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子どもの受動喫煙による健康影響

更新日:2022年7月7日

子どもへの受動喫煙による健康影響について、「喫煙と健康」喫煙の健康影響に関する検討会報告書にまとめられています。

子どもの受動喫煙が、子どもの健康に影響を与えることがわかっています。
また、たばこは、子どもの家庭用品等の誤飲事故の主要な原因の一つです。

たばこの受動喫煙と疾患等との因果関係の判定結果(子どもの受動喫煙による健康影響)

たばこの健康影響について、疫学研究などの科学的知見を系統的にレビューし、一致性、強固性、時間的前後関係、生物学的な機序、量反応関係、禁煙後のリスク減少の有無などを総合的に吟味したうえで、たばこと疾患等との因果関係(その要因を変化させることで当該疾患の発生を減らすか、遅らせることができること)が判定されています。

  レベル1 科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である。
  レベル2 科学的証拠は、因果関係を示唆しているが十分ではない。
  レベル3 科学的証拠は、因果関係の有無を推定するのに不十分である。
  レベル4 科学的証拠は、因果関係がないことを示唆している。

母子への影響
子どもの受動喫煙 因果関係の判定
喘息の既往

レベル1(十分)

喘息の重症化 レベル2(示唆的)
子どもの呼吸機能低下 レベル2(示唆的)
中耳疾患 レベル2(示唆的)
乳幼児突然死症候群(SIDS) レベル1(十分)
う蝕 レベル2(示唆的)
親の喫煙と子どもの健康影響
親の喫煙 因果関係の判定
子どものぜんそく発症 レベル2(示唆的)
学童期の咳 レベル2(示唆的)
学童期の痰

レベル2(示唆的)

学童期の喘鳴 レベル2(示唆的)
学童期の息切れ レベル2(示唆的)

誤飲事故

子どもの家庭用品等の誤飲事故の主要な原因の一つにたばこがあります。
誤飲事故の背景には、家庭内の喫煙者の数が多いこと、居間・台所・こたつ等の上にたばこや灰皿が置いてある、またはそこで喫煙することがあるなどがあります。

市販の紙巻きたばこには、1本あたり16から24ミリグラムのニコチンが含まれています。
ニコチンの急性致死量は、成人で40から60ミリグラム、幼児では、10から20ミリグラムですが、ニコチンの催吐作用等により、たばこを吐き出してしまうことが多いため、たばこ誤飲事故による中毒症状の出現頻度は低く、重症化することも稀とはされています。
しかし、たばこを水に浸すとニコチンが速やかに溶出し、その浸出液は高濃度のニコチン溶液となるため、それを飲んだ場合には、重篤な中毒症状を引き起こします。

小さな子どものいる家庭では、誤飲事故の予防に努めていただくことが大切です。

親の喫煙状況によって、子どもの尿内コチニン濃度(ニコチンの代謝物質)が高くなります。

一緒にいる時間が長くなる可能性の高い母親の喫煙状況が、父親以上に児童の尿中コチニン濃度を高くする要因であることが示されています。
さらに両親以外に祖父母の喫煙があると、約1.5から2倍もコチニン濃度が高くなることが示されています。

喫煙場所

両親の喫煙状況と子どもの尿中ニコチン濃度の関係

喫煙場所に関して、換気扇の下や,ベランダ・屋外で喫煙していても、たばこを吸わない両親の子どもに比べて数倍高いことが示されています。

【UICC(国際対がん連合)】「たばこの煙から子どもたちを守るには」

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