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第2回 堺市マスタープラン推進検討懇話会 議事録(要旨)

更新日:2012年12月19日

1.日時

平成23年10月6日(木曜)、午前9時45分から11時45分

2.場所

市役所本館3階大会議室1

3.出席委員

増田昇座長、澤井勝座長代理、桜井智恵子委員、戸谷裕之委員、狭間惠三子委員、橋爪紳也委員、早瀬昇委員

4.議事次第

(1)開会
(2)市長あいさつ
(3)議事
 案件[1] 堺市独自のまちづくり3指標の設定について
 案件[2] 堺市マスタープランの進行管理について
(4)次回の開催予定について
(5)閉会

5.議事録要旨

(1)開会

(2)市長あいさつ

竹山市長より、開会にあたってあいさつがあった。

(3)議事

案件[1] 堺市独自のまちづくり3指標の設定について
案件[2] 堺市マスタープランの進行管理について

案件[1]堺市独自のまちづくり3指標の設定について

事務局より、まちづくり3指標の体系及び具体指標の考え方、市民向けアウトプットイメージについて説明があった。

堺市独自のまちづくり3指標の設定及び市民向けアウトプットイメージについての全般的意見

戸谷委員

他都市や全国平均との比較は大事。もう一つは時系列、過去からの動きが気になる。例えば、最初に合計特殊出生率が出ているが、過去からどう変わっているかが気になる。

また、堺の特徴として、政令市に移行した前後での動きに興味がある。

増田座長

市民向けアウトプットイメージで、どういうトレンドにあるか示せば良いのでは。

早瀬委員

1ページ目の「人口当たりNPO法人数」は将来的に使いにくい指標。NPO法人は誰でも作れる組織で、今の貧困ビジネスはほとんどNPO法人。将来的には認定NPO法人を指標にするほうが良い。

「1人当たり大型小売店売場面積」は、大きな店舗が広がった方がいいというまちづくりをするのか、という議論が出てくるのではないか。

2ページ目では、"企業の「投資」を惹きつける"の中の「人口当たり高校・短大・大学の学生数」、高校の学生数ではなく、高等教育機関の学生数に絞った方がいいのではないか。岩国や気仙沼では、大学がないため高校を出たらみんな外に出ていく。堺では、まちから若者が消えることはないが、高等教育機関の学生数は重要な指標だと思う。

都市基盤の整備状況で、「道路の舗装率」は戦後すぐならともかく、今はもう少し違う指標ではないか。

増田座長

都市基盤の整備は、堺の独自性として、自転車道の整備やバリアフリー率に置き換えるのか、電柱の地中化率みたいなものなのか。

また、堺には高等教育機関が多いはず。

早瀬委員

多いはずなので、余計に指標に出したい。

桜井委員

指標の候補、おもしろいものがたくさんあると思って見た。

"成長を支える「人への投資」"で、一点気になる。子どもの意識・教育環境の「夢や目標を持つ児童・生徒割合」だが、今は、大学生・高校生を含めて、まわりは夢を持っているのに自分は夢を持っていないことで不安になるという子どもが増えているということが指摘され始めている。むしろ、自尊感情が高い子どもが注目されている。「自分のことを好きと思う生徒割合」の方が、周りとの関係性が豊かで良いまちであることの反映でもあるので、変更して頂きたいと思う。

澤井委員

全体として、議論したものがだいたい入っている。

特にコミュニティのところに、小さな祭みたいなものを含めてはどうか。まちの活気はそういうところにある。私は京都市に住んでいるが、地蔵盆や学区運動会が結構行われている。京都のまちの住みやすさは、そういうところにある気がする。このような小さな祭を把握できないか。区役所、地域、学区ごとにつかむことができるのではないか。

増田座長

堺でも全市的な体育祭をやっている。自治会・校区ごとに選手を選ぶという積み上げですね。

市長

市民オリンピックと呼び毎年やっている。堺ほどの人口の都市で全市規模の体育祭を行うのは珍しいのではないか。選手だけで6,000から7,000人くらい集まる。

戸谷委員

美原区の地域愛事業を担当しているが、何を買いたいかという要望の中に、だんじりがかなり挙がっている。かなり地区単位で祭をやっていると思う。

このような小さな祭の把握は、そんなに難しくないはず。

澤井委員

まちの活気というのは、そういうところにある。外国人の観光客に対して地域が優しいというのは、そういう基盤があるから。

橋爪委員

この懇話会は、一つ目は、マスタープランの進捗を見るための指標、二つ目は、2から3年後の次の段階の課題抽出をするための指標、両方の意味合いがある。挙がっている指標について、どちらなのかを確認しなければいけない。例えば、認知度、魅力度は、今後に向けて調査していかなければいけない指標。

人口当たり、率、絶対数、ここは厳密に決めるべき。絶対数の方が大事なものが、現時点では、率になっている指標もある。

例えば、「1人当たり都市公園面積」という指標は長年使っているが、府大の緑、仁徳陵の緑は入らない。都市公園以外の緑が多いまちでは、これは当てはまらない。

増田座長

京都市は「1人当たり都市公園面積」は政令市の中でも下位。社寺仏閣が提供している緑がたくさんある。

橋爪委員

市民生活の充実度指標、都市魅力度指標、都市の持続可能性指標という言葉は、他で見たことがなくいいのではないか。市民生活の充実度指標は、ちょっと堅いが、こういうのがいい。

「~のまちへ」となっているのは先走っている感じ。プランの進捗を見るのであれば、「~指標」で止めればいい。次への視点が入ると、「~のまちへ」が概念として出てくる。両方入るのは、ちょっと落ち着かない。当面は「~指標」の作業をし、2から3年先に「~のまちへ」をやる方がいい。

もう一点は、前回市長もおっしゃったが、おせっかいなまち堺の、おせっかい指標、コミュニティをサポートするような指標が別枠で示されると良いのではないか。

"将来像を実現するうえで、堺市として備えていくべき3つの要素"に示されている、やさしさ、力強さ、基礎体力、という考え方は非常にいい。

評価すべき指標は3指標の中に示して、市民向けのコラム的なところに、堺のおせっかい度や力強さ、基礎体力は他と比較して示していくと分かりやすくなる。

狭間委員

プラスに行く方がいいのかマイナスに行く方がいいのかという解釈が、市民の方にどう示すか難しい。

例えば、他に考えられる具体指標に挙がっている「児童虐待相談受付件数」はマイナスになることが良いとなっているが、まだ今の段階では、相談できる環境があること、つまり相談件数が上がる方が大事。特におせっかいな堺としては上がる方がいい。マイナスかプラスかというのは、きっちり検討した方がいい。

早瀬委員から、地域貢献の活発さは認定NPO法人の設立数で見るべきという話があったが、NPO活動に参加している人数、人から見ていくことも大切ではないか。

同じような観点で、地域のつながりの強さで、自治会加入率をプラスにしていくとなっている。堺は自治会加入率の高いエリアもあって、堺の強みでもあるが、地縁・血縁から選択縁と言われるようになってすでに10年以上経つ。自治会には加入していないが地域の活動には参加している、地域で自分に居場所がある、いつも顔をあわせる人がいるというところを、丁寧に見ていった方が良い。

増田座長

少し関連するが、前回も、「どのように参加できるのか」というのが話題に出た。

例えば、観光ボランティアの方がいらっしゃるが、今後も増やしていこうとするのか。環境でも、個人として節電・省エネに取り組むというのもあるが、環境行動に、自助ではなく共助の部分が増えていかなければならない。その共助の指標をどのようにとるのか。里山の保全活動・市内の緑化活動といった環境行動に市民がどう関わっていけるのか。1ページ目には、認定NPO法人数といった話が入っているが、2・3ページ目にも、そういう視点がありえるのではないか。

もう一点、都市の持続可能性指標で、観光にも関わるが、ネット・ゼロの住宅や最先端の工場が出来たと言っても、技術的な側面はなかなか目に見えない。見学に来られる方々に対して、景観や空間の質といった面で見える化しなければならない。環境モデル都市を感じ取れるような指標をどう考えるのか。公園の整備率というより美しさの指標というか、もう少し質の面から考える必要がある。

狭間委員

プロセスを評価する段階と、出てきた結果を評価する段階のものがある。

例えば、「女性の労働力率」という最終的な数字を出すべきか、子育てを終えて働きたいと思う女性が仕事を探せる機関・場所があるというプロセスを出すべきか。合計特殊出生率等もそういう面がある。最終形の数字を出すべきなのか、人に対する施策がたくさんあることを出すべきなのか。

増田座長

橋爪委員の話にも通じますが、今ある施策の進行を管理していくのか、次へどう展開していくのかということ。

橋爪委員

「現状があってここまでやります」というものは分かりやすいが、どっちに向くのか分からないものは難しい。

桜井委員

狭間委員がおっしゃったように、私も、虐待相談件数はやめた方がいいと思う。子どもが大声で泣いているのを聞いて虐待の通報をした人がいて、その通報を受けて児童相談所の人が子どもの体を調べたら、虐待はなかったと分かったというケース。通報されてしまったお母さんは、地域から見放されたと感じたそうです。通報がポイントというよりも、親が孤立していないことが大切。現時点では、指標としては棚上げにしておいた方が良いと思う。

市長

行政としては、虐待かもしれないと感じたらとにかく通報してくださいという方向。しかし、通報を受けて対応する時の配慮が大事。通報されたお母さんたちが、地域で孤立してしまったと感じるのは大きな問題。決して傷つけることなく、また、通報した人に対しても二次被害が及ばないようにすることが必要だが難しい。

桜井委員

中小企業に関しては手厚く、そしてじっくり話を聞くという、中小企業への対応がモデルになる。行政は一律の対応が一般的。きめ細かい対応は、橋爪委員のおっしゃった、堺のおせっかいとか、やさしさの質の部分だと感じる。

戸谷委員

財政の指標は、複雑な指標なので分かりやすく示すのが難しい。

まずは標準的に、健全化判断比率の4指標を載せる。そして、その指標は何かを言葉で説明する。

わが市は税金が高いのか安いのか、どこの自治体に行ってもそれを聞かれるが、日本の地方行政は、本当はどこに住んでも同じ。標準的なことを書いておいて、言葉で解説するということだろう。

早瀬委員

3指標のどこに入るのか分からないが、各社が努力しているCSRに関する指標が出てこない。

新しい公共支援事業「社会イノベーション推進のためのモデル事業」に豊中市が採択された。中小企業が連合で特例子会社を作るという制度で、バックには、地域ブロックでのCSRブランド力を高めるという話があり、豊中には障害者に優しい事業所群があるという。

CSR推進企業を後押しする堺市を示せる指標があるといい。

日本企業は、環境は全国的にレベルが高い。しかし、雇用労働系は諸外国に比べて弱い。その指標を入れることがかえってマイナスに出てしまっては、何にもならないが。

増田座長

市民だけでなく、産業にも環境文化というものがある。「環境行動レポートを出している企業の比率」では、資本金に支配されて、中小企業がもれてしまいますし、うまい指標を考えないといけない。

市長

堺は、障害者雇用で独自の雇用率をもっている。障害者の雇用率の算定の基準は、従業員56人以上となっているが、本来は中小企業に雇ってもらわないといけない。フルタイムでなくても、委託契約等の方法で、堺独自できめ細かく算定していくことで、20時間なら雇用できるという中小企業が出てきているので、今年からそういう形で障害者の雇用を推進している。

早瀬委員

堺には昭和27年に起源をもつ堺養護学校(現・堺支援学校)があり、昔はわざわざ堺に引っ越してくる障害者の方がいて、障害者のリーダーが堺から生まれる時代があった。今は、全国に支援学校がありますが。

橋爪委員

このような話は、他都市より抜きんでているものです。特出しするだけでなく、評価する指標の中にも出していきたい。

早瀬委員

ただ、他都市となかなか比較できない指標。

市長

中小企業の特定子会社も検討したが難しい。それよりも、こちらの方がいいと、今年から取り入れた。

澤井委員

おせっかい度で、私が感心しているのは、校区ボランティアビューロー。やり方はいろいろ違うが、94校のうち9割くらい出来ている。地域レベルのおせっかい。校区ボランティアビューローの達成度は、堺独自のまちのよさを示している。

このような指標を3指標の中に入れれば、市民にとっても自分に関連した指標が出てくることになる。市民感情に沿う指標をいくつか拾っていくと、関心が高まると思う。

橋爪委員

3指標以外の特出しということになるでしょう。

戸谷委員

サッカーグラウンドは、ファンの人たちから関心高い。そういうものを特出しの指標としてはどうか。

増田座長

J-GREEN堺は、当初計画より多くの試合数が実施されている。

市長

当初50万人と予想していたのが年間61万人。

増田座長

利用率を出せば、地域スポーツを振興していることを示せる。

市長

本格的な試合ではなく、子どもや高齢者の利用も多い。1万人入れるようなサッカー場ではないため、子どもや若い人達にも利用してもらうという意味で価値がある。

増田座長

スポーツを見る拠点ではなく、する拠点。

まとめ

増田座長

大きな指標の全体像として、進行管理・成果を評価する指標と、こういう方向性で行きたいというプロセスの指標をどう整理するかが、一つ大きな視点。

もう一つは、単位のとり方。

3つの指標以外に、市民向けアウトプットのイメージに関しては、いくつか時系列的に示すことは考えられないか、"将来像を実現するうえで、堺市として備えていくべき3つの要素"を示すような指標を特出しで作ってみてはどうか。

極力、堺の独自指標をもう少し突っ込んで探せないか。

全体としては了解がとれた。こういう視点で、見直ししていただきたい。

個別では、市民生活の充実度指標については、子どもの意識・教育環境、地域貢献の活発さ、大型小売店、公園面積あたりについて、適切な指標を再検討。加えて、市民オリンピックといった、堺の独自性を示すものをいくつか入れられないか。

都市魅力度指標について、都市基盤の整備では質を表現できる指標の選択、人材供給源というところは高等教育に絞ってもいいのではないか。まちの賑わいという観点では、地蔵盆や地域の祭、先ほどの市民オリンピックも入るのかもしれないが、市民がにぎわう指標を含めると良いのではという意見。また、市民がホストとして関われるような指標も入れてみてはどうかと思う。

都市の持続可能性指標では、財政では戸谷委員から頂いたご意見と、どうやって分かりやすく示すかという工夫、企業にとっての市民文化というか、障害者の雇用率のようなもの。中小企業も含めて目標と出来るような指標を盛り込んでいければということ。市民が自ら行動できるような指標、特に共助のような指標を考えられたらと思う。

以上を再整理して、最終アウトプットにしていただくということでよろしいか。

早瀬委員

一つだけ追加ですが、都市魅力度指標で、「全国・世界の人々が~」となっているのに、世界の視点が観光ビジター数くらいなので、多文化共生の視点から言うと、日本語教室の開催数、外国語表記の指標など、統計がないかもしれないが、外国の人たちが来やすい、暮らしやすいというのも今後の指標なのかと思う。

増田座長

東アジアの拠点として、アジアに絞った統計をとってみると、メッセージ性があるかもしれない。

桜井委員

若い人を惹きつける視点をどこに盛り込んだらいいのか。一つは、堺市の教員採用試験は有名で、学生たちはみんな堺市を受けたい。ペーパーが2割くらいと低く、あとは、プール、模擬授業、面接で本当に人物重視。採用された学生は、本当に生き生きと仕事をしている。これはあまり聞いたことがない採用方法。一次試験、二次試験がなくて、全部見て決めるから、四国の学生なども堺市を受けて、堺市民になっていく。指標にするのは難しいが、是非アピールすべき。

市長

教員だけでなく、一般の行政職も人物重視でペーパーは2割くらい。

桜井委員

関西だけでなく、全国的にも珍しい。最先端である。

増田座長

自慢できる指標、日本一のもの、珍しい制度・やり方を、各部局から集めては。なかなか埋もれていて分からないが、一覧表にしておくのは意味がある。

橋爪委員

いいですね、堺モデルというか。

桜井委員

みんな真似すると思う。

市長

平和貢献賞もやっている。

増田座長

そういうものをリストアップしておくといい。

橋爪委員

今回、挑戦がキーワード。挑戦的にやっているもの総ざらいしては。

増田座長

この話題はやっていると尽きない。次へ進みたいと思う。

案件[2] 堺市マスタープランの進行管理について

事務局より、マスタープランの進行管理の考え方、内容について説明があった。

マスタープラン作成後の社会経済情勢等の外的要因の変化、現在の課題及び今後重点的に取り組むべき方向性についての全般的意見

澤井委員

施策1-3に関わるものとして、今年8月に障害者基本法が改正され、障害者権利条約の批准に向けて一歩前に出た。曖昧ではあるが、「差別の禁止」というところで「合理的な配慮」という言葉が入ったことで、先ほど障害者雇用の話もあったが、障害者施策についてもっと議論してもいい。雇用やバリアフリー施策もあるが、養護学校で障害者ではなく、普通学級で障害者を受け入れるという統合教育が、政府の方向性として出されたということ。大阪府は先進地であるが、10月から施行されていく中で、どのように改正を受け止めていくのかが一つのポイント。

雇用の問題。一昨日、高島屋の新しいハローワークに行った。広くて明るくて、なかなかいい。

桜井委員

政策3に関して、少し補足した方がいいところがある。

プラン策定後の外的要因の変化は、今の時代状況をどう反映して、どういう立ち位置をとるのかが見えるところで、東日本大震災をどう見ているのかが分かってしまう。「防災教育の充実」も「防災を根本的に考える教育」だと思うが、ここはスルーしても、「放射能やエネルギーに関する知識や理解」については、「知識や理解」ではなく、「知識や議論」の必要性が指摘されている。これは、子どもや若い人レベルでも議論することが必要で、日本がこれまでしてこなかったこととして入れて欲しい。

市の施策推進にかかる現在の課題では、「教員の資質や能力の向上」となっているが、教員は忙しくて、資質や能力を回復させなくてはいけない状況。「向上のためのサポート体制および、地域と連携した教育相談や学校や親との調整体制の充実が必要である」とすれば、より明確で先進的になると思う。同様に、今後重点的に取り組むべき方向性の一番下の「いじめや~」のところでも、「教育相談や学校や親との調整体制」と揃えて頂けるとすっきりする。

最後に、今後重点的に取り組むべき方向性の2番目。確かに社会福祉の分野では見守り体制と言われるが、みんな見守っていて誰も当事者に直接アクセスしない、「見守りと具体的な家庭支援体制」とすると、ちょっと抜きんでる感じがするのではないか。

狭間委員

政策2と6の両方で、歴史文化的遺産への注目の高まり、歴史文化遺産を活かしたまちづくりの政策がでているが、具体的な方向性の中の世界遺産登録に向けた取り組みなどは、政策2より6の方が相応しいかもしれない・・というように横櫛をさす政策には整理がいるものがあるのではないか。

先ほどの指標のところでも、体系には、「堺の歴史文化遺産が活用される」とあるが、指標には、「市民が歴史文化資源を楽しんでいる」とか、「歴史文化を感じられる場所がある」というものがない。歴史文化への言及はあるが、指標にないのが気になる。

堺は歴史のあるまちにも関わらず、日常的に歴史を感じたり、PRする力が弱い。世界遺産登録を目指すのであれば、ハード整備とあわせ、お茶の文化や子どもたちへの教育も含め、日常的な中で歴史を感じる指標が必要。

堺は環境モデル都市になっている。政策5に関して、もっと堺オリジナルがあっても良いのではないか。例えば、せっかく太陽光発電施設などがあるので、堺から新しいグリーンイノベーションを起こせるような、堺オリジナルのエコファイナンス等があってもいい。

市長

エコファイナンス制度はあり、かなり使っていただいている。ユニークな制度として挙げた方がいい。

橋爪委員

いろんなところに重複してあった方がいいのか、縦割りでいいのか。例えば、食育は政策2にしか出てこず、政策3には出てこない。歴史文化を活かした教育があってもいいが、政策3だけが別世界になっている。

増田座長

政策3では、ずっと自然学習と言われてきたが、ただ食育に置き換えるだけでいいのか。

戸谷委員

政策4の産業振興だが、背景として大幅な円高で景気が悪化となっており、それにより、財政が悪化していく、これは政策7に関連がある。

プラン策定後の外的要因は、すべて東日本大震災という文言で始まっているが、他の要因として、ギリシャ財政危機に端を発する世界同時株安により経済が厳しくなっている。

財政は経済の足腰の上に乗っかっているから、経済が弱くなると、税収が滞ってしまうというストーリーがあってもいい。

政策7の書き方も、東日本大震災と原発事故があって、その復興財源確保に向けて財政悪化という話になっているが、それだけではなく国は財政悪化している。そのあたりは注意して書いた方がいい。

増田座長

政策5には、特区を活用して提案しようとされていることが抜けている。せっかく積極的に対応しているので、出てきてもいいと思う。

早瀬委員

「施策1-2 地域全体で支える福祉の仕組みづくり」と「施策7-3市民の自主的な活動・協働の推進」は連動する。以前配布された資料を見ると、施策1-2の成果指標は、「堺市社会福祉協議会のボランティア登録者数」になっている。ボランティアはいいが、市民がNPO等をつくって事業的に支えていくことも入れた方がいい。

橋爪委員

交通に関して、基本法が今度の臨時国会で出てくるかどうか、それに対してどのように対応するのか。

新しい法制度、特に基本法レベルで、何が出てくるかというのが、あってしかるべき。

増田座長

政策5について、マスタープラン策定時に公共交通の体系を見直すという話があった。具体化してきているのであれば、踏み込んで書けるのかチェックしてもらえると良い。

市長

現在、総合交通計画を作っている。南北軸に強い堺の交通を東西軸とどのように結び付けるかという議論を進めているが、まだもう少しかかる。パーソントリップ調査の結果が出ていないので、その結果を見ながら具体的に詰めていくことになる。今年度中には基本的な考え方をまとめるので、その内容は、この中にも落とし込めると思う。

増田座長

まちの魅力向上の中で、都心エリアについて検討が進みつつあると思うので、年度内の作業とするなら、ここに落とし込まないといけない。

市長

都心エリアが一番悪戦苦闘している。

増田座長

どういう方向性を打ち出していくのかということ。

早瀬委員

政策4の関連なのか、ソーシャルビジネス支援は、施策があってもいい。注目のされるわりに、アメリカではスモールビジネスの一つでしかなく、たいした力強さがないので、強く推すのもどうかと思うが、国際的にはトレンドとなっているもの。

増田座長

国際的な視点だけでなく、泉北ニュータウンの再生関連では、ソーシャルビジネスという形で職を生み出していくことが重要な視点だと思う。先ほどの特区についても、従来のベッドタウンからどう脱却していくかは泉北ニュータウンにとっては重要なこと。今の話と関連付けて書いていただくといい。

大黒課長

本日の資料のもう一段上の資料では、新しい公共ということでそのような話が入っている。本日の資料は、基本政策ごとになっているので、そのあたりが抜け落ちてしまっている。

早瀬委員

政策7の外的要因の変化として、NPO法の改正とNPO税制の改正が、この前の国会で成立した。NPO法人の認証だけでなく、認定NPO法人の認定も、国税庁から堺市に移ってくることになる。

これにより、一つ目は堺市独自の認定NPO法人の指定の条例を作るのか、二つ目は堺市として認定NPO法人の寄附金控除をするかが自治体に任されている。どうするかということになる。

財政難の時代に税控除かと思われるが、寄附税制は、寄附を促進することにより、税の控除分より寄附額の方が数倍多くなる。自治体に入る税収は減るが、新しい公共も含めた公共サービスの担い手全体に入る額は増え、ある種の投資的な効果がある。これも踏まえた方向性があってもいいと思う。

戸谷委員

個人的には、政令指定都市が定着してきたので、市民が良かったと思っているのか気になる。

生産年齢人口が減少し、今後の財政運営が問題だとあるが、老齢人口比率への言及がない。医療や福祉といった行政需要が高まることになるので、入れた方がいいのではないか。

増田座長

マスタープランは、単に少子高齢化とせずに、生産年齢人口の減少をしっかり議論しようということで始まった。

東日本大震災に関して抜けていると思うものとして、1点目は、一次産業が大ダメージを受けて六次産業化しないと再生しないということ、堺でも地産地消だけではだめ。農業をどう六次産業化するのかということ。東日本では大きな視点で農業政策・林業政策に大きく関わってくる。その影響を考えておかなければいけない。

2点目は、減災の視点。完全に防備するのではなく、土木構造物で全ての安全を確保できないので、防災コミュニティの熟成の中で、逃げるという行為。

エネルギー問題だけでなく、そのあたりも付加していただければと思う。

澤井委員

本国会で成立したものの中で重要だと思うのは、地方分権一括法の二次法、特に条例委任。社会的に問題になっているは、保育所の設置基準の条例化。全て全面的にかかってくる問題。その出来具合が、自治体のあり方を変えていく。

これまで自治体は各省庁からの指示待ちになっていた。しかし、これからは、各自治体の課長・係長クラスがどう課題としてとらえ、どの範囲で緩和され、精査し対応していくのかで、まちづくりがかわってくる。法律をどう解釈し運用していくか自治体にゆだねられている。

枠付けの見直しと条例委任は、自民党政権時代に決めたもので、民主党政権になって、さらに次がくる。保育所の設置基準は緩和の議論がある。東京では、例えば面積基準はあげてもいい。そういう議論が必要で、自治体レベルで新しい基準を示していく必要があるし、堺市は出来るはずだと期待したい。

「施策7-5 地域主権の確立に向けた取組の推進」では、自治都市として、法律をどう作り、運用・解釈していくかを出していった方がいい。

今後重点的に取り組むべき方向性として、「区役所機能など都市内分権を進める」とあるが、これは是非進めてもらいたいし、政令指定都市になって仕事が区役所に来て、分権は進んできた。さらに地域自治が必要。市民自身が堺市を作っていると実感できるような参加の仕組みが重要。ここは、「区役所機能など都市内分権と地域自治を進める」とすると良いのではないか。

桜井委員

子ども・子育て新システムの議論は、今少し止まっているが、待機児童は誰から先に入れるのか、先進市町村について、母子家庭等苦しい家庭から入れるのか、フルタイムで忙しい家庭から入れるのかというのが、具体的に議論された。市町村が何を大事にしているのかという比較に関わって、次の春の国会以降で出てくることになると思う。

先ほどの泉北ニュータウンのソーシャルビジネスはおもしろい。若年層や生産年齢人口の減少の話と政策3の話を組めないかと考えている。高校生・大学生が堺市で職を得ていく、中小企業やソーシャルビジネスにコミットしていくという流れがあればいい。

また、政策3の「虐待事件の多発」という文言は、「虐待をめぐる状況」にしてはどうか。

まとめ

増田座長

大きな視点としては、3点ある。

1つ目は、国の法改正との連携。成立したものと、近々成立しそうなものに目配せをし、展開をしておいて欲しい。

2点目は、市内部で、今年度中に一定の方向性を出すものについては入れる。

3点目は、施策はツリー構造ではなく施策間で連携しているものが多いので、施策間の連関が分かるものを、今後の方向性の後にでもついていると良い。

各々の個別の意見についても、反映いただければと思う。

(4)次回の開催予定

事務局より、次回の開催予定等の連絡があった。

(5)閉会

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