4) パターン【3】(市域及び府下近隣市町村への避難)
更新日:2012年12月19日
1.事態想定
12月○日金曜日午後7時に、堺東駅至近の百貨店、堺駅前の宿泊施設で銃撃が発生し、各々の施設出入り口付近で複数市民が被害を受け倒れているとの報告が同時になされた。施設の出入り口付近には武装集団が配置され施設は外部から完全に遮断されており、施設管理者に電話連絡を試みるも一切不通。施設内に籠城する武装勢力については、規模、所持兵器等一切不明。ただし、防護服、マスクを装着している人間が複数名観察されたため、生物・化学剤を所持している可能性が高いものと判断される。
相当量のサリン、VX等の化学剤が占拠施設より放出された場合には、風下を中心に周囲に大きな被害が発生することが懸念されることから、市は、駅を中心とした半径5km内を要避難地域とする府の指示に基づき避難誘導を行うことになった。避難想定人数27.3万人。
2.避難構想図
3.避難の指示の伝達・通知
堺市対策本部は、知事からの避難の指示の内容を、下記の市民等や関係機関等へ伝達・通知する。
[1]避難の対象となる避難誘導単位への伝達
単位名、対象者、伝達方法詳細は<伝達通知先リスト>参照
[2]市の他の執行機関への通知
機関名、連絡先等詳細は<伝達通知先リスト>参照
[3]関係機関への通知
機関名、連絡先等詳細は<伝達通知先リスト>参照
[4]関係団体等への伝達
団体名、連絡先等詳細は<伝達通知先リスト>参照
4.避難方法及び避難経路
[1]要避難地域の市民等
[2]自主防災組織・自治会、学校・幼稚園・保育所、事業所等の避難誘導単位毎に、避難所・一時集合場所へ避難を行う。
[3]避難所・一時集合場所への移動は、徒歩を原則とする。災害時要援護者については、バス等の借り上げ車両を活用する。
[4]避難所では、一時集合場所、避難先地域の伝達を行う。また、一時集合場所に直接避難を実施した市民等に対し、避難先地域の伝達を行う。必要に応じて、避難方法伝達フォーマットを活用する。
[5]避難所に派遣された市職員(避難支援班)は、一時集合場所への引率・誘導を行う。
[6]一時集合場所から避難先地域(施設)へは、バス等の借り上げ車両または鉄道による避難を原則とする。
バスによる避難
- 一時集合場所⇔避難先地域の広域避難場所との間でピストン輸送(一時集合場所での乗車と広域避難場所での降車を反復)を行う。
- 避難先施設の収容人数と移動人数を極力一致させるために、複数台(7から10台程度)のバスを連結させる(広域避難場所(降車場所)から避難先施設への移動を速やかに行うため)。また、連結台数については、駐車スペースを十分に考慮する。
- 避難支援班は、乗車人数の整理を行うとともに、車両への誘導を行う。
- 広域避難場所(降車場所)では、避難先地域の避難支援班が避難先施設への誘導を行う。
鉄道による避難
- 一時集合場所の中百舌鳥駅、浜寺公園駅、津久野駅を起点に各々南海高野線・泉北高速鉄道、南海本線、JR阪和線を利用する。
- 避難支援班は、鉄道職員の協力・指示のもと、ホーム、鉄道車両への誘導を行う。
- 避難支援班は、鉄道車両に搭乗する車掌に降車駅(避難先施設の最寄駅)を伝え、車内アナウンスにて市民等に降車駅を伝達するよう依頼する。
- 最寄駅では、避難先地域の避難支援班が避難先施設への誘導を行う。
フェリーによる避難
- 一時集合場所の堺浜周辺から避難先地域(施設)への移動については、フェリーを利用する。
- 避難支援班は、フェリー運航者の協力・指示のもと、本船への誘導を行う。
- 到着港では岸和田市・貝塚市と連携し避難支援班が避難先施設への誘導を行う。
避難のながれ
参考
交通機関 | 事業者名 | 可能輸送人数 | 算出基礎等 |
---|---|---|---|
バス | 南海バス | 19,000人 | 車両数475台×定員40人 |
バス | 西日本JRバス | 5,280人 | 車両数132台×定員40人 |
バス | 日本交通 | 8,880人 | 車両数222台×定員40人 |
バス | 近鉄バス | 10,760人 | 車両数269台×定員40人 |
バス | 中日臨海バス | 3,440人 | 車両数86台×定員40人 |
鉄道 | 南海高野線 | 10,000人 (1時間あたり) |
堺東から泉北方面 夜間ダイヤ平均 乗車率150% |
鉄道 | 南海本線 | 7,500人 (1時間あたり) |
堺から泉大津方面 夜間ダイヤ平均 乗車率150% |
鉄道 | JR阪和線 | 10,000人 | 鳳・熊取区間輸送量 |
フェリー | マルエーフェリー名門大洋フェリー宮崎カーフェリー関西汽船ダイヤモンドフェリー阪九フェリー | 240名(定員) 1,428名(定員) 1,380名(定員) 2,857名(定員) 1,654名(定員) 4,744名(定員) |
阪神地区寄航船舶1隻使用として 就航船舶2隻使用として 就航船舶2隻使用として 就航船舶4隻使用として 就航船舶2隻使用として 就航船舶6隻使用として |
注)バスの車両数は、堺市、大阪市、東大阪市、八尾市に所在の各営業所保有台数を合計したもの。
避難方法伝達フォーマット
百舌鳥小学校区の避難方法伝達フォーマット活用例
5.避難実施要領の通知等
堺市対策本部は、知事からの避難の指示を受けて作成した避難実施要領(別紙の基本様式2参照)を、下記関係機関等へ通知・伝達する。
[1]市の他の執行機関への通知
機関名、連絡先等詳細は<伝達通知先リスト>参照
[2]関係機関への通知
機関名、連絡先等詳細は<伝達通知先リスト>参照
[3]関係団体等への伝達
団体名、連絡先等詳細は<伝達通知先リスト>参照
[4]避難の対象となる避難誘導単位(市民等)への伝達
避難所や一時集合場所において、避難方法伝達フォーマットを活用して伝達する。
[5]放送事業者・報道関係者への連絡等
- 広報課を通じて、堺市政記者クラブを中心に行う。
- 指定(地方)公共機関に対しては、府と調整した上で必要な場合に連絡する。
6.災害時要援護者への対応(今年度検討中)
[1]堺市対策本部は、市で把握しているデータや、社会福祉協議会、民生委員児童委員、民間福祉事業者、障害者団体を通じて速やかに要援護者数、所在を把握する。
[2]避難誘導単位内で対応が出来ないと見込まれる要援護者数、必要な支援内容を聴取する。
[3]その上で、介助要員手配等の必要な対応策を立案し、ボランティア団体、消防・警察、自主防災組織等への必要な手配を実施する。
[4]在留外国人(観光客等の短期滞在者を含む)に対しては、メモを使用するなどして、避難誘導単位リーダーを通じて伝達する。
7.要避難地域における残留者への対応
[1]堺市対策本部は、避難所、一時集合場所、避難先地域(施設)において避難者から残留者情報の収集に努める。
[2]二次被害防止の防護措置を十分に講じた避難支援班(防護服・マスクの着用等)が要避難地域内の残留者の確認、救出に当たる。
8.避難の際の留意事項の徹底
[1]避難に当たっては、携行品は現金や通帳等の貴重品、最低必要物資を収納した非常持出品のみを原則とし、服装は(可能であれば)気候等の状況に応じるものの、身軽に動けるものとする。
[2]流言飛語に惑うことなく、堺市対策本部の指示に基づくリーダーの指示に従い、冷静に行動する。
予想外の事態に遭遇した場合には、市内に配置された市職員、警察・消防等に報告し、支援・指示を要請する。
夜間避難の留意事項
市民等
- 市民等には、防寒着の着用・持参、懐中電灯の持参を促すと共に、集団での避難を徹底する。
- 服装については、なるべく明るい色のものを着用するようにする。
避難支援班
- 徒歩による避難誘導の際、避難支援班は歩行速度を配慮し、暗闇でも目印となるものを活用する。
- 市職員の参集に要する時間を十分に考慮して、可能な限り早期に参集を指示する。
- 一時集合場所では、施設管理者や近隣事業者等に協力を依頼し、十分な照明を確保するよう努める。
- 市職員の配備に不足が生じることが予想されるため、自主防災組織等に協力を仰ぐ。