庁議議事要旨 平成22年11月16日
更新日:2012年12月19日
報告案件1 「堺市インバウンド振興研究会」の設置について ・・・産業振興局
産業振興局長 案件説明
芳賀副市長
観光として、堺市だけを見に来るわけでない。特に外国から来る場合は、そうである。そのため、他都市や他府県と連携しないといけない。
産業振興局長
関西にある4つの政令市で、観光誘客のための連携事業やプロモーション活動に取り組んでいる。関西の政令市が1つとなり、頑張っていこうと取り組んでいる。
ただ、神戸市、京都市、大阪市は、府・県庁所在地であり、堺市の位置関係が都市力や発信力で言うと非常に弱い感がある。しかしながら、連携を進めることにより、関西国際空港を含めた観光誘客につながっていくと考えている。堺市だけでの取り組みでは、非常に弱いとの考えの中、連携をより強めて、魅力あるものを発信していきたい。
芳賀副市長
海外から近畿に観光客が訪れている時に、近畿全体の観光客の伸びと、堺市の観光客の伸びを比較すると、堺市は苦戦しているようだ。
つまり、海外からの観光客が増えているが、堺市以外の3大都市に観光客が行っており、堺市だけが取り残されているのではないか。
それから、4大都市以外に、堺市は和歌山県や奈良県が近い。その辺の連携も含めて考える必要があるのではないか。
産業振興局長
外国人の誘客については、奈良、京都などへ出発する際に、関西国際空港到着後、堺市に滞在してもらうような誘客作戦をとっている。これは、堺に割安に泊まっていただいて、翌日、朝から奈良、京都などに出発してもらうツアーを組んでいる。
この中で、宿泊費は安いが、周辺地域では飲食も含めて消費の実績があがっている。今回立ち上げるインバウンド振興研究会には、多くの外国の方に委員になってもらう予定。外国の方から見た価値観は何なのか。高級ホテルに宿泊することがステータスなのか。あるいは、安いホテルに泊まって、自由に過ごせることを好むのか。その辺りを分析して行く必要がある。
そうした中、堺市の宿泊施設数も限られているが、その価格帯に応じた団体等を、東京イン、大阪アウトというコースの中で、誘客できる可能性もあると思う。研究会の中でご議論いただき、できるだけ堺市内で時間を過ごし、もしくは泊まっていただくことができる戦略を構築していきたい。今後、議論いただく中でまとめていきたい。
田村副市長
研究会の委員構成について、アセアン諸国の方が4人、日本の方が3人おられる。堺市の代表として、当然事務局は頑張ると思うが、堺観光コンベンション協会や堺観光ボランティア協会など、堺市の観光に精通している人物の参画は必要ないのか。
産業振興局長
研究会の委員には入っていないが、事務局から、観光の現状や関連産業の現状など、資料提供や説明をし、議論いただく予定。今回は、「海外から見た」、もしくは「海外とお付き合いのある方から見た」、堺のインバウンドとして成功する戦略を議論いただきたいと考えている。
技監
委員のメンバーをみると、ヨーロッパやアメリカなどを主なターゲットにするのではなく、中国、韓国など東南アジアをターゲットにしようと考えているのか。
産業振興局長
現在のところ、経済著しい発展を遂げ、近距離でもあり、これまでの堺市との交流の中で、文化遺産や歴史的遺産が残るアジア諸国をターゲットに進めていきたい。
技監
旅行者の数からするとアジア諸国から来る方が多いので、それでも良いのかと思うが、アジアの観光客と欧州やアメリカの観光客の行動パターンが異なる。例えば、欧州、アメリカからの観光客は、日本だけでなく韓国や中国など他の国とセットで訪れるケースが多い。
どういう客層をターゲットにし、どのような戦略を持って進めていくのか。研究会で議論されると思うが、市からもいろいろ提案し、総花的にならず戦略的に観光の取り組みを進めるような提案をお願いしたい。
堺市の観光資源をどのように育てていくのかが大事。堺市には素材はあるが、上手く活用出来ていないと思うので、観光部だけでなく、庁内で観光資源を守る取り組みにとどまらず、育てる、つくる取り組みも進めるような庁内連携が図れる体制を考えていただけるとありがたい。
例えば、旧環濠地域でも、町家などの素材はあるが、きちんと街並みの保全やつくり直しなどができていないと思う。そういうこともやっていかなければならない。そういう体制づくりを考えていただけるとありがたい。
産振興局長
分かりやすいのは、まちがきれいであるとか、公園が整備されているとか、道路が非常に歩きやすいとか、段差がないとか、あらゆる人が堺を訪れた時に、歩きやすい、動きやすい、観光案内がよく分かるといったことが大事と思う。
産業振興局だけでなく、関係する部局の協力やテコ入れを含めて整備を要請することもあると思う。研究会で、外国人観光客の方は何を求めているのかを議論いただき、整備する場所や内容が示されるのではないかと期待している。
田村副市長
技監の発言は、庁内体制を整えた方が良いという意味と思う。研究会でも議論になると思うが、それとは別に、庁内で検討すべき体制整備が必要と思うが、どう考えるのか。
産業振興局長
いただいたご意見のとおり、進めていきたいと考えている。
会計管理者
多言語化として観光サイン等を整備するのは、日本語、中国語、韓国語、英語の4カ国語が中心となるのか。他の都市でもそうなのか。
産業振興局長
観光サインの整備などはついては、日本語、中国語、韓国語、英語の4カ国語がベースになる。パンフレットや簡単な紙媒体では、それ以外の言語についても可能ではと考えている。庁内委員会を設置し、おもてなしの心をどのように発揮できるか議論していきたい。
市長公室長
印刷物や観光サイン等は、今後整備するということだが、現在、観光ボランティアガイドは、アセアン諸国の観光客に対して、どのように対応できているのか。
産業振興局長
観光ボランティアガイドについては、韓国語、中国語、英語を勉強していただいて、訪れていただいた方に対応できるようにやっている。パンフレットについては、一部対応しているものもある。
市民人権局長
研究会に女性委員はいるのか。
産業振興局長
1名、女性委員として参画いただいている。
市民人権局長
特に観光やプロモーションでは、女性の視点は大事と思う。
事務管理監
中国や東南アジアを対象としているが、インドも入れてはどうか。
産業振興局長
現在は5カ国でスタートし、現在ベトナムからの委員就任について調整中。もし、インドの方で適当な方、堺でご協力いただけそうな方が身近にいれば、ご推挙いただければ考えていきたい。
市長
外国人観光客が21年度で、3万2千人との説明があったが、資料に示されている656万人とは違う意味の数字なのだな。泊まった人数ということでよいか。
産業振興局長
堺を訪れた観光客が21年度で656万人。外国人で堺のホテルに宿泊した人が3万2千人ということ。
市長
日帰りで堺に来ている外国人はこの何倍もいるということだな。現在、宿泊している人を見ても、堺に泊まってすぐに別の場所に行ってしまう人が多い。例えば、吉野に花見に来たが、空いていた宿泊先が堺だったので泊まったなど推測されるものがある。要するに、堺にお金を落としていない。堺の宿泊の状況を見たら如実に表れている。堺に泊まって堺で観光し、消費してもらうという、堺の魅力を際立たせる仕組みが大切。魅力を際立たせるには、堺にこんなものがあるという物産、堺の名所はこんなものがあるという歴史的史跡や外国人が行きたいと思うもの。そういうものをどういうルートとして作っていくか、研究会で議論をしてもらわなければならない。4回の研究会だけではできない。4回の中に更に小委員会を作って、例えば韓国の人にはこういうところがお薦め、ベトナムの人にはこういうところがお薦めというように、国別の観光客の誘致戦略が必要。総論は研究会、各論はコンベンション協会と市職員で一緒になって小委員会を開催して戦略を練る。4回の研究会だけでなく、もっと中身の濃いものにして欲しい。
その他報告事項
産業振興局長
堺市では、臨海部の先端企業や環境関連企業、内陸部の伝統産業などの産業の集積を観光資源として活用するため、平成21年7月に堺産業観光推進協議会を設立した。
22年度は、11月25日・26日に、報道機関や旅行会社を対象とした、モデルツアーを実施するほか、受入事業所を紹介したパンフレットを発行する。23年度は事業所の受入環境整備の支援と受入事業所の拡大に努める。
利用促進のため、産業と歴史文化のある観光資源をセットにしたモデルコースを企画・提案したい。また庁内各課との連携による利用促進を検討する。
技監
産業観光についての堺市の取り組み方針についてだが、以前、受入事業所の人から、堺の産業観光の方針が分からないので、受入事業所側としても、何をどう取り組んだらいいのか分からないと言われたことがある。産業観光といっても対応しにくいので、どういう客層相手に、どういうルート設定で、どういう産業観光を展開していくのか示した方がよい。
ターゲットは海外向けでなく、国内向けだと思うが、産業観光を展開していくなかで、観光ツアーの中に組み込むことを考えているのか、市などでツアーを主催し個人で常時見られる体制をつくるのか、その辺りの考えは。
産業振興局長
両方だ。個人で受け入れをする部分、組織でないと受け入れできない部分がある。関西電力のメガソーラー発電所は、組織や団体でないと受け入れができない。伝統産業のようなところは、個人の対応が可能。学校の教材としての社会見学や、旅行会社による産業観光ツアーの企画では組織だって来ていただく。単独だと受け入れに手間がかかるのでどうするのかを詰めているところ。個人、組織の両方で対応を探っていきたい。
田村副市長
産業観光の対象は国内がメインだと思うが、インバウンドの発想でも用意しておけばいいのではないか。
シャープの受け入れはどうか。シャープを組み入れることができれば強いと思う。
産業振興局長
シャープ堺工場の見学を2回くらいしたが、今の製造現場の見学ということでは、ガラスに被膜を張って液晶薄型パネルの製品として出ていく工程のみであり、テレビなどの完成品ができるまでの工程が見られるわけではない。
シャープが協力してもらえるならば、最終的な完成品ができるまでの工程を見せるのが良いと考える。徹底的なCO2削減を図っている液晶コンビナートの各工場で作られた製品が集約され、一つの新しいものができて世界各国へ出荷されていくというシステムを見せることができればいいのではないかと思う。
シャープには、今後も協力をお願いしていく。
危機管理監
シャープは非常に環境教育に力を入れていると聞いている。日本全国の小学校・中学校に社員の方が説明に出向いて環境教育に寄与しているらしい。堺市でも教育委員会を通じて実施していると思うが、液晶パネルのみではなく太陽光発電施設もできているので、学校の社会見学などに取り入れることも考えてはどうか。
田村副市長
シャープが社内や関連企業の者を集めて行う研修や会議では、視察も含めて堺工場をよく使っていると聞いている。その都度、堺で宿泊して飲食なども含めて消費してくれていると考えられる。これはインバウンドでもないし、産業観光でもないかもしれないが、堺の全国的な優良企業が企業研修や会議などで堺市を利用してもらえるような働きかけも考えてみてはどうか。
産業振興局長
近年の観光ビジター数の伸びの中には、宿泊研修や視察などでのシャープの影響があると考えられる。企業の宿泊研修などについて、堺市の施設を使用してもらうことにも努めていく必要があると考えている。産業観光の分野を含めて関係部署等とも数値の把握にも努めていきたい。
教育長
受入協力事業所一覧を見ると、堺区がほとんどである。全区展開できるような発掘がいるのではないか。
これから堺を盛り上げるためには、何事でも全区展開ということに留意すべきだと思う。
市長
教育長の言うとおりである。一度、区長会議にあげてほしい。例えば美原区でも木材団地があり木青会館があるので、協力してもらえると思う。美原区には他にも受け入れていただけるような企業がある。どのような声のかけ方をしてきているのか。
他の区でもあるはずなので、インバウンドも産業観光も含めて区長に自分の区の資源が何かということを考えさせてほしい。
産業振興局長
区長会議などで広く意見をいただくことにする。
議会事務局長
開かれた議会の推進ということで、傍聴者にも審議の内容を分かりやすくしようということで、そのための予算措置をしていただいた。
本会議場内の審議資料映写用スクリーンの設置工事が昨日完了した。予定通り12月議会から使用する。本会議場のスクリーンは150インチのサイズであり、電動の巻き上げ式となっている。
併せて12階の各委員会室にも100インチのスクリーンを1台増設する。隣にある各音声傍聴室には、40インチの液晶テレビ1台を置きスクリーンで映しているものと同じ映像を流す。
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