後援社挨拶
更新日:2012年12月19日
朝日新聞大阪本社 阿部 圭介 編集局長
「自由都市・堺 平和貢献賞」を後援する朝日新聞社を代表して、ごあいさつとお祝いを申し上げます。
今回、大賞を受賞されたミャンマー民主化運動指導者のアウンサンスーチーさん、および東日本大震災の復興支援に取り組んでこられた台湾赤十字組織のみなさま、そして奨励賞を受けられたNGOのミンダナオ子ども図書館館長の松居友さん、本当におめでとうございます。
また、「都市の発展には平和が欠かせない」として、政令指定都市移行を機に本賞を創設し、続けてこられた堺市と、上田正昭先生をはじめとした選考委員のみなさまには心からの敬意を表します。本当にありがとうございます。
受賞されたみなさまに関して、ひとことずつ申し上げたいと思います。
アウンサンスーチーさんについては、今さらご紹介する必要もないほどの方ですが、1988年以来、彼女が続けてきたミャンマーの民主化運動が実を結び、今年、大きく事態が変化したことに改めて驚きを禁じ得ません。本日は残念ながら欠席なさっていますが、交流を続けてこられた神戸大学名誉教授の大津定美さんや、大阪市の山地和歌子さん、吹田市の畳谷久仁子さんをはじめとして、関西にはゆかりの方々がおられます。そうした方々とともに、受賞をお祝いしたいと思います。
今回の東日本大震災の復興支援に大変ご尽力をいただいているのが台湾赤十字組織のみなさまです。ボランティアの一人、王建魁さんは朝日新聞のインタビューに対して「台湾も自然災害が多く、そのたびに日本に助けてもらっている。今度は当然、わたしたちが助けるべきだと思った」と答えています。日本赤十字社が受け付けた海外救援金約580億円のうち、台湾赤十字からの救援金は米国に次いでおり、アジアでは最大です。台湾からの支援の大半は東北3県の被災地の公営住宅建設や病院再建などに充てられると聞いております。
奨励賞を受けられるのは、ミンダナオ子ども図書館の松居友館長です。ミンダナオ島は武装勢力と政府との紛争が続くフィリピン南部の島です。児童文学者の松居さんは、2001年に現地の避難民キャンプを訪れたことをきっかけに移住を決め、以来、絵本を読み聞かせる移動図書館活動を続けておられます。「孤独や重荷を背負ってきた子どもたちに、ほっとする場所を提供したい」とおっしゃっています。
一自治体としては異例の取り組みを続けてこられた堺市のさらなる発展と、受賞者、受賞団体の一層のご活躍を祈念し、あわせて会場にお集まりいただいたみなさまのさらなるご支援をお願いして、ご挨拶とさせていただきます。
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