後援団体挨拶

　「自由都市・堺 平和貢献賞」を後援する朝日新聞社を代表して、ひとことご挨拶とお祝いを申し上げます。
　「都市の繁栄に、平和は欠かせない」と、政令指定都市移行を契機に創設された本賞は今年、2回目を迎えました。大賞を受賞された社会福祉法人「こころの家族」理事長の田内基さん、奨励賞のKAFIN代表長瀬アガリンさん、アフガン孤児支援ラーラ会のみなさま、関係者のみなさま、本当におめでとうございます。
　また、主催の堺市をはじめ、選考にご尽力を賜りました上田正昭先生をはじめ、選考委員のみなさまに敬意を表しますとともに、心より御礼を申し上げます。
　受賞者のみなさまの業績を拝見しますと、在日韓国・朝鮮人の高齢者が故郷に近い環境で暮らすことのできるホームの開設・運営や、在日フィリピン人女性が抱えるさまざまな問題への支援、アフガニスタンの子どもたちや女性の自立支援活動など、いずれも国際的な視野を持ち、文化、国籍、年齢を問わず、多様性を認めながら安心して暮らせる社会を作っていこうと、活躍されている方たちばかりです。
　いまさら申し上げるまでもなく、堺は古墳の時代からいわば国際都市でした。中世には国際交易都市、自由都市、自治都市として発展。最近では、関西空港に近い地の利を存分に発揮して、歴史文化観光や産業を活かしたニューツーリズムなどで内外の観光客も大幅に増えていると聞いております。
　加えて、日本最大級の太陽光発電所が運転を始め、ユネスコ機関の「アジア太平洋無形文化遺産研究センター」開設の動きも実現に向けて大きく動くなど、堺市は先人たちと同様に進取の気風を存分に発揮し、都市の魅力を発信しています。平和貢献賞もその一翼を担っていると思います。平和を築くうえで大切な活動を続けている方々に、都市が光をあてる。それによって、多くのみなさんが、平和や人権について認識を深めていく。将来を担う子どもたちにとっても、大変重要な事業と言えるでしょう。
　だれもが安心して生きることのできる社会を実現するために活動する多くの方々を励まし、勇気づける堺市の貴重な取り組みを、国内外にお知らせするべく、弊社としましても全力で応援していきたいと思っております。
　堺市のさらなる発展と、受賞者、受賞団体の益々のご活躍を祈念し、会場にお集まりいただいたみなさんのさらなるご支援をお願いしてご挨拶とさせていただきます。