それに基づいて市民の皆さんに日々生活するときはこうやって過ごしてくださいねということをわかりやすく提示することを考えております。
 今日、おそらく大阪府の緊急事態宣言が解除されることになると思いますが、市民の皆さんこれでやっと解除されたんだと、これでもう旅行に行ってもいいんだ、これでもう自由に出歩いてもいいんだ、もちろん出歩くことは大丈夫なんですが、今までどおりの生活ということを勘違いされる方も中にはいらっしゃるかもしれません。ただ、全くコロナウイルスが発生する前の日常に戻ることは考えられませんので、そういうことを市民の皆さんには意識していただきながら行政、そして市民の皆さんも事業者の皆さんも共に協力をして新型コロナウイルス、このまま収束の状況が続くように心がけて頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは以上です。

質疑応答

(共同通信)

 在宅ケア継続支援体制の整備についてお伺いしたかったんですけれども、この体制の整備に約860万円ということだったんですが、具体的にどういったところの出費になるんでしょうか。

(市長)

 まず体制の整備は、実際にその協力体制の確認がありますので、それだけで860万円という訳ではありません。実際に体制を整備した中で、利用者の方がこのサービスを利用される場合にお金がかかってくるということになります。
 具体的には、感染防止コーディネーター確保に関する人件費で約45万円。そして在宅継続をするときに事業者の方が訪問するというときに、一日当たり1万円で二週間として約15万円。そしてショートステイ先の確保等、宿泊施設の借り上げ等で約660万円見込んでいるということです。実際にこのサービスを利用されたときに費用が発生しますので、体制の確保と整備というだけでは費用は考えておりません。

(共同通信)

 わかりました。感染防止コーディネーターによる指導、助言ということでしたが、在宅で継続できるということで陽性になった方でも、例えば軽症の方に関して感染していても要介護者に感染させないようなコーディネートということになるんですかね。

(市長)

 今、想定していますのは介護されている方、介護者の方が感染した場合に要介護者を介護する人がいなくなると、そうすると例えば親族の方であったり、別のご家族が介護することが想定されます。そういう方に対して、例えば感染防止のためにどうするんですよと、その介護の面とそして感染防止の面でアドバイスをするような状況を今想定しております。

(担当)

 補足させていただきますとすれば、基本的には対象となる方は濃厚接触者と考えております。感染者、軽度の感染の場合というのも考えられるんですけれども、高齢者であったり、障害者ということで基礎疾患をお持ちの方も多くいらっしゃいますので、そこはおそらく入院になる可能性も高いと考えておりますので、基本的には濃厚接触者へのコーディネート、指導をするということを想定しております。

(共同通信)

 ありがとうございました。

(日本経済新聞)

 今日、大阪府が緊急事態宣言の対象地域から解除された場合に、大阪府は今晩会議を開くということなんですが、堺市として大阪府と少し違う方針とか、あるいは大阪府のルールに加えてプラスアルファでルールをつくるとか、そういうお考え今の時点でお持ちでしょうか。

(市長)

 そうですね、今まで大阪府の方針と違った事例というのは幾つかあるんですが、例えば公園の遊具の使用や駐車場というのは今も閉鎖をしております。そして保育園に関しても、一時期原則休園と、今は登園自粛今日からなっていますが、原則休園と一段階厳しい対応をしてきました。これは大阪府の方針というものは、やはり大阪全体として考えられていることですのでその方針は重視をしながら、どうすれば市民の皆さんを感染から守れるかという面で検討してきました。
 ですから、今この時点で先ほども打ち合わせをしていたのですが、堺市で緊急事態宣言が解除されたらこうしていこうという方針、ある程度の大枠というのはもう既に出来ています。その中で、例えば大阪府のほうでも迷っていらっしゃるのはスポーツジムなど、感染拡大、感染の懸念があるとされた施設をどうするのかということだと思います。堺市内でも、例えば屋内施設、狭い更衣室であったり、体育館の中にジムがあったりする場所もあるんですね。広くスペースが取れて3密を防げて、そして衛生面が大丈夫であればもちろんそれは解除の方針になると思うんですが、そうじゃない施設もありますので大阪府が一定その基準を定めたとしても、堺市内の状況によって規制を行っていくということは十分にあり得ると考えています。

(朝日新聞)

 まもなく市長就任で一年ということになろうかと思います。まずこの一年振り返ってどのようにお感じになっておられますか。

(市長)

 今聞かれるとは全く想定しておりませんでした。まず就任した直後は本当に事業の見直しを一から行って、秋にかけてずっと記者会見も行いながら新しい方針も出してきました。そこから2月議会までは最初の本格予算ということで、それももう一度ひっくり返して見ながら職員の皆さんとどうやったら次の堺をつくれるかということに注力をしてきました。
 その中で2月から新型コロナウイルス感染症が深刻化をしてきて、この3カ月間ぐらいは本当に毎日、土日夜も関係なく新型コロナウイルスをどうしたら防げるか、市民を守れるかということに注力をしてきました。6月10日で一年ですので、もうまもなく一年なんですが、あまりそろそろ一年だなということは考えておりませんでした。新型コロナウイルスがある程度収束に向かって、今までの市政の状況がまた元通り事業が行えて軌道に乗り始めたら、そのときに改めて実感するのかなと思いますが、まず、今は新型コロナウイルスの対策に注力したいと考えています。

(朝日新聞)

 府議会議員を経て首長になられて、首長という仕事ってご自身にとってどのようなものかとか、議員などと比べて。

(市長)

 議員と首長というのはそれぞれの役割分担があって、議員のときも提案したり、調べ物をしながら議会で提案をしてきたんですが、首長というのは本当にやるべきことというのが重責で、そこに対して市民の皆さんからの期待もものすごく大きいですし、一方で期待に沿えない場合は失望もあるということで、その責任の重さというのはものすごい重責だと思います。特に今この時期は、多くの市民の皆さんが不安に思っていらっしゃるので私のツイッターを見ていただいたらわかると思うのですが、いろんなコメントが寄せられて、もちろん応援のコメントもいただいておりますが、その中でもいろんな市民の皆さんの声をいただきながら、何とか前に進んで行かなくてはいけない。それができるのはやはり市長という立場であると思いますので、ここはもう人生をかけても今この局面を乗り切って市民の皆さんに少しでもいいと思える行動をしていきたいと考えています。
 今は市長で考えられるというのは、やっぱり違いというのはそれだけの決定権があるということと、その反面の責任の重さだと思うんですね。もちろん議員の皆さん、本当に市民の皆さんの声を聞きながらいろんな提案をしていただいておりますが、堺市で言いますと約4,000億円の予算を決定する、それを提出する仕事もありますし、今まで議員のときには自分が注力した分野、教育とか文化とかそういうところに対しては思いを持って提案できたんですが、市長になると全ての分野において精通をしなければならないというのがありますので、その点がやはり今一番議員と違うところかなと思います。

(朝日新聞)

 あえて細かい個別の施策もあえてお聞きしませんけども、出来たこととこれから出来てなくてこれをまずやらなければいけないという、この2つを教えてください。

(市長)

 まず出来たことは、堺グランドデザイン2040に象徴されるような、今までなかなか点でしか考えられていなかったり、それぞれの施策がばらばらになっていたことを一つ大きな絵を示したことかなと考えています。一方でこれまで堺市の財政は、政令市の中でも裕福で健全だと言われてきたことが多かったように記憶をしておりますが、今の新型コロナウイルスの状況を見てもかなり厳しいと、財政調整基金もほとんど枯渇をしている状況でした。ですがその直前にも堺財務戦略を立てることが出来て、財政的な面を精査できたというのが大きかったのかなと。
 一方でまだ出来ていないところというのは、これは庁内の体制です。私は市長に就任してどうすれば市民の皆さんの役に立つ市役所になるのかなということを検討していましたが、まだまだ役所の組織というのが旧来型で、やはりお役所仕事であったり、今でもテレワークとかICTとかなかなか進んでいないというところがありました。これも、ICTイノベーション推進室を立ち上げたり広報戦略部を立ち上げたりしたんですが、これが浸透するためにはもう少し時間がかかるかなと思っています。
 今、新型コロナウイルス感染症のこの騒動がかなり大きくなって、社会的にもいろんな変化がありますので、行政の体制も見直すポイントだと考えています。ですから、今までやってきたことというのが着実に進んでいると私は考えておりますが、もっとこうすれば出来るんじゃないかとか、特にICTに関しては、役所はまだまだ出来ると思っていますので、そこに関しては特に新型コロナウイルスのこの経験を踏まえて注力していきたいと思っています。

(朝日新聞)

 最後にします。11月に大阪都構想の住民投票があるとされております。これに対してのスタンス、一定就任時にもお示しになっているかと思いますが、現時点でも同じということでよろしいでしょうか。

(市長)

 まずは、大阪都構想については今大阪府と大阪市で協議がされているという状況です。私も前回の選挙も今回の選挙も伝えてきたことは、堺はまだまだ改革が進んでいないということ。大阪府、市の場合は10年間近くにわたって改革を進めてきて今に至っています。ですから、どんどん大阪市でも改革が進んで先進的な取り組み、例えば中学校給食が実施をされて小中学校の給食が無償化ということもありました。財政調整基金も約1,500億円大阪市はあるんですよね。堺は今の段階でゼロですので、そういうことも踏まえてまずは堺でやるべきこと、政令指定都市として出来ることすらまだまだ実現に至ってないじゃないかと、区役所の機能強化というのもモデル区役所実施をしていますが、まずはこの堺市で出来ることを最大限やる。その政令市という枠組みの中で、最大限発揮をしていきたいと思っています。
 11月に今のところ実施の見込み、方向性と聞いておりますが、実際に11月に住民投票が行われて可決をするならば、2025年に大阪都構想に移行すると、その枠組みに移行すると考えております。ですから、これから特別区の在り方とか仕組みの詳細が詰まってくると思うんですよね。その中で、堺市として、大阪都構想がどうかというよりも堺市民、今堺に住んでいる方々にとって何がベストなのか、行政の枠組は、市民生活というよりも行政が効率化をしてお預かりする税金をどう使うかというところが一番ポイントだと思いますので、市民にとって何がいいかというのは考えたいと思っていますが、いずれにせよもし私が次の選挙に出るとすれば2023年ですので、まだそのときでも大阪都構想は実現出来てないんですよね。ですから、公約でお約束をしたとおり、この1期目の間は議会でも議論はしませんし検討をするということも考えておりません。ただ、その状況というのは注視をしたいと思っています。

(日本経済新聞)

 中小企業や小規模事業者への金融面の支援についてお伺いします。堺商工会議所が5月14日に堺市長への要望というのを出しています。その中で中小、小規模事業者に対して当面の経営維持に係る手持ち資金を迅速に確保するための給付金もしくは貸付金等、事業継続の仕組みを早急に構築されたいと言っています。これを聞いてみると国の制度に上乗せするとかそういうことを堺市独自で上乗せなり補完をしてほしいという趣旨だそうです。また1カ月前には堺市長のほうから、堺市産業振興センターが信用保証をする融資のスキームにおいて堺市が保証料を負担するという制度も発表なさっているんですけれども、商工会議所としてはまだ申込件数が少ないなどという点から見て、それだけではまだ足りないというふうに恐らく見ているんだろうと思います。そうした場合にこの給付金、貸付金等を堺市独自でさらに追加されるお考えはございますか。

(市長)

 まず今の制度を確認しますと、国で持続化給付金の給付が始まりました。大阪府においては休業要請支援金、そして近々休業要請外の支援金も始まると聞いております。商工会議所の会頭ともお話をしておりますが、実際にその給付がいきわたったその構築された後で、実際にそれでもなお苦しい方がどういう業種の方が特に困っていらっしゃるのかということを検討したいと思っています。
 各個人の方にお渡しする支援金についても同様に考えておりまして、この間堺市でも限られた財政の中でどこにお渡しをすれば、支援をすれば効果的なのかということを考えてきました。今は特別定額給付金の申請だったり、給付に力を注いでおりますが、まずはそこで一人10万円ということですから、それを迅速にお届けすること、これが最優先と考えております。その後、それが給付をしてもさらに困っていらっしゃる方がどこにいるのかということを考えなくてはいけないと思っています。
 先ほどの事業者の方に対する支援につきましては、商工会議所から要望書も受け取っておりますが、実際に会頭とこの間も話はしていたんですが改めて話をして緊急事態宣言が解除されたこの大阪、そして堺市で例えばどういう事業者の方が特に困っていらっしゃって、例えば貸し付けを行う場合でもこういう制度があったら貸し付けが受けやすい、特に困っていらっしゃる事業者に効果があるということをぜひ聞いてみたいなと思っておりますし、いろんな業界の方がいらっしゃると思います。そういう業界に対しましても、実際に直接お話をお聞きして、これから例えばまずは今の苦境に対応するための支援と、そしてこれから経済活動を回復させていきますので、その局面でどういう支援をすればこれまで止まっていた経済の流れが進み出すのかということも踏まえて、しっかりと事業者と話をしながら効果的な対策を進めていきます。

(日本経済新聞)

 話変わりますけれども、今回のコロナウイルス対応ということにおいて、政令市というものの機能をどうお感じになったか、コロナ対応という点においてもっと政令市でこういう権限も認めてほしいとか、そういう何かお感じになったことがあったら教えていただけますか。

(市長)

 まず、この国の方針として今回新型コロナウイルスの対応に関しましては、都道府県に対しての権限が中心です。そういう意味では政令市ではあるんですが、大阪府の中の政令市、大阪市と堺市、それぞれが大阪府の方針というのをベースにしながら特色を付加していく、この形というのはよく機能しているんじゃないかなというふうに考えています。これがもし、ばらばらの方向を向いていては例えば日々の陽性者の方を毎日発表しておりますが、これも大阪府と協力をした中でどこまで公表するとか、この方はどうするのというところも毎日やりとりを何回もしながら情報共有しながら進めています。
 ですから、今回のこの枠組みである休業要請に関しても府の権限ですし、様々な支援策も府が行っている。一方で、堺市で例えばこの前お伝えしたような自宅療養パックであったり、今回の支援であったり、本当にその市の特性に合わせて実施していく事業というのは市で行うべきだと考えておりますので、今回に関しては政令市の権限を最大限発揮するというよりも、権限が与えられている府と密接に協力をしながら進めていくことが市民を守ることにつながっているんじゃないかと考えています。

(産経新聞)

 学校教育について2点お伺いしたいんですけれども、まず大阪府の決定が出ていない以上再開の見込み難しいと思うんですけれども、6月以降であるとかどういうふうに今後再開していくのかというのが1点と、あと先ほどのご発言の中にも解除されたとしてもコロナ前の日常には戻ることは難しいという御発言もありました。パソコンの整備も第2波に備えてなさるということですけど、あと少なくとも半年ある中でいつまでも分散登校であるとかをするわけにもいかない中、どうやって学校の授業について対策を立てながらやっていくかという、その辺のお考えがもしあればお聞かせください。

(市長)

 そうですね。今堺市の学校では分散登校を実施しておりまして、本来であれば5月いっぱいはその分散登校の形ということで実施をしておりました。一方でその大阪府の方針で、報道でありましたように6月1日からは再開したいと、それまでも小6、中3生に関しては授業を行う方向性ということもありました。まだ正式通知は来ておりませんし、おそらく対策本部会議の中でそういうことも話し合われるんだろうと思っています。
 実際に学校が2月の末から臨時休校ということが続いておりましたので、学力の面で心配されている保護者の皆さんもかなり多いと思いますので、私の思いとしては早急に可能な限り授業の再開を早めてほしいと思っています。実際に子どもたちが学校で感染しない、もしくは先生が万が一感染していた場合に子どもにうつさないということも大事ですので、やはり3密を避ける、また衛生面での徹底というのは必要だと思いますので、しっかりとガイドラインを制定した中で分散登校でなくても、例えば空き教室を使ったり、教科によっても内容というのが違ってくると思いますが、例えば小6生だったり中3生は、受験を控えている生徒も多くいると思いますので、そういうところに対してより安心をされるような学習内容を実施していただきたいと思っています。
 もう一つは、パソコンが12月までで期間があるということですが、この間も今までの学習の内容ではなくて教育委員会に私からお伝えしていることは、ICTを使ってどんどん取り組みを進めてほしいと、特に保護者の皆さんが今不安に思っていらっしゃる、もしくは子供たちがどうやったら勉強できるかと、特に小学校1年生はまだ授業すら一度も受けていない状況ですので、そういうところはICTを使うことでオンライン環境を使ってもらうことでコミュニケーションが出来たり、学習の進捗、課題の配布とかそういうことも役立ててもらえるんじゃないかなと思います。そしてこれも教育委員会にお伝えしていることは、例えば堺市立の学校現場で大きな課題として挙がっているのが不登校の問題があります。子どもは特に多感な時期ですから、例えば友達との関係であったり勉強に対する悩みであったり、そういうところから不登校になってしまう子どもが多いと聞いています。そういうことに関してもICTを使えば、例えば授業であったり課題であったり、先生とのコミュニケーションを行ってもらうことで学校に来やすくなる環境、もしくはどうしても学校に来ることが出来なくても安心してもらえるようなことも出来ると思いますので、ぜひ学校現場で、教育現場でICT活用を今から進めて、これは第2波に備えるということももちろんですが、今までとは違う教育環境を実現していきたいと思っています。

(産経新聞)

 その発言の中でガイドラインの制定、策定というお話が出ましたけど、明日先ほど堺スタイルを提唱したいというお話もありましたが、それに関連して学校現場向けにそういったガイドラインを策定するということですかね。

(市長)

 今、堺スタイルというところで想定しているのは、まずは庁内の堺市役所としての働き方を定めたいなと思っています。これまでもテレワークであったり、時差出勤、あとはオンライン会議を行ってきましたが、それをこれからも進めていくと、こういう場面で使いましょうと、例えば通勤の手段に関しても徒歩や自転車を活用しましょうというような内容でお示しをしたいと思っています。
 学校現場というのは子どもがいるところですので、学校のガイドラインというものは別途教育委員会でこれは作成することになると思いますから、まずは今晩の大阪府の方針を確認した中で、堺市教育委員会としてまずはこれから子どもたちの学習環境をどうするのか、いつから学校を再開するのかということを決定する。そしてそれが決定したのならば、どういう体制で子どもを迎え入れるかということはガイドラインとして示されると考えております。

(産経新聞)

 ありがとうございます。

(毎日新聞)

 コロナから外れるんですけど毎日新聞です。教育委員会のほうから中学校給食の改革実施方針案の資料が出ていて、その中で基本的な考え方として同時期に一斉に全中学校で中学校給食を開始できることをめざすとなっているんですけれども、これでいくと市長の公約に掲げていたことですが、任期中に実際に給食開始というのが難しくなるのではと思うんですけれども、これまでは段階的に任期中にも幾つかの学校で始めればみたいなお考えの上で進めておられるのかなと思ったんですけど、その考え方は変わっても一斉に開始するという方向を決めたというかこれをめざすということでよろしいですか。

(市長)

 そもそも選挙のときには、任期中に全校で開始をしたいと考えていました。一方で堺市では過去にO157という不幸な事件がありまして、それを2度と繰り返してはいけないということも承知をしております。教育委員会とも長い間ずっと話をしたんですが、やはりそこだけは譲れないと、食中毒O157を絶対に起こさないということを徹底するため、それが担保出来た中で実際に給食が始められる環境を整えていくということで、今回のスケジュールというのは確認をしております。
 一方で段階的にというか、例えば小中一貫校みたいなところで先行実施できないかというのは教育委員会にも話をしております。一斉にもちろん43校同時にやるというのは、堺市内でもある地域の中学校は始まっているのにここは出来ていないというのはかなり不満が大きくなると思います。例えば、小中一貫校であればもう少し今の連携等もありますので実施はしやすいのではないかなというふうに私自身は考えておりまして、その点につきましても教育委員会と話をしながら、例えば半分とかというのは難しいと思いますが、その一部だけでも先行実施が出来ないかを今私は考えています。

(毎日新聞)

 任期中に幾つかの学校で始めたいという考えはまだあるということでいいですか。

(市長)

 あります。教育委員会と話をしていきます。

(毎日新聞)

 ありがとうございました。

(担当)

 すみません、財政課でございます。補足の説明させていただきます。
 先ほどの財政調整基金の話でございます。令和2年の当初予算編成時でございまして、財政調整基金はゼロという形になっております。令和元年決算で6.8億を積み立てています。以上でございます。

(担当)

 今現状はゼロということでよろしいですね。積み立てるということですね。当初予算時ですね。

(担当)

 当初予算のときはゼロという形です。

(担当)

 今現在、若干変わっているということですね。

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