○堺市救助隊業務規程

平成20年10年1月

消防長庁達第27号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 救助業務の管理(第3条―第5条)

第3章 救助資機材の管理(第6条―第8条)

第4章 教育訓練(第9条―第11条)

第5章 救助活動(第12条―第22条)

第6章 特殊救助事故対策(第23条・第24条)

第7章 国際消防救助隊(第25条)

第8章 雑則(第26条・第27条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、別に定めるもののほか、救助活動及びこれに関連する業務の適正かつ効率的な運営を図るために必要な事項について定める。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 救助活動 災害により生命又は身体に危険が及んでおり、かつ、自らその危険を排除することができない者(以下「要救助者」という。)について、消防法(昭和23年法律第186号)に基づき、その危険を排除し、かつ、安全な状態に救出することにより人命の救助を行うことをいう。

(2) 救助業務 救助活動のほか、救助活動に係る業務計画、救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令(昭和61年自治省令第22号。以下「省令」という。)に基づく救助工作車及び特殊災害対応自動車並びに救助器具等の配置、救助技術の研究、救助訓練、救助隊員の育成指導、救助に係る統計及び情報収集、国際消防救助隊並びにこれらに類する業務をいう。

(3) 特別高度救助隊 省令に基づき配置された救助隊員(以下「隊員」という。)並びに救助器具等を保有した救助工作車及び特殊災害対応自動車の一隊をいう。

(4) 高度救助隊 隊員及び救助器具等を保有した救助工作車の一隊をいう。

(5) 署救助隊 隊員及び救助器具等の一部を保有した消防自動車の一隊をいう。

(平25消防長庁達19・令3消防長庁達5・一改)

第2章 救助業務の管理

(救助活動の管理責任)

第3条 警防部長は、管轄区域内の救助に関する事情の実態を把握し、これに対応する救助業務の執行態勢の確立を図り、救助業務の実施体制に万全を期さなければならない。

2 警防課長及び消防署長(以下これらを「警防課長等」という。)は、この規程の定めるところにより、相互に密接な連携を図るとともに、所属職員を指揮監督し、救助業務の実施体制に万全を期さなければならない。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・令6消防長庁達1・一改)

(救助隊の編成及び配置の原則)

第4条 特別高度救助隊及び高度救助隊は5人以上の隊員で、署救助隊は1小隊につき3人以上の隊員で編成するものとする。

2 前項の規定により編成された特別高度救助隊及び高度救助隊並びに署救助隊(以下「救助隊」という。)については、その編成された隊員のうち1人を、特別高度救助隊及び高度救助隊にあっては救助隊長と、署救助隊にあっては救助小隊長とする。

3 救助隊長又は救助小隊長(以下「救助隊長等」という。)に事故があるときは、警防課長等が別に指名する者がその職務を代行する。

4 特別高度救助隊及び高度救助隊は警防課に、署救助隊は消防署及び消防分署に配置するものとする。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・平30消防長庁達4・令3消防長庁達5・令4消防長庁達2・一改)

(隊員の選任等)

第5条 警防課長等は、総務部長の定めるところにより実施する体力測定の結果が、総合評価Aである者(これらと同等の結果を有していると認める者を含む。)で、次の各号のいずれかに該当するもののうちから、隊員を選任しなければならない。

(1) 消防大学校における専科教育救助科若しくは緊急消防援助隊教育科のうち高度救助・特別高度救助コース若しくはNBCコースを修了した者又は消防学校の教育訓練の基準(平成15年消防庁告示第3号)に基づき実施される専科教育救助科を修了した者

(2) 意思強固で特殊な防災業務にも耐えることのできる体力、気力、判断力等を有すると警防課長等が認める者

2 警防課長等は、前項の規定により選任した隊員のうちから、消防司令又は消防司令補の階級にあるものを救助隊長等として選任するものとする。ただし、警防課長等がやむを得ないと認めるときは、この限りでない。

(平24消防長庁達8・平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・令3消防長庁達5・一改)

第3章 救助資機材の管理

(救助器具等の開発等)

第6条 警防課長等は、効果的な救助活動を推進するため、救助器具等の開発改善及び整備に努めるとともに、その運用状況を把握し、適正な配置に努めなければならない。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・一改)

(救助器具等の点検)

第7条 警防課長等は、救助隊に配置されている救助器具等の効果的な運用を図るため、次の各号に定める点検整備を行い、その適正な管理に努めるものとする。

(1) 交替時点検 交替時に救助器具等の機能、数量等について行うもの

(2) 日々点検 別表に定める救助器具等日々点検表に基づき行うもの

(3) 使用後点検 救助器具等の使用後、交替時点検に準じて行うもの

(4) 臨時点検 必要に応じて行うもの

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・平30消防長庁達4・令3消防長庁達5・令6消防長庁達1・一改)

(救助器具等の整備記録)

第8条 警防課長等は、前条に掲げる点検を実施した場合は、救助器具等点検表(別記様式)に必要事項を記録し、常にその実態を把握しておかなければならない。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・令6消防長庁達1・一改)

第4章 教育訓練

(隊員の教育訓練及び安全管理)

第9条 警防課長等は、隊員に対し、救助活動を行うために必要な知識及び技能を習得させ、体力の向上を図るため、計画的に教育訓練を実施するよう努めなければならない。

2 特別高度救助隊及び高度救助隊は、署救助隊の指導に当たるものとする。

3 警防課長等は、第1項の訓練を実施する場合は、警防部長の定めるところにより隊員の安全管理に十分配慮しなければならない。

4 隊員は、平素から救助活動を行うために必要な知識、技術及び体力の向上を図り、いかなる災害にも適切に対応できる臨機の判断力及び行動力を養うよう努めなければならない。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・令3消防長庁達5・一改)

(教育訓練基本計画)

第10条 警防課長は、教育訓練を実施するに当たっては、次に掲げる事項を内容とする教育訓練基本計画を作成しなければならない。

(1) 教育訓練の目標、内容及び実施方法に関する事項

(2) 隊員の安全管理対策に関する事項

(3) 教育訓練に必要な施設又は設備の整備計画に関する事項

(4) 教育訓練に当たる指導者の確保及び養成対策に関する事項

(5) 前各号に掲げるもののほか、教育訓練を効果的かつ安全に実施するために必要な事項

2 警防課長は、前項の教育訓練基本計画を作成し、又は修正したときは、警防部長に報告し、その審査を受けなければならない。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・一改)

(教育訓練実施計画)

第11条 警防課長は、前条の教育訓練基本計画に基づき、次に掲げる事項を内容とする教育訓練実施計画を作成しなければならない。

(1) 年間の目標、内容及び実施方法に関する事項

(2) 教育訓練の対象者に関する事項

(3) 教育訓練の時間数及び実施時期に関する事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、教育訓練を円滑に実施するために必要な事項

2 警防課長は、署長から要請があった場合又は必要があると認める場合は、前項の教育訓練実施計画に従い、署救助隊の救助活動の指導に当たるものとする。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・令3消防長庁達5・一改)

第5章 救助活動

(出場区分)

第12条 救助隊の出場区分は、別に定める。

(令3消防長庁達5・一改)

(服装)

第13条 隊員は、救助活動に際して堺市消防職員服制規則施行規程(平成20年消防長庁達第7号)に基づく救助隊服装を着用するものとする。ただし、署救助隊員については、この限りでない。

(令3消防長庁達5・一改)

(現場指揮)

第14条 災害現場における指揮体制は、堺市警防規程(平成20年消防長庁達第26号)に定めるところによる。

(救助活動の原則)

第15条 救助活動は、要救助者の安全確保を優先し、次により行わなければならない。

(1) 他の災害活動に優先して行うこと。

(2) 災害の特殊性、危険性及び事故内容等を判断し、安全、確実かつ迅速に行うこと。

(3) 隊員相互の連絡を密にし、単独で行動しないこと。

(4) 隊員は、任務分担を遵守し、救助技術を効率的に発揮すること。

(5) 進入して活動する場合は、必ず退路を確保すること。

(他の部隊との連携)

第16条 救助隊長等は、救助隊以外の隊と常に連絡を密にし、救助活動を円滑に実施するよう努めなければならない。

(救助活動への協力依頼)

第17条 救助隊長等は、救助活動に際して救助隊以外の隊の支援が必要な場合は、救助隊以外の隊に対して支援活動を求めることができる。

(救助隊長等の任務)

第18条 救助隊長等は、所属の隊員を指揮監督し、救助活動の円滑な遂行に努めなければならない。

2 隊員は、常に救助活動遂行上、必要な知識及び救助器具等の技能の習得に努めなければならない。

(救助活動の中断)

第19条 救助隊長等は、災害の状況、救助活動に係る環境の変化、天候の変化等から判断して救助活動を継続することが著しく困難であると予測される場合は、救助活動の中断その他適切な処置を現場最高指揮者(災害現場において最高の指揮権を有する者をいう。)に具申することができる。

(平25消防長庁達19・一改)

(関係機関との連携)

第20条 救助隊長等は、救助活動に当たり関係機関との連携が必要と認められる場合は、通信指令課へその旨の依頼を行うとともに、救助活動に支障のない範囲で、現場保存に留意しなければならない。

(救助調査)

第21条 救助活動に関する調査については、別に定める。

(出場報告)

第22条 救助活動における出場報告は、堺市警防規程(平成20年消防長庁達第26号)第71条に定めるところによる。

2 前項の規定は、救助隊以外の隊が救助のために出場した場合について準用する。

(令元消防長庁達11・全改)

第6章 特殊救助事故対策

(特殊救助事故の対応)

第23条 平常の救助体制で対応することが困難な特殊な救助事故が発生した場合における救助及びその他の対応については、この規程に定めるもののほか、別に定めるところによる。

(令6消防長庁達1・一改)

(特異救助事故の報告)

第24条 警防課長等は、特異な救助事故が発生した場合は、警防部長に報告するとともに、必要に応じ消防局長に報告しなければならない。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・令3消防長庁達5・一改)

第7章 国際消防救助隊

(国際消防救助隊の出動)

第25条 警防課長は、国際緊急援助隊の派遣に関する法律(昭和62年法律第93号。以下「法」という。)第4条第5項の規定による要請の可能性がある災害の発生を覚知した場合は、災害の規模、被災地域、被災人員その他必要な情報の収集に努めるとともに、出動に備えるものとする。

2 法第4条第5項の規定による要請を受けた場合は、堺市国際消防救助隊出動計画に基づき出動するものとする。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・一改)

第8章 雑則

(救助統計)

第26条 警防課長は、救助に係る統計を分析し、救助業務の推進に資するとともに、必要に応じて関係所属長に通知するものとする。

(平25消防長庁達19・平29消防長庁達3・一改)

(水難救助活動)

第27条 水難救助活動について必要な事項は、別に定める。

この庁達は、示達の日から施行する。

(平成24年3月29日消防長庁達第8号)

この庁達は、示達の日から施行する。

(平成25年3月29日消防長庁達第19号)

この庁達は、平成25年4月1日から施行する。

(平成29年3月29日消防長庁達第3号)

この庁達は、平成29年4月1日から施行する。

(平成30年3月30日消防長庁達第4号)

この庁達は、平成30年4月1日から施行する。

(令和元年12月3日消防長庁達第11号)

この庁達は、令和元年12月4日から施行する。

(令和3年3月25日消防長庁達第5号)

この庁達は、令和3年4月1日から施行する。

(令和4年3月15日消防長庁達第2号)

この庁達は、令和4年4月1日から施行する。

(令和6年1月30日消防長庁達第1号)

この庁達は、令和6年4月1日から施行する。

別表(第7条関係)

(令6消防長庁達1・全改)

救助器具等日々点検表

分類

品名

1 11 21 31

一般救助用器具

検索用器具

かぎ付きはしご 三連はしご ワイヤはしご 空気式救助マット

救命索発射銃 サバイバースリング

ロープ カラビナ 滑車 簡易画像探索機

2 12 22

重量物排除用器具

油圧ジャッキ 油圧スプレッダー 可搬ウインチ ワイヤロープ

マンホール救助器具 マット型空気ジャッキ一式

大型油圧スプレッダー 救助用支柱器具 チェーンブロック

3 13 23

切断用器具

油圧切断機 エンジンカッター ガス溶断器 チェーンソー

鉄線カッター 空気鋸 大型油圧切断機 空気切断機

コンクリート・鉄筋切断用チェーンソー

4 14 24

破壊用器具

万能斧 ハンマー 携帯用コンクリート破壊器具 削岩機

ハンマドリル

5 15 25

検知・測定用器具

除染用器具

生物剤検知器 化学剤検知器 可燃性ガス測定器

有毒ガス測定器 酸素濃度測定器 放射線測定器

除染シャワー 除染剤散布器

6 16 26

呼吸保護用器具

酸素呼吸器 簡易呼吸器 防塵マスク 送排風機

エアラインマスク

7 17 27

隊員保護用器具

耐電手袋 安全帯 防塵メガネ 携帯警報器 防毒マスク

化学防護服 陽圧式化学防護服 耐熱服 放射線防護服

耐電衣 耐電ズボン 耐電長靴 特殊ヘルメット

8 18 28

水難救助用器具

山岳救助用器具

潜水器具一式 流水救助器具一式 救命胴衣 水中投光器

救命浮環 浮標 救命ボート 船外機 水中スクーター

水中無線機 水中時計 水中テレビカメラ

登山器具一式 バスケット担架

9 19 29

その他の救助用器具

投光器一式 携帯投光器 携帯拡声器 応急処置用セット

車両移動器具 その他の携帯救助工具 緩降機 ロープ登降機

救助用降下機

10 20 30

高度救助用器具

画像探索機 地中音響探知機 熱画像直視装置

夜間用暗視装置 地震警報器 電磁波探査装置

二酸化炭素探査装置 水中探査装置

毎日

呼吸保護用器具

その他の救助用器具

空気呼吸器 携帯無線機

(令6消防長庁達1・全改)

画像画像画像画像

堺市救助隊業務規程

平成20年10月1日 消防長庁達第27号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第16編 防/第4章
沿革情報
平成20年10月1日 消防長庁達第27号
平成24年3月29日 消防長庁達第8号
平成25年3月29日 消防長庁達第19号
平成29年3月29日 消防長庁達第3号
平成30年3月30日 消防長庁達第4号
令和元年12月3日 消防長庁達第11号
令和3年3月25日 消防長庁達第5号
令和4年3月15日 消防長庁達第2号
令和6年1月30日 消防長庁達第1号