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劇画の先駆者さいとう・たかを

更新日:2024年4月30日

劇画のルーツともいえる、さいとう先生が少年時代に通い詰めた堺の映画館での思い出を紹介します。

原点は堺で通い詰めた映画館

「劇画の強みの一つは構成や構図の自由さだ。私の場合は、カメラ3台ぐらいで走り回って、いろいろな角度や構図を試しているイメージだ。うまい具合に構図が取れないときは、堂々巡りばかりとなる。」(『鬼平流」(さいとう・たかを著宝島社)より)
そう自ら語るさいとう先生の作品には、まるで映画を観ているかのような臨場感のあるシーンが数多く登場する。スリル溢れるカーチェイス、ヘリコプターからの壮大な光景、手に汗握る剣劇シーン、西部劇を彷彿させる登場シーンなど、数々の名シーンが多くの読者の心をつかんできた。映画のような動きのある"劇画”のルーツは、少年時代に通い詰めた映画館での思い出にある。
「小学生の頃は鳳に[鳳劇場]っていう半分映画で半分芝居をやっている小屋があって、弁士付きの無声映画を見てました。中学生になると学校にも行かず、自転車で堺東に出て映画を見まくっていましたね。何軒か映画館があったけど、[電気館」が一番私好みの映画をやっていたから、そこへ通い詰めました。」

強みを知るためにはよく見ること

「私が映画を観始めたのは小学校の時だ。私は小学校4年生から働いているので、その頃から映画館に入りびたりだった。最高で1日に7本見たことがある。当時の映画は2本立てだったから、朝から3館連続で観たあと、最後の1館は1本しか観られなかった。戦後のことだから、トーキー映画もあったのだが、私が暮らしていた地域は、半分は無声映画で半分は芝居だった。(中略)私は映画の筋書き、ドラマを観ていなかった。それよりもむしろ、その画をどのように撮っているか、という視点で観ていた。幼いながら、制作側の視点から面白さを感じていたのだ。このことは、現在に至るまで大いに役立っている。」
(『鬼平流」(さいとう・たかを著宝島社)より)

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