このページの先頭です

本文ここから

腸管出血性大腸菌O157予防策

更新日:2024年3月13日

 腸管出血性大腸菌は、感染すると激しい腹痛、下痢、血便などを引き起こし、乳幼児や高齢者では重症になりやすいので注意が必要です。
 少量の菌で感染するため、不注意な取扱いで感染を広げることもありますが、食品の洗浄や加熱など、食品の衛生的な取扱いを心がけることで十分予防することができます。

腸管出血性大腸菌について

大腸菌は健康な人の腸管内にも存在し、そのほとんどのものが無害です。しかし、このうち、ベロ毒素を産生し出血を伴う腸炎などを引き起こすものを「腸管出血性大腸菌」といい、「O157」や「O26」、「O111」などがあります。

「O157」の最大の特徴は、強い毒性をもった「ベロ毒素」を産生することです。このベロ毒素が体内にとりこまれると、腸管内をただれさせ、激しい腹痛と出血性の下痢症状を引き起こします。感染力も強く、一般に知られている食中毒菌が100万個以上の菌がないと発症しないのに対し、「O157」は100個程度の菌で発症するといわれています。

症状

「O157」は体内に入ってから発症まで通常3~8日かかります。
全く症状がないものから、軽い腹痛や下痢で終わるもの、さらには激しい腹痛、頻回の水様便、血便がみられるものまで、症状は様々です。
特に、激しい腹痛と血便がある場合には、腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な合併症を引き起こし、死に至ることがあります。HUSは子どもと高齢者に起こりやすいので注意が必要です。

感染症(食べ物を介さない感染)

 O157は感染力が強いため、患者や患者の介護(オムツ交換等)をした人の手洗いが不十分だと感染が広がります。また、家庭における風呂、保育園での子ども用簡易プールによる感染もおきています。
 このほか、ウシやヤギといった動物とのふれあいが原因の感染も報告されています。O157に限らず、動物は人間に有害な菌を保有していることがあります。動物の糞便に直接触れたり、キスなど過剰な接触、飲食しながらの接触はしないようにし、ふれあい後には必ず石けんで手を洗うことが大切です。

プールなどでの感染について

 遊泳用プールは、衛生基準が設定されているので、定期的に塩素濃度を測定し、殺菌力が低下した場合には殺菌剤を追加するとともに、プールの水に大腸菌が含まれていないかどうか検査しています。
 子ども用簡易プールについては、水道水を利用し、使用のたびに水を交換するとともに、下痢をしている子どもはプールに入らせないようにしましょう。なお、水道水の残留塩素濃度は、蛇口部分で0.1ミリグラム/L以上と定められており、この濃度で大腸菌は十分死滅するので、一般に水道水は安全です。

食中毒(食べ物を介した感染)

 O157は、牛など家畜の腸内にいる菌で、家畜や感染者の糞便を通して汚染された食品や水を飲食することで感染します。
 これまでに食中毒の原因と推定されたものは、焼肉、牛生レバー、ユッケ、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキなど、牛肉に由来するものが多く、これらを生や加熱不足で食べたことが大きな要因です。
 また、感染者の糞便等から二次汚染による場合は、井戸水、イクラ醤油漬、キャベツ、漬物など、様々な食材が原因になっています。

牛肉の取扱いについて

 焼肉のとき、生食用の取り箸やトングは、必ず専用にしていますか?
 O157は生肉をつかんだ箸先につく程度の少ない菌量で発症しますので、生肉用の箸を口に入れないよう気をつけましょう。

 肉の生食(ユッケや生レバーなど)はしていませんか?
 肉は加熱調理が基本です。特に、子どもや高齢者は生で食べないようにしてください。

 肉の表示は確認していますか?
 肉を結着したもの、タレにつけこんで味付けしたものなど、加工処理されたステーキ肉が多く流通しています。これらは、内部が菌に汚染されている可能性があるので、十分に加熱するよう表示があります。調理の際には表示もよく確認しましょう。

食中毒予防の三原則

 腸管出血性大腸菌は、他の食中毒菌と同じで、加熱や消毒薬により死滅します。家庭では、通常の食中毒対策を確実に行うことで、十分に予防できます。

症状がでた場合 ~二次感染を防ぐために~

解説動画

このページの作成担当

健康福祉局 保健所 食品衛生課

電話番号:072-222-9925

ファクス:072-222-1406

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所本館6階

このページの作成担当にメールを送る
本文ここまで