丹比廃寺塔跡
更新日:2021年10月15日
指定区分
大阪府指定史跡
説明
本地には、弘仁年間(810年~824年)に弘法大師により開創された徳泉寺という寺院があったと伝えられていましたが、本地周辺では、以前から古瓦が採集されており、また過去の地下げの際に塔心礎や礎石も掘り出されており、出土した軒丸瓦の年代観から、徳泉寺よりも時代の遡る、7世紀後半創建の白鳳時代に属する寺院跡の存在が指摘されていました。
当該地には、市道をはさんで高さ約1.2メートルの基壇状の高まりが南北に残り、前述の塔心礎や古代瓦の存在によって、これが白鳳時代の寺院に伴う塔基壇である可能性が高いと推定されていましたが、平成20年2月の大阪府教育委員会による発掘調査の結果、南側の高まりについては、版築(はんちく)を伴う基壇が良好に遺存していることが確認され、この高まりが白鳳寺院の塔基壇である可能性がさらに高まりました。
古代河内国丹比(たじひ)郡における白鳳寺院のうち、伽藍配置や遺構の内容が明らかなものは数少なく、本地の高まりは、当時この周辺にいた丹比(たじひ)氏という有力氏族が建立した丹比(たんぴ)廃寺の塔基壇と考えられ、大阪府内でも貴重な古代寺院関連遺構と言えます。
なお、この寺院には、金堂や講堂などがあったと思われますが、場所などは一切不明で、基壇上にある塔跡の心礎と礎石も現在は元の位置からは動かされています。
丹比廃寺塔跡
所在地
堺市美原区多治井(たじい)884-1、884-3
地図情報は「堺市e-地図帳(外部リンク)」をご覧ください。
所有者
国 (財務省近畿財務局)
面積
326.74平方メートル
時代
白鳳時代(7世紀後半)
指定年月日
昭和31年1月18日「大阪府古文化紀念物等保存顕彰規則」指定
平成21年1月16日「大阪府文化財保護条例」指定に変更
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