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「ごきょうだいに向けて」

更新日:2012年12月19日

 もしあなたの「自閉症スペクトラム障害(ASD)をもつお子さん」にごきょうだいがいる場合、そのお子さんたちは、障害をもつきょうだいとどうつきあっていったらよいか?という悩みをもつことがあるかもしれません。この資料は、あなたが、子どもたち(ごきょうだい)に、「どのように対処したらいいのか?」を教えてあげるときに、参考にしてみてください。

子どもたちには、どのように自閉症スペクトラム障害(ASD)についての説明をするとよいでしょうか?

 子どもたちには、小さいうちから年齢に応じた説明をしてあげてください。
 理解しやすいように、子ども向けに書かれたASDについての本などを使って、伝えてあげるのもいいでしょう。

子どもたちが感じる問題は、年齢によって違います。

 たとえば、幼い子どもたちの場合、ASDをもつ子どもの行動で、怖い思いをさせられたり、困らされたりすることについて、その子なりに我慢したり、心配していることもあります。また、もう少し大きくなった子どもたちでは、友だちに、どのようにきょうだいの障害を説明したらよいか?について知りたがっていることもあります。10代以降になると、もっと長期的に考えられるようになるので、子どもたち自身が、将来的に家族の一員として自分に求められていることはなんだろうか?などの心配をすることもあるでしょう。このように、子どもたちは、それぞれの成長、発達の過程で、悩みやストレスを抱くこともあるでしょうから、そのつど、注意深く聞いてあげるとよいでしょう。

子どもたちには、成長にともない、繰り返しその理解に応じた説明をしてあげることが大事です。

 幼い子どもたちでも、おうちで、おとうさんやおかあさんの使っていることばを同じように使ってしまうことがあり、よくわかっているように思われるかもしれませんが、実際にはちゃんと意味を理解していないことがあるものです。ですから、幼い子どもたちには「自閉症」や「行動療法」などの用語で説明するのではなく、もっとわかりやすく説明してあげてください。

どのようにしたら、子どもたちが自閉症スペクトラム障害(ASD)をもつきょうだいと仲良く、より良い関係を築いていくことができるでしょう?

 子どもたちが、ASDをもつきょうだいと仲良く遊んだり、より良い絆を築こうとしても、スムーズにいかないこともあるかと思います。子どもたちから見れば、ASDをもつきょうだいが、みんなが興味を示すべきところに興味がないようにみえてしまい、関わっていこうとしても、「どうしてかな?」と戸惑ってしまうこともあるでしょう。
 このようなとき、きょうだいをうまく遊びにさそう際に役に立つ、簡単なスキルを教えてあげましょう。例えば、1:きょうだいのお気に入りの、注意をひけそうな玩具(物)を使って遊びに誘う。2:「○○してみよう!」など、具体的でわかりやすい声かけをする。3:よくできたらほめてあげる。といったようなことがあげられるでしょう。

子どもたちみんなそれぞれが、親御さんとの特別な時間(スペシャルタイム!)をもってみるのはどうでしょうか?

 ASDもつお子さんも、そのきょうだいも、みんな家族の大事な一員です。ASDをもたないほかの子どもたちも、親御さんの無理のない範囲でできるだけ個別に接する特別な時間(スペシャルタイム)をとってあげるといいでしょう。(たとえば、毎週1回夕方のひと時や、休日の朝、または毎晩寝る前の数分など)。こういった機会を持つことにより、子どもたちは、親御さんがASDを持つお子さんにかかりっきりになっている間、さみしい思いをしたり、日ごろ我慢して無理にがんばろうとしたりなどの悩みやストレスに取り組んでいくこともできるかと思います。
 ASDをもつお子さんが、おうちにいることが多かったり、問題行動が多かったりすると、他のきょうだいたちが、親御さんからの愛情や注意を十分に感じられないこともあるでしょう。ですが、どんなときも、子どもたちみんながあなたにとって特別で大事な存在であると感じることができるように、どの子も家族の平等な一員であることは伝えていきたいものです。
 また日常の活動の中には、家族全員で参加した方がよいものと、別々に過ごした方がいいかもしれないものがあります。子どもたちにとって両親やみんなから注目されたい特別な発表会などの行事もあります。そういったときには、その子だけのために、優先的に時間をとってあげてもいいかもしれません。たとえば、ASDを持つお子さんが、じっと座っていることが難しい場合には、他の用事をつくってあげるなどして、別々に過ごすようにしてもいいでしょう。

おわりに

 もしあなたのお子さんが、今すでに悩んでいるようでしたら、まずゆっくり話を聞いてあげてください。また医療機関や地域の相談機関に相談してみてもいいでしょう。子どもたちにとっては、話すことを通して、自分の気持ちを理解したり、意見を尊重してもらうことが、今後の大きな助けになります。
 大人になると、独立・結婚などに際し、幼いころとはまた違った心配がでてきたり、孤独に感じるようなこともあるかもしれません。家族会などを通じて、ASD児をきょうだいにもつ子どもたちの気持ちを理解してくれる人たちと接点を持つことが、よい対処法になることもあります。現在堺市内で活動されている家族会には以下のようなものがあります。

 このハンドアウトは、大阪大学子どものこころの分子統御機構研究センターが、アメリカ小児科学会の一連のハンドアウト集 “Autism:Caring for Children with Autism Spectrum Disorders” のSiblingissuesのハンドアウトを、日本の実情に適した形に加筆したものです。

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