第1回自由都市・堺 平和貢献賞 受賞者
更新日:2012年12月19日
平成20年7月7日に自由都市・堺 平和貢献賞選考委員会が開催され、受賞者の選考が行われ、7月31日に同委員会上田正昭委員長から報告を受け、次のとおり受賞者を決定しました。
選考経過
選考方法
国内外の有識者、学術機関等(国内350、国外150 計500件)及び選考委員に受賞候補者の推薦を依頼。
推薦のあった受賞候補者について、自由都市・堺 平和貢献賞選考委員会での選考結果をうけて、市が受賞者を決定。
経過
平成20年 | 2月 | 推薦人に推薦依頼書送付(国内外500件) |
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4月18日 | 推薦締め切り(推薦数36件) 受賞候補者の詳細調査 |
|
6月 | 選考委員への選考資料送付 | |
7月7日 | 選考委員会の開催 | |
7月31日 | 受賞者の決定(大賞1人、奨励賞1人、1団体) |
推薦人の構成
区分 | 推薦依頼数 | 推薦数 | ||
---|---|---|---|---|
国内 | 国内個人 | 200 | 350 | 23 |
国内研究所 | 60 | 350 | 3 | |
国内大学 | 60 | 350 | 2 | |
中間NGO | 30 | 350 | 0 | |
国外 | 海外研究所 | 40 | 150 | 2 |
海外各種団体 | 40 | 150 | 5 | |
海外大学 | 30 | 150 | 1 | |
在日外国大使館 | 20 | 150 | 0 | |
在外日本大使館 | 20 | 150 | 0 | |
合計 | 500 | 36 |
受賞候補者の構成
国内外 |
個人 | 団体 | 計 |
---|---|---|---|
国内 | 15 | 9 | 24 |
国外 | 8 | 4 | 12 |
計 | 23 | 13 | 36 |
受賞者紹介
大賞
ジハン・ペレラ(Jehan Perera)氏
受賞者紹介
58年生まれ。平和活動家。スリランカのNGO“National Peace Council”(スリランカ国民平和評議会)専務理事
スリランカでは、25年以上に及ぶ民族対立が続き、今年停戦協定が破棄され、再び武力対立が激しさを増しています。同氏は、このように極めて不安定な政治状況にあるスリランカにおいて、さまざまな圧力を受けながらも、政党、宗教、民族に関係なく、非暴力による、平和的で恒久的な和平実現に向けて、広報活動や平和学習ワークショップの開催、出版活動(02年には、日本政府草の根無償資金援助を受ける)などの平和教育、人材育成、調査研究などを行うなどさまざまな平和構築活動を展開しています。
贈賞理由
混沌としたスリランカ和平への道筋の中、今後、民間セクターの役割が非常に重要性を持つと考えられます。民間による平和構築への取り組みは、困難な状況の中にある民衆に和平を求める力を生み出すものであり、そのような意味では、言論抑圧や暴力的支配等さまざまな困難な状況の中で、自身も危険に曝されながらも現地において平和構築に向けて展開するペレラ氏の活動は、現在においても、またさらに近い将来ますますスリランカの和平実現において重要な意味を持つものとなると確信するものであり、またその活動の効果もスリランカ国内にとどまらず、アジア地域全体の平和、安定にも寄与するものであると考えられます。
このペレラ氏の活動は、本賞の理念として掲げる、「さまざまな意見、考え方の対立、相違を多様性の共存へと転換することで、より自由で寛容な時代を形成することをめざした、自由・自主・自律の保障、強化に向けた取り組み」として高く評価するものであり、ペレラ氏の活動が国際的な評価を得ることによって、スリランカ国内において一つの国際的メッセージとして受けとめられ、国内での活動を支援することにつながるものとなると考えています。「自由都市・堺 平和貢献賞」は、地方自治体の出す賞の一つではありますが、平和構築へ向けたメッセージの発信という点からペレラ氏に本賞を授与することは、非常に深い意味を持つものであると考えています。
奨励賞
吉岡 秀人 氏
受賞者紹介
65年大阪府生まれ。医師、NGO国際医療奉仕団 ジャパンハート代表
吉岡氏は、大阪、神奈川の救急病院で勤務した後、95年から97年までミャンマーにおいて医療活動に従事し、一時帰国後、03年から再びミャンマーで医療活動に従事しています。04年には、国際医療奉仕団ジャパンハートを設立、06年には、「海を越える看護団」を設立し、国民の多くが劣悪な生活環境の下にあり医療保険もないミャンマーやカンボジアにおいて、医療を受けることのできない人たちに医療を提供しています。
吉岡氏が代表を務めるジャパンハートでは、とくに若い医師が自分の経験を海外で生かすチャンスを提供する実地研修プログラムを実施しており、医療事情の悪い地域に医師を派遣して医療を提供するとともに、派遣医師たちが十分とは言えない医療環境の中で、さまざまなヴァリエーションの経験を積み、その資質向上を図っています。
また、ジャパンハートから独立した「海を越える看護団」は、開発途上国において看護活動のほかにも、現地での看護師の育成や保健衛生教育などを行っています。
贈賞理由
ジャパンハートは、これまで主にミャンマーで活動を行ってきていましたが、今年からはカンボジアでも活動を展開しています。今後さらにネパールにも活動の場を広げることをめざしており、まだまだ医療事情が良好と言えないアジア地域の途上国に医療を提供するとともに、世界に通じる優秀な医師を育成し、各地に広げていく活動は、たいへん意義が深いものであり、アジア地域の人間の安全保障実現や積極的平和を推進するための社会基盤整備及び社会的弱者への支援という点で大きく寄与するものと考えられます。
国際医療ボランティア団体 特定非営利活動法人ジャパンハート ホームページ
NPO法人 日本ネパール女性教育協会(JNFEA)
受賞者紹介
04年設立。理事長山下泰子文京学院大学教授。
ネパールでは、義務教育制度がなく、とくに農山村では、少女たちが教育を受ける機会に恵まれていないという状況が見受けられます。農作業、水汲み、草刈り、家畜の世話などまさに児童労働の対象になっているほか、人身売買の対象となり、HIVに感染するなどの危険に曝されている少女たちも少なくありません。
JNFEAは、日本の女子師範学校制度を参考に06年に同国ポカラ市内の女子大キャンパスに「さくら寮」を設立し、農山村出身の女子高校卒業生を毎年10人受け入れ、女性教員を養成しています。さくら寮の卒業生たちは、教師としてそれぞれの故郷の小学校に赴任することになりますが、給料を払えない貧しい自治体も少なくなく、JNFEAは、卒業後も3年間、卒業生の給料を支援しています。
また、JNFEAでは、このほかにも、ネパール政府に対して、義務教育化、教育免許の制度化、教員養成の充実など、ネパールにおける教育政策への提言などの取り組みも行っています。
贈賞理由
JNFEAのこのような活動は、ネパールの少女たちの教育機会の拡大、普及を図るもので、将来のネパールにおける女性の地位向上のために大きく寄与するものであり、個人の権利、尊厳、可能性の追及が保障されたユニバーサル社会・共同体の実現に向けた社会基盤整備への取り組みとして高く評価するものです。
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