『堺研究』42号を発行しました
更新日:2020年5月21日
『堺研究』42号を発行しました。
掲載論文は3本です。
★『堺台場の築造時期と柳河藩の堺警衛』(堺市文化財課主査 小林和美)
幕末の外国船来航に備えて築かれた堺旧港の台場(砲台を備えた軍事施設)について、中央図書館所蔵の史料や『堺市史史料』などを使って考察されました。堺台場の着工や竣工時期などはあまり詳しく知られていませんでしたが、今回、図書館の史料を使って築造時期を調査されたものです。また台場が完成したころに堺を警衛した柳河藩についても紹介しています。
★『堺版教科書の基礎的研究(二) ―土屋鳳洲の『入門一読』『人之基』について―』(びわこ学院大学教育福祉学部准教授 和田充弘)
前号に引き続き中央図書館で所蔵している「堺版教科書」について、今回は土屋鳳洲(つちやほうしゅう)の著書を紹介されました。土屋鳳洲は、明治5年(1872)堺県学の教師となり発布直後の学制の趣旨を県下の人々に諭しました。一方で家塾「晩晴書院(ばんせいしょいん)」を開き多くの門人を集めました。「晩晴書院」からは日本人として初めてチベットに渡った河口慧海や開学当初の東京美術学校(現在の東京藝術大学)に大きな足跡を残した正木直彦などの人物が輩出されました。
★史料紹介「堺市立中央図書館所蔵 米谷家文書の概要」(大阪府立大学准教授 岡田光代)
平成15年頃に寄贈され、平成29年度から整理作業が進められた「堺米谷家文書」の概要を紹介します。
市立図書館で貸出可能なほか、市立中央図書館および市役所市政情報センターで販売しています。
『堺研究』42号 ¥660-
堺市立中央図書館の発行する学術雑誌『堺研究』は、昭和41年(1966)に「郷土の歴史を研究する人々に、いささかなりとも寄与するところあればと、本館に所蔵する資料のうちから価値の高いものの紹介と、郷土に関する論説の場として」(第1号はしがき)創刊されたものです。第40号には第1号からの総目次も掲載いたしました。
バックナンバーは全号市立図書館で貸出可能です。また、33号以降は残部がありますので、市立中央図書館でご購入いただけます。