宝物集 巻第三
更新日:2012年12月19日
指定区分
堺市指定有形文化財
説明
宝物集は、鎌倉時代、平康頼により書かれた仏教説話的内容を持つ書物で、人間にとっての宝は何かを、嵯峨釈迦堂にて夜を徹して語り合い、仏法が最高のものという考えに至るという構成をなしています。この宝物集の内容は、宗祖日蓮が説法や法談を説く際に様々に用いたため、同宗派内では幾度となく書写されていたようです。この妙國寺本は、写本中で年記が明らかな最も古い写本と言われている、弘安10年(1287)に日春が書写した静岡県沼津市・光長寺本(重要文化財)との共通性を持つ写本で、日こう(にちこう※)22歳の時、天文22年(1553)8月22日に書写を終えた旨の自筆奥書があります。
本資料は、日こう自筆というばかりでなく、宗祖日蓮への追慕と教学の支えとして写したものとも考えられます。尚、妙國寺には現在、巻第三の一冊のみが現存していますが、その他の巻の書写も想定されます。
己行記(こぎょうき)同様、天明7年(1787)7月、妙國寺第25世・日虔(にちけん)により表装が整えられた旨の書付があります。
所有者
妙國寺(堺市博物館寄託)
特徴・大きさ
紙本墨書、冊子装(28丁)、縦24.0センチメートル×横18.8センチメートル
時代
安土桃山時代
指定年月日
平成20年7月17日
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