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旅人の信仰を集めた石塔

更新日:2024年1月11日

 榎宝篋印塔(えのきのほうきょういんとう)と呼ばれるこの塔は、花崗岩(かこうがん)製で高さ約4.39メートル、三重の基壇の上に据えられた基礎石には碑文が、塔身の四方には種子(しゅじ・梵字)が刻まれています。

 昭和30年に行われた解体修理の結果、塔の内部から宝篋印陀羅尼経(ほうきょういんだらにきょう)、塔建立の趣意書、寄進者の氏名・金額等を記した奉加帳など、この塔の由来を明らかにする数多くの品々が見つかりました。

 趣意書の内容により、この塔は慶安元年(1648)夢幻永海(むげんえいかい)という僧が、近在の人々に呼びかけ、数年の歳月を費やして勧進し、建立されたものであることがわかりました。また、この塔を路傍(ろぼう)に据え置いて、道を行き交う数多くの人々と良縁を結びたいと記されています。

 竹内(たけのうち)街道と西高野(にしこうや)街道との分岐点にもほど近く、江戸時代における交通の要であったこの場所に立つ榎宝篋印塔は、地域の人々の信仰対象であるというだけでなく長旅に疲れた旅人や、旅立ちに際して道中の無事を祈る人達の信仰を集めながら、350年もの間、静かに人々の生活を見つめ続けてきたのです。

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