真政圓忍律師坐像
更新日:2018年9月3日
指定区分
堺市指定有形文化財
説明
本像は、和泉国大鳥郡和田谷(現在の南区美木多地区)の真言宗の古刹 放光寺(ほうこうじ)の本堂に安置されている高僧像です。額(ひたい)に刻まれた皺(しわ)や頬骨(ほおぼね)の張り具合、口端などが軽く左へ吊り気味で左右対称ではない様子など、写実性が高く、像主を前にして制作されたと推定されます。
像底には朱漆で、「菩薩戒大比丘/真政坊圓忍/六十六歳壽影/存日奉模真容者也/延寳二年九月三日/願主弟子忍空」 と記されており、この像が真言律(しんごんりつ)の高僧 真政圓忍(しんせいえんにん)(1609~1677年)が存命中に制作された像であることがわかります。
圓忍は加賀国出身、近世戒律(かいりつ)復興の中心人物の一人で、大鳥大社の神宮寺であった神鳳寺(じんぽうじ)(現在は廃寺)の住職をつとめました。神鳳寺は西明寺(さいみょうじ)、野中寺(やちゅうじ)と並んで「律の三僧坊」として多くの学僧を集める戒律の道場として知られていました。
本像は神鳳寺を中心に展開した江戸時代の戒律復興運動を象徴する作品であり、制作年代及びその事情や背景が判明している写実彫刻として大変貴重です。
真政円忍律師坐像
所在地
堺市南区美木多上177
所有者
宗教法人 放光寺
大きさ
像高35.5センチメートル
時代
江戸時代 延宝二年(1674)
指定年月日
平成30年2月16日
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