第5回自由都市・堺 平和貢献賞 授賞団体
更新日:2016年9月1日
平成28年1月28日、3月14日に自由都市・堺 平和貢献賞選考委員会が開催され、授賞団体の選考が行われ、次のとおり授賞団体を決定しました。
選考経過
選考方法
前回第4回において重点顕彰対象の改正により「市民レベルや草の根の地道な活動をより重視する」こととし、新選考基準により第1~3回までの授賞候補を再検証することとし、また、市民が参加しやすい国際的な交流・協力及び貢献に係る活動に取り組んでいる団体を積極的に顕彰するため、平成27年7月の規則改正により顕彰対象を「日本国内に主たる事務所を有する団体」のみに改正したことにより、第1~3回までの授賞候補から「国内団体」に分類される21団体を、第5回選考の選定候補とした。
授賞資格を有する21の授賞候補団体について、自由都市・堺 平和貢献賞選考委員会での選考結果をうけて、市が授賞者を決定。
経過
平成27年 | 6月1日 | 第1~3回の授賞候補から第5回選考の授賞資格を有する授賞候補団体の抽出 |
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6月~ | 授賞候補団体の詳細調査・選考資料の時点修正 | |
平成28年 |
1月28日 | 選考委員会の開催 |
3月14日 | 選考委員会の開催 |
|
6月28日 |
授賞者の決定(2団体) | |
7月27日 | 授賞式の開催 |
受賞者紹介
AAF(Asian Architecture Friendship)
受賞者紹介
中心となるメンバーが、竹中工務店の設計部に勤務しながら、アジアの途上国の学校の建設を支援しているボランティア団体。アジア各地の建築の調査を契機に、途上国で学校が不足している現状を知り、「専門分野で社会貢献を」と、平成11(1999)年からヒマラヤの山岳地帯にあるネパールのフィリムで学校の計画を始めました。この地は、今でも車が入れる場所から2日間は歩かないと到着しない奥地です。これまで通学を諦めていた子どもたちが周辺から集まり、現在小学生から高校生まで約400人の生徒が、自然光を取り入れた明るい教室で学んでいます。
費用は、ネパール特産の織物「パシュミナ」の販売や、寄付、外務省からの補助金などで調達しています。地元の材料を使い、村人を雇用して建設に取り掛かり、3年をかけ完成しました。その後は、寄宿生のための奨学金の支援や寄宿舎の建設、ネパールのポカラで女性教員養成に携わる日本の団体に協力して、寮の建設などにも取り組んでいます。
授賞理由
建築の専門家としてのノウハウを生かした非常にユニークな活動を展開されています。
資金調達だけでなく、学校設立の手続き、物資の調達、村人やネパール政府との交渉など、全て自分たちで取り組んでこられました。
同団体の活動は、企業で活躍されている方々における平和貢献活動の普及が期待できるものとして高く評価します。
受賞者のことば
明るい教室で
このたびAAF (Asian Architecture Friendship) の活動に対しまして自由都市・堺 平和貢献賞という大きな評価をいただきましたことは大変光栄なことであり、ご推挙いただきました選考委員の皆様方に厚くお礼申し上げます。
世界的に見て、現代の建築的状況は極めて不均衡で偏った様相を呈しています。多額な資金を投じ大規模な開発や建設が繰り返される国がある一方で、最低限必要な教育施設や医療施設さえなく、学校へ行きたくても行けない子どもたち、ちょっとした病気や怪我で命を落とす人たちがまだまだ大勢いる国があります。
AAFは、建築の設計を専門とするメンバーが中心となって、建築を通じてそういった状況を少しでも改善したいとの思いで、1999年から計画を始め、2000年からネパールで学校等の建設支援活動を続けております。私たちの活動を知っていただくことで、少しでも多くの方々の目がその不均衡に向けられ、問題意識が高まれば、今回の受賞はより有意義なものになると考えます。
設立当初のAAFは、建築については専門ですが、海外のボランティア活動については素人同然の組織であり、計画はそう簡単には進みませんでした。何度も挫折しそうになり、工事を中断したこともありましたが、あきらめず、粘り強く活動を継続していき、2003年にヒマラヤのフィリム村に11の教室を持つ小学校から高校までの学校を建設、2006年にはポカラで教員を養成する女子大の学生寮、2009年には同じくフィリム村に寄宿舎や食堂などの施設を実現し、2015年には特定非営利活動法人の認証を取得しました。現在は2015年4月のネパール中部大地震で被災した建物の再建工事を進めております。
AAFの活動は日本の多くの方々からの寄付と外務省や協賛団体からの資金協力等により、成り立っています。ボランティア活動については全くの初心者であった私たちを暖かく見守っていただき、ご支援・ご協力いただいた全ての方々に深く感謝の意を表したいと思います。
先生たちと一緒に
現地で打合せをしている様子
ANT-Hiroshima
受賞者紹介
広島を訪れる留学生をサポートし、交流するために立ち上げたボランティアグループが前身です。ネパール人留学生の帰国後の医療活動を支援するなど活動の幅が広がりました。そこで、活動領域と人々のネットワークが世界各国に広がるのに伴い、改称し、「被爆地広島から世界へ、一人ひとりの小さな力を出し合って、平和の架け橋を築いていきたい」と、被爆地・広島を原点に、国際協力活動・平和教育活動・平和文化交流を展開しています。アフガニスタン難民キャンプを訪問し、キャンプ内の劣悪な住環境や水・食料不足などの厳しい現実を知り、帰国後、講演会やセミナーなどを通して、難民キャンプの現状を多くの人たちに伝えたり、「サダコの祈り」の絵本を多言語で出版し、難民キャンプで読み聞かせをして、子どもたちに希望を与えたりしています。
一人ひとりの力はANT(アリ)のように小さくとも、世界各国の人と協働することで平和の架け橋を築きたいとの思いで、平和構築活動を展開しています。
授賞理由
留学生との交流支援やパキスタン大地震の復興支援など幅広い活動を展開されています。また、原子爆弾が投下された広島から平和を伝え、平和を願う人たちとの交流を通じて支援を続けられています。
こうした活動は、日本の平和構築活動の重要な一歩であり、国際平和の実現のために大きく寄与するとして高く評価します。
受賞者のことば
ネパール・カトマンズの公立小学校
このたびは、自由都市・堺 平和貢献賞を受賞させていただくことができ、大変光栄に思います。
また、広島の地にある私たちの小さな会を堺市の皆様が認めてくださったことに心より感謝いたしております。
今から28年前、広島で学ぶ一人の留学生との出会いが機縁となり、留学生、就学生の生活支援や交流を目的として、「アジアの友と手をつなぐ広島市民の会」は誕生いたしました。
留学生との出会いと関わりを通じて、次第に私たち自身の視野と関心が広がり、それにともなって活動の領域と幅が広がり、国内にとどまらず留学生たちの母国での活動も行うようになりました。NGOとしての知識、経験、語学力、すべてが不足していた私たちが失敗を重ねながらも何とかプロジェクトを継続していくことができたのは、「はじめに人在りき」の信条のおかげでしょうか。各国の現場で出会った一人ひとりの人とのつながりを大切にして、丁寧に時間をかけて関係を構築し、その上で互いに協力して働くことを心掛けました。本当に多くの方々に助けられ支えていただきました。また、常に学び続ける努力も必要で、これらの経験は私たちを鍛え、自分たちの足元を見つめ直す多くの示唆も与えてくれました。平和都市広島のNGOとしての役割は何か、世界とどのように関わって平和を実現しようとするのか、その在り方を問い直し、2004年に「ANT-Hiroshima」と改称しました。
そして今、「世界の、そして一人ひとりの平和づくり」を目標に、原爆という悲惨な戦争の歴史とそこから立ちあがったヒロシマの経験と思いを、絵本や映像、被爆樹木などを通して伝えています。次世代の平和構築の担い手を育てるため、国内外の研修生の受け入れや平和教育のコーディネートなどに取り組んでいます。一人ひとりの力はANT(アリ)のように小さくとも、信頼のきずなをベースに世界各国の人びとやNGOなどと協働することで大きな平和を実現できると信じて、これまでも、これからも日々活動を続けてまいります。この度は誠にありがとうございました。
アフガニスタンの学校で
パキスタン・カシミールの サダコプライマリースクール
授賞式
授賞式
日時
平成28(2016)年7月27日(水曜日)
午後3時から3時40分
場所
堺市役所4階市長応接室
内容
- 受賞者・主催者・来賓紹介
- 来賓あいさつ 選考委員長 寺迫 正廣
- 授賞
- 受賞者あいさつ AAF(Asian Architecture Friendship)
- 受賞者あいさつ ANT-Hiroshima
- 受賞者との対談
AAF(Asian Architecture Friendship) 赤尾理事長
ANT-Hiroshima 渡部理事長
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市民人権局 ダイバーシティ推進部 人権推進課
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