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堺の大使 好きです堺  片岡愛之助さん

更新日:2023年8月3日

ふるさと堺は私を生んでくれた母

【堺とのかかわり】

  • 子どもの頃過ごした堺での思い出は。

 私は堺生まれで堺育ち、今も堺に住んでいます。小学生の時は堺駅の近くに住んでいて、三宝小学校を卒業後、浜寺に引っ越して浜寺中学校に通いました。実家は船のプロペラスクリューを造る会社で、家の前は車の交通量が多く危ないという理由から、主に家の中で遊んでいました。それでもザビエル公園や猿がいる大浜公園、堺旧港にはよく行きましたし、自転車で堺東まで通ったことも印象に残っています。

  • 堺はどのような存在ですか。

 自分を生んでくれたふるさと、母のような存在です。誰でも郷土愛というものを持っていると思いますが、よその土地に行くと故郷の良さを改めて感じるものです。大阪には年に2回、2カ月程滞在するだけですが、人の温かさや食べ物の美味しさ、そういったものの良さが身に染みます。なぜ東京に引っ越さないのかというと、私が大阪、上方を好きだからです。

 歌舞伎の家に生まれた人間ではない私が歌舞伎人生を歩めているのは、今の父の秀太郎に声をかけてもらったおかげですし、本当に片岡家(屋号 松嶋家)には感謝しています。片岡家は上方歌舞伎の家であり、十三代目仁左衛門も父秀太郎も上方に居を構えて役者として一生を進んでいます。その背中を見て育ってきた私もまた、堺から離れずに一生歌舞伎俳優として生きて行くのかなと思っています。

  • 堺を出て苦労されたことはありますか。

 20歳の頃に東京で仕事をするようになったんですが、東京は物価が高くて、まだ給料も多くはいただいていない時期ですので本当に苦労しました。特に当時は非常によく食べたので、ひと月の興行の中日が来る前に食費で全部使ってしまうんですよ。3合釜を持っていたのですが、それでも足りずに炊き直して、1食で5合食べることもありました(笑)。

【新たな挑戦】

  • 10月に松竹座(大阪市)で新しい型の歌舞伎をされるとのことですが。

 以前に創作した和と洋のコラボレーション歌舞伎を再演します。石川五右衛門がスペイン人と日本人のハーフという設定で、歌舞伎の格好をしてフラメンコを踊るんです。本物のフラメンコの先生や、歌舞伎俳優ではないゲストの方にも出ていただく予定です。

 歌舞伎は伝統芸能なので上の代から受け継いだことを次の代へ渡していく、これが基本であり絶対にしなければならないことでもあります。一方で、今の時代に合った新しい歌舞伎を創ることも大切です。これは、歴史と文化を大切にしながらも、常に新しいことに挑戦してきた堺の気風にも通じるのではないでしょうか。

 そもそも歌舞伎が誕生した江戸時代には、その当時起きたことを題材に演じていたんです。すごく分かりやすく言うと、今のワイドショーのようなものですね。いつしか高尚芸術のように言われるようになってしまいましたが、元はみんなの娯楽であり、敷居も決して高くはありません。この機会に劇場へお越しいただけたら嬉しく思います。

 また、ちょうど10月には堺まつりがあり、私自身は歌舞伎の公演中のため参加するのは難しいですが、何か堺まつりにちなんだ取り組みが松竹座でできればと考えています。

  • 堺で公演されたこともありますね。

 現在建て替え中の市民会館で、学生向けに歌舞伎を演じたことがあります。市民会館が新しくなった際にはまた歌舞伎をさせていただきたいと思っています。

  • 歌舞伎以外でも大活躍です。

 昨年はドラマ「半沢直樹」にも出させていただきましたし、今年は7月19日公開の「劇場版 仮面ライダー鎧武(ガイム)サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!」、9月27日公開の漫画家・楳図かずおさん初監督作品「マザー」にも出演しています。新しいことに挑戦することで、一人でも多くの方が歌舞伎を観に劇場に来るきっかけづくりになればと考えています。

  • 気分転換にすることはありますか。

 ファンの方からいただいたのをきっかけに、24・5歳の頃から気分転換に香水をつけるようになりました。昨年は香水アンバサダーという大使も務めました。その際に、毎日同じ香水を使うのではなく気分や洋服に合わせて変えると、仕事や生活のモチベーションも上がるということも勉強しました。

【市民の皆さんへメッセージ】

  • 親善大使として堺をどのようにPRされたいですか。

 やはり一番は百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録をぜひ実現したいです。自分のできる範囲で頑張ってアピールしていきたいです。私も含めてですが、灯台下暗しで意外と地元の方で、仁徳天皇陵古墳にさえ行ったことのない方も多いのではないでしょうか。まずは地元の方に行ってもらって、その魅力を広めていただきたいです。

  • 市民の皆さんへメッセージをお願いします。

 この度はこのような大役を仰せ付かり、身に余る光栄です。堺で生まれ育った「さかいっこ」として、恩返しのつもりで堺の魅力を伝えていきたいです。言霊とよく言いますが、何事も紙に書かれたものを読むよりも、直接聞いた方が人へ伝わると思うのです。私の生まれた堺を知ってもらえるよう、どんどん口伝てで広めていきたいです。力いっぱい頑張りますので皆さんのご協力をお願いします。

(取材 平成26年6月)

委嘱式の様子(平成26年6月27日 堺市役所)

記念品の堺伝統産業注染のシャツと堺親善大使の名刺を手に笑顔の片岡愛之助さん。

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